金剛「『惑星クレイ』?」 (145)


艦これ×ヴァンガードです。
注意
・艦これとは名ばかり、艦娘は金剛しか出てきません。金剛がクレイに行く話です。
・ヴァンガードのユニットについては『ユニット設定』及び『惑星クレイ物語』を参考にさせていただきます。詳しく知りたい方は是非そちらを閲覧下さい。
・ユニットの口調や上下関係等、独自設定あります。

馬鹿げた作品とは重々承知しています。
その他もろもろありますが、それらを考慮して尚大丈夫な方や、ヴァンガードが好きな方はどうかお楽しみいただければ幸いです。
※一気に書き溜めを投稿するつもりなので、投稿中のコメントには返信できないかもしれません。

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執務室

提督「【ドラゴニック・オーバーロード "The Legend(ザ レジェンド)"】でヴァンガードにアタック!!」

金剛改二(以下金剛)「ノ、ノーガードデース・・・・・・」スッ

金剛「ま、また敗けたネー・・・・・・」ガクッ

金剛「もーっ!! テートク強過ぎデース!!」プンプン

提督「お前の戦略が単純なだけだろ・・・・・・」

金剛「One more! One more , please!」ブーブー

提督「えっ、またかよ!?」

提督(金剛にヴァンガードを教えて、はや3ヶ月・・・・・・。今や紅茶よりもカードに給料を費やしているって比叡が言ってたな・・・・・・)

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金剛「い、1勝もできませんデシタ・・・・・・」ズーン

提督「スランプなんじゃね?」オーイ、イキテルカー?

金剛「何でテートクはそんなに強いノー?」

提督「うーん・・・・・・イメージだな。惑星クレイでのユニットの関係性を考えてるから・・・・・・かな?だから機能しやすいデッキで勝てる陣形が作れるんだと思う」

金剛「『惑星クレイ』?」

提督「そうそう」

金剛「・・・・・・」





「・・・・・・ぷふっ!!」





金剛「あはははははははっ」

提督「」

金剛「もう、テートク? いくら好きでも現実との区別はつけなヨー!」

金剛「惑星クレイなんてあるわけ無いネー。そういう設定ってだけデース!」

提督「・・・・・・」

金剛「それにあの壁に掛けてある剣」スッ

金剛「ドラゴニック・オーバーロードが持ってる剣デス。あんな物まで作って・・・・・・」

提督「まぁ、確かに作りモンだが・・・・・・」

金剛「でも、そんな子供っぽいテートクもcuteで大好きデスヨ?」ニマニマ

提督「・・・・・・そうだな、確かにガキみてぇだな」ニガワライ


提督「お、もうそろそろ榛名達第二艦隊が帰ってくるな」トケイチラッ

提督「じゃあ迎えに行ってくる」スタスタ

金剛「Yes! 片付けておくヨー!」ニコニコ

ガチャ・・・・・・パタン


金剛「ふーっ・・・・・・」

金剛(全く、テートクはcoolダケドちょっと子供っぽいデース!)┐(´∀`)┌ヤレヤレ

金剛(ま、そんなとこも大好きデスケド)ニヤニヤ

金剛「But・・・・・・」スタスタ

金剛(この剣、detailsまでかなり凝ってるネー)サワサワ

金剛(テートク、この剣を掲げて)

金剛「スタンドアップ ヴァンガード!!」

金剛(・・・・・・とか言ってたりして~!)ニマニマ




キィィィィィィィィ・・・・・・





金剛「What's!?」ビクッ

金剛「な、な、何デスカ!?」

ピカァァァァァァァァァッッッ!!

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金剛「・・・・・・う、うぅう」ピクッ

金剛「痛たた・・・・・・」ムクッ

金剛「・・・・・・えっと」キョロキョロ




金剛「ここ何処デスカァァァァァァッ!?!?」




金剛(お、落ち着くネ金剛! 先ずは深呼吸して)スゥゥハァァ

金剛「・・・・・・」キョロキョロ

金剛(確か私は鎮守府(海の傍)にいたハズ・・・・・・But、ここは見渡す限りの荒野ネー)

金剛「・・・・・・とりあえずここにいても仕方ないデース! 向こうに行けば何かあるかもしれないネー」スタスタ








ドゴォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

金剛「Nooooooooooooooッッッ!!」ビクッ


金剛(な、何か遠くで爆発したネー!?)ビクビク

金剛「まさかここ、紛争地域デスカ!?」ハッ!?

金剛(艤装が無いから戦えないヨー!!)アセアセ

金剛「って、What's?」ジーッ

金剛「何かたくさん飛んでくるネー(Birdデスカ?)」


バサッバサッ ゴォォォォォ・・・・・・


金剛「・・・・・・って、アレbirdじゃないネ」ガタガタ


金剛「Dragonデース!?」ヒーッ


金剛(に、逃げないと!!)クルッ

ズズゥゥゥゥゥン・・・・・・

金剛(っ!? Shit、囲まれたネー!!)

「何だコイツ?」
「見ねぇツラだな」
「何者だ!」

金剛「あ、あぁぁあぁ・・・・・・」ガタガタブルブル

金剛(こ、これは敵に捕まって捕虜にされるpatternネー!! そしてその後・・・・・・)サァァァ

金剛「うわぁぁぁぁぁぁぁん!! テートクだけって決めてたのにィィィッッッ!!」ビェェェェェ

「な、何だコイツ!?」
「急に泣き出しやがった!?」
「・・・・・・大方変な妄想でもしたのだろう」
「おい女、我らはそんな事せんぞ」

金剛「へっ!?」

「疑わしきは殺すまで」
「捕虜になどせん」
「今ここで死ぬがいい」

金剛「ヒィィッ!?」ビクッ




??「待て」




金剛「!?」

「!?」
「ブレードマスター殿!」

ブレードマスター「我らの一存で決めるわけにはいかぬ、この者を帝都に連れてゆくぞ」

【ドラゴニック・ブレードマスター】

"かげろう"の将の一人で、巨大な青龍刀を自在に操る巨竜。国境侵略作戦の全権を担っている指揮官。

「ですが」

ブレードマスター「構わん、だが拘束はしておけ」

「はっ!!」

金剛「!?(ひ、ひとまず殺されはしないみたいデース)」ガシャン

ブレードマスター「これより帝都に帰還する」

「「「「はっ!!」」」」

バサッバサッバサッバサッ

ゴォォォォォ・・・・・・

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帝都

金剛「あ、アノ・・・・・・」ビクビク

ブレードマスター「む? 何用だ」

金剛「こ、ここ何処デスカ?」

ブレードマスター「ここは我ら竜と人の帝国、『ドラゴンエンパイア』」

ブレードマスター「私はブレードマスター。"かげろう"の将だ」

金剛「こ、金剛デース! Nice to meet you」

「【金剛】!? よもやあの名家の!?」
「たわけ、そのような事があるか!!」
「全くだ、名家の名を使おう等とは、何と不届きな・・・・・・」

金剛「えっと・・・・・・どういう事デース?」

「知らぬとは言わさぬぞ、【金剛】とは・・・・・・」





ビュゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!





「なっ!?」
「ぐぁぁ!?」

金剛「ヒィィッ!?(熱いっ! 何デスカ、この爆風ハ!?)」ビクッ

ブレードマスター「! これは・・・・・・!」

??「これは何の真似だ、貴様ッ!!」スッ

ズズゥゥゥゥゥン・・・・・・

ブレードマスター「クルーエル殿!」

【クルーエル・ドラゴン】

帝国皇帝に絶対の忠誠を誓う"かげろう"の猛将。帝国の有り様に異論を唱える者は、例え同胞であっても即時敵と判断して手にかける過激派。

クルーエル「ブレードマスター、帝都に素性の分からぬ輩を連れ込むとは、帝国への反逆行為ぞ!!」

ブレードマスター「分からぬ故にお連れした次第。如何なる処罰も受ける所存!」

クルーエル「吐かすな若造がぁ!!」スゥゥ

ビュゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!

ブレードマスター「くっ!!」

金剛「きゃぁぁぁぁぁぁッッッ!?」ブワッ

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・

・・・・・・ポスッ

金剛「た、助かったネー・・・・・・」

金剛「Thank youデーs・・・・・・っ!?」ビクッ




??「双方鎮まれ」



ブレードマスター「!?」

クルーエル「!」

「な!?」
「あ・・・・・・」

金剛「あ、あぁぁあぁぁ」ガタガタブルブル

私は自分を受け止めた巨大な手、その主の顔を見た。身体が震えている。怖くて動けない・・・・・・。私はその巨竜の名を知っている、いや知らないはずが無い。提督(愛する人)の分身、魂のユニット・・・・・・。

金剛(【ドラゴニック・オーバーロード "The Legend"】・・・・・・!!)ガクガクブルブル

【ドラゴニック・オーバーロード】

"かげろう"の指揮官にして帝国最強と謳われる戦士。神速の機動力で最大の戦果を挙げ、他を圧倒するその様から『真紅の死神』、『黙示録の風(或いは炎)』と呼ばれる。『オーバーロード』の名を冠するドラゴンの中のドラゴン。

ブレードマスター「オーバーロード殿」

オーバーロード「何をしているのだ」

クルーエル「オーバーロード、貴様の持つその人間を渡せ。そやつは素性が分からぬ。故にここで始末せねばならん!」

金剛「っ!?」ビクッ


オーバーロード「・・・・・・何も殺める必要はあるまい、この者は俺が預かる。丁度陛下に招集を受けていたところだ」

クルーエル「・・・・・・フン、ならば陛下の判断に従おう」スッ

バサッバサッバサッ・・・・・・

オーバーロード「ブレードマスターも、それでよいか?」

ブレードマスター「はっ!!」

オーバーロード「さて、貴様は何者だ」

金剛「は、はい!! 金剛デス!」ビクビク

オーバーロード「気を張る必要はない」

金剛「オ、オーバーロードさん、助けてくれてありがとうゴザイマシタ」

オーバーロード「構わん」

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王宮

金剛「Oh・・・・・・何てlargeなcastleネー」

オーバーロード「この先は非常時以外、貴様は一切口を開いてはならぬ。皇帝の御尊顔を拝する事もだ。もし破れば」

金剛「もし破ったら・・・・・・?」ゴクッ

オーバーロード「その場で塵も残らず焼き尽くされよう」

金剛「」ガタガタ

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

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皇帝の間

皇帝「急な招集すまぬな、オーバーロード」

オーバーロード「いえ、陛下のためならば」

皇帝「さて、お主を呼んだ理由だが、先ずその前に」


皇帝「その人間は何者だ?」

金剛「!」ビクッ

オーバーロード「荒野にて将の1人が発見した者です。この者の処遇について陛下のご英断を仰ぎたいとの事」

皇帝「英断とは過大評価されたものよ。我とて全能の存在ではない、判断を誤る事もある」

皇帝「その者はお主の預かりとせよ。その者に対する全権をお主に与える」

オーバーロード「はっ」

皇帝「この件に関しては以上だ」

オーバーロード「扉の外で待っておれ」

金剛「!」コクコク

タッタッタッタッタッ・・・・・・

皇帝「さて、ではお主をこれへ呼んだ本題に入ろうか」

軍上層部1「オーバーロード、貴様は古くより帝国に貢献してきた」

軍上層部2「先の大戦での侵略者との交戦、撃退」

軍上層部3「それらも踏まえ数々の貴様の功績を称え、陛下はご決断なされた」

軍上層部1「オーバーロード、貴様に軍上層部への参入許可を言い渡す」

オーバーロード「ありがたき幸せ」


オーバーロード「ですが、丁重にお断りさせていただく」

軍上層部「何!?」ガタッ

オーバーロード「自分は部下と共に前線に立つ。それが帝国に最も貢献する事だと信じる故の判断でございます」

軍上層部1「吐かすな貴様!!」

軍上層部2「陛下の命令を蹴るというか!?」

皇帝「ハッハッハッハッハッハ」

軍上層部「陛下!?」

皇帝「考えれば容易に分かる事よの。お主はそのような竜であったわ」

オーバーロード「申し訳ございません」

皇帝「構わぬ。お主の信じる通りに進むがよい、暴竜よ」

皇帝「数多の死線を超えし将よ、今からお主は"伝説"を名乗るがよい」

皇帝「『オーバーロード "The Legend"』よ」

オーバーロード「はっ!!」

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軍上層部1「陛下、よろしいのですか!?」

軍上層部2「陛下の命令に背くなど、二心があるのでは」

軍上層部3「すぐさまマグナプリズンに幽閉すべきです!」

皇帝「構わぬ、不問とす」


皇帝「お主達とて心得ていよう、前線に立つあやつがどれほど帝国に貢献しておるか」

軍上層部「陛下がそう仰るならば・・・・・・」

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オーバーロード「先刻聞いたように、貴様は正式に俺の預かりとなった。とはいえ、俺一人では面倒は見切れん。この帝国にいる間は部下達と行動してもらうぞ」

金剛「了解ネー」

オーバーロード「これより我が部隊と合流する。そこで貴様には詳細を聞かせてもらう」

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

??「我が主」

オーバーロード「バーニングホーン、バイオレンスホーン、バーンアウトか」

【バーニングホーン・ドラゴン】

全竜を束ねる大君主にのみ付き従う大角の魔竜。主以外には一切容赦ない反面、オーバーロードには絶対の忠誠を誓う。

【バイオレンスホーン・ドラゴン】

全竜を束ねる大君主にのみ付き従う堅角の魔竜。バーニングホーン同様、オーバーロードには絶対の忠誠を誓う。

【ドラゴニック・バーンアウト】

オーバーロードの名を冠する者にのみ付き従う剣角の魔竜。一族代々オーバーロードに使えており、今でこそ主の剣となる事を全てとしているが・・・・・・。


金剛「ドラゴンが3体も・・・・・・」

??「帰っておったか、主よ!」

??「エルモ、馴れ馴れしいぞお前は」

エルモ「一々細かいのぉネハーレン」

金剛(あれは・・・・・・)

【安らぎの火 エルモ】

オーバーロードの部隊に所属する炎の精霊。サラマンダーの中では生きた伝説として一目置かれている。堅苦しい関係が苦手で、主(オーバーロード)にも言いたい事をズバズバ言ってのける。

【皇竜騎士(こうりゅうきし)ネハーレン】

オーバーロードの部隊に所属する竜騎士で、帝国の"人間"としては最強クラスである。オーバーロード直属の部下だが、同時に皇帝を守護する『竜皇騎士』でもあるため、出陣の際は皇帝から勅命を得る必要がある。

金剛(テートクのデッキにも入ってたユニット達デース)

ネハーレン「む、主の客人か?」

エルモ「人間じゃな、じゃがこの国の者ではなさそうじゃ」

オーバーロード「今日から我が隊の預かりとなった」

金剛「こ、金剛デース」

ネハーレン「【金剛】!?」

エルモ「いや、あの一族は皆竜のはずじゃ」


金剛「皆私を何と勘違いしているデース?」

オーバーロード「【金剛】は、諜報部隊"ぬばたま"に所属する、由緒ある忍竜の一族だ」

金剛「!(だから皆、名家って言ってたのデスネ)」

??「大変だったわね」

ネハーレン「! モニカか」

【ドラゴンパートナー モニカ】

オーバーロードの部隊に所属する踊り子。ドラゴンダンサー達をまとめるリーダーで、部隊の後方支援を一手に引き受ける。竜騎士のような訓練を受けていないにも関わらず、竜の背中から振り落とされる事なく、竜と共鳴し心を通わせる事ができる。

モニカ「女の子どうし仲良くしましょ、金剛」ウインク

金剛「! Yes!!」ニコッ

エルモ「おぉ、ならば今宵は宴じゃな!」

モニカ「新たな仲間の歓迎会よ!!」

ネハーレン「まったく、お前達は・・・・・・」

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金剛「・・・・・・というわけデース」

オーバーロード「・・・・・・」

エルモ「何と・・・・・・別世界の人間じゃったか」

ネハーレン「そちらでも戦争がおきているとは」

モニカ「それよりも貴女が海の上を移動出来ることに驚いたわ」

モニカ「それで、ここにきた原因だけど」

金剛「何デスカ?」

エルモ「お主、その時冗談半分のお巫山戯でやったのではないか?」

金剛「っ!?」

ネハーレン「ここはお前達から見れば特殊な世界だ。何が起きても何ら不思議ではない」

エルモ「お主、元の世界に帰りたいか?」

金剛「当然ネー!!」

オーバーロード「ならば方法は一つだ」

金剛「?」

オーバーロード「貴様はこの世界を信じず、巫山戯てゲートを開いた。ならばこの世界を知る事で、貴様は元の世界に帰れよう」

モニカ「まぁ、痛い目に遭えっていう守護神様の罰みたいなものよ」

金剛「Oh・・・・・・」

オーバーロード「俺からは以上だ。明日指示を出す」スッ

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・


エルモ「主は退出したが、もうしばらく楽しもうかの」

金剛「今度は皆の事が知りたいネー」

モニカ「そうねぇ・・・・・・。なら、バーンアウトにお話してもらおうかなぁ」チラ

バーンアウト「脈絡もなく話を振るでない」

金剛「私も、何で『オーバーロード』さんに従うのか、聞きたいデース」

バーンアウト「・・・・・・まぁ、よかろう」

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我らの一族は、代々『オーバーロード』に付き従い、彼の剣となり盾となる宿業であった。だが、それを聞かされた当時の我は憤った。

バーンアウト「何故です! 何故力ある我らが、将とはいえ一介の戦士に従わねばならぬのですか!!」

そして、その不満は最悪の形で爆発したのだ。

バーンアウト「もう我慢ならん!! その将を我らが討ちとってくれるわ!!」

老兵「よさんか、馬鹿ども!」

バーンアウト「黙れ!」ダッ

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バーンアウト「・・・・・・見つけた」

「やるのか、バーンアウト?」
「奴は丁度1人だ、やるなら今だ!」

バーンアウト「よし、行くぞ!」

ダッ・・・・・・・

オーバーロード「・・・・・・」

バササササッッッ!!

バーンアウト「オーバーロード、討ち取ったり!!」


オーバーロード「・・・・・・」スッ

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

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バーンアウト「う・・・・・・うぅう」ピクピク

・・・・・・結果は完敗だった。

オーバーロード「・・・・・・」

バーンアウト「我らの・・・・・・負け・・・・・・だ。す、好きにするがいい・・・・・・」ググッ

上官の命を狙うなど、半生獄中から出られぬ程の重罪だ。だが・・・・・・

オーバーロード「この件に関しては不問とする・・・・・・」クルッ

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

バーンアウト「」ポカーン

あの方は我をあっさりと許し、何事も無かったかのようにその場から立ち去った。
我は埋まるはずがない、埋められるはずがない絶対的な力の差を目の当たりにした。

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バーンアウト「故に我は、あの方に忠誠を誓ったのだ」

金剛「す、すごいpastネー」アングリ

エルモ「よし、ならば次はワシが・・・・・・」フフン

モニカ「貴方の話は主の自慢ばかりだから、つまらないわ」

エルモ「何じゃとモニカ!?」クワッ

ネハーレン「落ち着かんか」ヤレヤレ

金剛「あははは」

金剛(I'm sorry.テートク。テートクは嘘ついて無かったネー。テートクの言った通り、ユニットの関係性は凄く奥深いデース)


翌日

金剛「う、うーん・・・・・・」ムニャムニャ

モニカ「目は覚めたかしら?」

金剛「Oh! モニカ、good morning!」

モニカ「昨日から気になってたんだけど、貴女って時々おかしな言語を使うわね」

金剛「もしかして、英語知らないデスカ?」

モニカ「『エイゴ』? 聞いたこともないわ」

金剛(これは、しばらく苦労しそうネー)

モニカ「はい、朝食よ。主からの指示があるから、食べながら聞いてちょうだい」コト

金剛「Thank youネー」

モニカ「えっと、『次に挙げる者から話や、その者の価値観を聞いてこい』だそうよ。確かにこの世界について理解するには、この世界の住人から話を伺うのが早いわ」

モニカ「ここから一番近いのは『忍の里』ね」

金剛「Wow!! ニンジャデスカ?」

モニカ「帝国が誇る二大隠密諜報部隊の拠点よ。そこで【金剛】一族の精鋭に話を伺う事が出来るわ」

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モニカ「見えてきたわ、あそこよ」

金剛「あれが・・・・・・」

モニカ「降下するわよ」

金剛「Yes!」

バササササッ ヒュー・・・・・・

ズズゥゥゥゥン・・・・・・

モニカ「ありがとう」スタッ

金剛「早く着いて良かったネー」スタッ

モニカ「まさか歩いてくつもりだった?」

金剛「う・・・・・・」

モニカ「『ドラゴンエンパイア』はクレイで一番の国土を誇るの。ドラゴンなしでは移動は無理よ」

スタスタスタスタ・・・・・・

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モニカ「"ぬばたま"は帝国の諜報部隊で、領土の東方に伝わる独自の武術や、暗黒魔術を習得したエキスパート達よ。そしてそれと双璧を成すのが、隠密部隊"むらくも"」スタスタ

モニカ「彼らは任務とあらば自己犠牲すら厭わない非情な集団」スタスタ

金剛「What's!?」ギョッ

モニカ「彼らにとって『任務遂行』は己の命よりも重いのよ」スタスタ


??「む、モニカ殿か・・・・・・」

モニカ「! マガツ殿」

金剛「!」

【隠密魔竜(おんみつまりゅう) マガツストーム】

忍竜一族【禍津(マガツ)】の第十三代目頭領。あらゆる忍術に精通し、特に分身(わけみ)の術は、他の忍では到底辿り着けない高みまで昇華させている。

モニカ「マガツ殿、こちらは我が主の預かりの金剛という者です。金剛、こちらは隠密部隊"むらくも"の忍竜、マガツストーム殿よ」

金剛「こ、金剛デース! 初めまして」

マガツ「金剛殿か・・・・・・。十三代目頭領のマガツストームだ」

マガツ「して、此度は何用か?」

モニカ「主の命により、金剛一族の方に御話を伺いに来ました」

マガツ「ふむ、彼らは屋敷にいよう」

モニカ「分かりました、ではこれにて」ペコ

金剛「あ、ありがとうゴザイマシタ」ペコ

マガツ「うむ、では・・・・・・」

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モニカ「頭領とお会いできるなんて、貴女運がいいわね」スタスタ

金剛「普段は違うんデース?」スタスタ

モニカ「当然。頭領クラスの方は常時数名の上忍に警護されてるわ」スタスタ

金剛「ニンジャに位なんてあるノー?」スタスタ

モニカ「下忍は監視無しでは行動できない、中忍になって初めて1人での行動と独自の忍術の研究が許される、上忍は最も危険な敵地侵入や要人暗殺の任務が許可される唯一の位よ」スタスタ

金剛「私達も、練度が低い時はいつも演習が中心ネー。高練度になったら大規模作戦に参加できマース」スタスタ

モニカ「軍だから、その辺は似通っているわね。さ、着いたわ」ピタッ

金剛「ここが・・・・・・」

??「お待ちしていた・・・・・・」

金剛「ふぁッッッ!?」ビクッ

モニカ「!」

金剛「いつの間に後ろに!?」

??「失礼・・・・・・」

モニカ「お出迎え感謝します、クジキリ殿」

【修羅忍竜(しゅらにんりゅう) クジキリコンゴウ】

諜報部隊"ぬばたま"の忍。忍術、体術どれをとっても近年の"ぬばたま"では最上位の実力を誇る。【金剛(コンゴウ)】の長からも絶大な信頼を寄せられ、次代の長候補の声も多い。

クジキリ「モニカ殿、こちらの方が・・・・・・?」

モニカ「はい、主の預かりとなった者です」

クジキリ「左様か。私はクジキリコンゴウ・・・・・・金剛一族の忍だ・・・・・・」

金剛「金剛デース」


クジキリ「其方の事は、オーバーロード殿から聞いている」

モニカ「クジキリ殿は金剛一族の長候補として有力な御方よ」

クジキリ「私など・・・・・・まだまだ実力不足・・・・・・」

金剛「モニカから聞きマシタ、何故ニンジャはmission遂行の為二・・・・・・」

クジキリ「理解できぬのも分かる・・・・・・我ら忍は帝国を影から支える存在」

クジキリ「我らは死など畏れぬ・・・・・・我らが恐れるは帝国の敗北。帝国の為に命を捧げる事が我らの誇り」

クジキリ「影として生き、戦い、朽ちる事こそ忍の本懐なれど、無為のまま朽ちる事など決して許されぬ・・・・・・私はそう考えている」

金剛「・・・・・・」


クジキリ「其方の軍についても話してくれるか・・・・・・?」

金剛「私達は、深海棲艦という敵と戦っていマス。敵の戦力、本拠地、指揮官・・・・・・何一つとして明らかになっていマセン。敵に領海を奪われ、私達は防戦一方デス」

クジキリ「情報は限りなく少ないか・・・・・・。其方も心得ていよう、情報は戦において要とも言える事を・・・・・・」

金剛「・・・・・・」コクッ

クジキリ「情報は武器だ。其方達の敵は何が弱点か、何処を叩けばよいのか・・・・・・否、話が通じる輩ならば話し合いで解決できるやもしれぬぞ」

金剛「!」

クジキリ「これは戦に限った事に非ず・・・・・・何かを成す時、物を言うのは情報だ・・・・・・情報一つで成功にも失敗にも成り得る事を、今一度その心に刻むがよい」

金剛「はい!」

モニカ「では、私達はこれで」

クジキリ「うむ・・・・・・」

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バササササッ、バサッ、バサッ・・・・・・

モニカ「金剛、クジキリ殿の第一印象・・・・・・どうだった?」

金剛「Faceは怖いけど、とても優しい人デシタ!」

モニカ「ふふっ、ああ見えてクジキリ殿は殆ど口を開かないわ。それにその風貌、更には呪魂術っていう、一部が禁術に指定されている術の使い手だから、彼を知らない人や若い忍からは敬遠されがちなのよ」

金剛「人はlooksによらないって言いマース!」

モニカ「さぁ、次はまた別の所よ。帝都にいる方に話を伺う事になってるわ」

金剛「次は誰ダロー?」ワクワク

バササササッ、バサッ、バサッ・・・・・・

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帝都

金剛「昨日とはまた違うドラゴンがいるネー」キョロキョロ

モニカ「そうだ、移動しながら説明しておくわね」

モニカ「このドラゴンエンパイアには五つの部隊が所属しているのよ。
一つは、私達第一柱軍、航空爆撃部隊"かげろう"。そして陸上強襲部隊"たちかぜ"。さっきお会いしてきた諜報部隊"ぬばたま"に、隠密部隊"むらくも"。そして今からお尋ねするのが第二柱軍、航空強襲部隊"なるかみ"よ」

金剛「"なるかみ"?」

モニカ「私達"かげろう"が、フレイムドラゴンによって統率されているのに対し、"なるかみ"はサンダードラゴンに統率されている部隊なの」

金剛「Wow! Thunderデスカ!?」

金剛「雷電達の事だったんデスネ!」

モニカ「『雷電』?」

金剛「私の仲間デース!」


??「む、モニカではないか」

モニカ「! ヴァンキッシャー殿」

【ドラゴニック・ヴァンキッシャー】

"なるかみ"の一員。かつての大戦時には、侵略者の大部隊をたった一人で壊滅させ、名を上げた戦士。その功績を称え、『征服者』の名を賜り、今では数百の兵を率いる指揮官として名を馳せている。

金剛(Vanquisher・・・・・・征服者って意味デシタネ・・・・・・)

ヴァンキッシャー「そちらの方は・・・・・・」

モニカ「主の預かりとなった者です」

金剛「金剛デース!」

モニカ「ヴァンキッシャー殿はかつての大戦時、侵略者の大部隊をたった一人で壊滅させた御方よ」

金剛「Wow! Great!!」

ヴァンキッシャー「? 言葉は理解出来ぬが、褒め言葉として受け取っておこう」

金剛「そんなに強いなら、どんな戦いでも敵無しデスネ!」

ヴァンキッシャー「我は戦いの場には赴かぬ」

金剛「What's?」

ヴァンキッシャー「力を誇示するための戦いに意味はない。進むべき道を切り開くためにこそ、我は力を振るうのだ」

金剛「!」

モニカ「ふふっ、星を守るために戦い抜いた戦士の言葉は重いでしょ?」

金剛「・・・・・・」コクッ


ヴァンキッシャー「話は聞いている。彼らはこの先にいよう」

モニカ「感謝します、ではこれにて」ペコ

金剛「ありがとうゴザイマシタ」ペコ

ヴァンキッシャー「うむ」

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モニカ「これから会うのは、『抹消者(イレイザー)』という"なるかみ"の特殊部隊なのよ」スタスタ

金剛「『抹消者』?」スタスタ

モニカ「帝国の戦士の中でも、特に帝国に忠誠を誓う、文字通り帝国に仇なす敵を"抹消"する戦士達。如何に平時が平和的な者であっても、任務時は非情な選択が取れるよう、特殊な訓練を受けてるのよ」

金剛「この国の軍は怖過ぎデース・・・・・・」ゾッ

モニカ「とはいえ、今では理念や内部構造が多少変わってね。かつての裏で秘密裏に活動するのではなく、様々な依頼を請け負う万能の特殊部隊となったのよ。過去の栄光とはいえ、伝説の部隊の知名度はかなりのものよ」

金剛「今はそこまで怖くないノ?」ビクビク

モニカ「ええ」


モニカ「あら、ズイタン。久しぶりね」

ズイタン「何だ、モニカか」

【覇軍の抹消者 ズイタン】

抹消者の一人である、若きドラゴンナイト。黙示録の継承者達に憧れ、黙示録の剣を小型化したレプリカを携帯している。

ズイタン「ん、誰だそいつ?」

金剛「金剛デース。その剣って・・・・・・」

ズイタン「んぁ、これは黙示録の剣のレプリカだ。本物は二振りしかないぜ」

モニカ「それを賜っているのは僅か二人」

ズイタン「オーバーロードさんと、ディセンダント様だ」

金剛「ディセンダント?」

モニカ「抹消者の、そして"なるかみ"の指揮官だった御方よ」

金剛「今は何処に?」

モニカ・ズイタン「・・・・・・」

金剛「?」


モニカ「先の大戦で、抹消者の殆どは傷付き倒れ、消息不明の方もいるの」

金剛「・・・・・・」

ズイタン「だけど、あの方達がご帰還なさるその日まで、俺達が抹消者を守るのさ」

ズイタン「そうだ、これも何かの縁だ。この剣を造ってくれる方を紹介してやるよ」

モニカ「! 奇遇ね、私達はその方に用があったのよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カァーン カァーン カァーン・・・・・・

モニカ「あ、いらしたわ」スタスタ

モニカ「テンペストボルト殿」

テンペストボルト「む、客人か?」

【抹消者 テンペストボルト・ドラゴン】

名刀と謳われる刀を幾本も打ってきた帝国きっての名工にして"なるかみ"の剣客。自作の刀の切れ味を試す為だけに剣術を磨いた結果、剣豪として名を馳せる事になった。

テンペストボルト「モニカ殿か、久しいな」

モニカ「テンペストボルト殿もお変わりないようで。紹介します」

金剛「金剛デース!」

テンペストボルト「テンペストボルトだ。よろしく頼む」

テンペストボルト「それで? オーバーロード殿から話は聞いているが、それだけではあるまい」

モニカ「察しが良くて助かります。"黙示録の剣"のレプリカを打っていただきたく・・・・・・」

テンペストボルト「ふむ・・・・・・金剛殿とやら、少しよろしいか?」ザッ

金剛「?」

テンペストボルト「・・・・・・」ジーッ

金剛(す、凄い目つきデスネ・・・・・・。まるで指揮中のテートクの目デース)


テンペストボルト「・・・・・・! そういう事か・・・・・・」

テンペストボルト「待っておれ」

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

テンペストボルト「金剛殿、其方にこれを受け取っていただきたい」スッ

金剛「What's? これって・・・・・・」

金剛(黙示録の剣のレプリカネー・・・・・・)

テンペストボルト「知っておるかもしれんが、"黙示録の剣"は二振りで一対。故に模造刀も二振り打つ」

テンペストボルト「それの片割れは、昔オーバーロード殿に譲った」

金剛(オーバーロードさんに?)

テンペストボルト「其方からは、"彼"と同じ雰囲気を感じる」

金剛「オーバーロードさんと・・・・・・」

金剛「にしても・・・・・・この剣very heavy ネー(私の艤装くらいはあるヨー)」プルプル

テンペストボルト「さよう。それが人を
容易く殺める重み。その重みに振られるようでは剣士とは呼べぬぞ」

金剛「!」

テンペストボルト「剣に限らず、武をもって人を活かすも殺すも、担い手の在り方と力量次第なり」

金剛(こんな感じの言葉・・・・・・何処かで・・・・・・)


モニカ「金剛、そろそろ行かないと」

金剛「OK! テンペストボルトさん、ありがとうゴザイマシタ」ペコ

テンペストボルト「武運を祈る」

モニカ「では、これにて」ペコ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モニカ「金剛、さっき何か考え事してた?」スタスタ

金剛「テンペストボルトさんの言葉、何処かで聞いたような気がするネー」スタスタ

モニカ「そう・・・・・・」スタスタ

モニカ「今日はこれくらいかしら。残っているのは・・・・・・少し厄介な所だわ」

金剛「? どういうmeaningデース?」

モニカ「入るのに許可が要るのよ」

金剛「そんなに厳重なplaceなのデスカ!?」

モニカ「ええ、宮殿と地下監獄よ」

金剛「・・・・・・へっ・・・・・・?」ポカーン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日

金剛「モニカ、castleとunderground prisonにはどうやって入れてもらうデース?」モグモグ

モニカ「そうね・・・・・・地下監獄は何とかなるとして、宮殿にどうやって入れてもらうか」パクパク

モニカ「この部隊と宮殿を、比較的自由に出入りできる人でもいたら・・・・・・」

ネハーレン「む、金剛とモニカか。主の指示はどうだ、順調か?」スタスタ

金剛・モニカ「」ハッ!!

ネハーレン「? どうした?」←竜皇騎士

金剛・モニカ「居たぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」

ネハーレン「!?」ビクッ

モニカ「実は・・・・・・」


ネハーレン「・・・・・・なるほど、委細承知した」グビグビ

モニカ「ありがとう、ネハーレン」

金剛「ところで誰に話を聞くデース?」

モニカ「かげろうの老将の一人よ」

金剛「どんな人デショウ・・・・・・」

モニカ「若い頃は、誰よりも強さを追い求めた猛将と聞くわ」

ネハーレン「私も宮殿に用がある。すぐに竜を出す」スタスタ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


帝都 宮殿

ネハーレン「彼は自室にいらっしゃるそうだ」スタスタ

モニカ「分かったわ」

金剛「Thank youネー!!」

スタスタ テクテク・・・・・・

コンコン

??「入れ」

モニカ・金剛「失礼します」

ガチャ

??「来たか、モニカよ」

モニカ「貴重なお時間を割いていただき、誠に感謝いたします、ドーントレスドライブ殿」

【ドーントレスドライブ・ドラゴン】

初代皇帝の代より生きる最古参のフレイムドラゴンの一人。かつては誰よりも強さを追い求めた猛将だったとの事。


ドーントレスドライブ「オーバーロードから話は聞いている。そちらが・・・・・・」

金剛「金剛デース!」

ドーントレスドライブ「ドーントレスドライブだ。よろしく頼む」

金剛(Dauntless・・・・・・不屈の竜・・・・・・)

モニカ「ドーントレスドライブ殿は、初代皇帝の代から、"かげろう"に所属しておられた方よ」

金剛「What's!? どれだけ前から・・・・・・。そして貴方何歳デスカ!?」

ドーントレスドライブ「ハッハッハ、話に聞く通りなかなか賑やかな娘よ。そうだな、私の身の上話でも聞いていただこうか」

金剛「お願いしマス」

ドーントレスドライブ「先ずは、私の過去を話すとしよう。私はかつて、誰よりも強さを追い求めた竜だったが、歳を重ねるにつれ、己の力の有り様について迷うようになってな。齢4000を数える年に霊峰に隠居したのだ。己が身体に封印を施してな」

金剛「よ、4000!? てことは、今は4000歳以上!?」

ドーントレスドライブ「何ら不思議ではないぞ、純粋な竜には寿命なる物が存在せんのだから」

金剛「!?」

ドーントレスドライブ「竜の死とは、活動する器を失った時。即ち『肉体が修復不可能なまでに損傷した場合』、『何らかの理由で体内の魔力が枯渇した場合』の2つを指すのだ」


ドーントレスドライブ「話を戻すとしよう。私は身体に封印を施し、霊峰にて眠りについておった。だが先の大戦で、その封印は予期せぬ侵略者の侵攻によって破られた。封印から覚醒した私は、不撓不屈の竜『ドーントレスドライブ』を名乗り、再び"かげろう"に帰属したのだ」

金剛「よく大戦(great war)って言ってるケド、何の事デース?」

ドーントレスドライブ「話しておらんのか?」

モニカ「はい・・・・・・あまり、良い話でもありません」

ドーントレスドライブ「過去を話さずしてどうする」

モニカ「・・・・・・仰る通りでございます」

金剛「モニカ・・・・・・?」

モニカ「実は・・・・・・」


昔、異星からの侵略者によって惑星クレイの三英雄が封印される事件があったの。その三人の中の一人こそ、我が主にして"かげろう"の指揮官でもあった、ドラゴニック・オーバーロードよ。
三英雄を解放するため、隣国の聖騎士団と"なるかみ"、そして侵略者の手によって復活した伝説の海軍との戦いが起きた。
それが『解放戦争(かいほうせんそう)』。
その後、全ての元凶であった『虚無(ヴォイド)』を撃退した事で、三英雄は解放された。
だけど『虚無』は、新たな手段で惑星クレイに侵攻してきた。それは侵略者の尖兵を送り込む事。その軍勢こそが"リンクジョーカー"よ。
"リンクジョーカー"との戦争、それが私達が話す『先の大戦』、『星輝大戦(インベイション・グレイトウォー)』よ。


モニカ「今はクレイに受け入れられた者もいると聞くわ」

金剛(リンクジョーカー・・・・・・。確かテートクの友人が使ってたネー)

ドーントレスドライブ「奴らの強さは数だ。ほぼ無限とも言える大軍が押し寄せたのだ」

ドーントレスドライブ「そして私も、一度は奴らの手に堕ちた」

金剛「What's!?」

モニカ「ドーントレスドライブ殿!」

ドーントレスドライブ「構わぬ、元々私の身の上話だ」

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー


奴らの侵攻が始まり・・・・・・"リンクジョーカー"との戦争は激化し、とうとう帝国にも侵攻してきた。そんな最中だった・・・・・・

バタンッッッ!!

「緊急事態発生! 新兵の分隊が敵軍から奇襲を受けたとの事!!」

ドーントレスドライブ「何だと!? 場所は!?」

「何をなさるおつもりですか!?」ガシッ

ドーントレスドライブ「離せ、分隊を助けねば!!」バッ

「ですが単騎突貫など無茶です!!」

「お待ちください、ドーントレスドライブ殿!!」

私は部下の静止を振り切り、単騎出撃した。だが・・・・・・

ドーントレスドライブ「もう少しで・・・・・・っ!?」ハッ

ドーントレスドライブ「こ、これは・・・・・・」ワナワナ

そこには無惨な姿で事切れていた新兵の分隊があった。

ドーントレスドライブ「何という・・・・・・事だ・・・・・・」ツーッ

ドーントレスドライブ「オ・・・・・・オォォ・・・・・・オォオォオォ・・・・・・」ポロポロ


??「さて、残り一人か・・・・・・」

ドーントレスドライブ「!?」ハッ

??「雑魚の掃除はつまらぬものよな」グイッ

「ぁ・・・・あぐ・・・・・・」ボタボタ

??「なに、苦しみはせんよ。一瞬だ」つ大鎌

ドーントレスドライブ「ウォォォォォオォオオオォォオォォォォォオッッッ!!」ダッ

??「何っ!?」ビクッ

ドーントレスドライブ「貴様ァァァァァッッッ!!」

??「しまった!!」




??「・・・・・・等と言うとでも?」ニヤリ




バババババババッ

ドーントレスドライブ「!?(しまった、伏兵か!? 数千はいる!!)」

「「「「「「『呪縛(ロック)』」」」」」」

ビキビキビキビキビキッッッ!!

ドーントレスドライブ「ぐぁっ!?」ビキィィィ

??「ククク・・・・・予想通りに取り乱しおって・・・・・・」

ドーントレスドライブ(これが噂に聞く『呪縛(ロック)』か・・・・・・身体が動かぬ)グググッ


??「さて、貴様を『呪縛(ロック)』できた以上、もうこの虫けらに要はないな」スッ

ドシュッッッ!!

ドサッ・・・・・・

ドーントレスドライブ「! 何という事を! 貴様何者だ、よくも我が同胞達を!!」

??「我が名は"リンクジョーカー"の指揮官が一人、カオスブレイカー」

【星輝兵(スターベイダー) カオスブレイカー・ドラゴン】

"リンクジョーカー"の尖兵、星輝兵(スターベイダー)の指揮官の一人。他者を絶望させ堕とす事を至上の悦びとする歪な精神の持ち主。敵味方問わず甘言を弄して欺く為、他の指揮官からは「道化」と呼ばれ嫌悪されているが、如何な作戦においても必ず大きな成果を挙げるため、本隊からの評価が非常に高い。

カオスブレイカー「怒りに身を任せ突貫すれば、あの虫けらを救えると思ったか? 何と単純な猪武者よ」ニヤリ

ドーントレスドライブ「何故このような所業を!!」グググッ

カオスブレイカー「何、簡単な事」

カオスブレイカー「心とは何者の干渉も受けなければ絶望にも希望にも属さん。なればこそ、ただ絶望させるよりも一欠片の希望を与えてから堕とした方がより効果的なのだよ」ニタ・・・・・・

ドーントレスドライブ「!? 悪魔か貴様ッッッ!!」

カオスブレイカー「希望は存在する。だが・・・・・・」ヴヴッ





・・・・・・お前に救いが訪れる事はない




道化は手から発した黒い球体を私の額に打ち込んだ。

ドーントレスドライブ「グァァアッ!?」ビキィィィ

カオスブレイカー「おぉ、不屈の戦士とはよく言ったものよ。なかなか良質なエナジーが手に入った」

兵を引き連れ道化が去った後、虚無を打ち込まれた私はЯ(リバース)されていた。

ドーントレスドミネイト・ドラゴン "Я(リバース)"「・・・・・・」

ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ドーントレスドライブ「私は最後まで己に迫る絶望に屈する事は無かった・・・・・・」

ーーーー未来の強者と成りえた者達が、意味も無く命を奪われていく

ドーントレスドライブ「その哀しき光景が、"不屈の竜(私)"を跪かせたのだ・・・・・・」

金剛「・・・・・・酷い」ツーッ

モニカ「金剛・・・・・・」

金剛「酷過ぎマス!! これじゃあ貴方が報われない・・・・・・!」ポロポロ

ドーントレスドライブ「報われない・・・・・・か・・・・・・」

モニカ「金剛、確かにドーントレスドライブ殿は一度はЯされてしまった。でも反転を克服したのよ」

金剛「え・・・・・・?」グシグシ

ドーントレスドライブ「左様。先程言ったが、私は心の乱れを突かれ反転した。暫くすると、私は自らの身体を突き動かす破壊衝動と戦った」

ドーントレスドライブ「そして己の弱さに勝ったのだ」

金剛「Яに・・・・・・勝った・・・・・・?」

モニカ「そうよ、そして帝国に大打撃を与えた裏切り者を討ち取ったの」

金剛「オォー!!」

ドーントレスドライブ「己が信念を磐石の物とすれば、何にも負けはせん」

金剛「その通りデース!! 何事も信念が大切ネー!!」

モニカ(さっきまで泣いてたのに、もう元気になっちゃって・・・・・・)クスクス


ドンドンドン・・・・・・

>ドーントレスドライブ殿、居られますか?

ドーントレスドライブ「! モニカ」ヒソッ

モニカ「!」コクッ

金剛「?」

モニカ「金剛、こっちに来て」ヒソッ

金剛「!」コクッ

ドーントレスドライブ「入れ」

ガチャ


ドンドンドン・・・・・・

>ドーントレスドライブ殿、居られますか?

ドーントレスドライブ「! モニカ」ヒソッ

モニカ「!」コクッ

金剛「?」

モニカ「金剛、こっちに来て」ヒソッ

金剛「!」コクッ

ドーントレスドライブ「入れ」

ガチャ


すみません、連投してしまいました。

「ドーントレスドライブ殿、先程こちらで会話が聞こえましたが?」

ドーントレスドライブ「うむ、モニカと先の大戦の感傷に浸っておったのだ。のぅ、モニカよ」

モニカ「はい」

「左様ですか・・・・・・」

「ですが帝国の戦士である以上、口を滑らせ、軍事機密等を漏らす事の無いように」

ドーントレスドライブ「心得ておる」

「では、失礼」

ガチャ・・・・・・バタン


金剛「今の人達は誰デスカ?」

モニカ「クルーエル殿の部下よ。ああして不穏な発言や行動を行う者がいないか、過度な監視をしておられるのよ」

ドーントレスドライブ「とはいえ、結果不穏分子の反乱を未然に防ぐなど、帝国への貢献度は非常に高い」

モニカ「彼はかなり過激な将で、彼の前で帝国に不満を言おうものなら、例え味方でも即刻始末されるわ」

金剛「それはちょっとやり過ぎデース」

モニカ「そうね。確かに多くの将からも、彼を現職に就かせたままにすべきではないと言われているみたい」

ドーントレスドライブ「だが帝国でも指折りの傑物である事もまた事実。彼の内外における功績は決して無視できる物ではあるまい」

金剛「何でドーントレスドライブさんは、クルーエルさんの味方をするデース?」

ドーントレスドライブ「私も納得はしていないが、理解はできるからだ。いや、そもそも彼のような者が一番軍人に向いているかもしれぬ」

金剛「Why!? 平気で味方を殺すような人デスヨ!?」


ドーントレスドライブ「本来戦争とは殺し合い、軍隊は人と戦う集団なのだ。そうする事で祖国の民を守るのだからな」

ドーントレスドライブ「味方だったから、可愛そうだからと情に絆され、見逃した者が仲間や民に危害を加えては本末転倒。人を信じ、助ける心優しい者は、"人"としては素晴らしい。だが"軍"としては非情になりきれる者が強い傾向にある」

金剛「But、テートクは強いケド、very kindデス!! 私達を誰一人として轟沈(Lost)させないために頑張ってマス!!」キッ

モニカ「金剛!?」オロオロ

ドーントレスドライブ「優しい事は決して悪い事ではない。だがその優しさが、時に己を追い詰める事もある。完全に割り切れとは言わぬが、時には何かを切り捨てる事を厭わぬ覚悟を持つ事だ」

金剛「But・・・・・・」ウツムキ

ドーントレスドライブ「・・・・・・だが、これはあくまで一介の軍人としての教えだ」

金剛「!」

ドーントレスドライブ「私個人としては金剛、お主には優しい人間でいて欲しい」

金剛「What's?」

ドーントレスドライブ「会って間もない私の過去に涙を流したのは、紛れも無いお主の優しさだ。愛する者達のためにも、その優しさを永劫忘れるな」

金剛「Yes! 絶対に忘れまセーン!」


ガチャ

ネハーレン「ドーントレスドライブ殿、失礼します。モニカ、金剛。そろそろ時間だ」

モニカ「分かったわ」スクッ

金剛「ドーントレスドライブさん、ありがとうゴザイマシタ」

ドーントレスドライブ「うむ。ネハーレン、モニカ、金剛。オーバーロードによろしく頼む」

ネハーレン・モニカ「はっ!」

金剛「了解ネー!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーー


バサッバササ、バサッバサッバサッ

ネハーレン「有意義な話は聞けたか?」

金剛「バッチリネー」

モニカ「それにしても金剛がドーントレスドライブ殿を睨みつけた時は、肝が冷えるかと思ったわ」

ネハーレン「そんな事をしたのか」

金剛「ダッテ、テートクの事バカにされたみたいだったデース」ブー

モニカ「あの方が温和になっていて良かったわね、若い頃なら、消し炭にされてたかもしれないわよ」

ネハーレン「確かに」

金剛(テートクが元帥の事をよく"好々爺"って言ってるケド、あんな感じなんデスネ)


??「オラオラオラァァッッッ、そんななまっちょろい拳でどうすんだ、テメェらァ!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

金剛「なっ!? 何デスカ!?」ビクッ

モニカ「あー、面倒な方に・・・・・・」アタマカカエ

ネハーレン「そう言うなモニカ、仮にも指揮官だ」

ヒュゥゥゥゥゥ・・・・・・

ネハーレン「ビッグバンナックル殿」

ビッグバンナックル「ん? おぉ、ネハーレン達じゃねぇか!!」

【喧嘩屋(ブロウラー) ビッグバンナックル・ドラゴン】

"なるかみ"の特殊部隊《喧嘩屋》のリーダー。粗野で乱暴、呆れるほど無秩序な性格だが、どんな時でも仁と義だけは忘れない熱い漢。

ビッグバンナックル「全く、最近の若ぇ連中ときたら、てんで話にならねぇ。もっとこの《喧嘩屋(ブロウラー)》を盛り立てねぇといけねぇのによ」

金剛「Brawler?」

モニカ「昨日話した通り、先の大戦で抹消者達の精鋭の多くが傷付き倒れ、帝国の軍事力は大きく低下したのよ」

ネハーレン「そこで彼、ビッグバンナックル殿は帝国を盛り立てるため、新部隊《喧嘩屋》の設立を提案した」

金剛「そうなんデスカ?」

モニカ「凄いのはここからよ。彼は新部隊設立の際、自分の伝手のみで隊員を集めたの。喧嘩屋の大半が彼の一声で集まった辺り、彼の人望の厚さが見て取れるわ」

金剛「What's!?」


金剛「何でそんな事できるデース!?」

ビッグバンナックル「ハッハッハッハッハッ!! 俺は仁義だけは忘れねぇからな」

金剛「"ジンギ"?」

モニカ「『人が踏み行う道理』とか、義理人情とか・・・・・・。簡単に言えば"人である事"かしら」ウーン

ネハーレン「恩を忘れずにその人の力になる事も仁義だろう」

ビッグバンナックル「まぁ、そんなモンよ」

金剛「"仁義"ってそんなにimportanceデスカ?」

ビッグバンナックル「当たりめぇよ。それが無きゃ人じゃねぇ!!」

ビッグバンナックル「つまり、仁義を欠いちゃァ、この人の世は渡っちゃいけねぇんだよ」ギロ

金剛「!?」ビクッ


ビッグバンナックル「そんなヤツぁ、漢じゃねぇ。そんなヤツがいたら俺は・・・・・・」グッ

ビッグバンナックル「こうしてやるァ!!」ブンッ

ドガァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!

金剛「ひぃぃッッッ!?」ビクッ

ビッグバンナックル「覚えとけ嬢ちゃん、俺は仁義の漢、ビッグバンナックルだ」

金剛(お、大岩が・・・・・・拳一発で粉々に・・・・・・)ゾクッ

ビッグバンナックル「ところで嬢ちゃん、背中に背負ってんのは"黙示録の剣"のレプリカだな。相当の手練れと見たぜ」

金剛「へ?」

ビッグバンナックル「俺と一丁、勝負しねぇか?」

金剛「えぇっ!?」

モニカ「ちょ、無理がありますよ、ビッグバンナックル殿!」アワアワ

ネハーレン「人が竜とまともに戦える訳がない!!」

金剛「・・・・・・分かりました」

モニカ・ネハーレン「金剛!?」

金剛「私は、金剛型戦艦一番艦の金剛デース!! 戦艦のprideにかけて、どんな相手でも戦ってみせマース!!」チャキ

ビッグバンナックル「言うねぇ、お前みたいな奴は嫌いじゃねぇ」グッ


スッ

金剛「Burning・・・・・・」チャキ・・・・・・

ビッグバンナックル「来い!」

金剛「Love!!」ブンッ

ズババババババババッッッ!!

金剛「!? (地面に切れ込みが!? 何て斬れ味デスカ!?)」

ビッグバンナックル「ウルァァァァッッッ!!」ブンッ

ドゴォォォォォォンッッッ!!

金剛「!(拳の衝撃波で相殺シタ!!)」

ビッグバンナックル「ボサっとすんじゃねぇ!」ダッ

金剛「!? Shit、間に合わナイ!」

ビッグバンナックル「オラァァァッッッ!!」ブンッ

金剛(殺られる!!)メヲツブリ




ガキィィィィィィィンッッッ!!



モニカ「え?」

ビッグバンナックル「!?」

ネハーレン「何だと!?」

金剛「・・・・・・?」

金剛「!?」

私は自分の目を、いや身体を疑った。大岩をも粉々にした巨竜の鉄拳は、確かに私にヒットしている。だが、その拳を受けても私は死ぬどころか痛みさえ感じていない・・・・・・!

金剛「わ、What's happened?」オロオロ

ビッグバンナックル「・・・・・・硬質魔法・・・・・・だと!?」

金剛「へ!?」

ビッグバンナックル「お前は無意識に身体を細胞レベルで硬質化させたんだ。お前は無意識に・・・・・・」




魔法を使ったのさ・・・・・・





金剛「Magicを・・・・・・?」

ビッグバンナックル「驚いた、確か人間は竜と違って魔法を使うにはスゲェ訓練や修行がいるって話だ。才能のある奴は例外だが、まさか嬢ちゃんがその一例とはな・・・・・・」

モニカ「ウソでしょ・・・・・・?」

ネハーレン「まさかこちらに来てたった2日で魔法を修得するとは」

ビッグバンナックル「一般的にゃぁ、魔法ってのは使用者の意思を反映させる。帝国の武人達は攻めを得意にする奴が多いから、攻撃特化の魔法が多い」

金剛「! 言われてみたら・・・・・・」

ネハーレン「暫くは、魔法の修練に励む方が良いかもしれん」

モニカ「そうね、手伝うわ金剛」

金剛「Thank youネー」

ビッグバンナックル「魔法が無くても、あの一撃。なかなか良かったぜ」

金剛「ビッグバンナックルさん・・・・・・」


ビッグバンナックル「それにあの魔法。嬢ちゃん、何かを守りてぇって熱望してんだなぁ」

金剛「Yes! My sistersニ、My comrade・・・・・・」

金剛「何より、テートクを守りたいデス!」

ビッグバンナックル「なかなかに一途な奴だな! 気に入ったぜ、惚れた!」

金剛「What's!?」ビクッ

ビッグバンナックル「いやぁ、俺はお前に惚れ込んだぜ! 俺らは今からダチだ!!」

金剛「い、Yes(何だ、惚れるッテそういうmeaningデスカ・・・・・・)」

モニカ「という事は、暫く主の命はお預けね」

モニカ「この際、ドラゴンダンサーの後方支援舞も教えちゃおうかなぁ」ワクワク

金剛「それは遠慮しとくネー・・・・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日

金剛「ハァァァァ!!」グググッ

金剛「ハァッ!! ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」ゼーッゼーッ

ネハーレン「まだ集中が足りんな」

モニカ「ほら、頑張って!」つ水筒

金剛「ング、ングッ・・・・・・プハァッッッ!! まだまだ・・・・・・デース!」フラフラ

モニカ「・・・・・・少し体力を回復させた方がいいかしら」スッ

金剛「?」

モニカ「・・・・・・」シャラーン・・・・・・

立ち上がったモニカは、その場で見た事も無いダンスを踊りだした。そのダイナミックでありながらも繊細な動きに、私は心を奪われた。あれが"ドラゴンダンサー"のリーダー・・・・・・。

金剛「Very beautiful・・・・・・」ポー

モニカ「・・・・・・」スタッ

金剛「Wonderful!!」パチパチ


ネハーレン「金剛、自分の身体の変化に気づいたか?」

金剛「! そういえば!」

金剛(身体が軽い。疲れも取れテル! まるでドックに入渠みたいデース! それに間宮のiceを食べたみたいに気分が高揚してマス!)

ネハーレン「それがドラゴンダンサーの舞の効力、今や隊の士気上昇に無くてはならないものだ」

モニカ「どう? 貴女も覚えて損は無いと思うわよ」

金剛「とりあえず、先に硬質魔法をmasterしてからデース」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金剛「・・・・・・」

バーンアウト「・・・・・・行くぞ!」スゥゥ

ボゴォォォォォォォッッッ!!

金剛「ハァッ!!」グッ

ドガァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!

ネハーレン「・・・・・・」

モニカ「・・・・・・」

金剛「フフーン」ドヤ

バーンアウト「見事だ。我がブレスを受けて傷一つ無いとは・・・・・・」

ネハーレン「本当に大したものだ。まさかたった一日でここまで使いこなすとはな」

モニカ「やったわね、金剛!」

金剛「Yes!!」

バーンアウト「何と要領のよい人間だ」

ネハーレン「だが、これ程のものを見ると、人間かどうかも怪しくなる」

金剛「私は艦娘デース! 普通の人間よりもスペックは上だと思うネー!」


オーバーロード「皆集まっているか」

バーンアウト「! 我が主よ」ザッ

ネハーレン・モニカ「主よ」ザッ

金剛「オーバーロードさん」

オーバーロード「陛下からの勅命だ。国境付近でボーンドラゴンの大群が確認された」

ネハーレン・モニカ・バーンアウト「はっ!」

オーバーロード「金剛、貴様は魔法を得たとはいえ俺の預かり。後方でモニカと行動しろ」

金剛「了解デース!」

モニカ「さぁ金剛、早く乗って」

金剛「Yes!」タッ

バサッバサッバサッバサッバサッ・・・・・・

オーバーロード「バーンアウト、貴様は金剛達の側にいろ。ネハーレン、敵状視察に飛べ」

バーンアウト「はっ!」バッ

ネハーレン「承知」バッ

オーバーロード「・・・・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


モニカ「・・・・・・」

金剛「? どうしたんデース?」

モニカ「ボーンドラゴンは大抵、国境付近で隣国の騎士団に討伐されるはずなのよ。何でこんな内陸に、しかも大群が押し寄せて来たのかしら」

バーンアウト「我も疑問に思っていた。! 見えたぞ!」

金剛「! あれが!」

モニカ「!? 金剛、しっかり掴まって!」

金剛「!」ガシッ

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

金剛「ななな、何デスカ!?」ギョッ

金剛(辺り一面が火の海に・・・・・・!)

モニカ「こんな事ができるのはただ一人だけよ」

バーンアウト「主のブレスか・・・・・・いつ見ても言葉が出ないな」

モニカ「金剛、主の異名は知ってる?」

金剛「! 『黙示録の炎』だった気が・・・・・・」

モニカ「これがその所以よ」

モニカ「主が放つブレスは、この地に存在する全ての物を焼き尽くすまで消えることの無い地獄の業火。それこそが黙示録の炎、『エターナルフレイム』よ」

金剛「Eternal flame・・・・・・永久の炎・・・・・・」

モニカ「! ネハーレンとエルモだわ。少し話してくるわ、バーンアウト」

バーンアウト「分かった・・・・・・」コクッ

金剛「行ってらっシャーイ」ノシ

モニカ「お願い」

バサッバサッバサッバサッバサッ・・・・・・


シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・

金剛「! 炎が収まっていくネー」

バーンアウト「あの炎は主の意思。主のみが消す事ができるのだ」

金剛「オーバーロードさんが、もういいと思って消火したデース?」

バーンアウト「左様。! 主の号令だ、降下する」バッ

バサッバサッバサッバサッバサッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モニカ「ごめんね金剛、ネハーレンが正体不明の子竜を保護してたのよ」

金剛「子竜?」

モニカ「えぇ、確かクロノ・ドランだったかしら」

金剛「ところで皆は何してるデース?」

モニカ「ボーンドラゴンは主の炎で焼き尽くしても、年月が経てば復活するのよ。だからこうして処理しないと延々と復活するわ」

金剛「大変デスネ・・・・・・。!」

オーバーロード「・・・・・・」

金剛(オーバーロードさん、何だか寂しそうデス・・・・・・どうしたんデショウ?)

ネハーレン「? どうした、金剛?」

エルモ「何故主を見つめておる?」

金剛「実は・・・・・・」

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ーーーーーーーーーーーーーーーー


ネハーレン「・・・・・・成程」

金剛「何でデショウ?」

エルモ「恐らく、アヤツの事じゃろうな」ウーム

モニカ「そうね」

金剛「?」

ネハーレン「直接聞いてみるといい」

金剛「分かりマシタ。今夜聞いてミマス」

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金剛「オーバーロードさんは・・・・・・」キョロキョロ

オーバーロード「俺がどうした?」

金剛「ひゃあッッッ!?」ビクッ

オーバーロード「何故驚く」

金剛「暗い所でbackから話しかけられたら、誰だってビックリしマース」

オーバーロード「それで何用だ?」

金剛「実は・・・・・・」

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オーバーロード「・・・・・・」

金剛「教えてくれマスカ?」

オーバーロード「貴様という奴は、たった数日で遠慮の無い女に成りやがって。モニカに毒されたか」

金剛「? モニカはpoison使えるんデスカ?」

オーバーロード「・・・・・・物の例えだ、戯け」

オーバーロード「まぁ良い。進展が無いよりはマシだ」

オーバーロード「・・・・・・分かった、話そう」


俺には昔、好敵手がいた。隣国の白く輝く"光の剣士"だ。そいつの名は【ブラスター・ブレード】。奴とは、ある国境侵略の折に相見えた。それからと言うもの、奴とは幾度となく本気の殺し合いをしたものだ。奴との決闘の時ほど、高揚する瞬間は無い。
俺は力をつけていく奴を倒す為、その力を得るためなら如何なる事でもした。禁断の邪法にも手を染め、反転の力をも己が力にした。だが、それでも奴との決着は付かなかった。


オーバーロード「俺が力を得れば、奴もまた力を得ている。その繰り返しだった」

金剛(禁断の邪法は【ジ・エンド】、反転の力は【The Яe-birth(ザ・リバース)】の事デスネ)

オーバーロード「奴の存在を消され、改変世界となった折、煉獄の長となる程の力を持っていても奴との決着は付かなかった」

金剛(【ザ・グレート】の事デスカ)

金剛「それでどうしたんデース?」

オーバーロード「数え切れない決闘の果て、やがて奴は決着の前に姿を現さなくなった」

金剛「What's?」

オーバーロード「お前も知るように、人と竜では寿命が違う。奴も人間である以上、老いからは逃げられん。否、もう既にこの世にはいないのかもしれんな」

金剛「・・・・・・」

オーバーロード「それからだ。猛将の首をとろうと、名だたる部隊を焼き尽くそうと、あの頃のような高揚感が得られない」

金剛「だから、あんな顔をしてたのデスネ」

オーバーロード「だが、俺には分かる。いつか再び好敵手と相見えるだろう」

金剛「私がなりまショウカ?」フフッ

オーバーロード「貴様では準備運動にもならん」

金剛「即答デスカ!?」ガーン


オーバーロード「ところで、俺の指示した任務は順調か?」

金剛「後は、地下監獄に行くだけデース!」

オーバーロード「そうか。有意義な話は聞けたか?」

金剛「Yes! クジキリさんからは、情報の大切さ。テンペストボルトさんからは、武の在り方。ドーントレスドライブさんからは、信念の大切さと、軍の在り方を聞きマシタ」

オーバーロード「そのようだな。どれも軍属の貴様からしたら当然の事。だが、それを異世界で諭される事で新たな発見もあろう」

金剛「その通りデシタ」

オーバーロード「とはいえ、貴様が魔法を得たのは俺も予想外だった。これなら心配は要らんな」クルッ

金剛「? どういう事デスカ?」

オーバーロード「次に行く地下監獄『マグナプリズン』には、第一級危険生物が収監されている。ある程度は自衛してもらわねばな」

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

金剛「」

・・・・・・へ?


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翌日

金剛「行きたくないデース!!」ジタバタ

モニカ「何言ってるの、地下監獄に行かないと貴女、元の世界に帰れないのよ!?」

金剛「帰りたいケド、行きたくないデース!!」ジタバタ

モニカ「どっちなのよ!?」

ネハーレン「だいたい、何故それ程行きたくないのだ?」

金剛「昨日オーバーロードさんから聞きマシタ」ガタガタ

金剛「地下監獄にはFirst classのDangerous organismsが居るッテ」ブルブル

モニカ「あー・・・・・・」

ネハーレン「・・・・・・居るには居るが、放し飼いという訳では無い」

金剛「・・・・・・Really?」オソルオソル

エルモ「寧ろ、そんな所に主がお主を寄越す訳が無かろう」ヤレヤレ

金剛「ナーンダ、良かったァ~」ヘナヘナ


エルモ「さて、そろそろ行くかの」

金剛「エルモも行くデース?」

エルモ「ちと、顔馴染みに会いにな」

モニカ「こちらとしても好都合だわ。あそこの看守はエルモと比較的親しいから」

ネハーレン「では私もそろそろ行くとしよう」

金剛「行ってらっシャーイ」ノシ

バサッバサッバサッバサッ・・・・・・

モニカ「私達も行くわよ」

バサッバサッバサッバサッ・・・・・・

エルモ「よっと・・・・・・」フワッ

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エルモ「・・・・・・まぁ、檻に近づかん限りは大体は大丈夫じゃよ」

金剛「そうデスカ(Zooみたいなものデスネ)」

モニカ「ただ・・・・・・悪竜にだけは注意して」

金剛「悪竜?」

モニカ「ダークレックスよ。危険生物の代名詞、"破壊竜"と呼ばれるディノドラゴン」

エルモ「"たちかぜ"の所属となっておるが、それは形式上。奴は第一級危険生物として、厳重幽閉されておる」

金剛「ど、どんな奴なんデスカ!?」ガタガタ

モニカ「見れば分かるわよ。! 着いたわ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エルモ「久しぶりじゃな、ムルキベル」

ムルキベル「! ようこそエルモ様、またいつもの?」

エルモ「うむ。コヤツは金剛、主の預かりじゃ」

金剛「金剛デース」

ムルキベル「看守のムルキベルです」

【封竜の精霊 ムルキベル】

地下監獄『マグナプリズン』の看守の一人。《封竜》の力を借り受けている炎の精霊。

ムルキベル「では、こちらへ」

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金剛「ところで、誰に話を聞くデース?」

エルモ「封竜(ふうりゅう)の一派じゃな」

金剛「"封竜"?」

ムルキベル「様々な理由で皇帝陛下直々の命で、封印・幽閉されている竜達の総称です」

金剛「何故封印されているデスカ?」

エルモ「持っている力が強大すぎるからじゃな」

モニカ「封竜の一人に"ブロケード"という方がおられるのだけど・・・・・・」

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「ブロケード殿!」

ブロケード「下がっていろ・・・・・・」

【封竜 ブロケード】

強大な力を得たために、その力を封印されている"かげろう"の竜戦士。力を封じる聖なる呪布で全身を縛られてなお、前線で戦い続けられるだけの恐るべき力を誇る。蓄積した魔力を解放する事で、一時的に封印を解除する「ヴァニッシング・フィールド」という妙技を修得している。技の発動中は、辺り一帯が嵐の如き炎の渦流に飲みこまれるため、封印を解かれた姿を見る事は敵わないとのこと。

「攻め込め!」
「敵はたった一人だ!」

ブロケード「消え失せよ、雑兵共」バッ

「ヴァニッシング・フィールド!!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

「ぎゃぁぁぁぁぁッッッ!!」

ブロケード「忠告してやろう・・・・・・封竜には手を出すな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして先の大戦、侵略者への対抗手段を一つでも増やすため、封竜達は一時的に出所したのよ。そしてブロケード殿は、その真の姿を解放された。

ブロケード「この姿を解放するのは何千年ぶりだろうか。汝らに炎獄の裁きを与えようぞ!」

【炎獄封竜(えんごくふうりゅう) ブロケード・インフェルノ】

侵略者への対抗手段として、力の解放を許されたブロケードの真の姿。全身の砲孔から超高熱の排気と、熱に変換しきれなかった余剰エネルギーを噴出している。封印時は奥の手だった「ヴァニッシング・フィールド」を常時展開している状態である他、全熱放出の切り札も持っている。

彼の解放に、上層部の老将達は最後まで反対したそうよ。だけど、油断ならない他の"封竜"を束ねる存在としては適任である、といった理由で紆余曲折を経て彼は封印を解除されたのよ。

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モニカ「というわけよ」

金剛「・・・・・・この国のドラゴンはPower inflationし過ぎデース」アングリ

エルモ「まぁ、ここにはブロケードはおらん。話はワシの知り合いで我慢せい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

??「! やっと来おったか」

エルモ「ふん、いつも同じ話をしに来るワシの身にもなれ」

金剛「? あの方は?」

??「ん? 何じゃ、そやつがオーバーロードの言っておった小娘か?」

エルモ「うむ。金剛、コヤツはテリークロス。封竜の一人じゃ」

【封竜 テリークロス】

地下監獄に幽閉されている封竜の一人。元は帝国に反抗していた武装集団の頭目で、生涯最盛期ではとすら言われた剛直な老戦士だったが、封印魔法の練度が高くなかった時代に
第一級封印を施された副作用で、身体・魔力ともに3000歳程若返ってしまった上、時を刻めない身体になってしまったという。

テリークロス「ワシを呼び捨てにするなと、何度言えば分かるのじゃ!」クワッ


金剛「あ、あの、テリークロスさん?」

テリークロス「おぉ、物分かりが良いのぉ。してお主、話を聞きに来たんじゃったな?」

金剛「Yes」

テリークロス「そうじゃなぁ、ならば取っておきの話をしてやろう」

エルモ「どうせまた、クロスオリジンの話じゃろうが」フゥ

テリークロス「黙っておれ!」

ムルキベル(またこの繰り返し・・・・・・)

テリークロス「まったく・・・・・・さて、何の話じゃったかな?」

金剛「クロスオリジンの話デス」

テリークロス「そうじゃ、そうじゃったわい。さて、これはワシら竜の感覚からしても遠い昔の話じゃ」

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昔、"かげろう"にある猛将がおった。それが後の世に『クロスオリジン』と呼ばれるお方じゃ。彼には数多くの弟子がおった。その内の一人がワシの師匠、『ウェザークロス』じゃった。とはいえ、ワシも師匠から話を聞いておっただけで、彼には会ったこともない。じゃが、師匠からは耳にたこができる程聞かされた。故に嫌でも覚えておるわい。
さて、当時名将と謳われた『クロスオリジン』じゃが、ある日"滅びを望む悪しき守護竜"にその力を押し付けられてのぅ。それが後にある悲劇を引き起こしたのじゃ。
その後、帝都に危機が訪れた。何か分かるか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金剛「? 大地震デスカ?」

テリークロス「そんなもん、まだ生易しいもんじゃ」

モニカ「・・・・・・」

テリークロス「帝国中のディノドラゴンが押し寄せて来たのじゃ」

金剛「What's!?」ギョッ

エルモ「当時、まだ"たちかぜ"は存在せんかったからのぅ。今でこそフレイムドラゴンやサンダードラゴンが多くを占めておるが、かつてはディノドラゴンが最多を誇っておった。獰猛な野生の竜としてな」

ムルキベル「その全てが帝都に押し寄せて来たのです」

金剛「ディノドラゴン怖い・・・・・・」ガタガタ

テリークロス「その鎮圧に向かったのがクロスオリジンの部隊じゃった」

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クロスオリジン「ウェザークロス、お前は帝都に戻り、増援を呼べ」

ウェザークロス「はっ」バッ

クロスオリジン「行くぞ、帝都を護るのだ」

「はっ」

ドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!

グギャァァァァァァァァァァァッッッ!!

ギャォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

ゴガァァァァァァァァァァァァッッッ!!

「くっ、何て数だ」
「見ろ、先頭のディノドラゴン!」
「何だアイツは!? 他の個体とは次元が違う!」

??「フハハハハハハッッッ!! 進め、進めっ! 全てを破壊せよ!!」

クロスオリジン「何者だ!」

ヘルレックス・マキシマ「我はヘルレックス・マキシマ! 時代遅れの竜よ、我が貴様らを蹂躙してくれるわ!!」

【破壊暴君 ヘルレックス・マキシマ】

未来から来た、破壊暴君と呼ばれるディノドラゴン。未来で起きた事故により、"たちかぜ"がまだ存在しない過去へと飛ばされた戦士。彼は国中のディノドラゴンを死なない程度に痛めつけ、恐怖によって支配した。そして帝都へと進軍し・・・・・・。

クロスオリジン「くっ、戦うしか無いか・・・・・・。総員戦闘準備!」

「はっ」バッ





・・・・・・・ドクン・・・・・・



クロスオリジン「!?」ビクッ

クロスオリジン「くっ、あぁああぁっ!?」

「隊長、どうなされました!?」

クロスオリジン(何だこの魔力、この熱量は!?)

クロスオリジン「うぉぁぁあぁああぁあッッッ!?」

ボゴォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

ヘルレックス・マキシマ「な、何だこの力は!?」

「ひっ!?」
「ぎゃぁぁぁぁぁッッッ!?」
「い、嫌だ、やめ・・・・・・うわぁぁぁぁぁっ!?」

ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

クロスオリジン「や、やめろ・・・・・・やめろぉぉぉぉっ!!!!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー


テリークロス「・・・・・・押し付けられた力は暴走し、結果ディノドラゴンの大多数はヘルレックスと共に死滅し、彼の部隊も全滅。帝国の西方全てが焦土と化した」

金剛「・・・・・・(も、もう生物の限界越えてマス・・・・・・)」ポカーン

テリークロス「その後、軍上層部は帝都を救ったその功績を称えたが、彼は頑なにこれを拒否した。己の部下を失ったのが他でもない自分の力のせいじゃからな」

金剛「そんな!? それは守護竜に力を押し付けられたカラ・・・・・・」

テリークロス「それでも、彼は自分が許せなかった。当時建設中じゃった、このマグナプリズンの最下層に自ら幽閉されるよう志願し、永遠に解けぬ封印魔法を己に施し、今も眠りについておる」

金剛「・・・・・・」

テリークロス「如何に強大な力を持っていても、それを制御できねば意味が無い。それは己の力とは呼べんじゃろう?」

金剛「・・・・・・Yes」

テリークロス「力とは、制御できて初めて己の物となる。制御できん力なぞ、持つだけ無駄じゃよ」

エルモ「さて、ワシは暫く此処におる。金剛達は、クロスオリジンに会ってきたらどうじゃ?」

金剛「What's?」

ムルキベル「そんな事できるわけが・・・・・・」

エルモ「頼んだぞ。ムルキベル」

ムルキベル「分かりました」

金剛・モニカ「いい(んデスカ)(の)!?」

ムルキベル「はい、ではこちらへ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カツ、カツ、カツ、カツ、カツ・・・・・・

金剛「かなり降りたケド、まだ着かないデスカ?」

ムルキベル「すぐに着くようでは、重犯罪者がすぐに脱獄してしまいます」

モニカ「私もこれ程下層に行くのは初めてよ」

金剛(かれこれ数時間は階段降りてマス。Elevatorが欲しいネー)アシイタイデース

ムルキベル「・・・・・・着きました」

モニカ「・・・・・・ここが」

金剛「マグナプリズンの最下層・・・・・・」

金剛(凄くheavyな空気デス・・・・・・息が詰まりそうネ。それに・・・・・・)

カロロロロロロロ・・・・・・

金剛(殺気が凄すぎデース!!)ゾワッ


ムルキベル「この最下層には、第一級危険生物や、それに準ずる危険性を持つ重犯罪者が収監されております」

グルルルルルルル・・・・・・

金剛「? 何の唸り声デスカ?」

モニカ「っ!? 離れて、金剛!!」

ガシャァァァァァァァンッッッ!!

??「ギャォォォォォォォォォォォォッッッ!!」

金剛「ひぃっ!?」ビクッ

??「グゥゥゥ・・・・・・ガルルルルル」ガリガリ

金剛「な、何デスカ!?」オリニカジリツイテマス

ムルキベル「かの有名な悪竜、ダークレックスです」

【破壊竜 ダークレックス】

第一級危険生物に指定されているディノドラゴン。"たちかぜ"の所属ではあるが形式上であり、地下監獄に幽閉されている。破壊欲求に理性を飲み込まれ、目的の為に破壊するのでは無く、破壊そのものが目的という危険かつ獰猛な性質を持つ。

ダークレックス「ガォォォォォォォォッッッ!!」

ガシャァァァァァァァンッッッ!!

ビュッ・・・・・・

モニカ「っ!? 金剛、避けて!!」

金剛「っ!?」バッ

ビチャッ・・・・・・シュゥゥゥゥゥ・・・・・・

金剛「!? 何デスカ!?」

モニカ「ダークレックスの体液は致死性の猛毒。それを染み込ませた無数の刃を体内に仕込ませているのよ」

ムルキベル「奴の破壊衝動に身体が順応しているのでしょう」


金剛「ど、どうするデスカ・・・・・・?」

ムルキベル「仕方ありません」スッ

ボボォォ・・・・・・

ダークレックス「!? ギィェェェェェェッッッ!?」ジタバタ

ムルキベル「大人しくしなさい!」グッ

金剛「炎?」

モニカ「ムルキベルはエルモと同じ炎の精霊、サラマンダーなのよ」

・・・・・・グルルルルルルル

ダークレックス「ギャォォォォォォォォォォォォンッッッ!!」ガッ

ガシャァァァァァァァンッッッ!!

金剛「効いてナイ!?」

ムルキベル「っ!? 今日はいつにも増して凶暴ですね!」




??「・・・・・・我の力を使え」




ムルキベル「! はい!!」バッ

ボォォォォォォォォォォォッッッ!!

ダークレックス「グゥゥェェェェェェェッッッ!!」

ドサッ・・・・・・

ダークレックス「ガ・・・・・・ガガ」ピクピク

モニカ「何とか鎮静できたみたいね」

金剛(鎮静ってlevelじゃないネー)

ムルキベル「ふぅ。感謝します、ウェザークロス殿」チラ

ウェザークロス「構わん」

金剛(ウェザークロス!? 確かさっきのテリークロスの師匠デシタネ)

【炎獄封竜 ウェザークロス】

生存している最古参の封竜といわれており、ブロケード以前に『炎獄』と称された唯一の戦士。彼の正確な年齢や経歴を知る者はもうおらず、数千年はくだらない長い人生の中で、たった一人弟子をとった事がある。それがテリークロスだという。

ウェザークロス「汝は何者か?」

金剛「金剛デース。よろしくお願いしマース」


金剛「そういえば、何故さっきムルキベルに力を貸したデスカ?」

ムルキベル「封竜の中には、彼のように自ら監獄入りを志願する者もおります。そのような者は我々看守に協力的で、暴動鎮圧に大きく貢献しているのです」

ウェザークロス「して、汝らは何故この最下層に足を運んだのだ? よもや世間話をしに来たわけではあるまい」

金剛「貴方の元上官、クロスオリジンの姿を見に来マシタ」

ウェザークロス「・・・・・・左様か。あの方はそこに居る」スッ

ムルキベル「感謝します」

モニカ「では、失礼します」

金剛「失礼シマス」

カツ、カツ、カツ、カツ、カツ・・・・・・


金剛「! ・・・・・・あれが『クロスオリジン』デスカ」

ムルキベル「はい」

【神獄封竜 クロスオリジン】

帝国の地下監獄の最下層に封じられ、今なお眠り続けているという原初の封竜で、『封竜』に施す特殊な封印術の基礎を作り上げた存在。その功績を称えた当時の学者が「原初(オリジン)」と彼の名の一部の「クロス」を組み合わせ、『クロスオリジン』という通称をつけた。

金剛「本当に・・・・・・自らを封印シテ・・・・・・」

モニカ「壁を見てみて、金剛」

金剛「! (壁一面に魔法陣みたいなものや、文字が書かれてるネ)」

ムルキベル「あれは彼を封印している術の詳細です。あれを解析・調整して生み出されたものこそが、現代の封竜を縛る封印術なのです」

金剛(自分を犠牲にするだけでなく、後世の為ニ・・・・・・)


金剛「・・・・・・凄い方デスネ」

ムルキベル「はい。本当に・・・・・・」

モニカ「かなりの名将だと聞きます。このお方にはどうか軍に残っていただきたかった・・・・・・」

ウェザークロス「如何にも。しかし、その封印術は二度と解けぬ術。隊長殿は、存命でこそあるが、その生涯に幕を降ろしているも同じだ。悔やむに悔やみきれぬ思いであろうな」

金剛「!」

金剛(こんな時、日本では確か・・・・・・)

金剛「・・・・・・」スッ

モニカ「金剛?」

ムルキベル「?」

ウェザークロス「!」


金剛「・・・・・・」合掌

金剛(クロスオリジンさん。貴方の悲しみや悔しさはあまりにも大きい。私なんかデハ、到底理解できない程のものデショウ。But、貴方の自らを犠牲にしたこの行いが、帝国への貢献になっている事だけは確かデス。その貢献の結果帝国を、いえ惑星クレイを侵略者から守る事ができたそうデスヨ。ここでするノハ場違いかも知れませんガ・・・・・・)

金剛「」ペコ

ムルキベル「!?」

モニカ「金剛・・・・・・?」

ウェザークロス「これは・・・・・・!?」

ウェザークロス(隊長殿から溢れる後悔と自責の念が消えてゆく・・・・・・!?)

(・・・・・・左様か・・・・・・私は間違えていなかったか。礼を言う、金剛とやらよ。其方に守護竜の御加護があらんことを・・・・・・)

金剛「!? 今クロスオリジンさんが笑ったように見えたデース!!」アタフタ

モニカ「何言っているの。そんな事が・・・・・・」


ウェザークロス「金剛殿。忝ない」ガバッ

ムルキベル「なっ!?」

モニカ「えっ!?」

金剛「What's!?」

ウェザークロス「其方の先刻の合掌の後、隊長殿から後悔と自責の念が消えたのだ」ポロポロ

ウェザークロス「誠に忝ない・・・・・・」フカブカ

金剛「な、何シテルネ! 頭を上げるデース!!」アセアセ

ムルキベル(金剛・・・・・・何とも不思議な力を感じる人ですね)

ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー


エルモ「ん? もう良いのか?」

金剛「Yes!」

モニカ「待たしてしまったわね」

エルモ「構わん。何だかんだコヤツの話に付き合うのも悪くは無いからのぅ」

金剛「お世話になりマシタ、テリークロスさん」

テリークロス「うむ。さらばじゃ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エルモ「何じゃ、そんな事があったのか」

モニカ「大変だったのよ」

金剛(これでオーバーロードさんからの任務は終わりデスカ。という事は・・・・・・)




・・・・・・お別れ・・・・・・デスネ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オーバーロード「・・・・・・どうやら全員から話を聞いたようだな」

金剛「はい・・・・・・」

モニカ「お別れ・・・・・・ね・・・・・・」ショボン

エルモ「残念じゃのぉ、折角親しくなれたというに・・・・・・」

ネハーレン「・・・・・・」

バタンッッッ!!

「オーバーロード殿、緊急事態発生です!!」

一同「っ!?」

オーバーロード「何事だ」

「帝都より東に数里離れた場所に次元の亀裂を確認、正体不明の生命体が湧き出てきたとの事!」

金剛「What's!?」

エルモ「何じゃと!?」


モニカ「まさか・・・・・・」

ネハーレン「・・・・・・間違いない」

オーバーロード「・・・・・・総員出撃」バッ

一同「はっ!!」バッ

金剛「?」

モニカ「金剛急いで!」

金剛「りょ、了解デース!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネハーレン「っ!? 見えたぞ!」

モニカ「やはり・・・・・・」

エルモ「次元獣鬼(ユビキタスオーガ)じゃったか」

金剛「次元獣鬼(ユビキタスオーガ)!?」

ネハーレン「クレイとは別の次元からやってきた怪物だ。五大国家がそれぞれ無数のゲートを封じていたのだが・・・・・・」

エルモ「何らかの拍子で封印が弱まってしまったようじゃな」

モニカ「先に他の部隊が交戦している。金剛、貴女は後方で・・・・・・」

金剛「No! 私だって戦えマス」ニコッ

モニカ「だけど・・・・・・!!」

エルモ「っ!? 攻撃してきおったぞ!!」

ネハーレン「散開だ、各自で食い止めろ」

バババッ・・・・・・

ネハーレン「はぁっ!!」ザンッ

エルモ「そりゃっ!」ボボォ

モニカ「はっ!!」ゲシッ

金剛「やぁっ!!」ズバッ

金剛(数が多すぎル!)


ギャォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!

金剛「What's!?」ビクッ

??「"かげろう"の部隊よ、よくぞ持ちこたえてくれた! 我ら"たちかぜ"も参るぞ!!」

ネハーレン「スコールレックスか!」

【破壊竜 スコールレックス】

"たちかぜ"の戦士。ディノドラゴンにしては珍しく、スコールレックスは非常に高い知能指数を持つ。そのため、好戦的なディノドラゴンの中では特別理性的で、内に秘めた破壊衝動も抑える事ができる。

金剛「誰デスカ?」

モニカ「破壊竜、スコールレックスよ」

金剛「は、破壊竜!?」

エルモ「心配要らん、悪竜と違って破壊欲求に飲まれてはおらん」

金剛「ダッタラ何故・・・・・・」

ネハーレン「! 下がれ金剛!」

金剛「!」バッ

スコールレックス「皆、退避せよ!!」

エルモ「奴はディノドラゴンにしては理性的でな、破壊衝動も抑える事ができる」

モニカ「なら何故"破壊竜"と呼ばれるか。理由は簡単よ」スッ

スコールレックス「降り注げ、爆撃の豪雨(スコール)!!」ゴォッ

ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!




モニカ「その破壊衝動が解放された時、周囲に及ぼす被害が尋常ではないからよ」


ドガガガガガガガガガガガガガッッッ!!

ドガァァァンッッッ!! ドゴォォォンッッッ!!

ボゴォォォォォォォォォォォォンッッッ!!



金剛「」アングリ

モニカ「一度破壊竜の怒りが降り注げば、そこは草一つ生えない無人の荒野と化す」

金剛「辺り一帯が一気に焼け野原ネー」ガタガタ

モニカ「よく言うでしょ?」

なかなかキレない輩は、いざキレると手が付けられない―

モニカ「・・・・・・って」

金剛「納得デース・・・・・・」

スコールレックス「話している暇は無い!! 我が焼き払ったのは、ほんの一部ぞ!!」

金剛「!?」

スコールレックス「こちらは我らが引き受ける、二大柱軍は上空から頼む!!」

モニカ「承知!」バッ

金剛「了解デース!!」バッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネハーレン「"かげろう"部隊、上空へ! "なるかみ"と合流する」

「「「「「「はっ!」」」」」」

ヴァンキッシャー「これ程とは」

金剛「! ヴァンキッシャーさん」

ビッグバンナックル「久しぶりだなぁ、嬢ちゃん」ゴキゴキ

テンペストボルト「丁度新作ができたのでな、試し斬りさせていただこう」チャキ

金剛「ビッグバンナックルさんに、テンペストボルトさんも・・・・・・」

モニカ「"抹消者"と"喧嘩屋"が一堂に会するとは・・・・・・」

ヴァンキッシャー「我々が右舷から叩こう。"かげろう"の皆は左舷から頼む」

ネハーレン「はっ!」

バサッ、バサッ、バサッ、バサッ・・・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネハーレン「よし、全隊突撃せ・・・・・・」

グゥオォォオォオオォォオオオオォッッッ!!

ネハーレン「!? 待て、全隊後方へ! 巻き込まれるぞ!」

金剛「What's?」

モニカ「急いで!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!

金剛「な、何デスカ!?」

エルモ「クルーエルの奴じゃよ。残酷なる竜は戦場でただ一度だけ雄叫びをあげる。それを合図に皆は一斉に後方へ避難せねばならん。逃げ遅れたが最後、荒れ狂う炎の渦に巻き込まれるからじゃよ」

ネハーレン「彼の邪魔をする"敵"として・・・・・・」

金剛「・・・・・・」

ドーントレスドライブ「なかなかの数よな」

金剛「! ドーントレスドライブさん」

ドーントレスドライブ「老将とはいえ甘く見るでないぞ」バッ

ボゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!


ネハーレン「我々も攻撃開始だ!」バリバリ

ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!

金剛「やぁっ!!」ブンッ

ズババババンッッッ!!

「ギャォォォォォォォォォォォォッッッ」

モニカ「っ!? 大型が来るわ!」

金剛「!?」

ズバァァァァッッッ!!

ズドォォォォンッッッ!!

ズガァァァァッッッ!!

金剛「! 貴方は・・・・・・!!」

ブレードマスター「久しいな、金剛」

ブレードマスター「今やオーバーロード殿の部隊員か」


「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッ」

金剛「も、もっとデカイのが来たネー!!」ヒィィッ

ブレードマスター「(こいつは強いな)仕方ない・・・・・・」

キィィィィィィィィィン・・・・・・

金剛「What's!?(ブレードマスターさんが光りだしたネ!?)」

「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッ」グオッ

ブレードマスター「・・・・・・」ブンッ

ズガァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!

金剛「腕が斬れタ、ってブレードマスターさん姿が変わっているデース!?」

「ガ!? グォァァァァッッッ」

ブレードマスター「私の未来の可能性の一つと共鳴(フュージョン)した。受けよ!!」ブンッ

"紅竜双獄刀"!!

ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!

「ガ・・・・・ガガガ・・・・・」

ドゴォォォォォォォォォォォォンッッッ!!


金剛「ヤッター、倒したネー! ブレードマスターさん凄いデース!!」

ブレードマスター「いや、まだだ。あの程度の奴がまだ十数体はいる」

金剛「!?」

ブレードマスター「私は、他の場所を支援しに行く」バッ

モニカ「ご武運を」

「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッ」

金剛「って、また来たネー!!」ヒィィッ

ズババババンッッッ

ドシャァァァァァァッッッ・・・・・・

モニカ「!? 主!」

オーバーロード「戦場で気を抜くな!!」チン

金剛「Sorryデース!」

オーバーロード「モニカ、金剛! 後方への支援に行け!!」スゥゥ

ボゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!

モニカ「はっ!!」バッ

金剛「了解デース!!」バッ


・・・・・・キラッ

金剛「っ!? モニカ避けて!!」

ドンッ

モニカ「!?」

ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ

金剛(Shit! 硬質化が間に合わ・・・・・・)

ドキュゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッ

モニカ「金剛っ!!」

金剛(こ、ここまで・・・・・・デスネ・・・・・・。モニカ、皆、今までThank youネ・・・・・・。テートク、ずっと貴方を愛していマス)

ドサッ・・・・・・

モニカ「そ、そんな・・・・・・い、いや・・・・・・いやぁ・・・・・・」ジワァ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここ、何処デスカ? 私、確かモニカを庇って・・・・・・。

「貴女の行いは勇気に満ち溢れていた」

だ、誰デスカ!?

「私はとある剣士だ。今は軍を離れ、武者修行の旅をしているのだがね」

・・・・・・Nameぐらい名乗ってクレテモ・・・・・・。

「そこに関しては申し訳ない。ただ、ある高名な霊術者に教わり、黄泉の手前の魂と会話をできるようになってね。その原理を利用して、貴女達の事を見つけた」

信じられないデース・・・・・・。

「とにかく、貴女は今死ぬべき人間ではない。今この時も貴女を必要とする者達がいるのだ」

!! そうデシタ。こんな所で死ぬわけにはいきマセン! Yes、Die Hardデース!!

「・・・・・・ダイ・・・・・・ハード?」

・・・・・・「死んでたまるか」って考えてくだサイ・・・・・・。

「そうか。ならば、早く行きなさい!」

Yes!! ・・・・・・ってどうすれば帰れるデース?

「あぁ、あちらに向かって走っていけばいい」

・・・・・・随分とaboutデスネ。デハ、Good-byデース!

「好敵手(あいつ)に伝言を頼む。『いつかまた決着をつけに行く』とな」

・・・・・・l see、任せてくだサイ!






ブラスター・ブレードさん!






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キィィィィィィィィィン・・・・・・

モニカ「!? え!?」ビクッ

金剛「ふぅ、ただいまデース」ムクッ

モニカ「金剛!」

金剛「さぁ、Last Danceを始めまショウカ・・・・・・」

ピキピキピキピキ・・・・・・

モニカ「!? 金剛に翼が生えた・・・・・・?」

金剛「Diamondのwingデース!」バッ

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!

金剛「オーバーロードさぁぁぁぁん!」

オーバーロード「!? 貴様いつから翼が生えた!?」

金剛「オーバーロードさんに伝言デス、いつかまた決着をつけに行くッテ」

オーバーロード「!」


金剛「Let's attack!!」ブンッ

ズババババンッッッ!!

「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッ!?」

金剛「コレでfinish!? なわけ無いデショウ!! 私は食らいついたら離さないワ!!」バッ

「!?」

金剛「Fire!!」ブンッ

ズガガガガガガガガッッッ!!

ネハーレン「金剛に続け!!」

「「「「「うぉぉぉぉぉおぉおおぉ!!」」」」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・・・・」

ネハーレン「! あれが指揮官か」

金剛「なら・・・・・・」バッ


オーバーロード「待て、戯け」ガシッ

金剛「離すネー! あいつを倒せばfinishデスヨ!?」ジタバタ

オーバーロード「感じないか? 奴は今までの敵とはまるで違う」

ビッグバンナックル「ちょっと小手調べだ、喰らえや!!」ブンッ

ドガァァァンッッッ!!

「・・・・・・」ニタァ

ビッグバンナックル「なっ、傷一つ付いてねぇ!?」

「グォァァァァァァァァァァァッッッ!!」ブンッ

バゴォォォォォォォンッッッ!!

ビッグバンナックル「ぐわぁぁッッッ!?」

金剛「ビッグバンナックルさん!!」


テンペストボルト「私が一太刀入れよう」ダッ

ザクッ!!

テンペストボルト(!? 何と頑丈な装甲だ・・・・・・。我が刀の一閃を持ってしても、この程度の切創とは・・・・・・)

テンペストボルト「より優れた刀でないと・・・・・・」

ネハーレン「ですが、それ程の刀剣となると、考え得るのは・・・・・・」

モニカ「黙示録の剣・・・・・・」

テンペストボルト「だが、それも一振りでは届かぬ。二振りでないと厳しいだろう」

金剛「もう一人の黙示録の継承者は確か・・・・・・」

オーバーロード「・・・・・・仕方あるまい、俺が何とかする」バッ


ズババババンッッッ!!

オーバーロード「・・・・・・」スゥゥ

ボゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!

「ゴルルルルルルル・・・・・・」

オーバーロード「まだ足りんか」

??「俺も加勢しよう」

オーバーロード「! クリムゾンか」

【ドラゴニック・カイザー・クリムゾン】

"なるかみ"の指揮官の一人。かつて"なるかみ"全軍を率いたと言われる偉大なる指揮官『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』の同胞。ヴァーミリオンが9割近い"なるかみ"の兵士を率いて表舞台に進出した際、残りの1割足らずの兵士と共に裏の強襲部隊としての任務を片付けていた影の功労者。

クリムゾン「ヴァーミリオンが帰る国を守る」

ズゴォォォォォォォォォォッッッ!!

オーバーロード「その通りだ」スゥゥ

ボゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!


「グォァァァァッッッ!!」

ネハーレン「! 多少は効いているが、決定打にはならんか・・・・・・」

金剛「どうすれば・・・・・・」

金剛(ヴァーミリオンさん、ディセンダントさん・・・・・・助けてくだサイ!)

「ゴァァァァァァァァァァァァァッッッ!!」ブンッ

モニカ「! 金剛!」

金剛「!?」







ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!

バリバリバリバリッッッ・・・・・・



一同「!?」

オーバーロード「・・・・・・あの雷」

クリムゾン「まさか・・・・・・!」

??「大変な事になっているではないか」

??「急いで舞い戻って正解であったか」

金剛「あ、あぁあ!!」


ヴァーミリオン「ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン。帝国の危機により、馳せ参じた!!」

【ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン】

解放戦争の後消息を絶っていた、かつて"なるかみ"全軍を率いた指揮官。古の龍皇の生まれ変わりと言われる程の実力を持ち、「カイザー」の名を冠する。その力はかの「ドラゴニック・オーバーロード」に勝るとも劣らずと言われている。

ディセンダント「同じく、抹消者 ドラゴニック・ディセンダント。帝国に仇なす敵を抹消する!!」

【抹消者 ドラゴニック・ディセンダント】

かつて全ての抹消者を束ねた"なるかみ"の指揮官。黙示録の継承者でもあり、剣の片翼を担うなど皇帝からの信頼も厚い。その信頼に応えるが如く、帝国と皇帝にのみ忠誠を誓い他者に付き従う事をよしとしない難物の「抹消者」達を彼はいとも容易くまとめ上げた。


クリムゾン「ヴァーミリオン!!」

ズイタン「ディセンダント様!!」

ディセンダント「話は後だ!」

ヴァーミリオン「うむ。クリムゾン、共に奴を叩くぞ!!」

クリムゾン「分かっておる!」

ディセンダント「オーバーロード、右舷を頼む。俺は左舷だ!」

オーバーロード「承知した」スゥゥ

ボゴォォォォォォォォォォォォッッッ!!


クリムゾン「我が盟友と共に打ち放とうぞ!」

ヴァーミリオン「黙示録の雷!!」

ズギャァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!

「グギャァァァァァァァァァァァァ!?」

金剛「凄いデス、息がピッタリネー!!」

ディセンダント「これで・・・・・・!」バッ

オーバーロード「終わりだ!」バッ

ズババババババババババッッッ!!

「ゴ・・・・・・ガガ・・・・・・アガガガ・・・・・・」

ドガァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!

オーバーロード「・・・・・・全軍に報告せよ、『敵指揮官を討ち取った』とな」

ネハーレン「っ!! はっ!!」

モニカ「やった・・・・・・やったわ、金剛!!」

金剛「イェーイ!!」

エルモ「よぉ頑張ったのぅ、皆」

うぉぉぉぉぉおぉおおぉッッッ!!


キィィィィィィィィィ・・・・・・

金剛「!」

モニカ「金剛・・・・・・」

金剛「今度こそ、本当にお別れデス」

モニカ「・・・・・・」

エルモ「達者でな、金剛」

ネハーレン「そちらの戦争も早く終わると良いな」

ビッグバンナックル「あばよ、嬢ちゃん」

テンペストボルト「さらばだ。金剛殿」

金剛「テンペストボルトさん、この剣ハ・・・・・・」スッ

テンペストボルト「何を言っておる。その刀は既に其方の物だ」

ドーントレスドライブ「お主は見違えるほど逞しくなった。何の心配もあるまい」

ブレードマスター「ドーントレスドライブ殿の仰る通りだ。自分に自信を持て」


モニカ「金剛!!」ダキッ

金剛「モニカ・・・・・・今までThank youネー」ダキッ

モニカ「何処にいても貴女は私の友、私達の仲間だから」ギューッ

金剛「Of course。皆私の大事な仲間デース!!」ギューッ

オーバーロード「・・・・・・」

金剛「オーバーロードさん。今までお世話になりマシタ」ペコッ

オーバーロード「・・・・・・いい面になったな」

金剛「What's?」


オーバーロード「初めて会った時、貴様はこの世界を信用していなかった。故に俺達から距離を置いていた。だが今は違う」

金剛「!」

オーバーロード「元の世界でも活躍しろ、金剛」

金剛「!! Yes!!」

キィィィィィィィィィン・・・・・・

金剛「(どうやらlimitデスネ)皆、ありがとうゴザイマシタ。See you again・・・・・・!」

ピカァァァァァァァァァァァッッッ!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


金剛「・・・・・・う、うぅう」

金剛「! ここは・・・・・・執務室?」ムクッ

ガチャ

金剛「!」

提督「ただいま金剛。戦果は・・・・・・」

タッタッタッタッタッ

金剛「テートク!!」ダキッ

提督「うぉ何だ、どうした金剛!?」

金剛「テートク! テートク!! 会いたかったデース!!」ギューッ スリスリ

提督「四、五分前まで一緒にいただろ!?」

金剛「ふぇぇぇぇぇぇん、テートクゥゥッ!!」ポロポロ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


提督「落ち着いたか?」つティッシュ

金剛「Yes・・・・・・」チーン

提督「ん? それオーバーロードの剣じゃねぇか。作ったのか?」

金剛「No! テンペストボルトさんに貰ったデース!!」

提督「テンペストボルト? 抹消者の?」

金剛「I'm sorry テートク。私が間違ってマシタ」

提督「へ?」

金剛「惑星クレイは本当にあったデース」

提督「そうか、あったのか」

提督「そういやお前、妹達に会わなくていいのか?」

金剛「!? ソーデシタ!! テートク、失礼しマース!!」ダッ

ガチャン

タッタッタッタッタッ・・・・・・

ヒエーイ、ハルナー、キリシマーッ! アイタカッタヨー、マイシスターズ!!

ヒェェェッ!(歓喜)

コ、コンゴウオネエサマ!?

ドウナサレタノデスカ!?

提督「・・・・・・相変わらずハイテンションだなぁ」スクッ

スタスタ・・・・・・

・・・・・・ポン


提督「・・・・・・俺だ。ウチの金剛が迷惑かけたみたいだな」

『ふん、貴様よりは遥かにましだ』

提督「お前だな、金剛をそっちに呼んだのは?」

『あぁ。どうもあの娘は、この世界を信用していなかったからな』

提督「・・・・・・お前、あいつに何をした? 何だか人生の酸いと甘いを噛み分けたような雰囲気だったぞ」

『こっちの世界の話を聞きに行かせただけだ』

提督「はぁ、まさかお前から貰ったこの剣の正体が、こっちとクレイを繋ぐゲートのトリガーだったとはな」

『あぁ、俺も正直驚いた』

『そう言えば貴様が来た時は苦労したなぁ』

提督「お陰でヴァンガードがより楽しめるようになれた。そこは礼を言うよ」

『にしても、あんな糞餓鬼がよもや女をつくっていたとはな』

提督「あぁ、自慢の彼女だよ」

『仮にまた来る機会があったら、貴様らの子の顔も拝ませてもらうぞ』

提督「うっせぇ。気がはえぇよ」

『・・・・・・まぁ、今回は勝手にすまなかった』

提督「いや、あいつも貴重な経験ができただろう。ありがとう」

『では、またの機会までさらばだ。我が友よ』

提督「あぁ。じゃあな、オーバーロード」

提督「さて。久々に金剛に紅茶入れてもらうか」

スタスタ・・・・・・



以上、誰得なクロスオーバーでした。

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