メアリースーの企画用
2000字程度
まったりお付き合いください
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「うぅ、うがぁー!」
そんな乙女が出してはいけないような声とともに床に寝転がったまま、足をピンクとハートで彩られたベッドの上へと投げ出す。ボスン、と派手な音を立て柔らかなマットレスに深々と沈んでいく足と同じほどに深くため息を吐く
そんなものぐさな動作から私の人となりは見て取れてしまうだろうか
……いっけない☆ はぁとはいつだって可愛いんだぞ♪
「お姉ちゃん、1人で何言ってるの?」
同居人から呆れたような声を投げつけられる
普段のことだけどよくも言ってくれるな☆
「なんだよー☆ よっちゃんだって夏休みだからってだらけてるだろー」
仰向けになったまま同じように隣でうつ伏せに漫画を読んでいる我が愛しい妹に反論を試みる
「私は姉さんと違ってやること終わらせてるからね」
反論できなかったみたい。小生意気な☆
でもそのまま認めるのも悔しいからね
ピシッ!
「痛っ。いきなり何よ!」
汗をかいて顔に髪が張り付くことを嫌ったのか丸出しのおでこ。軽くデコピンをしてみる
「フハハ♪ 兄姉の特権ってやつ? お姉ちゃんのこといじめちゃらめー☆」
……じっとりとした目で見つめてくるよっちゃん
いやん。怒らせちゃった?
「今更お姉ちゃんの行動に文句言わないけどさー、もう26なんだしその痛い口調だけはやめたらー?」
おおっと、この娘っ子はとんでもないカウンターしてきやがったぞ☆
「やー、はぁとは可愛いからね? 痛いとか言うなっての☆」
とりあえず年上の権力をもって妹は黙らせることにしよう♪
そもそもまだ20代だっての! 痛くなんか……あるかもしれないけど愛嬌の範囲!
「お姉ちゃんまだアイドルなる気なのー? 定職に就いたんだからやめてよねー」
このやろ!本当にとんでもないとこ突いてくるな☆
……まあ、言いたいことは分かるけどさ
デザイナーなんて、衣装作りが趣味の私にとっては天職なんだろうし
でもねー。やっぱり諦められないことってあるもんだよ
「そんなこと言ってもなりたいものはなりたいんだもーん☆」
さっきよりも冷たい目で見るなっての☆ 家族に向けて良い目じゃないぞ、それ
体を起こすとやれやれ、なんて風に肩をすくめて言い聞かせるように穏やかに語りかけてくる
「お姉ちゃんさー、無理だったんだからいい加減諦めたら? アイドルはもっと若い人がなるんだって」
その一言で私の中で何かが切れる音がした
「こ、このやろー! 年のことは言うなっての☆ そこまで言うんなら今から本気でアイドルなってやるってのー!」
大声で宣言して勢いよく体を跳ね上げてそのままよっちゃんを部屋から引きづって出す
こーなったらこっちも意地だっての☆
「うわわー、ちょっとお姉ちゃんやめてってばー」
小煩い子はドアからポイッ!
「ちょっとちょっと! もしかして本気?」
その気にさせたのはそっちだからな! もう何を言われても止まらないぞ?
ラブの暴走列車のシュガーハート。こうなったらどうにでもなれ、だ☆
まずは机の上で充電器に挿しっぱなしだったスウィーティーにデコられたスマホを取り出して「芸能事務所 オーディション」なんて検索をかけていく
……何も聞こえないってことはよっちゃんは諦めたね! こうなったはぁとを止められないっていうのは誰より知ってるだろうからね☆
検索して出てきた事務所の名前を更に検索
口コミサイトや掲示板などから情報を集める、精査する、取捨する
そして一つのプロダクションに行き当たった
老舗の961プロダクション
更に今そこでは人手不足からかオーディションやスカウトが最近活発みたいで。更に新人発掘のための特別オーディションもやってるらしい
なんておあつらえ向きなんだろう! と大きくガッツポーズをして頭のぴょこんとしたトレードマークが激しく揺れる
よし。落ち着いて読んでいくぞ
えっと、オーディションはだいぶ長い期間設けてあるんだ……
だからと言って後回しにするようなはぁとじゃないよね☆
必要なのは身分証と書類一式。ならまずは書類印刷しておこーっと☆
じゃ、早速荷造りに取り掛かろっか♪
着替えと靴、帽子、アクセサリーを片っ端からトランクに詰め込んでぎゅうぎゅうと押し込めていく
最後にお腹も太ももも出てるような部屋着から人前に出られるような服に着替えたら、財布とケータイをポケットに突っ込んでそのままドタドタと廊下を駆ける
「よっちゃん! 家でしっかりテレビ見てろよ☆ すぐにお茶の間に来てやるからな♪」
そんな捨て台詞を残してポカンとしたままのよっちゃんを残して玄関から飛び出していく
さあ! 行くぞ東京! なるぞアイドル!
……うん。分かってた
そりゃ良い大人がいきなり家を飛び出してアイドルになるなんて言ったら怒られるって
大きめの駅から東京行きの新幹線の席を買おうとしてたら電話が来たから出たら怒声で鼓膜がはちきれそうだったぞ☆
今すぐにそこまで行くからそこを動くな! なんて強く言われちゃって
はぁとも自分にここまで意地があるとは思ってなかったよね
今はもう新幹線の中で優雅にコーヒー嗜みつつ書類を纏めてるんだもん
でも駅に着いた時の親の荒れ狂い具合とか怖いなー、なんて思っちゃって
うん!こういう時は一番頼れる人に頼まなきゃね。なんて考えでよっちゃんに一つメールを送っておく
なんとかしておいて?
……よし!
これで大丈夫!
いくらなんでも東京まで乗り込んできて連れ戻すなんてことはないでしょ!
アイドルにならなきゃ帰れないっての☆
こんな短い期間で思い知らされるなんて思わなかったよ
現実って厳しいなー……
1次の書類選考が通ったからって良い気になり過ぎてたかも
面接でアピールポイント聞かれたからって初っ端からはぁとのセクシーポーズと小粋なジョークはやり過ぎたかな?
あんなにドン引きされるとちょっとハートショック☆
弾丸みたいに飛び出しただけだからここ以外に当てなんて無いんだけど☆
……マジでどうしよ
そんなことを考えつつ未練がましくプロダクションの前を彷徨いて、どうしようもなくて近くの喫茶店に入る
チェーン店のそこは地元と同じで落ち着いて荒んだはぁとが癒される
「はぁー、面接官のやつ見る目なさすぎでしょー…」
テーブルに顔を伏せてそんなことをぶつくさ言いつつストローを弄ぶ
はぁ…
カップに直接口をつけて氷を悪い気持ちと一緒に噛み砕く
ん! 何度目かもわからないため息を絞り出したらこれで終わり!
よし! 落ち込んでたってアイドルにはなれないんだから次を探して当たるだけだっての☆
さぁー!次はどこが良いかな?
気持ちを切り替えて探していく
大手のプロダクションが検索に引っかかった
最近アイドル部門でシンデレラプロジェクトなんて新人オーディションをやってるらしい
うん!次はこの346プロダクションのオーディション受けてみよ☆
アイドル、なるぞーっ!
終わり
html依頼出してきます
序章すぎるわ
>>19
すまんな
メアリースーっていうプロデューサーに会う前のアイドル「書くって企画に向けて書いたんだ
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