天城高雅「正義執行ッ!」綾弥一条「邪悪・断つべし!」(3)

一条「正義とはッ!?」

高雅「私であり、アルファスのことである!」

一条「邪悪とはッ!?」

高雅「私が悪と断じた者である!」

一条「ならば問う! 武帝は悪かッ!?」

高雅「如何な由があろうと、無辜の人々を手にかけたときより救い難き悪である!」

一条「では、武帝をなんとする!?」

高雅「打ち倒す! 我が存在にかけて! 世に正義があると証し立てるためにッ!」

アルファスが吠える。と、同時に刃鳴が散る。天下一名物、正宗を装甲した一条が高雅に斬りかかったのだ。鈍い光を帯びた刀身のぶつかり合いにより、甲高い 金属音が八方に跳ねた。

高雅「なぜ! なぜ、私を斬ろうとした!?」

一条「そりゃ決まってんだろうが! 武帝は私の獲物だ、どこの馬の骨ともしれぬ正義馬鹿にあのひとを奪われてたまるか! てめぇが武帝を倒すってんなら、そうなる前に私が阻むまでのこと!」

高雅「なるほど。因縁ありと言ったところか。だが、正義を名乗る以上、邪悪を前にして身をひくという選択肢はない。だから、どうだろう、私と共に武帝を討つというのは?」

一条「戯れるな。あのひとは、私だけの獲物だ」

高雅「そうか。……ならば仕方ないな。どうあっても折れぬというなら、まずは私を倒してみるがいいッ! しかし、最初に断っておくが、私の正義は天上天下において無双なるぞ!」

一条「だから、どうした! 我ら正宗、正義を行うにあたって無敵であるぞ!」

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