【ゆるゆり】櫻子「今日は櫻子さまの誕生日だー!」 (70)



櫻子「・・・というワケで、みんなから誕生日プレゼントを山ほど貰えるにちがいない!」

櫻子「なぜなら、櫻子さまはみんなの人気ものだからだー!」

櫻子「さーて、今日はいつもより張りきって学校行くぞー!

櫻子「おー!」



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(教室)

ガラ

櫻子「やー。あかりちゃんにちなつちゃん、おはよー!」

あかり「あ、おはよー櫻子ちゃん」

ちなつ「おはよー」



櫻子「・・・」ジー

あかり「・・・ん?どうしたの櫻子ちゃん」

ちなつ「ジーって見つめて」

櫻子(ふっふっふ、しらばっくれてる・・・。私はちゃーんとお見通しだからねー)



櫻子「・・・そうだよねー。朝イチでいきなりだとなんか味けないもんねー。うんうん」

あかり「え、い、一体何の話だろ?」

ちなつ「え?さ、さぁ・・・」



櫻子「期待してるよ、あかりちゃんにちなつちゃん」

あかり「え、う、うん・・・?」

ちなつ「変な櫻子ちゃん・・・」


ガラ

向日葵「皆さん、おはようございます」



あかり「あ、おはよう向日葵ちゃん」

櫻子「おっそいよ、向日葵ー」

向日葵「悪かったですわね。低血圧のせいで寝坊して・・・」

ちなつ「あ、だから今日遅かったんだね」



櫻子「それより、アレは?」

向日葵「アレ?アレって何ですの?」

櫻子「まったくもー、向日葵までしらばっくれる気ー?まーいいけどさ」



櫻子「こう引っ張られると、期待も膨らむってもんじゃないの!」

向日葵「・・・どうしちゃったんですの櫻子は」

あかり「今朝からずっとこんな感じだよね?」

ちなつ「うん、そうだよね」

―――
――


キ~ンコ~ン・・・

(放課後)

あかり「それじゃ、また明日ー」

ちなつ「生徒会がんばってね」

向日葵「ええ、また明日」

櫻子「・・・」



向日葵「さて、私達も行きましょうか桜子」

櫻子「・・・」

向日葵「ん?どうしたんですの?」

櫻子「・・・あの二人さー、行っちゃったね」

向日葵「え?ええ。二人とも部活がありますからね」

櫻子「・・・そっかー」



櫻子「・・・」

櫻子「ま、いっかー・・・」

向日葵「どうしたんですの、櫻子?」



櫻子「・・・ううん、何でもない。それより、向日葵はアレだよね?」

櫻子「生徒会室で、先輩たちと一緒に・・・って事だよね?」

向日葵「・・・?」



櫻子「ま、まったく盛り上げてくれるじゃないの。さぁ、生徒会に行くぞ向日葵ー!」

向日葵「え、ええ・・・?」

―――
――



~生徒会室~

櫻子「こんにちはー、杉浦先輩に池田先輩!」

向日葵「今日は」

綾乃「今日は、大室さんに古谷さん」

千歳「元気のいい挨拶やなぁ、大室さん」



綾乃「さて、今日はプリント整理も無いし、特にほかにする事も特にないから」

綾乃「二人とも、のんびりしてていいわよ」

櫻子「え?のんびりしていいんですか?」

向日葵「嬉しそうですわね櫻子」



櫻子「やったー!じゃ、お言葉に甘えて・・・」

櫻子「・・・ん?」

向日葵「どうかしましたか桜子?」



櫻子「何も・・・ないんですか?」

綾乃「ん?ええ、そうよ?」

櫻子「本当に?まったく?何も?」

綾乃「え、ええ・・・」



大室「まさか、ドッキリとかじゃありませんよね?」

綾乃「よ、よっぽど信じられないのかしら」

千歳「大室さん、急に仕事振ったりしないからから安心してや?」



櫻子「・・・そうですかー」

綾乃「な、何か急に元気が無くなったわね?」

向日葵「櫻子、アナタそんなに仕事したかったんですの?」

千歳「何なら、ウチの作業手伝う?もうすぐ終わりやけど」



櫻子「・・・ううん、大丈夫です」

向日葵「おかしいですわね。いつもなら今日は楽だぞーとか大騒ぎしますのに」

櫻子「ひ、向日葵!人をそんなサボり魔みたく・・・」ピリリ

櫻子「・・・あ。メールが来た誰からだろ?」ピッ



差出人:あかり

件名:櫻子ちゃんへ

櫻子ちゃん、今忙しいかな?

良かったらごらく部まで着て欲しいんだけど大丈夫?



櫻子「・・・」

櫻子「ふ・・・」

櫻子「ふへへ、へ・・・」



櫻子「何だー、そういう事かー」

櫻子「まったくもー、あかりちゃんってばー!」バシバシ

向日葵「ちょ、ちょっと痛いですわ櫻子・・・」



櫻子「先輩!あかりちゃんに呼ばれたんで、ごらく部に行ってきてもいいですか?」

綾乃「え?ええ、構わないけど・・・」

千歳「何や急に元気になったなぁ」



櫻子「それじゃ!いってきまーす!」ダダダ・・・

向日葵「・・・ものすごい早さで出ていってしまいましたわ」

―――
――


~ごらく部~

ガラ

櫻子「今日はー!あかりちゃん、呼んだー?」ハァハァ

あかり「さ、櫻子ちゃんもう来たの!?早っ!」

ちなつ「あ、汗びっしょりだよ?」

京子「さくっちゃん、ま、まぁ落ち着いて」

結衣「ほ、ほら麦茶あるからこれでも飲んで」



櫻子「んぐっ、んぐっ・・・ぷはぁー、ごちそうさま」

櫻子「・・・それで、あかりちゃん用ってなに?」ワクワク

あかり「あ、それはねー」



あかり「生徒会に提出するプリントのこことここ、どうやって記入していいかわからなくって・・・」

櫻子「・・・へ?」



あかり「櫻子ちゃんなら生徒会にいるから詳しいかなぁって。ゴメンね、もしかして忙しかった?」

櫻子「・・・あいや。大丈夫だよ」

あかり「良かったー、じゃどうしたらいいか教えて?」

櫻子「・・・うん。これはね、こーしてここに・・・」

ちなつ「さすが櫻子ちゃんだね」

京子「おおっ、頼りになるなぁ。ついでに私のプリントも記入しといてー」

結衣「それは自分でやれ」


(10分後)

あかり「ありがとうね、櫻子ちゃん」

あかり「助かっちゃった」

櫻子「・・・ううん、いいよこれくらい。じゃあね」

ガラ



櫻子「・・・」トボトボ・・・

向日葵「櫻子?」

櫻子「向日葵・・・?どうしてここに?」



向日葵「生徒会、今日は特に何もないから帰ってもいいって」

向日葵「先輩たちも帰りましたわ。なので私も。ほら、櫻子のカバン」

櫻子「・・・あー、ありがとう」



向日葵「ごらく部の用事は済みましたの?」

櫻子「・・・うん」

向日葵「他に、なにか用事はありません?」

櫻子「ううん・・・」



向日葵「それじゃ、帰りますわよ」

櫻子「うん・・・」

―――
――


(向日葵の家の前)

向日葵「・・・それじゃ、また明日ね櫻子」

櫻子「・・・」

向日葵「櫻子・・・?」



櫻子「・・・」

櫻子「うっ・・・」

櫻子「うっ、うっ・・・」ポロポロ・・・



向日葵「さ、櫻子・・・?」

櫻子「なんで・・・なんでなのさ・・・」

向日葵「・・・は?」



櫻子「何で、誰も私の誕生日おめでとうって言ってくれないのさ!」ポロ・・・ポロ・・・

向日葵「・・・え」



櫻子「あかりちゃんも・・・ちなつちゃんも・・・」

櫻子「先輩たちも・・・それから」

櫻子「向日葵だって・・・!」

向日葵「ちょ、ちょっとあの櫻子・・・」



櫻子「みんな、私のことなんてどうだっていいんだ・・・」

櫻子「・・・もう、みんな大嫌いだ!」

向日葵「・・・櫻子」



向日葵「あなた、自分の誕生日いつか覚えてます・・・?」

櫻子「は?当たり前じゃん、そんなの」

櫻子「9月7日だよ」



向日葵「今日は、何日ですか?」

櫻子「えーと、9月・・・6日?あれ?」



向日葵「櫻子の誕生日は明日じゃありませんの」

櫻子「・・・な」



櫻子「なーんだぁ!私の誕生日は明日かー!」

向日葵(自分の誕生日すらカン違いするとは・・・)ドンビキ



櫻子「どーりで、誰も私の誕生日祝ってくれないわけだー!」

向日葵「当たり前ですわ」

向日葵「だから、今日1日様子が変だったんですのね」

櫻子「うっ・・・」



櫻子「きょ、今日の事は誰にも内緒だぞ向日葵ー!」

向日葵「ええ、はいはい」

―――
――


(次の日、教室)

あかり「櫻子ちゃん、お誕生日おめでとう!」

ちなつ「おめでとー!」

櫻子「いやぁー、ありがとねー」

向日葵「もっと心をこめてお礼言いなさいな」



あかり「これ、誕生日プレゼント!」

ちなつ「私からも!」

櫻子「うっひょー!いいの?いいの?」

向日葵「昨日の反動からか、猿みたいに喜んで・・・」



あかり「それとね・・・」

櫻子「ん?」



あかり「放課後、時間があったらごらく部に来て欲しいなー、ねーちなつちゃん?」

ちなつ「うん!」

櫻子「え?マジ?マジで?このパターンってひょっとして?」

向日葵「少し落ち着きなさいな櫻子」



櫻子「わかったよ、あかりちゃんにちなつちゃん。放課後すぐ行くから!」

向日葵「それじゃ生徒会サボる事になりますわよ、櫻子」


~放課後、生徒会室~

綾乃「大室さん、今日はお誕生日ですってね。これ、私からプレゼントよ」

千歳「はい、ウチからも。お誕生日おめでとう大室さん」

櫻子「えっ?せ、先輩たちからも?やったー、ありがとうございます!」

向日葵「ありがとうございます、わざわざ櫻子のために」



櫻子「それで、あの・・・私ちょっとごらく部に呼ばれてたんですけれど・・・」

綾乃「え?ああ、今日も特に忙しくないし、行ってきても大丈夫よ?」

櫻子「ありがとうございます杉浦先輩!それじゃ、行ってきまーす!」ドヒューン

向日葵「ものすごい速さで、あっという間に・・・」

千歳「陸上部顔負けやねぇ」


~ごらく部~

ガラ

櫻子「こんにちはー!呼ばれて来ましたー!」

あかり「あ、来た来たー」

ちなつ「入って入って、桜子ちゃん」

京子「よおーさくっちゃん、お誕生日おめでとー!」

結衣「大室さん、お誕生日おめでとう」



京子「ほい、これ私からプレゼント」

結衣「これは私から」

櫻子「ええ?歳納先輩と船見先輩からも?」



京子「あ、あと今日のお茶菓子カップケーキだからさ」

京子「誕生日ケーキの代わりだと思って食べてってよ」

結衣「あと、紅茶もあるからね」

櫻子「え?いいんですか?」



京子「もちろん。今日はさくっちゃんの誕生日だからねー」

あかり「櫻子ちゃん、遠慮しないで食べてって」

ちなつ「はい、紅茶が入ったよ櫻子ちゃん」

櫻子「うっひょー、じゃあ、いっただきまーす!」

―――
――


(帰り道)

櫻子「はぁー、プレゼントたくさん貰えたし!」

櫻子「みんな祝ってくれて、ちょー最高!」

向日葵「良かったですわね、櫻子」



櫻子「・・・さーて、それじゃ」

櫻子「みんなからたくさんプレゼントもらったから、今さらありがたみも薄いけど」

櫻子「向日葵からのプレゼントも、貰ってあげようじゃないのー」

向日葵「・・・は?」イラ



向日葵「・・・」

向日葵「私からのプレゼントは、ありませんわよ?」

櫻子「へ?」



向日葵「皆さんから沢山貰えたんでしょう?なら、それで十分じゃありませんの」

櫻子「そ、そんなー・・・。向日葵ー・・・」

向日葵「どーせ私のプレゼントは、ありがたみが薄いそうですから」

櫻子「・・・」



向日葵「だから、櫻子にあげるプレゼントなんてありませ・・・」ハッ


櫻子「・・・」

櫻子「・・・」ジワ・・・



櫻子「向日葵の、バカ・・・」グス・・・

櫻子「なんで・・・なんで、私の誕生日なのに・・・」

向日葵「ちょ、ちょっと櫻子」



向日葵「冗談ですわよ。ちゃんと用意してますから」

櫻子「・・・へ?」



向日葵「ふふ・・・。何も泣く事ないでしょう櫻子」

櫻子「う・・・うっさい!泣いてなんかないやい!向日葵のバーカバーカ!」

向日葵「・・・本当にプレゼントあげませんわよ?」

櫻子「あっ、冗談だってー、プレゼントちょうだい向日葵ー」

向日葵「さーて、どうしましょうか」

櫻子「ねーゴメンってば向日葵ー、ねーってばー・・・」




終わり

昨日のうちに完結させたかった
大室櫻子ちゃんお誕生日おめでとう
読んでくれてありがとうございました

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