【モバマスSS】お題は星の数だけ 5夜目 (179)

こんばんは
酒の肴にでもしてお付き合いください
>>3のお題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468237765

惣菜パン

では「惣菜パン」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

惣菜パン

味が付いた食材をパンに乗せる、あるいは包み、挟んだもの

手軽に食べることができるため、自分も昼食で食べることが多い

現に今も食べているわけではあるが……

「……」

どうしよう、ものすごく視線を感じる

何かこう……がっついているような

執着心? キ○ガイ的な感じ?

人の三大欲求にも含まれるので悪いことではない、のかな? と思いたい

でもさ、正直見すぎだと思うんだよね

キスできるんじゃね? くらい近いんだよ

うちの事務所の子はみんな可愛いよ? 自信を持ってスカウトしたんだし

でもさ、全然ドキドキとかはしないよね

だって、目線が違うもん

肉食獣のそれだもん

すごく食べづらいんだよね

その八重歯さ、牙じゃないよね?

「みちる?」

意を決して声をかける

「何ですか?」

あ、反応はしてくれんだ

とりあえず涎をふこうか、ちょっとアイドルっぽくない顔してるしさ

「すみません! あ、食事の続きどうぞ」

うん、話は最後まで聞いてくれると助かるかな

「そんなに見られると食べ辛いんだけど……」

心から思ってるからね

「ん? 私のことはそこらへんに落ちてる石……いえ、パンにでも思ってもらえれば」

あーよくわからないや、というか全然わからない

「あれ? パンが落ちてる? 誰ですか落としたのは!」

どうどう、落ち着こう、ね?

「落ち着きたいんですけど、なかなか……」

そっかぁ、やっぱりお前もキチを冠するアイドルなんだね……

「あ、お前も食べる? 美味いよこれ」

今食べているもは焼きそばパン

コッペパンではなく、フランスパンにはさまれているものだ

食感が俺好みで味も良い

「いいえ! 大原ベーカリーの新製品の味見をお願いしているので」

セリフは格好いいけどさ、涎と顔の縦ふりはなんなの?

……じゃあ、食べちゃうからね

「……あっ」

素直じゃないなぁ、こいつ

パンを半分にちぎり、みちるの口に突っ込む

「ふごっ!? ……ふごふご」

良い笑顔です

というより、パワーオブパン

「うん、美味しいですね……プロデューサーの味もします」

あ、ちぎったのは口つけてないほうだから安心してね?

「ちっ……」

たくましくなったなぁ……

パンを半分にちぎり、みちるの口に突っ込む

「ふごっ!? ……ふごふご」

良い笑顔です

パワーオブスマイル、というより、パワーオブパン

「うん、美味しいですね……プロデューサーの味もします」

あ、ちぎったのは口つけてないほうだから安心してね?

「ちっ……」

たくましくなったなぁ……

「ところで、急に差し入れなんてどうしたんだ?」

パンを分けてくれることはあるが、差し入れというのは珍しい

「それはプロデューサーの好み……新製品の味見……ぷろでゅーさーのしんせいひん?」

そっかぁ、これ以上は聞かないことにするね

「……プロデューサーは気に入ってくれましたか?」

「うん、どれも凄く美味いよ」

まだたくさんありすぎて、正直困るくらいだけど

「そうですか……やったぁ」

最後のほうは声が小さくて聞こえなかった

お、このパンも上手いなぁ

もじもじしているみちるを見ながらパンを人齧り

「あ、それも自信作……ってお父さんが言ってました」

今度お礼しなきゃいけないよなぁ……

顔を赤くしてニコニコしているみちると大量のパン

ま、今は何も言わずにみちると食事を楽しもうか


おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
お次は>>19のお題を頂戴します

美優「あの子と」小梅「あの子」

それでは 美優「あの子と」小梅「あの子」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

紫陽花の咲く季節

雨が多くてじめじめしてて……好きな人は多くないのかもしれません

けれど、私にとってはちょっとだけ特別で

懐かしくて……寂しくて……でも、それだけじゃない

あの子がいた時のことを思い出してしまうんです

「今日も……やまないみたい」

誰もいない事務所で独り言ちる

外を見れば、しとしとと雨が降り注いでいる

そういえば、と先日のことを思い出す

今更ながら、恥ずかしい話をしてしまった気がします

けれど、プロデューサーさんは真剣に聞いてくれたっけ……

「あの子」のこと、そして、自分の思い出も

……ずるいです

意識するなってのが難しいじゃないですか

あの時のことを思い出すと今でも胸が高鳴る

「みんな」のプロデューサーかぁ……


「はぁ……」

はっ、自分自身もじめじめしちゃ駄目

気持ちを切り替えないと……

「み、美憂さん……どうしたの?」

「きゃあっ! 小梅ちゃん、いつの間に……」

急に声をかけられて、びっくりしちゃった

「ご、ごめんなさい……驚かすつもりじゃなかったの」

慌てたような表情で頭を下げられた

「良いの、わたしこそごめんなさいね?」

小梅ちゃんは誤解されやすいけど、とても優しい子

妹見たいな感じでとても可愛い

「ご、ごめんなさい……驚かすつもりじゃなかったの」

慌てたような表情で頭を下げられた

「良いの、わたしこそごめんなさいね?」

小梅ちゃんは誤解されやすいけど、とても優しい子

妹みたいな感じで、とても可愛くて

……思わず頭を撫でちゃった

「わわっ……」

びっくりしたような表情も可愛いなぁ

そういえば、あの子もこういう金色の毛並みだったっけ

「小梅ちゃん、もう少しだけ……」

「う、うん……」

撫でているうちに、小梅ちゃんが体を預けてきた

「美優さんに撫でられるの……気持ち良い」

えへへ、と笑う小梅ちゃん

小梅ちゃんの撫で心地が良くて、自分でもやめられない

「よしよし、良い子良い子♪」

「んっ……」

もうすこしだけ……良いよね?

抵抗が無いみたいな小梅ちゃんの髪質

きちんと手入れしてるんだろうな……

さらさらの感触が心地良い

「美優さん」

「な、なに?」

名前を呼ばれて我にかえる

「美優さんだから……教えてあげる」

みんなには秘密に……してね?

人差し指で、しーっというポーズをとった小梅ちゃんに……

にょきっと金色の毛並みの耳としっぽが生えた

「えっ……?」

どういうこと? 頭が追い付かなくて、軽いパニックを起こしている

思わず耳を引っ張ってみる

「い、痛い……乱暴しないで」

「あ……ごめんなさい!」

作り物だと思った耳は柔らかくて、暖かった

何より、金色の毛並みは小梅ちゃんにとても似合っていた

「ちゃんと……見て?」

小梅ちゃんがぐりぐりと耳というか頭を押し付けてくる

んん……? よく見ると右耳が少し欠けていることに気付く

「つぎは……しっぽ」

くるっと後ろを向いて、しっぽを見せてくれた

ふさふさとして、光を反射させる綺麗なしっぽ

真っすぐじゃなくて、少しだけ曲がったしっぽ……

耳もしっぽも、「あの子」を連想させる

「……」

おそるおそる手が伸びて……

「あっ……」

懐かしい暖かさ、懐かしい柔らかさ……懐かしい、「あの子」の撫で心地

「えへへ……」

そうか、やっぱりこの子は私の……

「紹介するね、私の友達の「あの子」……」

ぴこりと耳としっぽが動く

「美優さんは……もうわかったと思うけど……」

うん、うん……忘れる訳ないもの

一撫ですることに……思い出が……楽しい日々を

暖かさを感じることに……鮮明に思い出す

「あなたはそこにいたのね……」

小梅ちゃんを抱き寄せる

「わぷっ!」

……とても暖かい、小梅ちゃんと「あの子」の体温

もう感じることはできないと思っていたのに……

胸の中の存在をぎゅっと抱きしめる

「……美優さん、元気……でた?」

うん、とても

「よかった……「あの子」も心配してたから」

笑顔を見せる小梅ちゃんに「あの子」が重なる

「うん、ありがとう……」

視界が滲む

目の前がぼやけて、良く見えないけれど

目の前の笑顔は、ずっと昔に見た笑顔と一緒だった





おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
あまり見ないカップリングで楽しかったです……
お次は>>38のお題を頂戴します

>>18

では、悠貴「世界一のジュースを作るんですねっ。どのレベルから作るんですかっ?」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

こんにちはっ! あれ? こんばんはっ?

乙倉悠貴ですっ

今日は、えっと「世界一のジュースを作る」企画みたいですっ

色々な食材やジュースを使っても良いと言われてるので楽しみです

それでは! まずは一つ目を作ってみましょう♪





一作目 葉野菜+果物+豆乳



豆乳を投入しますっ! あれ、楓さんいつの間に……

あ、果物はバナナやリンゴがおすすめですっ

後はミキサーで混ぜて……できましたっ!

グリーンスムージーですっ♪

私、生野菜が苦手なんですがこれなら飲めるんですっ

もっと甘くしたいならハチミツを入れてくださいね





二作目 紅茶+炭酸水

ティーソーダの出来上がりですっ

ミントやレモンを乗せると爽やかな感じになります

……あ、紅茶の香りとしゅわしゅわがって苦いっ! ガムシロたくさんくださいっ

これは大人の味かもしれません……

でも、すっきりしてて美味しいですっ♪

アレンジとして、お好みのジュースの上にゆっくりと紅茶を注ぎます

こうするとグラデーションがかかって綺麗なジュースができますっ

いろいろなフレーバーが楽しめて楽しいですねっ

あれ、桃華ちゃん? なんで冷たい目で私を見てるのかな

あ、巻きですか!? すみません、次にいきましょうっ




三作目 カルピス+牛乳

グラスにカルピス、書き忘れたけどレモン汁、最後に牛乳を入れて混ぜますっ

ラッシーみたいなドリンクの完成ですっ

……ヨーグルトみたいな不思議な味わいですっ

え? 絶対にこぼすな? わ、わかりましたっ

……次は、美味しくないジュースですか!?

材料は飲んだ後に発表する? わかりましたっ

……プロデューサーさーん! プロデューサーさーんっ!

色と匂いが凄いですっ、飲まないと駄目ですか?

可愛いアイドルになるため……ですか

わかりましたっ、飲みますっ

……涙がでちゃいそうです




四作目 材料の公表は控えさせて頂きます

うう……アイドルって大変なんですね、幸子さん

あ、次で最後みたいですねっ

どんなミックスジュースなのか楽しみですっ

プロデューサーさん? お疲れ様です、どうしたんですか?

え、私のためにジュースを作ってくれるんですか?

とっても楽しみですっ♪

どきどきしますっ

あ、これがプロデューサーさんが作ってくれたジュース……

では、頂きますっ

……美味しい、美味しいですっ!

オレンジジュースみたいな味で……え? ただのオレンジジュースですかっ?

うーん、なんでこんなに美味しいんでしょう……



最後 愛情たっぷりジュース



おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
お次は>>57のお題を頂戴します

ユッキと混浴風呂

では「ユッキと混浴風呂」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

「はぁ……気持ちいいー♪」

ちっちゃいころは温泉の良さがわからなかったけど

最近になって、ようやくわかるようになった

「あたしも大人になったってことかなー」

実際20だから大人だよね?

見た目で未成年とか決めつけないでほしいよねぇ

もうお酒飲める歳なんだから勘弁してほしいよ……

お風呂あがったらじゃんじゃん飲んじゃおうっと♪

お宿の料理にも期待できそうだし

一人でにやにやしている時に檜の引き戸がからりと開いた

騒いじゃうと迷惑になっちゃから静かにしよっと……

湯気と奥行きのあるせいではっきりとは見えないけど

女の人にしては随分と大柄な……あれ?

「「あ……」」

二人の声が重なる

パニックになる前に口が勝手に開いた

「きゃああああ!!!」

なんなの? なんでプロデューサーがいるの!? 今日はキャッツ勝ったの?

「落ち着け! 悲鳴はまずい、俺が捕まる!」

そこじゃないでしょ!? あたしが悲鳴上げなくても捕まるよ!

「なななな、なんでプロデューサーが」

緊急時だから、タオルを湯船に入れて体を隠す

「いや、そりゃ……うん」

なんで顔赤くしてるのこの人!? え、まさかそういうことなの?

「へ、変態ぃぃぃぃ!!!」

二度目の悲鳴を上げる

が、大きな手で口を塞がれた

むぐぐ……

信頼してたのに……こんな人だったなんて……

「説明するから悲鳴は止めてくれ……」

ぽろぽろと勝手に涙が零れる

「うううう……」

演技じゃない本気の涙なんて久しぶりだ

「友紀……今日説明するのは二回目だっ……痛ぇ!」

何指かわからないけど、犬歯で噛んでやった

じわりと口の中で鉄の味がする

「いつまでも触ってないで! ……あたしから離れてよぉ」

またこっち来たら噛んでやるから!

犬みたいに威嚇して、距離を取ろうとするけど

「あ、あれ……」

これって腰が抜けるってやつ?

全然力が入んないじゃん……

「大丈夫か? 友紀」

「こないで!」

私の牽制球は早いんだからね

「……すまない、きちんと説明するから聞いてくれ」

プロデューサーが床に頭をつけた、いわゆる土下座ってやつだ

お前を見ないし、近づかないからと付け足した

「うん……」

一応、一応ね……身構えておくけど

「その前に」

くるりと後ろを向いて、あたしに背中を向けるかたちになる

「友紀はきっとこう思ってるんだろう、なんで俺が女風呂にいるのか? と」

うん、そりゃそうだよ

こっちはプロデューサーのおかげで怖い目にあったんだから

「実はさっきも説明したんだけど……」

もったいぶってないで早く言えばいいのに……

プロデューサーがゆっくりと言う

「混浴なんだ……ここ」

え? 混浴? ありすちゃん、タブレットーっていないんだ今日……

混浴ってあの混浴!?

「ええええええ!!!」

あ、また大きな声だしちゃった

「それは止めてくれマジで……」

「こここ……混浴……」

あれ? じゃあ、もしかしたら他の男の人がきてたかもしれないってこと?

寒気が走り、凄い勢いで鳥肌が立った

「女風呂がきちんとあるから、すぐにそっち行ったほうがいいぞ」

それはそうだけどさ……

「他の男の人に合ったら怖いし……」

まだ足腰に力が入らないし

「……俺を信じてくれないか?」

「どうする気なの」

プロデューサーが言葉を続ける

「俺が先導する。絶対にお前を見ないし、触らない」

「またやったら噛むからね?」

威嚇してみる……

「う、わかってるよ……俺も痛いのは嫌だ」

あ、まだ血が止まってないみたいだ

……悪いことしちゃったかな

駄目、まだ気を許すのは早い

頭をぶるぶると横に振って弱い気持ちを消す

「……プロデューサーを信じてあげる」

「そうか、わかった」

どこかほっとしたような声

「……手、貸して」

そういえばまだ力が入んないんだった……

「こっち見ちゃ駄目だからね」

「わかってるよ」

うう……足ががくがくして歩きにくい

手を引っ張ってもらってるけど、出口がやけに遠く感じる

こんな時に鉢合わせしたら……やめよう、怖くなるだけだ

からりと乾いた音

「えっ?」

やだ、誰か来たよプロデューサー!

「プロデュ……」

言い切る前にがしりと肩を掴まれて、プロデューサーの体で隠されるような体制になる

「しっ」

ぼそりとプロデューサーが呟いた

「いちゃいちゃしてると思われれば逆に見られないはずだ」

うん? わかるようなわからないような……

「さっき言ったこと守ってないじゃん」

あたしも声をちっちゃくして抵抗する

「仕方ないだろ、お前を守るためでもある」

うーん……

ちらりと見られただけで知らない誰かは湯船に向かっていった

あ、男の人にこんなことされるの初めてかも……

でも、とうのぷろでゅーさーは

「どうした? 行くぞ」

ちょっとむかついたからつねってやった

「さっき言ったこと守ってないじゃん」

あたしも声をちっちゃくして抵抗する

「仕方ないだろ、お前を守るためでもある」

うーん……

ちらりと見られただけで知らない誰かは湯船に向かっていった

あ、男の人にこんなことされるの初めてかも……

でも、当の本人は

「どうした? 行くぞ」

何ともない感じで……

ちょっとむかついたからつねってやった

そこからはスムーズに事が進み

あたしは無事に部屋に着くことができた

「……どうしよっかな」

一息ついたらだいぶ冷静になってきた

プロデューサーには見られちゃったかもしれないけど

自分のせいでもあるし……

噛んで怪我させちゃったしなぁ……

「……よし、決めた!」

うじうじ考えるのはやめ

とりあえずプロデューサーを呼びつけて飲もう

ちくちくと突いてからかっちゃおう

ちょっと高いお酒も飲ませてもらおう

うん、決定!

「楽しみだなー♪」

お酒と料理に期待して、犬歯をぺろりと舐めた





おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
すみませんが、休憩を頂きます
続きはお昼過ぎあたりから……

こんにちは
今日も暑いですが再開したいと思います
>>81のお題を頂戴します

誤って酔っ払い独占欲と本音全開でモバPにべったり甘える・させる藍子
(酔い覚め後も記憶にばっちり残る)

では「誤って酔っ払い独占欲と本音全開でモバPにべったり甘える・させる藍子 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

「ぷろりゅーさーさん! 聞いてるんですかぁ」

はい、ちゃんと聞いております

「なら良いんです……闇に飲まれよ~」

けらけらと笑う藍子……さん

「あれ? ぷろりゅーさーさんは飲んでませんねぇ……」

これは失礼しました、今すぐ空けさせて頂きます……

くそっ、酔った藍子がこんなに面倒なんて……

急いでグラスの中の麦茶を空ける

「わぁ……良い飲みっぷりれすね~」

ありがとうございます

「じゃあ私も飲んじゃいますよ~」

待て、藍子……あああ!

ごくごくと喉を鳴らしてグラスを空けていく藍子

「ぷはぁ……」

そもそもグラスの中身は何なんだよ!?

事務所にアルコールの類は置いてないはずなんだが……

その時、テーブルに置かれた書置きが目にはいった

『ごめんねー♪ 志希にゃん』

にゃんじゃないんだよ、にゃんじゃ! どうにかしてくれにゃ!

俺は自分を曲げるよ?



「もう! ぼーっとしてないで私を見たらどうですかぁ?」

いやいや、今はそれどころじゃないだろう

「ぷろりゅーさーさんは真面目すぎるのが駄目だと思いますっ」

大人ってね、大変なんだよ? わかってくれると嬉しいなぁ……

「あー! わかったぁ!」

唐突だなぁ、何がわかったんだよ

「ふふふー♪」

悪戯っぽく笑う藍子

「ぷろりゅーさーさんは女の子の胸が好きなんですよね~」

……それは俺だけじゃなくて男全般が当てはまる気がするんだけど

「えいっ♪」

楽しそうな声と共に頭を抱きしめられた

お、おい! 

「ふふ~……気持ち良いですか?」

柔らかくて暖かくていい匂いがします……

「むぅ……もう止めちゃいますよ?」

そうしたほうが良い、と心ではわかっているのに……

ぎゅっと藍子を抱きしめてしまった

「あんっ……ぷろりゅーさーさんってば大胆ですね」

くすくすと笑う藍子に何もいう事ができなかった

この柔らかさと心地よさに、身を任せてしまいたい

そう思わせるのに充分な……

「あっ……そんなに動いたらくすっぐたいです、んっ……」

身をよじりながら艶っぽい声が聞こえる

「あはっ……今だけはぷろりゅーさーを独り占めですねっ♪」

嬉しそうに、楽しそうに言う藍子

それは俺が見たことのない表情だった

「んー……これがぷろりゅーさーさんの匂い……」

すんすんと鼻を鳴らしては恍惚の表情を浮かべている

「はぁ……もっと、ください……」

すりすりと体をこすりつけてくる様はまるで子犬のよう

「んん……私、おかしくなっちゃいそう……」

マジで志希は何を飲ませたんだと思う

恥ずかしがり屋の藍子がこうも変わってしまうなんて……

「あー! また違う女の子のこと考えてるんですねー!」

また胸の中に抱えられて、言葉に詰まる

「ちょ、落ち着け藍子!」

「待ちませんっ♪」

即答ですか……

「んふふ~♪」

ご機嫌そうに鼻歌まで歌っちゃってら……

「ん……私も甘えたいなぁ……」

ぼそりと呟く

「ぷろりゅーさーさん……ぎゅってして……ほしいです」

頬を染めながらの上目使い

世界の男に問う、君たちはこれに耐えられるか?

……ちなみに俺は無理みたいだ

もうね、理性とかは何の役にも立たないよ

「きゃ……あっ♪」

壊れ物を扱うように優しく抱きしめる

「嬉しい……ぷろりゅーさーさぁん」

うっとりとした表情で見つめられる

こんな所を他の誰かに見られたら終わっちゃうんだろうなぁ……俺の全てが

「ねぇ……もっと、ぎゅっと……ね?」

……条件反射みたいに動いてしまう体を呪った

「あったかぁい♪」

うん、あったかいな

冷房がガンガンに効いているはずなのに

体温は急上昇中だ

藍子の体温と俺の体温が混ざって、とても……熱い

「ぷろりゅーさー?」

くいくいと袖を引っ張られる

ゆっくりと藍子の顔が近づいてくる

「んふふー♪」

藍子の瞳に俺の顔が映る

困ったような焦ったような間抜けな顔だ

「ぷろ……りゅーさー……」

ぬらりと濡れた唇が

ゆっくり……スローモーションみたいに

俺の唇に……重なることはなかった

「んんん……むにゃ……」

……静かな事務所に俺の鼓動が鳴り響いているみたいだ

それほど自分の心臓は大きな鼓動を刻んでいる

「すぅ……すぅ」

これだけ引っ掻き回しておいてこいつは……

むかいついたのでほっぺたをぐにぐにしてやることにする

もちもちとした頬っぺたが形を変えて非常に面白い

おお、これは癖になりそうだ……

「んぅ……」

プロデューサーって本当に難儀な職業だなぁ

さらりとした藍子の髪を撫でながら、そう思った

今日のことは黙っておいてやるかぁ……

真面目な藍子のことだから、今日のことを知ったら恥ずかしがってしまうだろうし

――次の日のことだ

出勤すると、それは見事な土下座を決めている藍子がいた

「お、おはよう……」

おそるおそる挨拶をする

「おはようございます、昨日はすみませんでした」

土下座をしながら藍子が言う

「いや、何のことだかわからないな」

このまま嘘をつきとおす、そう決めた

「私、昨日のこと全部覚えてるんです……」

ふるふる体を震わせながら藍子が続ける

「わ、私がプロデューサーさんにあんなことやこんなことを……」

「お、俺は気にしてないからさ! 頭を上げてくれないかな」

どんな構図だよこれは……

「は、はい……」

おでこに床の後をくっつけた藍子がゆっくりと顔を上げる

「ほら、俺も悪かったからさ、お互いさまってことで……」

こっちも良い思いをさせてもらったし

「ううう……」

赤い顔で肩を震わす藍子

「志希にはきつく言っておくからさ」

元凶とも言えるあいつにはマジで叱っておこう

「あぅ……わかりました」

うん、やっぱり藍子は笑顔が似合うな

「あ……プロデューサーさん」

言われて、いつの間にか撫でている自分に気付く

「んっ……」

手を引っ込めようと思ったが、止めた

藍子が気持ちよさそうにしているならこれも有りか、そう思った

「プロデューサーさんは優しいですね」

当たり前のことを聞くな、ばか

返事の代わりにデコピンで返す

「あうっ!」

さて、藍子の仕事が終わったら志希を捕まえるか

「なんだかプロデューサーさん楽しそうですね」

おでこをおさえながら藍子が言う

「お前らのプロデュースは飽きないからなぁ……」

志希に与えられた藍子との時間

……少しは手加減してもいいか、そう思ってしまった



おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
暑いので少し休憩します

再開はしばらくお待ちください

再開したいと思います
>>106のお題を頂戴します

真夜中にふみふみと化粧とお洒落の実演練習

それでは「真夜中にふみふみと化粧とお洒落の実演練習 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

文香……

「は、はい……プロデューサーさん」

文香の頬に手をそわす

すべすべとしていて気持ち良い

「ん……」

目を閉じて、子犬のように頬をこすりつけてくる

うん、お肌の調子は良いみたいだな

文香の肌触りは癖になるな

「嬉しいです……」

これなら化粧乗りもいいことだろう

さて、肌のコンディションもわかったことだし

文香に合う服を決めていこうか

うん、お肌の調子は良いみたいだな

文香の肌はずっと触っていたいと思うくらいだ

「嬉しいです……」

これなら化粧乗りもいいことだろう

さて、肌のコンディションもわかったことだし

文香に合う服を決めていこうか

夏だし、多少の肌の露出は目をつぶろう

季節感も大事だし、文香の新しい魅力を発見できるかもしれない

ここは手っ取り早く試着してもらうことにしよう

文香、まずはこれを着てもらえるかな?

「はい……待っていてください」

服を片手に別室へ向かう文香

さて、どう着こなしてくれるか楽しみだ

しばらくして文香が帰ってきた

「お待たせしました……」

ほほう、これはこれは

「似合い……ますか?」

白いガウチョパンツに、淡い水色のノースリーブシャツを合わせたコーディネート

足元は白いサンダルで、夏らしく爽やかにまとまっている

文香は素材がいいもんなぁ……

「プロデューサーさん……?」

気付けば青い瞳がすぐ目の前にあった

うおっ! どうした文香

「似合ってるか聞いたんですが……」

不安そうな文香の頭を撫でる

とても似合ってるよ、文香

「そうですか……」

喋り方は普段通りだけど、声のトーンが少し高い気がした

よし、次はこれを着てもらおうかな

二着目の準備をする

「これですか……少し短いような気が……」

きっと、文香には似合うと思うんだ

苦しい言い訳だが仕方ない、俺は文香にこれを着てもらいたい

「……わかりました」

俺の顔をじっと見つめた文香は了承してくれた

「……プロデューサーさんのえっち」

ぼそっと何か言われたけど、聞こえなかったふりをしよう

「着替えてきます……」

ぱたりと控えめの音を残して、文香は別室に向かう

これは賭けに近いものだったが、安堵した

文香が自分では絶対に選ばないであろう服

けれど、俺は文香に希望を見たのだ

某カリスマではないが、きっと着こなせる

そう……信じている

「お待たせ……しました」

おお……!

思わず感嘆の声が上がる

「恥ずかしい……です」

内股でもじもじする文香が実に可愛らしい

「……見ないでください」

うん、それは無理だよね

かなり短いショートパンツのコーディネート

青いショートパンツは文香の綺麗な足を存分にさらけ出し

白いシフォントップスはざっくりと肩が開き、露出度が高い

けれど、下品になりすぎないところは文香の雰囲気のおかげなのか……

「もう……着替えていいですか?」

あー……写メとっていい?

「駄目です」

即答でした

そっかぁ、残念……

「写メは駄目ですけど……いくらでも見ていいので……」

聞く人によっては誤解されそうな台詞

うん、じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな

……目に焼き付かせて頂きました

「次は……どれですか?」

次はこれだ

シンプルイズベストを選んだ

下手すると衣装みたいになってしまうかもしれないが……

あ、髪まとめてから着てもらえるか?

「わかりました……」

文香はきょとんとしていたけど、これは譲れなかった

わくわくするなぁ……

文香早く来ないかなぁ……

いい大人がわくわくしながら待っているなんて滑稽だろう

だが、それだけ期待しているんだ、察してくれ

しばらくして、ドアが控えめに開く

「お待たせしました……」

おかえり、文香

「ただいま……もどりました」

おじぎする文香のサイドテールにまとめた髪が揺れる

「これは……気に入りました」

俺も気に入りました、すごく

膝丈の上品なレースがあしらわれたワンピース

麦わら帽子がちょこんと乗っている

裾を掴み、ポーズをとる文香から目が離せない

あの、アイドルに興味ありませんか!?

「すみません……もうプロダクションに所属していますので……」

そうですか……気持ちが変わられたらご連絡を

「もう……おかしなプロデューサーさん」

あはは、文香なら何回でもスカウトしちゃう自信があるよ

「ありがとうございます……」

よし、じゃあメイクに移るか

「はい……お願いします」

服はそれでいいかな?

こくりと頷く文香

了解、じゃあとりかかるとしようか

やっぱり薄く化粧したくらいが似合うよな

リキッドタイプじゃなくてパウダーで軽く……

そんでチークを横長に入れてっと

「プロデューサーさん……手慣れてますね……」

ああ、美嘉の教わったんだよ

そしたらいつの間にかって感じかな

やっぱり薄く化粧したくらいが似合うよな

リキッドタイプじゃなくてパウダーで軽く……

そんでチークを横長に入れてっと

「プロデューサーさん……手慣れてますね……」

ああ、美嘉に教わったんだよ

あいつ凄い細かくてさ、そしたらいつの間にかって感じかな

「そうですか……」

あれ? 何かおかしなこと言ったか?

「しりません……」

ぷいっとそっぽを向かれてしまった

おーい、文香さん?

「……」

文香ー?

「んっ……?」

指を先回りして頬を突く

文香がぷるぷるしてたけど、まぁ良いか

さぁ続けよう

シャドウは……いらないか

後はグロスで終わりかな

文香のぷるぷるとした唇にグロスを丁寧に塗る

透け感が出て、ほどよい血色感も出る

うん、これで良いだろう

準備が整いました、お姫様

文香の手を取り、立ち上がらせる

「今日は……どこへ……」

もちろんシンデレラは舞踏会へ

「12時を過ぎてます……」

あれ? もうそんな時間だったか……

まぁいいさ、また魔法をかけたんだから

「魔法使いさん……それとも王子様……?」

うーん、兼任かな?

あはは、と二人して笑う

「私は……貴方とならどこでも」

うん、俺も文香とならどこでも

優しくエスコートする

12時は過ぎてしまったけれど、魔法はとけることはない

夜は更けたけれど、二人の時間はこれかなのだから




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
お次は>>133のお題を頂戴します

黒川さんブライダル

では「黒川さんブライダル」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「結婚してください」

愛しい人からのプロポーズ

こういう事を言われたのは初めてだから迷ってしまう

もちろん返事はイエス、なんだけれど、どう言葉にしていいものやら

「千秋、きっと幸せにしてみせる」

待って、それ以上言わないで!

「は、はい……お願いします」

さっと出た言葉がそれだった

普通だっていいじゃない、普通の幸せ、良い響きだと思うわ


――あら?

「よっ、お目覚めかな?」

目の前には愛しい人

んん……? ここはどこかしら

「おいおい、本気で言ってるのかそれは……」

肩を落として、はぁ……とため息をつかれた

「連休とるために仕事つめこみすぎたかなぁ……」

確かにお休みは全然とれなかったけれど……

「プロデューサー失格かなぁ」

お願いだから、そんなに落ち込まないで、ね?

白いタキシードもばっちりきまっているわよ

長身の彼はビシッとした格好が実に似合う

「でもさぁ……お嫁さんがこんな調子だと」

……お嫁さん?

ごめんなさい、寝ぼけていたみたいだわ

私ったらこんな大事なところで寝ちゃってたなんて……

「あー……仕方ないよ、仕事が忙しかったんだからさ」

それも今日のためにやってきたことだから、と彼は付け足した

彼に見いだされてアイドル活動をして

彼にプロポーズされてアイドル活動を終えることになった

「引退ライブも大成功だったし、良い幕引きだと思う」

未練はないと言えば嘘になってしまうけれど

充実した毎日を送ることができた

やっぱり、彼がいたからここまで頑張れたのだろう

……今までありがとう

自分がこんなに優しい声色が出るなんて知らなかった

「こちらこそ、千秋をプロデュースできて幸せだった」

彼も照れくさそうに言う

……まだ実感がわかないわ

「なんだか納得いってないみたいな顔してるな」

にやにやと彼が言う

もう、そんな意地悪なこと言わないで

「わるいわるい」

こういう子供っぽいところは出会ってから全く変わっていない

……でも、でもね、一つ考えてしまうことがあるの

「聞かせてもらえるか?」

彼が真剣な顔になる

うじうじ言うのは私らしくないのだけれど、こんな事言いたくないのだけれど

――本当に私でいいの?

「……」

彼の目が細くなって、私を捕らえる

怒っているような、悲しんでいるような表情

「馬鹿にするな」

短い言葉だったけれど、力強い言葉だった

「お前がいいからプロポーズしたんだ」

それはわかっているけれど……

「その言葉は自分を乏しめてもいるんだぞ?」

……言われて気付いた

「いつかお前がいったはずだ、孤高だけど孤独じゃないって」

俺はお前と一緒に歩むに値しないか?

そう……言われた

ごめんなさい、少し神経質になっていたみたい

「ストレスたまる仕事だし、仕方ないさ」

さっきとは違う、彼の柔らかい表情

「俺もお義父さんに合う時は神経質になるからさ」

もう、それとこれとは別じゃないの

「それもそうか」

くだらないことを言い合って二人で笑う

「どう? 落ち着いたか?」

ええ、もう大丈夫よ

「そっか、俺の奥さんは強いなぁ」

貴方のおかげかもしれないわ

あ、そういえばといつかの撮影を思い出す

……あの時は口付けはしなかったけれど

「どうした?」

練習はきっと必要よね

すぅ……はぁ……

いざとなると緊張してきた

「千秋? 具合でも悪いのか?」

彼がしゃがんだタイミングで彼の胸に飛び込む

えいっ!

「お、おい……」

あなた……

顔から火が出るくらい恥ずかしいけど

「千秋」

彼に身を委ねる

……何回も唇は重ねたけれど

まるで初めてみたいに

歯があたりそうなぎこちないキス

けれど、とても気持ちよくて

とても暖かくて

貴方を深く感じられる、そんなキスだった



おしまい

読んでくれた方に感謝を
お題ありがとうございました、短くて申し訳ないです

さて、まだまだお付き合いして頂きたいところではございますが
お次で最後のお題とさせて頂きます
>>152のお題を頂戴します

レナ「美波ちゃんとカジノでお仕事」

それでは レナ「美波ちゃんとカジノでお仕事」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「おはよう、プロデューサー♪」

「おはようございます、レナさん」

貴方はいつも早いのねぇ

「あ、さっきのLINEの件だけど」

「はい、レナさんにぴったりの仕事を取ってきました」

さすが敏腕プロデューサーね♪

カジノでお仕事なんて私にうってつけじゃないの

「ところでもう一人私と組む子は?」

「新田美波さんですね」

美波ちゃんか、大人っぽい感じの子よね

良い子そうだし、楽しいお仕事になりそう

「私はディーラーの経験があるからいいけど、美波ちゃんはどうするの?」

「レナさんのアシスタントとして動いてもらおうかと思います」

ん、それなら大丈夫そうね

ロケまで日数があるし練習でもしておこうかしら

「そうそう、ちひろさんが面白い部屋を作ったって言ってましたよ」

面白い部屋……ねぇ

「美波さんの勉強にもなるかもと言ってました」

「ふぅん……じゃあ早速行ってみましょうか♪」

「いってらっしゃい、って何で俺の腕を掴むんです?」

女の口から言わせる気なの?

「はぁ……美波さんに連絡しますね」

「よろしい♪」

重い扉を開くとそこは見慣れた光景が広がっていた

「わお♪ すごいわね」

スロットもテーブルゲームの台もたくさん

「あ、あのプロデューサーさん? 私なんで連れてこられたんですか?」

何も聞かされず連れてこられた美波ちゃんがおどおどしている

「さぁ、美波ちゃん! お姉さんと特訓しましょ♪」

「美波さん頑張ってくださいね!」

「え、は、はい!」

「まずは着替えましょうねー」

あ、覗いちゃだめだからね?

「覗かないので安心してくださいっ!」

あら、つれないわねぇ……まぁ良いわ

「私はディーラー服として、んー……美波ちゃんはこれかしら」

「えっ? これを着るんですか!?」

可愛いと思うわよ?

「でも……」

もうひと押しってところね

「プロデューサーに見せつけちゃえば良いじゃない♪」

「プロデューサーさんに……」

美波ちゃんは乗ってくるかしら……?

「……美波、いきます」

賽は投げられたわよ、プロデューサーが驚くのが楽しみだわ

「あら、美波ちゃん肌綺麗なのね」

まだ十代ならそれも当然かしら

……私もまだまだ負けてないけどね

「おまたせー♪」

「おお、レナさん似合ってますね」

そうでしょ? それに気合い入るわねこの恰好だと

「あれ? 美波さんはどうしたんですか?」

あ……後ろを振りむくと顔だけ出してる美波ちゃんと目が合った

「連れてくるわね」

食べちゃわないから出ておいでー♪

「レナさん、やっぱり無理ですよ」

美波ちゃんの腕をしっかりロックして笑顔で告げる

「勝負の世界は甘くないのよ?」

「え、別に私は勝負とかしな……ああああ!」

一歩踏み出しちゃえば大丈夫よ、きっと

「連れてきたわよ♪」

「あ、おかえりなさ……美波さん?」

おーおー驚いてるわねぇ

「私のアシスタントの美波ぴょんよ! 可愛いでしょ?」

ナナちゃんみたいな耳とふさふさのしっぽが可愛いでしょ

「バニーガール……」

ま、そうとも言うわね

「ほら、美波ちゃん」

とんと肩を押す

「……美波、が、頑張ります!」

よくできました♪ 目がぐるぐるうずまきだけど別に良いわよね

「さて、じゃあ早速特訓しましょうか」

こら、そんなに美波ちゃん見ちゃ駄目でしょ

「いてっ! あ、すみません」

気持ちはわからなくもないわ

何かこう……エロ、色気があるわよね

「手始めにポーカーでもやりましょうか」

知名度もあるし、ルールのおさらいすれば大丈夫でしょう

「美波ちゃんは経験は?」

「私は初めてです、優しくしてくださいね?」

うん? 何かすれ違ってる気がしたけど……

「カードを交換していって役を作る簡単なゲームよ」

ルールは簡単よね

「役を作る……」

「早見表を作ったから参考にしてね」

これがあればプロデューサーも美波ちゃんも大丈夫でしょ

「あ、美波ちゃん? カードは胸に挟んだりしなくていいのよ?」

「次はルーレットでもやってみましょうか」

あら、これは立派なのを作ったわねぇ

「赤か黒か決めて賭けるやつですよね?」

「そうね、あとは数字で絞ったりかしら」

ルーレットも知名度が高いから説明が楽でいいわね

さて、ここはディーラーの腕の見せ所よね♪

「あ、美波ちゃん? 賭けるのはチップだからね? 覚悟決めた顔でレイアウトに乗らなくていいわよ?」

「レナさん、俺スロットやってみたいです!」

私はあまり好きじゃないのよね、テクニック関係ないし

「いいわ、やってみましょう」

プロデューサーがやりたいなら付き合ってあげましょっか

でもこのコイン、ちひろさんの顔が彫ってあるのが何とも……

「ライン数といくら賭けるか決めるだけで良いわ」

「はぁ……何かつまんなそうですね」

日本のスロットとはだいぶ違うしね

「あ、美波ちゃん? あら、普通ねって……ジャックポット!?」

ふぅ……久しぶりだったけど、まだまだ腕は鈍ってないみたいね

「レナさん、どうでしたか?」

プロデューサーの期待には応えられそう

「良い感じかしらね♪」

あら、そういえば美波ちゃんはどこにいったのかしら?

あたりを見回すとテーブルに座っている美波ちゃんを見つけた

あんなテーブルあったかしら?

「美波ちゃん?」

きゅっと牌をツモりながら美波ちゃんが宣言する

「ツモ! タンヤオのみ」

「あ、美波ちゃん? 麻雀関係ないし、それチョンボよ?」




おしまい

これにて【モバマスSS】お題は星の数だけ 5夜目をお開きとさせて頂きます
改めて読んでくれた方に心からの感謝を
そして、たくさんのお題ありがとうございました

今回は書いたことのない子を書かせてもらったので勉強になりました
また読んで頂く機会があればよろしくお願いします

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