アンチョビ「はぁ? 嫌にきまってるだろ」
ペパロニ「そ、そうっすか……うう、かなりショックっす……」
アンチョビ「……」
ペパロニ「うぅ……」
アンチョビ「……え、何? ていうか、そんな事を言うために私を呼び出したのか?」
ペパロニ「え? はいそうすっけど……って、ぅわっ、姉さんが、かつてないくらいの渋い顔になってる」
アンチョビ「うあー……私の中でのお前の評価が、がっくーって下がった……ものすごい下がった」
ペパロニ「えーっ」
アンチョビ「私はお前の事、結構評価してたんだけどなぁ」
ペパロニ「そ、その嫌味な言い方、姉さんらしくないっす。なんでそんな事言うんすか」
アンチョビ「あのなぁ……明日は私の卒業式なんだぞ? 分かってるだろ?」
ペパロニ「はい、悲しいですけど、いよいよです」
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*百合百合しい話にはしないつもりです。
*ただし、二人は潜在的なレズビアンです。
アンチョビ「卒業式を明日に控えて、今日は高校生活最後の日だ。思わず私もセンチメンタルになってしまう、人生で一度しかない特別な放課後。それが今という特別な時間なんだ!」
ペパロニ「姉さん! 私もなんだか切なくなっちゃいます!」
アンチョビ「そうかそうか、つまりはそういう夕方だ! お前が私を学園校舎の裏に呼び出したのは、そういう夕方なんだっ」
ペパロニ「はい!」
アンチョビ「あのな、私は、一緒に帰ろうって誘ってくれたクラスメートの誘いを断ってここにきた! お前のためにだ! 何かよほど特別な用事なんだろうって、いったい何なんだろうなって、次期ドゥーチェのお前が去りゆく私に何を言うのだろうなって、正直ちょっとワクワクドキドキしてたんだぞ!?」
ペパロニ「感激っす! あと姉さん、カワイイっす!」
アンチョビ「やかましい!」
ペパロニ「すんません!」
アンチョビ「それなのに、いざフタを開けてみたら……何? カノジョになれだって? そんなくだらない冗談を」
ペパロニ「え、いや」
アンチョビ「あーあ、なんか、がっかりしちゃったぞ……」
ペパロニ「……」
ペパロニ「姉さん、その言い方はちょっと、ひどくないっすか?」
アンチョビ「あん?」
ペパロニ「私は、真剣な気持ちなのに」
アンチョビ「は?」
ペパロニ「それなのに、なんかふざけてるみたいに言われると……正直ちょっと……むかつくっす」
アンチョビ「……はい?」
ペパロニ「『はい?』 じゃないっすよ」
アンチョビ「……えと……なんだって?」
ペパロニ「私の方こそ、なんかがっかりっす。姉さんが、そんな風に人の気持ちを馬鹿にするなんて……あーあー……」
アンチョビ「いや、ペパロニさん?」
ペパロニ「ちぇっ」舌打ちしつつ足元の小石ケリー
アンチョビ「……なに、本気ってこと?」
ペパロニ「だから、そういってるじゃないっすか。せっかく思い切っていったのに……ひどいっすよ……」
アンチョビ「いやいやいや……ええええー……」
アンチョビ「お前、そいういう趣味は無いって、前に自分で言ってたじゃん……」
アンチョビ(……ていうか困る! 私はノーマルだ! ペパロニもそうだって信じてたのに、いきなりそんなマジトーンでこられても……)
アンチョビ「いきなりそんな事いわれても、そりゃ冗談だろうと思うだろ……」
ペパロニ「今は、冗談なんかじゃ……ないっす……」
アンチョビ「そ、そっか……まぁだけど、お前のキモチは嬉しいんだけど、ただ……わかるだろ? 私達は女同志なんだし」
アンチョビ(最後の最後にやめてくれよ。気持ちよく卒業式を迎えさせてくれよぅ……)
ペパロニ「そりゃまぁ……私もそういう趣味は無いっすけど……」
アンチョビ「……は?」
ペパロニ「……」
アンチョビ「……おいっ!」ポカッ
ペパロニ「痛っ!? た、叩いた! 姉さんが私のこと叩いたぁ!!」
アンチョビ「お前、わたしをおちょくってるのか?」
ペパロニ「い、いやそんなつもりはありませんっすけど」
アンチョビ「ほぉ、そーかじゃあマジのケンカを売ってるんだな!? 卒業する先輩へのお礼参りか!? あーもー! 何がしたいんだよお前はー!」 ポカポカポカッ
ペパロニ「いたたたた! 落ち着いてくださいよ! また生理すっかぁ!?」
アンチョビ「なっ……」
アンチョビ「こ、こ、このバカやろーっ!」
ペパロニ「痛っ、痛いですってば! ……ええいっ」ガシ
アンチョビ「う……!? こ、このっ、腕を離せ……!」
ペパロニ「へへん、遅い成長期のおかげで、身長も力も、今じゃ私の方が上なんすからね!」
アンチョビ「くっ……このっ……図体ばっかりでかくなりおって」
ペパロニ「とにかくいったん落ち着きましょうよ、ね、まぁベンチに座りましょ?」
アンチョビ「うーっ誰のせいだと思ってる!」
~少したって~
アンチョビ「うー、まだ腹が立つ。高校生活最後の日に、こんなくだらない事を……お前の呼び出しなんて無視するんだった!」
ペパロニ「いや姉さん、なんていうか、誤解ですってば」
アンチョビ「何がだっ!」
ペパロニ「姉さんに私のカノジョになってほしいっていうのはけっこう本気っす……って痛っ!?」
アンチョビ「っ! っ!」デュクシデュクシ
ペパロニ「無言でどつかないでくださいよぉ」
アンチョビ「このあんぽんたん! お前はレズなのか? それとも私をおちょくってるだけか!?」
ペパロニ「レ、レズじゃないですし、おちょくってもないっすよぅ」
アンチョビ「じゃあ、『カノジョ』になれって、なんだ!」
ペパロニ「いやぁ……『カレシカノジョ』になれたら、姉さんが卒業した後も、一緒にいられるかな~って……」
アンチョビ「説明がたりん!」デュクシ
ペパロニ「す、すんません。だって……姉さんはもうこの船からいなくなっちゃうじゃないですか」
アンチョビ「当たり前だろ」
ペパロニ「春になったら、別々の学校で、それぞれの生活が始まるわけで……」
アンチョビ「そうだな」
ペパロニ「姉さんはきっと大学の戦車道でも活躍するだろうし、また新しい仲間もできるだろうし……」
アンチョビ「お前だって、来年はドゥーチェとしてみんなをひぱっていくんだぞ。後輩たちの手も引いてやらなきゃ」
ペパロニ「もちろんっす。それに、戦車道大会優勝っていうでっかい目標もあるっす」
アンチョビ「お互いにそれぞれ目標がある。良いことじゃないか」
ペパロニ「それは……そうなんですけど……」
アンチョビ「なんだ煮え切らないなぁ」
ペパロニ「それだけじゃ、嫌っていうか。なんていうか……姉さんとの仲が途切れるのが、いやで」
アンチョビ「……む」
ペパロニ「だから、なんとかして、姉さんとつながっていたいっす」
アンチョビ(……最初からそう言え、ペパロニのアホ。……ま、そう思ってくれるのは、素直に嬉しいけどさ)
アンチョビ「あのなペパロニ。私はずっとお前の先輩だ。この学校を卒業しても、それは変わらない」
ペパロニ「はあ」
アンチョビ「何か悩みがあればいつでも聞くし、お前達の試合にはもちろん応援しにいく」
ペパロニ「……ありがとうございます」
アンチョビ「それに、戦車道を続けているかぎり、ワタシ達は同じ道の上にいるんだ。また会うための、一時の別れだよ」
ペパロニ「なるほど、ものは言いようっすね……あいてっ」
アンチョビ「だからさ、新しい環境でお互い頑張ろうじゃないか」
ペパロニ「……」
アンチョビ「そーやって人間成長していくんだよ、きっと」
ペパロニ「……まぁ、そういうもんなんだろうなーって私も思ってはいるんですけど……」
アンチョビ「そうだよ。お前だって、本当はちゃんと分かってるんだ。お前はバカじゃない、私は知ってるぞ」
ペパロニ「照れるっす。だからまぁ、辛いのも受け入れなきゃなーとは思うんですけど」
アンチョビ「うん」
ペパロニ「……だけどやっぱり、嫌だなーって……」
アンチョビ「……お前、私のイイ話が台無しじゃないか」
ペパロニ「すんません」
アンチョビ「ていうか、嫌だ嫌だって、だだをこねてもどうしようもないじゃないか」
ペパロニ「いや、私はそうは思わないす」
アンチョビ「はぁ?」
ペパロニ「諦めなければ、道はあると思います。それで考えたのが……『そうだ、カノジョになればいいじゃん』って」
アンチョビ「……なんで?」
ペパロニ「だって恋人どうしなら、いっぱい連絡とりあったり、予定を合わせて一緒にどこかへ遊びに行ったり……それが当たり前になるでしょ?」
アンチョビ「……」
ペパロニ「あの姉さん、渋い顔しないでほしいっす」
アンチョビ「発想が飛躍しすぎてて、アホすぎて」
ペパロニ「ひどいっす」
アンチョビ「だいたいなぁ、そんなわけのわからん大義名分がなくても、会いたきゃ会えばいいし、連絡したけりゃすればいいじゃないか」
ペパロニ「……ふぅ~」
アンチョビ「なんだその、わざとらしいため息!」
ペパロニ「姉さん、こう言っちゃ失礼ですけど……」
アンチョビ「なんだよ」
ペパロニ「ぜんっぜん乙女心が分かってないっすよね……恋愛小説が大大大好きなくせに」
アンチョビ「ああん!?」
ペパロニ「私にとって姉さんは特別なんす。だからやっぱり普通じゃない繋がりがほしいんですよ。……そういうの、わかんないっすかねぇ」
アンチョビ「あのさぁ、一応聞くけど」
ペパロニ「はい?」
アンチョビ「お前、ほんっとーにそっちの趣味は無いんだろうな!?」
ペパロニ「無い無い、ないっすよ! 何でそんな確認をするんです」
アンチョビ「だって、今までにうけたどの告白よりも、なんかねちっこいんだもん」
ペパロニ「ね、ねちっこいって、やだなぁ」
アンチョビ「……うーん……」
アンチョビ(『カノジョ』とかそういうのは嫌だ。やっぱりおかしい)
アンチョビ(……けどまぁ、別にこいつが会いたいっていうのを断る理由は無いんだ。誰かと繋がりがあるのは悪いことじゃないし。それに、私だってペパロニと一緒にいるのは、嫌じゃない)
アンチョビ(こいつは私に無いものを一杯もってる。直観力というか、猪突猛進のバカというか……そういうものを、持ってる。私はそれが嫌いじゃないし、それに、一緒にいて不思議と楽しいんだ)
アンチョビ「……まぁ一応、ペパロニの気持ちは理解した」
ペパロニ「じゃあ、姉さん、私のカノジョに……」
アンチョビ「それは断る! 気持ち悪い!」
ペパロニ「え~」
アンチョビ「え~じゃない。そこは絶対にゆずらないからな」
ペパロニ「じゃ、じゃあ『ごっこ遊び』ならどうすか?」
アンチョビ「ごっこ遊びぃ?」
ペパロニ「姉さんのことっすから、大学にいったらきっとすぐに彼氏ができちゃいますよ。だって姉さん、かわいいし、明るいし、元気だし……だからそれまでのごっこ遊びっす!」
アンチョビ「彼氏って、どうかなぁ……いやいやとにかく、何を言おうと、そういう変なのは認めないからな」
ペパロニ「え~」
アンチョビ「えーじゃないよ」
ペパロニ「……だって、なんか不安なんです。なんかこう、形式というか、カタチというか、そういうナニかが欲しいんです……」
アンチョビ「……お前って、こんな寂しがりやだったかなぁ」
ペパロニ「姉さんが特別なだけです」
アンチョビ「特別特別ゆーな、なんかはずいだろ」
アンチョビ(……まぁ、だけど……繋がり、ねぇ……)
アンチョビ(……しかたないなぁ……)
アンチョビ「おいペパロニ」
ペパロニ「はい?」
アンチョビ「私のリボンを、やる」
ペパロニ「へ?」
アンチョビ「私のを一つお前にあげる。だからお前が今つけてる髪留めを、私にくれ。交換だ。……私だって他のやつとは、こんな事はしないんだからな」 シュルシュル
ペパロニ「……! う、嬉しいっす! けど姉さん、私の髪留め、ほんとただのヒモっすよ? バランス悪くないっすか……?」
アンチョビ「入学したら、最初のうちは大人しめなリボンにしようと思ってたし、いいんだ。もう片っぽもこれに合わせる」
ペパロニ「イメチェンっすか……そっか、じゃあ私も、このリボンが似合うくらいに、サイドをもっと長くしようかな」
アンチョビ「そうだな、今の感じだと、ちょっとちぐはぐだもんな」
ペパロニ「へへ……やった、ありがとうございます! 姉さんの頭皮の汗と努力がしみ込んだリボンGETだ!」
アンチョビ「こら匂いを嗅ぐな! そーいうことをするなら返せ!」
ペパロニ「ごめんなさいもーしないっす! でも、ほんと、嬉しいっす、へへ……そうだ、姉さん」
アンチョビ「ん?」
ペパロニ「今から、艦橋の展望台に上りましょうよ! 夕日が沈むのを眺めましょ! 最後の夕日っすよ!」
アンチョビ「だけどなぁ、あそこ階段が長いんだよなぁ。エレベーターも無いし」
ペパロニ「じゃあ、私が姉さんを抱えてのぼるっす」
アンチョビ「いや、階段狭いし急だし危ないだろ? ……ってうわぁ! 何すんだ下ろせえ!」
ペパロニ「やー姉さん軽いっすねぇー! お姫様だっこ余裕っすよ。よっしゃ、まずはこのまま艦橋までランニングっすよ~」
アンチョビ「はぁ!? やめろ馬鹿! こんなとこ人に見られたらどーする!!」
ペパロニ「どうせ下船するんだからいいじゃないっすかぁ、それと、あんまりしゃべると舌かむっすよぉー!」
アンチョビ「お、下ろせぇーーー!!」
なるべく早めに、数日以内には、続きを投稿します。
~同日PM10:30 アンチョビ自室 LINEにて~
アンチョビ
『戻ったぞー(;´Д`)』
ドゥーチェ
『あ。姉さんおかえんなさいー ~(´ー`~) 』
『卒業式の前夜祭、もう終わりですか?』
アンチョビ
『うん。明日に響くと、さすがに怒られるしな』
ドゥーチェ
『先輩達、めっちゃ盛り上がってたみたいっすね』
アンチョビ
『いやー……さっきはホントごめんな、いきなり電話して』
『あいつ、ラザニアめ、いきなりお前にかけるんだもん』
ドゥーチェ
『いえいえ。ラザニア先輩、テンションあげあげでしたね』
アンチョビ
『うるさかったぞぉー。「放課後どこ行ってたの?」って聞かれてさ』
『ペパロニと会ってたんだよって答えたら、あいつ、なんか突然騒ぎだして』
ドゥーチェ
『そうなんすか』
アンチョビ
『「二人で何してたんだ! 尋問だー!」っていきなり携帯とりだして』
ドゥーチェ
『あはは』
アンチョビ
『ほんとすまんかった』
ドゥーチェ
『全然気にしてないっす』
『ただまぁ……「今から祭場に来い」って言われたのには、ちょっと焦りましたけど(;´д`)ゞ』
アンチョビ
『「あんま調子にのるな!」って怒っといたよ』
『背中にモッツァレラチーズのかけら入れてやった』
『んで食材を無駄にするのは許さんって、ちゃんと食べさせた』
ドゥーチェ
『ぎゃーΣ (゚Д゚;)』
アンチョビ
『けどさ、きっぱりあいつの呼び出しを断ってくれて、ありがとね』
ドゥーチェ
『まぁさすがにねー、勢いで言ってるだけって感じだったですし』
『ホントに私が行っちゃったら、変な空気になっちゃうだろーなーって』
アンチョビ
『ペパロニって、そーいう空気、意外とちゃんと読むよな』
ドゥーチェ
『うす、ノリと勢いをコントロールするのが、今年の目標っす』
アンチョビ
『頼んだぞ、ドゥーチェ』
ドゥーチェ
『(*TーT)b』
アンチョビ
『んと、明日の卒業式って、結局全員きてくれるのかな?』
ドゥーチェ
『そっすよ。別に強制参加にはしなかったんすけど』
『戦車道1年2年は全員列席っす』
アンチョビ
『嬉しいなぁ、3年を代表して感謝感謝』
ドゥーチェ
『ていうか、卒業式って在校生は自由参加だったんすね』
『てっきり全校生徒でやるものだと思ってました』
アンチョビ
『生徒全員が卒業式にでちゃうと、課によってはいろいろ都合がね』
ドゥーチェ
『にしても、卒業式の後に普通に授業があるって、なんかへん!』
アンチョビ
『そうだよなぁ。まぁ、卒業式に出ない生徒からすると、ただの午前休みなんだろうな』
ドゥーチェ
『どうせなら丸っと全部休みにしてほしー』
『姉さん達の送別会、放課後にならないとできないし』
アンチョビ
『まぁ、しゃーない』
ドゥーチェ
『姉さん達、式が終わった後は放課後までどうするんすか?』
アンチョビ
『皆で』
『カラオケに行く!』
ドゥーチェ
『えー! カラオケいーなー!!━━━(゚Д゚;)━( ゚Д)━( ゚)━( )━(゚; )━(Д゚; )━(゚Д゚;)━━━!!!!! 』
『授業さぼって私も行きたい!!!』
アンチョビ
『こらこら』
『いけないドゥーチェだな』
ドゥーチェ
『ずるいっすー! 盛り上がりすぎて、壮行会すっぽかさないでくださいね!』
『ちゃんと学校に戻ってきてくださいよ!。・゚・(ノД`)・゚・。』
アンチョビ
『馬鹿、忘れるもんかい』
『ところでさ』
ドゥーチェ
『はい』
アンチョビ
『ペパロニにお願いがあるんだけど』
ドゥーチェ
『なんです?』
アンチョビ
『明日の朝、私の部屋に来てくれないか?』
ドゥーチェ
『え』
『え!』
『ええええええ(///)』
ドゥーチェ
『dousitessuka?(//////////////)』
アンチョビ
『あほ』
『壮行会の終わりに、皆に渡すプレゼントがある』
ドゥーチェ
『え』
アンチョビ
『ブローチなんだけどさ。皆のイニシャルをそれぞれ刻んである』
ドゥーチェ
『……マジすか』
アンチョビ
『全員分発注したんだけど、いやぁ届いてみたら結構かさばってってさ』
ドゥーチェ
『わかったっす! 運びにいきます!』
アンチョビ
『うん。お願い』
ドゥーチェ
『えっと、これって、みんなには秘密のサプライズですよね?』
アンチョビ
『そうだよ。だから秘密だぞ』
ドゥーチェ
『かしこまりっす! うわーまじで嬉しいっす……』
アンチョビ
『まぁ、おまえらも、なんか用意してくれてるみたいだしな』
ドゥーチェ
『は!?』
『えええええなんで知って』
『えええええ!?』
『
ヽ('A`)ノ
ヽ('A`)
ヽ(. 'A)
(ヽ´)
( .)ソ
ヽ( )ノ
. ヽ .)
(`ヽ.)
(A` )ソ
('A`)ソ
ヽ('A`)ノ !?
』
アンチョビ
『やめい』
ドゥーチェ
『秘密だったのに!!!!!!』
『ばれてる!!!!!』
『どうしよう、作戦失敗。私、立場がないっす』
アンチョビ
『知ったのはたまたま』
ドゥーチェ
『どういうことです???』
『なんでですか???』
アンチョビ
『まぁ、そこはあんまり追及してやるな』
『お互い、情報作戦するときは『壁に耳あり障子に目あり』それを忘れるなって事だ』
『それに』
『サプライズの事は私しか知らないし』
『私もちゃんと、知らなかったていで驚くから』
ドゥーチェ
『はい、お願いします……』
『ていうか……』
『姉さんの』
『意地悪』
アンチョビ「……って、こんな恥ずかしいこと文字に残してたまるかっ」
アンチョビ(ええい、自力で理解しろ! 分かるまで既読無視しよーっと……)
アンチョビ「……」
アンチョビ「……」
アンチョビ(おい、無反応になるなよ)
アンチョビ(なんか落ち着かないじゃないか)
アンチョビ(……絶対こっちからは何も言わないからな)
アンチョビ「……」画面チラチラ
< ……テケテテケテトゥリン~♪ テケテテケテトゥリン~♪
アンチョビ「っ!?」
アンチョビ「LINE着信、ペパロニから……」
アンチョビ「わかった、のかな……?」
アンチョビ(……もぉー! 電話してくるとかやめろよ! 文章だからこそってのあるだろー!)
アンチョビ(恥ずかしいだろ!)
< テケテテケテトゥリン~♪ テケテテケテトゥリン~♪
アンチョビ「うう、なんか出るのやだなぁ」
<……ピポ
アンチョビ「……もしもし?」
ペパロニ『……』
アンチョビ「……なんかしゃべれよ」
ペパロニ『……えへ』
アンチョビ「なんだっ」
ペパロニ『いやぁもー……姉さんマジっすかぁ?……エヘエヘ』
アンチョビ「何がだ! キモイ悪い笑い方するなっ」
ペパロニ『うー、なんか身体がバタバタしちゃうっすーっ』
アンチョビ「もー……」
ペパロニ『ひゃーっ』
アンチョビ「はぁ……なんだかなぁ、お前と話してると、明日卒業って気が全然しないや、あはは」
ペパロニ『あはは、ほんと、私もっす』
アンチョビ「まーだけど、部屋がすっごい広くなったよ」
ペパロニ『あ~、荷物片づけたからっすか?』
アンチョビ「うん。必要な物以外は、もう全部梱包して出しちゃったからな」
アンチョビ「この部屋こんなに広かったのかぁーって感じ」
ペパロニ『なるほどぉ……』
ペパロニ『んー……そうだ、姉さん』
アンチョビ「ん?」
ペパロニ『姐さんの部屋……今から見に行ってもいいっすっか?』
アンチョビ「へ……今から?」
ペパロニ『部屋、どんな感じかなーって』
アンチョビ「え、まぁ、別に……いいけど……」
ペパロニ『と、言うかですね……どうせ明日の朝姉さんの部屋に行くのなら、あー……』
ペパロニ『姉さんの部屋で寝ちゃだめですか……?』
アンチョビ「え!? んぁー……だけど、ええーと……」
アンチョビ(……な、なんだよペパロニのやつ……えらくグィグィくるな……)
アンチョビ(……や、まぁ私の部屋に泊まったことはなんどもあるし、今日で最後だし、おかしくはない、のか?)
アンチョビ(……あれ? じゃあなんで私ためらってんだろ。あれ? あれ?)
ペパロニ『それで、えっと、よかったらカルパッチョにも声かけよーかなーって』
アンチョビ「え、あ……そうなんだ」
ペパロニ『え……だめっす?』
アンチョビ「へ?」
アンチョビ「い……いやいや! そんなワケないだろ? もちろんカルパッチョも呼べ!」
ペパロニ『そっすよね!』
アンチョビ「そうだとも!」
ペパロニ『うし! じゃ、ちょっとしたらそっち行きますね?』
アンチョビ「うん。あ、けどごめん、ちょっと先にシャワーを浴びたい」
ペパロニ『あ、そっか、そっすよね』
アンチョビ「まぁだけど、部屋の鍵は開けとくから。勝手に入って待ってればいいぞ」
ペパロニ『わっかりました~。じゃ、後でっ』
アンチョビ「ほいほーい」
……ピッ
アンチョビ(……。)
アンチョビ「……さっさとシャワールーム行ってこよ」
<シャワワワワワワワー
アンチョビ(あーほんと、なんか笑っちゃうなぁ。明日、卒業なんだぞ? なのに、いつもとナニもかわらないじゃないか)
アンチョビ(まぁだけど、いいさ。こういう最後の夜も。ふふ)
アンチョビ(……ていうか、ペパロニ)
アンチョビ(お前、ほんっとにそーゆー趣味は無いんだろうな!? なんかちょっと不安になってきた……)
アンチョビ(……。)
アンチョビ(……冗談でも、なんかフザケたことしたら、きっぱりブッ飛ばそう、うん)
アンチョビ(……まぁ、カルパッチョも一緒だし、そんな事を想像する私こそ、変か……)
~アンチョビの自室
<がちゃり
ペパロニ「あ、姉さんお帰んなさい~。お邪魔してるっす」
アンチョビ「うい、お待たせー」
ペパロニ「いやー、部屋、ほんとに広いっすね! 私の部屋とおんなじ間取りとは思えないっす」
アンチョビ「ほんとな~」
アンチョビ「……ていうか、あれ? カルパッチョは?」
ペパロニ「それがですね、お腹、痛いらしくて」
アンチョビ「え……そ、そうなのか……」
続きがある程度書きあがり次第、また投稿します。
投稿ミスがありました。
>>24 >>25
の間に、抜けがあります。
以下、本来そこに入るべきパートです。
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アンチョビ
『なんで?』
ドゥーチェ
『どうせ知らなかった事にするなら』
『私にも黙ってくれてたらいいじゃないですか』
アンチョビ
『うん。まぁ、そうなんだけどさ』
『んー』
『えっとなー』
ドゥーチェ
『?』
アンチョビ
『お前は私と同じ立ち位置にいろ』
『ってこと。』
ドゥーチェ
『え?』
アンチョビ
『だから、』
『私もお前を』
『おまえ曰くの「特別」とやらにした』
『ってこと!』
ドゥーチェ
『う?????』
アンチョビ
『だからお前にだけは私の企んでることとかぜんぶ-----』
順番がぐちゃぐちゃになってしまいました。
コメントしていただいた方に申し訳ないのですが、いったんスレを削除依頼しようと思います。
削除確認後、あらためて正しい順番でまとめて再投稿します。
自分の不手際です、本当に申し訳ない。
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