短編 凛 「女の子が一人ー」 (7)
「凛たちが通う音ノ木坂は生徒数がだんだん減って、空き教室が多いんだけど…」
「ある日、凛が一人のとき、空き教室の横を通ったにゃ」
「その時に、ふと、教室の中を見たんだけど…」
「中はもちろん電気も消えててカーテンも閉まってて何も見えないー。」
「見えるのは反射で鏡になって写る凛だけー。って思ったらー。」
「女の子が一人ー」
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「ー空き教室だから、誰もいないはずなのに…」
「そう思ってもう一回見てみようと思った。なぜか怖くなかったし…」
「でも凛は見なかった―」
「なんとなく、見てはいけなかったのかも…」
「次の日も、その教室の横を通ったにゃ―」
「凛は教室の中を見た―。」
「昨日の子がまた―」
「もしかしたら凛、ドッキリのターゲットかにゃ?」
「なんて思ったけどー」
「何かが違う気がした。」
「雰囲気が…」
「少し考えたけど、その時はかよちんを待たせていたからすぐに離れた。」
「でも、やっぱり思った―」
「やっぱり、見てはいけなかったのかも…。」
「その次の日も、その次の日も、凛は教室にいる女の子を見たにゃ―。」
「四日間毎日見たのに、どういう姿だったのかははっきりしなかったにゃ―。」
「そして五日目、またあの教室の横を通った。」
「やっぱり女の子がいる…」
「そこまでにしておけば良かったのに、週の終わり、凛はすっきりしなくて…」
「入ってみよう」
「この日は何故か教室に入ってみたくなった―」
「だから…」
ガラガラ
「……」
「女の子はいなかったにゃ」
「あれ?って思ってドアを閉めた。」
「ドアの前に…」
「女の子が写っていたにゃ」
「少しびっくりして、もしかして錯覚?って思ってふと、後ろを振り返る。」
「女の子にゃ」
「凛が教室にいると思った女の子は、本当は凛の後ろにいたんだにゃー」終
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