【のんかふぇSS】璃音「血に飢えた吸血鬼ども」 (12)

※『コミック電撃だいおうじ』連載中の『のんかふぇ』(カヅホ)のSSです。
 短いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473502830

あおい「…」カチャカチャ

椛「血が苦手なのを克服しようと思う」

マキル「おー」

椛「それでムカつく奴を気が済むまでボコる」

七美「だってさ」

璃音「ごめん、何言ってるか全然分かんないや」

璃音「それよりねーねー、さっきから何してんの?」

七美「ゴミの分別?」

あおい「違います!」キッ

あおい「金継ぎをしているんです」

璃音「金継ぎ?」

あおい「割れたり欠けたりした茶器を修復するための伝統的な技法です」

七美「へー、何だそれ?」

あおい「欠けた部分同士を漆を使って接着するんです」

あおい「漆が乾けばほら、元通りに」ペカー

璃音「えー、ヒビが入った茶碗を使うとか貧乏くさーい」

椛「新しいのを買えばいいだろ」

あおい「なんでも新しく買えばいいというものではありません!」

あおい「壊れたからと言ってすぐに捨てるのではなく、修理して一つの物を大事に使い続ける…」

あおい「それがわびさびの心というものです」

七美「なるほど、いいこと聞いた」ポン

七美「それじゃ、いっちょワビサビ度アップのために協力するか!」ガシャン!

璃音「えいっ!」バリン!

あおい「何をするんですか!?」

あおい「やめてください!」ヒュッ

七美「がっ」ガン!

璃音「へぶっ」ゴン!

ガチャーン!

あおい「茶器をわざと壊すような真似はしないでください」

マキル「わざととは…」

あおい「用がないならそろそろ帰ってくれませんか?」

七美「おっそうだ、忘れてた」

七美「椛が苦手を克服したいんだとさ、協力してくんない?」

あおい「私には関係ありません」

七美「えー、何でだよー?つれないなー」

七美「私たち友達だろー?友達が困ってるんだから協力してくれたっていいじゃん」

あおい「友達ではなく部外者ですが?」

七美「ほう?いいのかなそんなこと言って…」

あおい「な、何ですか…?」

七美「また茶室がゲロまみれになっても」フフフ

あおい「脅しですか!?」

あおい「…まあいずれにせよ、貴女たちがさっさと出ていけばそういうことにはなりませんが?」

七美「ちぇー、ヤマは冷たいなー」ブーブー

七美「そうするとどうしたもんかなー?」

マキル「いい方法がある」ゴソゴソ

マキル「これを使う」チャラッ

七美「おっ、催眠術?」

椛「そんなもん効くわけないだろ」

マキル「論より証拠、試せば分かる」

マキル「…あなたはだんだん血を好きになーる」プラプラ

七美「いや、それは意味が違うような…」

椛「ん…」トローン

璃音「お、やっぱり頭が単純で信じこみやすいバカには効くのかな?」ケラケラ

椛「…」ドゴォ!

璃音「いきなり何するの…」ポタポタ

マキル「どう?」

椛「確かに効いてるみたいだな」

璃音「効くの早すぎでしょ!?」

椛「さてと…」ボキボキ

璃音「いやいや、おかしいって!まだ私何もしてないのに!」

椛「悪い芽は早めに摘んどかないとな…」

璃音「ちょ、ちょっと待った!」

璃音「たかが鼻血程度でなに余裕ぶっこいてくれちゃってんの?」

椛「あ?」イラッ

マキル「一理ある」

マキル「もっと景気よく出すべき」ザクッ!

璃音「え?」

璃音「」ブシュー!

マキル「頸動脈を切ってみた」

七美「おいいいい!?」

マキル「これがホントの出血大サービス」

七美「言ってる場合か!!」

あおい「茶室をスプラッターハウスにする気ですか!?」

あおい「早く出て行ってください!」ドカッ!

璃音「」

椛「てめぇ!人の服を血で汚しやがって!」バキィッ!

璃音「」

マキル「大量出血も平気みたい」

七美「いやいや…」

七美「さすがにこれは死んだんじゃないか…?」

マキル「大丈夫、金継ぎの要領で傷口に漆を塗ればふさがる」ペタペタ

璃音「うっ…」パチ

璃音「うぎゃあああ!!」

璃音「かぶれる!かぶれる!」

七美「あっ、生きてた」

璃音「お、お前らそれでも人間か…!?」ヨロッ

璃音「クソッ、こうなったら…」

璃音「貴様ら全員裁きの炎に灼かれてしまえ!」ボッ!

七美「また火かよ!?」

あおい「いったいどこから出したんですか!?」

七美「…だが甘い!」

七美「こんな事もあろうかと茶室全体に防火塗料が塗ってあるのさ!」

マキル「おお」

あおい「貴女の判断としては割とまともですね」

璃音「ぬうう…」ギリギリ

璃音「ぐっ…」ドサ

カラン…

マキル「倒れた」

椛「そりゃあれだけ出血すりゃな」

モクモク

あおい「おや、煙が」

あおい「…しかし防火塗料を塗ってあるはずでは?」

七美「あー、マズいな…」

七美「熱で溶けて気化し始めてる」

あおい「何ですって!?」

七美「安物を使ったからかなー?」

あおい「悠長に言ってる場合ですか!」

七美「ちなみにこの煙自体も有毒だと思うよ?」

あおい「だから悠長に言ってる場合ではないでしょう!!」

椛「どけクソチビ!出られないだろうが!」ガッ!

椛「クソッ、なんでこのバカこんなに重いんだ!?」

マキル「ドアも開かない」

あおい「となると…」

あおい「ゲホゲホゲホゴホッ!!」

椛「オヴェエエエエ!!」ビチャビチャッ

マキル「」

七美「結局こうなるのか…」

おわりです。
次はカガクチョップかキルミーベイベーのSSを書きたいと思います。

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