オマエには信じられるか?
俺たちは全員死んだ筈だ。なのに、何度も、何度も、何度も、何度も蘇った。
アイツ等は皆、死ぬたびに、その記憶が無くなってる。俺もそうだった。
だが、ある日をさかいに俺だけ、記憶を維持するようになった。
俺だけが知っている。オーバーウォッチの真の意味を。
いのち
時間を超える。
世界中のあらゆる超人たちが、機械の体を手に入れる。
オムニック
機械に勝つためにはそれしかなかった。
でも、もう戦争は終わった筈だ。俺たちは長い、永い眠りについた。
いいか、俺たちは皆、頑張らなくていいはずなんだ。それなのに何故?
誰が目覚めさせたかも、俺は知ってる。
目覚めた俺が一番最初に考えたことは、全員の時間を永遠に止めてやることだった。
真の敵は強過ぎた。働き者の英雄たちに、永遠の安らぎを。それだけが唯一俺に出来ることだった。
アンジェラ「大丈夫?目が覚めたようね」
ここは、どこだ?俺は、確か。
ジャック「ガブリエル。お前は本当に死にそうなくらいの大怪我をしたんだ。アンジェラに感謝するんだな。彼女は命の恩人なんだぞ」
ガブリエル(両手がある。何故だ。俺の両手はタレットロボのガトリングに打たれて千切れた筈だ。そこにはお前も居ただろ。何故笑ってるジャック)
ガブリエル「ああ、本当だな。アンジェラのお陰で引き続き銃を握れそうだ」
ジャック「?そのとおりだ。だが、暫くは安め。ちょっと、着替えを取りに行ってやろう」
アンジェラ「‥‥。私も行くわ」
ガブリエル「アンジェラ。お前は待ってくれないか。少し聞きたいことがある」
アンジェラ「なあに?ガブリエル。貴方の戦場カメラマンのまねは流石にもう飽きたわよ」
ガブリエル「違うよ。質問があるといっただろ」
ジャック「おいおいレイエス。俺たちの女神を口説く気か?明日には集団リンチだぞ」
ガブリエル「ジャック。真面目な話なんだ。頼むから着替えを取りに行ってきてくれ」
ジャック「リーダーなのに‥‥‥。くそ。お前なんてオムニックに蜂の巣にされちまえ」
ガブリエル「よし、馬鹿は去ったな。アンジェラ、俺の両手だが‥‥‥」
アンジェラ「どう考えてもおかしくないか?」
ガブリエル「!?」
アンジェラ「ふふ。これで何度目でしょうね」
ガブリエル「お前と話をしていて、いつも不思議に思ってたことがあった」
ガブリエル「いつも瞳の奥が笑ってないんだ。お前は常に、何かに絶望していた」
ガブリエル「俺も思い出してきたよ。そして、前の俺はお前が思っているより賢かったようだ」
俺は、ベッドのカバーに手を突っ込み、一丁のショットガンを取り出した。
ガブリエル「どこを撃ってほしい?」
アンジェラ「無駄よ。幾らでもスペアがあるわ」
ガブリエル「お前は一人だけだ。どこを撃ってほしい?」
アンジェラ「頭を。ありが‥‥」
バン!
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