加奈「泳ぐ前歯」 (19)

※ここに警告文のあるものとする



事務所 貯水プール


唯「今日はぁ……七海ちゃんの水泳の特訓をするよ~☆」

都「私たちがしっかりサポートしますよ!」

加奈「今日は5mまで泳げるようになろうねっ!」

七海「頑張るのれす~♪」

薫「かおるねぇ、バタ足で25mまで泳げるよ!」

唯「マジ?すっごいじゃん!」

七海「七海もすぐに追いついてみせるのれす~」

加奈「じゃあ、まずは準備運動だよ!いっちにー!さんしー!」

一同「ごーろく!しちはち!」

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志希「はいぜあ~♪でぃあじょ~ん♪」

加奈「あっ、志希ちゃん」

唯「お~、志希にゃんジャーン!おっすおっす☆」

加奈「志希ちゃんも泳ぎに?」

志希「いやいや~、これをラボに運んでる途中でね」

唯「なにそれ?」

加奈「ペットボトル?」

志希「これはねぇ……」

都「ややっ!なんですかその怪しげなペットボトルはっ!」

志希「『ややっ!』って言う人初めて見た」

都「なにやら事件の匂いがしますよ…!この名探偵、安斎都がそのペットボトルの中身を当ててみせましょう!ちょっと拝借!」

志希「あっ」

都「まずは匂いを……」クンクン

都「エ゛ンッ!!?」バターン


加奈「うわー!?都ちゃーん!?」

志希「あちゃ~」

唯「な、なんなのそれ…」

志希「うーん、匂いでみんなのやる気をアップさせてあげられるような香水を作ってたんだけど、ちょーっとばかし配合を間違えて興奮作用のある香水になちゃったんだよね~。にゃはは~♪」

加奈「だ、大丈夫なの?」

志希「大丈夫大丈夫。エスプレッソコーヒーを飲んだくらいの効果しかないから」

都「う、うーん…凄い匂いでした…」

志希「ごめんね~、都ちゃん」

都「ああ、いえ……平気です。なんだか身体がハキハキ動きますっ!」

唯「おお~、結構効果があるジャン!」

薫「みんなー!早くいっしょに泳ぎまー!」

加奈「はーい!今いくよー!」

志希「あれ、ペットボトルがない……まあ、いっか♪」


コロコロコロコロコロコロ ポチャッ

薫「ん?ペットボトル?」


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―――

事務所前 



キキィィィィ ドゴォッ

P「ぐわあああああああ!!!??」

李衣菜「うわーーー!?プロデューサーが轢かれたーー!?」

夏樹「バカ野郎!だからポケモンGOやる時は気をつけろって言っただろ!」

P「もうダメだああああああああ…」

夏樹「落ち着け、今、救急車呼ぶから」

P「いや、ダメだ、保険証ないんだ。売っちゃった」

夏樹「売るな、そんなもん」


李衣菜「ひいぃぃ…プロデューサーの臓物がはみ出ちゃってるよぉぉ……」

P「李衣菜…ちひろさんから支給されたチヒロポンがあるから、それを打ってくれ…」

李衣菜「えっ、どこにあるの…」

P「股間の膨らんでるところに入ってるから」

李衣菜「どこが膨らんでるのかわからないよ……なんだ、カバンに入ってるじゃん」プスー


ボコボコボコッ


P「復活!」

説明おじさん『説明しよう!千川ちひろからPに支給されるエナジードリンク、通称『チヒロポン』を一発キメればどんなものでもたちまちポンっと消えてなくなるんじゃ!疲労も、怪我も、痛みも、感覚も、感情も、家族も、友達も、財産も、思い出も………』

夏樹「怪しい薬物ダメ、ゼッタイ」

P「でも痔ろうだけは治らないんだなこれが。これが神が俺に与えた試練ってやつか…」

李衣菜「業ってやつだと思う」

P「さあ、事務所に戻るか。今日は貯水プールの管理作業をしなくちゃならないんだ」

夏樹「プロデュース業をしろ」

P「今月のプロデュース代が払えなくて…」

貯水プール



李衣菜「へぇ~、ここが貯水プールかぁ。プールっていうより、池って感じだね」

P「まあな。でも、こんなに濁ってたかなぁ…」

夏樹「浮き輪とかビート板があるけどあれは?」

P「事務所の年少組が泳いだりしてるんだよ。おかしいなあ、今日は前歯部の連中が水泳の練習をしてるって聞いてたんだけど…」

李衣菜「ねえ、あそこで倒れてるのって……」

P「あそこ?……あれは…」

夏樹「志希!?」

志希「うう……」

P「大丈夫か!?何があった!?」

志希「プ、プールに……気をつけて……」ガクッ

夏樹「プール?」

P「プールにいったい何が…」

李衣菜「まさか化け物がいるんじゃ…!」

夏樹「まさか、そんなことあるわけねぇだろ。どれ、アタシが見てくる」

李衣菜「危ないよ!なんかいたらどうするの…」

夏樹「大丈夫さ。イケメンは死なない」


ザバアアア

一同「!!?」


薫「キシャアアアアアアアアア!!!」

P「か、薫!?」

夏樹「ど、どうした、薫…」

薫「ガンバリマアアアアアアアア!!!」ハミハミハミ

夏樹「ひゃああああッ!?」

李衣菜「な、なつきちー!?」

P「めっちゃハミハミされてる。羨ましいなあ」

夏樹「うう……テクニシャン……」ガクッ

李衣菜「どういうことなの…?」

P「いったい何が起こってるのか誰か説明してくれ!」

説明おじさん『説明しよう!志希にゃんの作った薬がプールに入ってしまったことにより、プールの中にいた子たちの前歯エネルギーに反応し、前歯ゾンビが誕生してしまったんじゃ!』

P「まずお前が誰なのか説明しろ」


李衣菜「前歯エネルギーに反応するってことは…」


ザバアァァ

加奈「ファイファアアアアアイ!!!」

唯「ペロキャアアアアアアアン!!!」

都「ドイルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

七海「マグロオオオオオオ!!!」


李衣菜「わあっ、やっぱり…!」

P「でもただハミハミしてくるだけだろ?ほぉーら、試しに腕でもハミらせて…」スッ

加奈「キシャアアアアアアア!!!」ガブゥ

P「めっちゃ痛い」ブシャーッ

P「ぐわあああああああ!!?どういうことなんだ!!!」

李衣菜「もしかして男の人に対しては激しくなるんじゃ…」

P「なんだそのワード、すげぇ興奮するぞ」

唯「キシャアアアアアアアア!!!」

李衣菜「とにかく逃げよう!」

机下特別室



小梅「輝子ちゃん…えりんぎ君……貸して…?」

輝子「フヒ…ど、どうぞ……」

小梅「頭に乗せて……オイ、キタロウ!」

輝子「フ、フヒ……」

小梅「えへへ……」

幸子「楽しいですか、それ?」


バターン

P「助けてくれっ!」

幸子「……なんですか、扉は静かに開けてくださいよ」

李衣菜「それどころじゃないんだよぅ!」

輝子「な、なにがあったの…?」

説明おじさん『前歯ゾンビ化した前歯アイドルたちに襲われたんじゃ!』

P「オメーいつまでいるんだよ!!!」

幸子「何を馬鹿げたことを…ゾンビ化現象なんて現実で起こるわけないじゃないですか」

李衣菜「でも本当に見たんだよ!」

P「マジだぜ!」


ガチャ

卯月「うう…酷い目にあいました……」

李衣菜「う、卯月ちゃん…」

幸子「遅かったですねぇ、卯月さん。なんだか身体中ベタベタですけど、なにかあったんですか?」

卯月「実は…ここに来る途中で加奈ちゃん達に襲われて……」

小梅「襲われた…?」

卯月「なんだったんでしょう…」

P「卯月もか…」

李衣菜「大丈夫?」

卯月「うーん…なんだか身体がポカポカしてきたような…」

輝子「ポカポカ?」

卯月「それになんだか前歯がうずうずしてきて…うずうず…うずうず……ウズ…」

幸子「う、卯月さん…?」

李衣菜「な、なんだか様子が…」

卯月「ウジュウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」ビーバー

幸子「な、なんですか!?」

卯月「シマムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」ハミハミハミ

幸子「おわあああああああああああ!!?」

卯月「ロボォォォォォォォォォォォォ!!!」ハミハミハミ

輝子「ひやあああああああああああ!!?」

卯月「ヘゴォォォォォォォォォォォ!!!」ハミハミハミ

小梅「ゾンビーバーばんざーーーーーい!!!」

李衣菜「なんで卯月ちゃんまで前歯ゾンビに!?」

P「ぬかった…!卯月も前歯の素養があったことを忘れていた…ッ!」

李衣菜「聞いたことのない日本語」

P「卯月も感染しちまったってわけか…!ここにいたら俺達もやられる。早く逃げよう!」

卯月「キシャアアアアアアアアア!!!」

李衣菜「うわあっ!?追ってくるよ!!」

P「トイレに逃げ込もう!」

女子トイレ


藍子(Sundown………dazzling day………)


ガチャッ

P「李衣菜、鍵閉めろ!」

藍子「きゃっ!?な、なにやってるんですかプロデューサーさん!!ここ女子トイレですよ!?」

李衣菜「ごめんね、藍子ちゃん」

藍子「李衣菜ちゃんまで……なにもわざわざ私が入ってるところに来ないでくださいよ!」

P「鍵をかけてない方が悪い」

藍子「女子トイレに入ってくるのもどうかと思うなあ」

李衣菜「緊急事態だから勘弁してあげて」

藍子「緊急事態っていったい何が…」


ガンッ

藍子「ひゃっ!?」

P「き、来たのか…?」


ガンッ  ガンッ


李衣菜「ドアを壊して入ってきたりしないよね…?」

P「まさか…凶暴化しているとはいえ、非力なアイドル達だぞ…」


ガンッ ガンッ ガンッ

ドゴォッ

まゆ「ヒアーズジョニィ!!!!」

P「うわあああああああジャック・ニコルソンだああああああああ!!!???」

まゆ「貴方のまゆですよ~♪」


李衣菜「どうしてまゆちゃんが!?」

まゆ「Pさんの危険を察知して駆けつけてきましたぁ」

李衣菜「察知できるなんて凄いね」

まゆ「プロデューサーさんのことならなんでもわかりますよぉ?そう強いられているんです、世論に」

P「世知辛いなあ」

まゆ「さあ、この事務所から逃げましょう」

李衣菜「助かったぁ…」

P「藍子も来い。一緒に逃げよう」

藍子「は、はぁ……おトイレ済ませてからでも大丈夫ですか?」

P「そんなこと言ってる場合じゃないんだが……早くしろよ」

――10分後――


P「遅ぇよ、まだかよ!」

藍子「おおおおおおおおおおるどふれえええええええええええええええ」

李衣菜「脳内トイレBGMにプログレは合わないと思うなあ」

P「トイレまでゆるふわなのかよ、オメーはよォ!!!」

藍子「膿が漏れでるほどゆるふわな肛門の人に言われたくないですぅー」

P「もう置いていくからな!」タッタッタ

李衣菜「ごめんね!ちゃんとドアに鍵をかけていれば大丈夫なはずだから!」タッタッタ

まゆ「必ず問題を解決して、迎えに来ますねぇ」タッタッタ

廊下

P「ハァ……ハァ……!」

李衣菜「あ、あとどれくらい走ればいいの…!?」

まゆ「もうちょっとで出口です!ほら、あの扉を抜ければ…」

都「アガサァァァァァァァァァァァァァ!!!」

P「うわっ!?」

まゆ「くっ…すでに先回りされていたなんて…!」

卯月「ブイィィィィィィィィ!!!」ガバッ

李衣菜「きゃあっ!?」

P「李衣菜ー!?」

まゆ「李衣菜ちゃん……!」

加奈「メモォォォォォォォォ!!!」

七海「サワラァァァァァァァァ!!!」

唯「チャァァァァァァァァァァッス!!!」

薫「センセェェェェェェェェ!!!」

まゆ「プロデューサーさん!ここはまゆが食い止めます!」

P「よしわかった!頼んだぜ!」

まゆ「少しは躊躇しろクズ!!!」




事務所前

P「ふぅ…なんとか逃げ切れた…とりあえず、警察かなんかに電話を…」スッ

P「いや、まずはちひろさんに連絡したほうがいいのか…?うーん………」

P「おっ、ここブーバーいるじゃんっ!」

キキィィィィ ドゴォッ

P「ぐわああああああああああああああああああああ!!?」

運転手「バッキャロウ!!!危ねぇだろうが!!!……って、あれ?確かに轢いたと思ったんだが…」

???


P「ここはどこだ……俺はトラックに轢かれたはずじゃ……」

説明おじさん「ここは異世界じゃ」

P「異世界?」

説明おじさん「そうじゃ。さあ、じゃがいもを栽培して国を支配しよう」

P「モバマス関係ねーじゃねーか!!!」

じゃがいも警察「どうも、じゃがいも警察です。その時代設定でじゃがいもがでてくるのはおかしい。よって射殺」ズドンッ

P「とほほ……もうポケモンGOはこりごりだーい!」



終劇

これにて終了ですー
ハッピーバースデー真

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