海未「ことりが監禁してきます……」 (76)
海未「ん……」ピクッ
海未「あれ、ここは?私の部屋ではありませんよね」
海未「確か放課後にことりの家に来て……それで……」
海未「いろいろ話をしていたら急に眠気が来たんでしたっけ」
海未「そうだ、ことりは……」ジャラ
海未「え?」
海未「……鎖?」
海未「何故こんなものが腕に……」
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ガチャ
ことり「あ、海未ちゃん目が覚めてたんだね」
ことり「こんばんは」ニコッ
海未「ええ、こんばんは」
ことり「お腹減ってるよね?」
ことり「今準備してるからもうちょっと待っててね」
海未「えーと……あの、ことり」
ことり「ん?どうしたの?」ニコニコ
海未「どうして私は鎖で縛られているのでしょうか?」
ことり「…………」
海未「ことり……?」
ことり「海未ちゃんが悪いんだよ」
海未「え?」
ことり「海未ちゃんが……ことりの気持ちに気づいてくれないから」
ことり「毎日頑張ってアピールしてるのに……他の子ばっかりに優しくして……!」ギリッ
ことり「ことりは海未ちゃんを一人占めしたいの!」
ことり「そう……だから監禁することにしたの」
ことり「ふふ、海未ちゃん、これからは毎日ことりと一緒だよ」
ことり「大丈夫。ずーっとことりが面倒見てあげるから」
海未「流石にそれは困るのですが……」
ことり「……ふーん」
ことり「それってつまり、ことりと一緒にいるのがいやってことなの?」
ことり「酷いなぁ、海未ちゃん。ことり、傷ついちゃったなぁ……」
ことり「あはは、でも海未ちゃんに選択肢はないの。海未ちゃんはもうことりのものなんだから」
ことり「そう……だから海未ちゃんはことりに逆らっちゃだめなの」
ことり「ふふ、そうだ、教育しないといけないね」
ことり「ことりに文句言ったらどうなーー」
海未「私はことりに養われるよりも、ことりを養いたいです」
ことり「ふぇっ!?///」カァァァ
ことり「い、いま、えっと、なんて///」
海未「私がことりを養いたい、と」
海未「仕事を終えて帰ってきたら『おかえりなさい、海未ちゃん』と出迎えて欲しいですね」
ことり「そ、それって、ええっと///」
ことり「こ、ことりが海未ちゃんのお、およめさ……っ///」
ことり「ぅぅぅぅぅぅぅて、適当なこと言わないで!」
ことり「ことりのこと嫌いなくせに!」
海未「……嫌い?どうしてそう思うんですか?」
ことり「この前ことりがお弁当作ってきたのに食べてくれなかったもん!」
海未「お弁当……?」
~~~~~~~~~~~~~~~
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「やっとお昼……」
海未「どうしたんですか穂乃果、そんなに疲れて」
穂乃果「だって……先生たちが穂乃果ばっかり当てるから」
海未「授業中に寝ていたからでしょう」
穂乃果「寝てないよ!あれは、えっと、古来エジプトに伝わってる首の運動方法なんだよ!」
海未「目を瞑りながら運動するのですか?」
穂乃果「そ、そうだよ!そうすることによって脳が活性化されて頭が良くなるんだよ!」
海未「そうですか。それならこれからは自分で宿題をやってくださいね」
穂乃果「ええええっ!?嘘!嘘だから!う、海未ちゃん!?ちょっと!!」
海未「全く穂乃果は……」
ことり「…………」ガタッ
海未「ことり?」
ことり「う、海未ちゃん、えっと、お昼だね」モジモジ
海未「はい。いつものように三人で食べましょう」
ことり「あ、あの、う、うううううう海未ちゃんは今日お弁当だったり?」モジモジ
海未「いえ、今日は特には……」
ことり「そ、そそそそそうなんだ!そ、それならね、えええええっとね、」モジモジ
海未「……?」
ことり「こ、こここここここここここここれれれれっ」スッ
海未「これは……お弁当?」
ことり「う、ううううみ、ちゃ、ちゃん、の、た、たたたたたたっ」
海未「たたたた?」
ことり「め、め……めぇに、つ、つつつつつつっあああああああっ!」ヒュッ
海未「ごふっ」バタン
穂乃果「あっ!?ことりちゃんどこ行くの!?」
穂乃果「って海未ちゃん大丈夫!?」
穂乃果「ほ、保健室連れてかないと!」
~~~~~~~~~~~~~~
海未「もしかして……あれはお弁当を投げつけたのではなく私にくれたのですか?」
ことり「そうだもん!それなのに……後で聞いたら食べてくれなかったって!」
海未「あの時は目覚めたのが放課後だったんです……お弁当は腐るといけないからと理事長が」
ことり「そ、そんな言い訳通じないもん!」
ことり「都合のいいこといってここから逃げ出そうとしてるだけでしょ!」
ことり「ことりは絶対騙されないんだからね!」タタタタ
パタン
ーーー
ーー
ー
ことり「海未ちゃん、お待たせ」
ことり「ご飯の時間だよ」
ことり「海未ちゃんに喜んでもらえるようにたくさん愛情を込めて作ったからね」
ことり「ふふっ」
海未(元に戻ってしまいましたか)
ことり「はい、じゃあたくさん食べてね」
海未「…………」
ことり「…………」
海未「…………」
ことり「なんで食べないの?」
海未「鎖が短くて料理を食べることができないんですよ」
ことり「えっ」
海未「これ外してもらえませんか?」
ことり「だ、だめ!そんなことしたら海未ちゃん逃げちゃうもん!」
海未「それならことりに食べさせてもらうしかありませんね」
ことり「え?」
ことり「それって『あーん』するってこと……?」
海未「はい、そうなります」
ことり「海未ちゃんに……あーん……」
ことり「っっっっっつ///」
ことり「むりっ///むりむりむりっ///」
ことり「そ、そそそそんな破廉恥なことできないもん///そういうのはお付き合いしてからだもん///」
海未「でもそれだとご飯が食べられませんよ」
ことり「うっ……///でも無理なものは無理です///」
海未「では、ご飯を食べるのを諦めるしかありませんね」
ことり「えっ!?」
ことり「そ、そんな……せっかく……海未ちゃんのために……頑張ったのに……」ジワッ
ことり「でも……あーんなんて……」グスッ
海未「……ふぅ」
海未「ではことり、こうしましょう」
海未「今夜を無かったことにするんです」
ことり「ふぇ……?」
海未「私は今夜、ことりの家にお泊まりに来ただけ」
海未「本当は監禁なんてされてませんでした」
海未「だから鎖に繋がれていないし、ご飯も食べられます」
ことり「で、でも!ことりは海未ちゃんを監禁しなくちゃいけないの!」
海未「はい。ですから、それは明日やればいいんですよ」
ことり「明日……?」
海未「はい。明日までに鎖の長さと位置を調節すれば、ちゃんとご飯は食べられるでしょう?」
ことり「なるほど……」
海未「では外してもらえますか?」
ことり「…………」
海未「ことり?」
ことり「あ、明日……ちゃんと捕まってくれる?」ウルウル
海未「……もちろんですよ」
ことり「絶対!?絶対だよ!?嘘ついたら嫌いになっちゃうからね!?」ウルウル
海未「はい。本当ですよ」
ことり「そ、それなら解放してあげる……///」ガチャン
海未「ありがとうございます、ことり。それではご飯を頂きましょう」
ことり「うん///」
ーーーー次の日
ことり「はい、海未ちゃん、お茶どうぞ」コトン
海未「ありがとうございます」スッ
ことり「…………」ジー
海未「…………」
海未(朝からご機嫌で学校でもおかしいところはなかったのですが……)チラッ
ことり「…………」ジー
海未(明らかに睡眠薬が入ってますね)ハァ
海未(約束した手前断るわけにもいかないでしょう)ゴクッ
ーーー
ーー
ー
海未「んっ……」
海未「……ああ、睡眠薬を飲まされたんでしたっけ」
ガチャ
ことり「海未ちゃん、気がついた?」
海未「こんばんは、ことり」
ことり「こんばんは。ふふ、今どうして自分がこうなってるのかわかる?」
ことり「全部海未ちゃんが悪いんだよ?」
海未(このくだりをもう一度やるのでしょうか)
海未「……あれ?そういえば……」
ことり「なに?絶対出してあげないよ?」
海未「いえ、昨日といい今日といい、私が起きたタイミングでよくこちらの部屋に来られたなーと」
ことり「っ!」
海未「もしかして監視カメラでもあるのですか?」
ことり「な、ないよ///」
海未「ほう、それではどうしてタイミング良く来られたのですか?」
海未「偶然ではありませんよね?」
ことり「そ、それは……えっとぉ///」
ことり「さ、三十秒に一回見に来てるから///」
海未「…………」
ことり「だ、だって早く海未ちゃんとお話ししたいし///海未ちゃんの寝顔可愛いから///」
海未「……それならずっと部屋の中にいればいいのでは?」
ことり「そんな破廉恥なことできないもん///」
海未「そうですか」
ことり「ふ、ふふ、そんなことより海未ちゃん!」
ことり「海未ちゃんはもうことりのものなんだからね!」
ことり「そう……海未ちゃんはことりがいないと生きていけないの。ご飯も、お風呂も、トイレも、一人じゃ何もできない」
ことり「もしことりに逆らったら……酷いことしちゃうよ?」
海未「人に酷いことをするようなことりは嫌いになってしまいますよ」
ことり「えっ」
ことり「う、嘘だよね……?」
海未「…………」
ことり「や、やだぁ……」ウルウル
ことり「ぐすっ、海未ちゃんに、嫌われ、うっ、」ポロポロ
海未「あ、えっ!?き、嫌ってません!嫌ってませんから泣かないでください!」
ことり「本当……?」グスッ
海未「本当です」
ことり「よかった……」ホッ
海未(ふむ……)
ことり「えへへ……好きって言われちゃった///」
海未(脳内で勝手に変換されてますね……)
ーーー
ーー
ー
ことり「ご飯も食べたし……お風呂入ってこようかな」
海未「肩までつかって百まで数えてくださいね」
ことり「はーい」
ことり「…………」
海未「…………?」
ことり「あ、あー、今からお風呂入らないとなー」チラチラ
海未「?」
ことり「今日は疲れてるから、ぐったりしながら入っちゃうかも」チラチラ
ことり「だから、もし誰かが覗きに来ても……き、気づかないかも」チラチラ
ことり「で、でも大丈夫だよね、覗く人なんていないよね」チラチラ
ことり「じ、じゃあ行こっかな///」チラチラ
パタン
海未「なんだったんでしょうか今の不自然な演技は……」
海未「まあいいでしょう。とりあえず今の状況を整理してみましょう」
海未「私はことりに監禁された」
海未「でも態度は普段と変わらないんですよね」
海未「監禁というものは暴行が付き物だと思っていたのですが、そういう行為は一切見られませんし」
海未「いろいろと噛み合わないんですよね」
海未「まあ、楽しいですし今の所はよしとしましょう」
ーーー
ーー
ー
海未「遅いですね……」
海未「いつもはこんな長時間入ってないと思うのですが……」
ガチャ
海未「ことり?随分長く入っていましたね」
ことり「…………」フラフラ
海未「ことり?」
ことり「ぅ……」クラクラ
海未「のぼせてしまったのですか?」
ことり「ぁ……海未……ちゃん……」
ことり「!」
ことり「うそつきぃぃぃ!!」
海未「え?」
ことり「ことりのこと好きって言ったくせに!!」
海未「いえ、まだ言っていませんが……」
ことり「ことり、ずっと待ってたのに!」
ことり「それなのに……それなのに……」グスッ
海未「何を待っていたのですか?」
ことり「え?」
ことり「そ、それは……えっと……///」カァァァ
ことり「ぅぅぅぅ海未ちゃんのバカ!最低!」
海未「どうしてそうなるのですか」ハァ
海未「というか、私はこの通り鎖に繋がれていますからね」
海未「覗きにはいけませんよ」
ことり「ぁ……」
海未「ところで、私はお風呂をどうすればいいのですか?」
ことり「え?」
海未「今日は練習で汗をかきましたし、お風呂に入りたいのですが」
ことり「だ、だめ!絶対外さないよ!」
海未「ではことりが私の体を拭いてくれるのでしょうか?」
ことり「えっ」
ことり「ま、待って、それって……」
海未「はい。私を裸にひん剥いて隅々まで濡れタオルで拭くのです」
ことり「そんな恥ずかしいことできないよぉ///それもだめっ///」
海未「ですが体の清潔を保たないと感染症にかかりやすくなったりしてしまいます」
海未「ことりは私が死んでしまってもいいのですか?」
ことり「そ、そんなの絶対いや!!」
海未「でしたらこれを外してください」ジャラ
ことり「…………」
海未「お風呂に入ったらまた付けますから」
ことり「絶対だよ?」
海未「はい」
ことり「……怒ってる?」
海未「怒ってませんよ」
ことり「そ、それなら……」カチャリ
海未「ありがとうございます。ではちょっと行ってくるので待っていてくださいね」
ことり「はーい」
ーーー
ーー
ー
海未「あがりましたよ、ことり」
ことり「おかえりなさい、海未ちゃん」ジー
海未「…………」ストン
ことり「…………」ウルウル
海未「…………」ハァ
スタスタ
ガチャン
ことり「えへへへ」ニコニコ
海未(この笑顔を見るとなんでも許せてしまうから不思議です)
ことり「さて、海未ちゃん」
海未「なんでしょうか」
ことり「海未ちゃんは今抵抗できせん」
海未「まあ、そうですね」
ことり「だから……ふふっ。今からことりがしたいことを海未ちゃんにしちゃおうかな」
海未「……!」
ことり「まずは……」スッ
海未(一体何を……)
ピトッ
ことり「…………///」
海未「…………?」
ギュゥ
ことり「っっっ///」ギュー
海未「????」
ことり「え、えへへへ、ことり、海未ちゃんと手を繋いじゃってる///」
海未「!?」
ことり「こ、恋人じゃないのに手を繋いじゃうなんて///ことり、悪い子になっちゃった///」
ことり「えへへ///」
海未「…………」
海未(想像よりもはるかに下でした)
海未(もっといろいろされると思ったのですが)
海未(というか……)
海未「ことり」
ことり「ひゃぃ!?」ビクッ
海未「手を繋いだりなんて、練習の時にもたまにしているではありませんか」
海未「それなのにどうして照れているのですか?」
ことり「そ、それは……」
ことり「えっと、だって……練習は練習だし……みんないるし……///」
ことり「う、海未ちゃんと二人きりだからだもん///」
海未「そういうものなのですか」
海未「…………」
ことり「……///」
海未(なんだか心地よいですね……)ギュー
ことり「っ///」
ことり「そ、そういえば海未ちゃん///」
海未「なんですか?」
ことり「その、えっと///す、す///」
海未「す?」
ことり「す、すすすすすすすす、好きな人……っている?///」
海未「ええ、いますよ」
ことり「!? だ、だれ!?」
海未「ことりです」
ことり「っ!?そ、そそそそうやって煽てても絶対に許してあげないもん///」
海未「…………」ハァ
海未「そういえばことり」
ことり「な、なに?///」
海未「わたしは今夜どこで寝ればいいのですか?」
ことり「え?」
海未「流石にこのまま寝るのは体に良くないので」
ことり「えーと……」
ことり「…………」カチャリ
海未「あ、外してもらえるんですね」
海未「それでは失礼して」スタスタ
ギシッ
ことり「ふぇっ!?」
ことり「な、なななななにっ!?」
ことり「なんでことりのベッドに乗ってくるの!?」
海未「はぁ、寝るためですけど」
ことり「だ、だめ!だめだめだめ!いつもみたいにお布団使ってよ!」
海未「ことりはわたしと一緒に寝るのがいやなのですすか?」
ことり「い、いや……じゃない……けど……」
ことり「で、でも、こういうのは順序があって、だって、一緒のお布団……海未ちゃん……っ」カァァァァァ
ことり「……きゅぅ」パタン
海未「ことり……?」
海未「先に寝てしまったのですか?」
海未「全く……仕方ないですね」モゾモゾ
海未「……おやすみなさい、ことり」ギュッ
海未「ふふっ」
ーーー
ーー
ー
チュンチュン
ことり「んー……」ボー
ことり「……あー……うみちゃんだぁ」
ことり「えへへぇ」ギュゥゥ
海未「…………」スヤスヤ
ことり「ん~」スリスリ
ことり「…………?」
ことり「あれ……?」
ことり「な、なんで海未ちゃんがここにいるの!?///」
ことり「顔が近いよぉ///むりっ///恥ずかしい///」
ことり「は、早くでないと///」グググ
ことり「う、海未ちゃんにがっしりされて出られない……」
ことり「海未ちゃん!お願い!離してっ!」ペシペシ
ことり「起きてぇ!起きてよ!」ペシペシ
海未「…………」スヤスヤ
ことり「……ぅぅ///可愛い寝顔してぇ///」
ことり「と、というか……ことり……海未ちゃんとこうして一緒に寝……///」カァァァァ
ことり「ふぁぁぁ……///」パタン
海未「…………ん」
海未「朝……ですか」
海未「久しぶりによく眠れました」
海未「これも……ことりのおかげでしょうか」ギュゥ
ことり「…………」
海未「ふふ、可愛いらしい寝顔ですね」
海未「…………」ギュゥ
海未「こうしていると……私がことりを監禁しているみたいですね」
海未「私だけの鳥籠に、ことりを監禁して……」
海未「…………」
海未「一昨日からお世話になっていますし、朝ご飯は私が作りましょう」
トントントンカンカンカン
海未「こんなものでしょうか」
海未「後はことりを起こして……と、その必要はないようですね」
ダダダダ
ことり「海未ちゃん!?」
海未「おはようございます、ことり」ニコッ
ことり「お、おはよう、海未ちゃん///」
ことり「ってそうじゃなくて!」
海未「はい」
ことり「海未ちゃんは今ことりに捕まってるの!!勝手にどっかにいったらダメなの!」
ことり「ほら、早く戻って!」
海未「わかりましたから先にご飯にしませんか?」
ことり「むー」プクー
海未「はいはい、すぐ戻りますよ」クスッ
ーーー
ーー
ー
海未「? ことり、何処かにでかけるのですか?」
ことり「うん……子供会にクッキーを持っていかないといけないから」
ことり「だから、いい子にお留守番しててね、海未ちゃん」
海未「ことりは私よりも子供会の方が大切ということですか?」
ことり「え?」
海未「悲しいです……私は、ことりにとって一番大切な人になれていないなんて……」
ことり「ち、違うよ!ことりは海未ちゃんが一番大切だもん!」
ことり「で、でも、前にみんなにまたクッキー焼いてくるって約束して……楽しみにしてたから……」グスッ
ことり「うー……」ウルウル
海未(可愛い)
海未「冗談ですよ、気をつけて行ってきてくださいね」
ことり「うん///」
ことり「お昼ご飯は台所にあるからお腹が空いたら食べてね」
海未「あ、待ってください」
海未「行くならこれを外して行って欲しいのですが」
ことり「え?なんで?」
海未「お花を摘みたくなったらどうするんですか?」
ことり「えーと……」
海未「それに捕まっていてはご飯も食べれませんし」
ことり「…………」
ことり「に、逃げないでね」コトン
イッテキマース
パタン
海未「さて……と」カチャリ
海未「この生活は楽しいですが、気になりますね」
海未「ことりがこうなった原因を探してみましょう」
海未「さて、めぼしいものは……ん?」
海未「『監禁のススメ~大好きなあの子があなたにメロメロになっちゃう必勝法~』……?」
海未「なんですかこの胡散臭い本は」
ペラッ
皆の恋は上手くいってるかな?
まあ上手くいってたらこんな本買わないよね?(笑)
海未「最初から読者に喧嘩を売るとは斬新ですね」
そんな好きな子に告白もできないヘタレな読者の皆に、今日は気になるあの子をメロメロにしちゃう方法を教えてあげるよ!
その方法は……なんと!監禁しちゃうんです!
海未「犯罪じゃないですか」
犯罪?それは違うよ!
これは恋!戦争だよ!戦争には法律なんて関係ないもんね!
海未「いえ、ありますけど」
まず初めのステップ!
大好きな子を家まで連れてきて睡眠薬を盛ってください!
海未「この時点でハードルが高いのでは?」
睡眠薬は付録に付いてるから是非活用してね!
海未「そんなもの付録に付けないでください」
寝かせたら鎖で動かないようにしちゃおう!
縛り方は好みと家の設計に合わせてね!
やり方は付録本の『☆これで貴女も拘束マスター☆』にだいたい乗ってるから参考にしてね!
あ、鎖は付録に付いてるよ!
海未「付録が豪華すぎるでしょう」
はい、ここからルート選択でーす!
起きた時に『いやー!ここから出してー!外してー!』って大声で泣き叫んだりしてなければこのまま進んでください!
海未「なんですかこの基準は」
~純愛ルート~
監禁されても冷静にいてくれる人はゆっくり攻め落としましょう!
上手くいけば二人は純愛ラブラブになれます!
海未「監禁に純愛も何もないでしょう」
説明に入る前に体験談を載せさせてもらいまーす!
「この純愛ルートを試したけど本当にハラショーね」
「私の親友のの……Nさんに試したらすごい効果的だったわ」
「3日目くらいから『あーんしてほしいなぁ』って甘えてくるし学校でもずっと私と一緒にいるようになったの」
「週末なんか『今日も監禁して?』って自分から誘ってくるようになって夜のハラショーがハラショーしちゃってるわ」
「さあ、みんなも監禁で片想いにダスヴィダーニャよ!」
どうかな?これが監禁の力だよ!
海未「これ監禁された方がおかしい人だけなのでは」
はい、では純愛ルートでーす!
まずご飯を作ってあーんする!
お風呂も着替えもトイレもやってあげる!
(※移動の時は付録の手錠セットを使うのがオススメだよ!)
ここで重要なのは、その人がいつも自分でやってることをあなたがやってあげること!
これをするとそのうちあなた無しで生活ができなくなっちゃうんだ!
海未「効果が出るのにどれだけかかるんですか」
海未「というかこれ本当に効果あるんですか?体験談見てると最初から両想いに見えますけど」
あはは、まあこっちは二人とも特殊な性癖もった人じゃないと成立しないけどね!
海未「はい」
で、まあ、本当のメインは次のページから始まるんだ。
海未「ほう」
さて、その前に聞いておかないとね。
あなたは本当にその子を自分のものにしたい?
憧れとか、恋に恋したとかじゃなくて、自分の所有物にしたい?独占したい?
そうしたいなら、次のページを開いて?
幸せになれるかは、保証しないけどね。
海未「雰囲気が変わった……?」
ペラッ
♡今日から始めるヤンデレルート♡
海未「は?」
びっくりした?ちょっと真面目な雰囲気だして驚いちゃった?
海未 イラッ
さあさあここでは反抗的な子をメロメロにする方法のご紹介だよ!
あなたのことが大嫌いなあの子も、絶対にあなたの虜になっちゃう♡
海未「洗脳の間違いでは」
ここで大切なのは心の強さでーす!
いい、絶対に可哀想って思っちゃダメ!
相手に恐怖を植え付けないといけないんだ!
1.初めての邂逅~あの煌めく夏をもう一度~
睡眠薬を飲んだ相手が目を覚ました!そして解放してと騒ぎ出しました!
はい、問題です。次のうち正しい行動はどれでしょう?
A包丁
B鋏
Cタンスの角
Dセロハンテープ
海未「なんですかこの物騒な選択肢は」
海未「というか夏要素何もないではありせんか」
答えは『暴行』です!
海未「そんな選択肢はありません」
おとなしくなるまで殴りましょう!
何か言ってきたら『黙れ♡』って返しておくと効果的かな!
海未「なんでもハートマークをつければいいというものではありませんよ」
ちなみに暴力が苦手な人のためにアイマスクもあります!
これを付けると前が見えなくて怖いんだよね。
何時かわからなくて寂しくて怖くてだんだん心がむき出しになっちゃうの。
聞こえてくる声が頼りでゆっくり少しずつ心が傾いていっちゃうんだ。
不思議だよね?監禁してきたのは相手なのに。
海未「確かに……それは不思議ですね」
あ、やばい。
海未「?」
あの時のこと思い出しちゃった///
海未「あなたされた側なんですか」
と、とにかく!酷いことをたくさんするんです!
それで傷ついたところに優しさを見せてあげるとコロっといっちゃいますよ!
海未「傷つけすぎてもコロっとイっちゃうかもしれませんね」
とにかく、従わなければ暴力です!
後は犬の格好でご飯を食べさせるとかでプライドをズタズタにしたり!
水の中に顔を突っ込ませたり!
いろんなプレイを書いておくから最後まで読んでね!!
海未「……ふぅ」
海未「ことりがああなった原因はこれですか」
海未「監禁というより軽めの拷問集みたいな気もしますけど」ペラペラ
海未「なんですか『痛みだけが人と人を繋ぐ絆だよ♡』って……物騒すぎるでしょう」
海未「…………」
海未「これは、もしかして反抗的な態度をとるとことりにこのようなことをされるのですか?」
海未「…………よし」
ーーーー夕方
ことり「ただいま~」
ことり「海未ちゃんいい子にしてた?」
ことり「この後何しようか?一緒に衣装作りとか?」
ことり「海未ちゃんがしたいことしてあげる」
海未「……それなら」
ことり「うん、なぁに?」
海未「私を解放してくれませんか?」
ことり「…………うん?」
ことり「なんでそんなこと言うのかな?」
海未「この生活が苦しいからです!」
海未「自由に体も動かせなくて!ことりがしたいように扱われるだけではありませんか!」
海未「いい加減にしてください!」
ことり「…………っ」
海未(さてさてどうなるか)
ことり「……そっか、海未ちゃんはことりから逃げたいんだ」
ことり「せっかく上手くいってたと思ってたのに……」
ことり「いいよ。海未ちゃんの心が折れるまで酷いことしてあげる」
海未「都合が悪くなったら暴力ですか?そんなことでーー」
ことり「黙れ」
海未「っ……!」ゾクゾクッ
海未(な、なんですか今のは……!)
海未(ことりにきつい言葉を言われて背筋がゾクゾクしてしまいました……)
海未(癖になりそうです)
ことり「ふふ、海未ちゃんは何発耐えられるかなぁ?」
海未(今からことりに酷いことをされてしまうんですね)ドキドキ
海未(……何かに目覚めてしまいそうです)ドキドキ
ことり「ふー……ふー……」キュッ
海未(可愛い)
ことり「えいっ!」
海未「っ!」
ポコッ
海未「…………?」
ことり「ばかっ!海未ちゃんのばかっ!」ポコポコ
海未(全く痛くありません……)
海未「あ、あの……ことり……」
ことり「なに?謝らないと許してあげないよ?」ポコポコ
海未「いえ、その……」
海未(全然痛くないのですが)
ことり「何?反省したの?」
海未「し、してません……」
海未(反省するような痛みが来ないのですが)
ことり「…………そっか」スッ
海未「?ことり?」
ことり「ことりね、本当は海未ちゃんに暴力したくないの」
ことり「海未ちゃんはすごく綺麗だから、傷つけたくない」
ことり「だから今ので反省してくれたら良かったんだけど……」
海未「えーと……」
ことり「海未ちゃん、ことりはもう我慢ができなくなりました」
海未「……何をするつもりですか?」
ことり「ふふ、大好きな人と一緒にいたらすることは一つしかないよ」
ことり「海未ちゃん、子供作ろう?」
海未「なっ!?」
海未「ま、待ってください、ことり!それがどういうことか分かってるのですか!?」
ことり「分かってるよ」
ことり「海未ちゃんを大人にしてあげる」
海未「くっ!」ジタバタ
ことり「はい、暴れちゃだめ」グッ
海未「うっ……」
ことり「海未ちゃんは、ことりと子供作るのはいや?」
海未「い、嫌ではありませんが……物事には順序が……」
ことり「そんなことしてたら海未ちゃんを他の子に取られちゃうでしょ?」
ことり「全部、海未ちゃんが悪いんだからね」
ことり「ことりの気持ちに気づいてくれない海未ちゃんが」
海未「…………」
ことり「目……閉じて?」
海未「…………っ」ギュッ
海未(この展開は予想していませんでした)
海未(初めてはお互いの気持ちを確かめ合ってからしたかったのですが、仕方ありませんね)
海未(終わった後に告白して責任を取らせていただきます)
海未(さあ、私の覚悟は決まりましたよ、ことり)
ことり「……ふふ、いい子だね」
ことり「海未ちゃん、大好き」
チュッ
海未「…………」
海未「…………」
海未「…………?」
海未「あ、あの、ことり……」
海未「覚悟は決めましたから、続きをお願いしたいのですけど」
海未「…………」
海未「????」
海未「ことり……?」ソォー
ことり「//////////」
ことり「ど、どうしよう……ついにしちゃった///」
ことり「海未ちゃんと赤ちゃん作っちゃった///」
海未「は?」
ことり「名前何にしよっか///」
海未「いや、え?」
ことり「えへへ///海未ちゃんとの子供///」
ことり「こ、これからは『あなた』って呼んだ方がいいのかな///」
ことり「あ、あなた///不束者ですがよろしくお願いします///」
海未「…………」
海未「ええ、よろしくお願いします」ニコッ
ーーー
ーー
ー
ことり「ん……む……?」
ことり「あれ、ことりいつの間にか寝ちゃって……」ジャラ
ことり「え?」
海未「こんばんは、ことり」ニコッ
ことり「こ、こんばんは?」
ことり「ってなんでことりが縛られてるの!?」
海未「私がことりを監禁したからです」ニコニコ
ことり「ふぇっ!?」
ことり「や、やだぁっ!離してっ!」
海未「ことり、本にはなんて書いてありましたか?」
海未「騒いでる人は?」
ことり「ぼ、暴行……」サァァァ
ことり「や、やぁ、嘘だよね?」
ことり「お腹の中、海未ちゃんとの赤ちゃんがいるんだよ?」
ことり「それなのに……」ウルウル
海未「ええ、もちろん暴行なんてしません」
海未「ことりにいろいろ教えなければならないことがありまして」
ことり「……?」
海未「いいですが、まず私はことりが好きです」
ことり「ふぇっ///」
ことり「や、やった///やっぱりあの本は本当だったんだ///」
海未「いえまあ本は関係ないですけどね」
海未「それで、ことりも私のことが好きですよね?」
ことり「うん///」
海未「でしたらお付き合いをしましょう。結婚を前提に」
ことり「は、はい///」
ことり「あれ、そのお話をするためにことりを捕まえたの?」
海未「いいえ、これはことりが逃げ出さないようにするためです」
ことり「逃げ出す?」
海未「ええ」
海未「ことり、本当の子作りの仕方を教えてあげますよ」
ことり「え?子供はさっき……」
海未「キスで子供なんてできません。それを教えてあげます」スッ
ことり「う、海未ちゃん?なんかおめ目が獣さんみたい……」
ことり「えっ!?う、海未ちゃんなにそれ!?」
ことり「なんでそれが海未ちゃんに生えてるの!?」
ことり「ま、まって、服とらないで……」
ことり「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ/////」
おわり
読んでくれてありがとう
おやすみ
もしかしてやわ銀?
>>65
大正解
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