提督「雷と電が合体した!?」 (190)
提督「司令官意味わかんない!!」
暁「暁だって解らないわよ!でも事実なの!!朝起きたらこんな事に!!」
響「合体というか融合というか…見てくれればわかると思う、入って来てくれ」
<ガチャ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468150742
イナヅチ『イナヅチなのですよ!そこんとこよろしくお願いしますねっ!』
(※イナヅマ+イカヅチ=イナヅチ)
提督「そこは雷電だろォッッ!!!!!」
提督「あと口調の混ざり方雑ぅ!!!」
暁「よく解らないけどお嬢様口調っぽくなってるわ!!」
提督「っていうかマジでナニコレ!?なんかこう…元々結構似てたけどどっちともつかない微妙な感じになってる!!」
響「どっちにも見えるけどどっちでもない…ってところだね」
イナヅチ『ナニコレなんて傷付くのですわ…イナヅチはイナヅチなのですよ…』(しゅん…
提督「あ…うん、ごめん…」
暁「負けないで!!負けないで司令官!!異常自体なんだからもっと気を強く持って!!」
どうしよう勢いだけでスレ立てしちゃったけどこの後何も考えてねーや
一応立てた手前キリのいいところまではやるつもりです
提督「しかしえーっと…イナヅチ、でいいのか?」
イナヅチ『なんですか司令官っ?』
提督「雷と電としての意識とか記憶はあるのか?」
イナヅチ『記憶ははっきりあるのですわ、でも意識は電と雷が混じり合って一つになっているのですわね』
提督「記憶はあるのか…じゃあそうなった理由に心当たりは?」
イナヅチ『うぅーん…思い付かないのですわ…』(しゅん…
提督「暁と響は?些細な事でいいんだが何か普段と変わった事があったとか…」
響「変わった事…昨日電がイヤリングを拾っていたけど、流石にそれが関係してるとは…」
暁「ああアレね、小さい宝石みたいなのが着いてて綺麗だったわね」
提督「嫌な予感がしてきた」
提督「…そのイヤリングどうしたの?」
暁「今日落とし物として届けに行こうと思って一旦電が持ち帰ったわ」
提督「イナヅチ、ちょっと耳元の髪掻き分けてみ?」
イナヅチ『こうですか?』(サラッ
響「あ、いつの間にか着けてたんだね」
暁「そうこれよこれ!このイヤリング!」
提督「…あー、うん、あー…」
提督「ポタラだこれぇ!!!!」<ガーン!!
暁「知っているの司令官!?」
提督「アレだ、簡単に言うと今のこいつらみたいに合体しちゃうピアスだ」
イナヅチ『これが原因だったのですね』
提督「そもそも合体する前の二人が片耳ずつにっていう変な着け方しないと合体はしない筈なんだが…どうしてそうなったんだ?覚えてるか?」
イナヅチ『電がイヤリングを机に置いてあったのですけど、届ける前に一回だけ着けてみない?と雷が提案して、電は止めたのですけど…』
提督「ふむふむそれで?」
イナヅチ『着けて嬉しそうにしてる雷を見たら電もちょっと羨ましくなって、片方だけ貸してもらったのですわ』
提督「あー、そこで合体しちゃったか」
イナヅチ『ううん、その時はなんともなかったのですわ』
提督「なんだと?」
暁「そこは確かよ、暁達も見てたもの」
イナヅチ『気に入った雷が着けたまま寝ちゃって、朝気づいたらこうなっていた…っていう感じなのですわ』
提督「イヤリング着けたまま寝るとか危ないなぁ、気をつけろよ?」
イナヅチ『うん、もうしないのですわ!』
提督「わぁこの子超素直。」
響「そういう訳だからそのポタラというやつが原因とは思わなかったんだけど…長時間着けていないと効果が出ないものなのかな?」
提督「いいや、俺の知ってるポタラと同じ物なら着けた瞬間に効果が出るんだが…となると偽物で、そいつが原因なわけじゃないのか…」
響「でもそれ以外手掛かりが無いんだから、調べてみるだけでも意味はあるんじゃないかな」
提督「そうかもな、とりあえず工廠の明石の所にでも行ってみるか」
暁「っていうかそのぽたら?が原因なら外せば戻るんじゃないの?」
提督「暁…ポタラの怖い所はな…一度合体するともう二度と分離できない所なんだよ…」
暁「そうなの!?じゃあ雷と電はずっとこのままなの!?」
提督「いや、それが実は俺の知っている限り一例だけポタラの合体が解けた事があるんだ」
暁「じゃあ二人は元に戻れるのね!?どうすればいいの!?」
提督「魔人○ウの中に入る。」
暁「魔じ、えっ?何?」
提督「といってもポタラそのものも含めてマンガの話だしなぁ、今の所なんとも言えないが」
イナヅチ『なんならイナヅチは今のままでも困ってないのですわよ?』
暁「暁達が困るの!!」
響「そうだね…戦力的にも駆逐艦が一隻減ってしまうわけだし」
イナヅチ『でも自分では二隻だった頃より強くなってる感じがするのですの』
提督「うーん、本当にポタラ合体ならありえない話じゃないかもなぁ、そもそもパワーアップ用のアイテムなんだし」
響「そうなんだ?」
提督「ま、それも含めて明石に調べてもらおうか
そもそもそれせいだとしても俺の知ってるヤツとちょっと違うみたいだし」
響「解った」
暁「そうと決まれば早く行きましょう!早く二人に戻って来てもらうんだから…きゃん!?」(どてっ
提督「まったくそんなに焦るから転ぶんだぞ暁」
響「そそっかしいね」
暁「二人が落ち着き過ぎだと思うんだけど!?」
提督「なんか慌ててる暁見てたら冷静になってきた」
響「なんかもう慣れてきたね」
暁「暁を置いてけぼりにして勝手に慣れないでよ!!!!」
イナヅチ『困ったお姉ちゃんなのですわね、立つのに手を貸してあげるのですわっ!』(すっ
暁「要らないわよ!!妹面しないでよ!!暁の妹は響と雷と電なんだから!!あんたなんか偽物なんだからぁ!!!」(バシッ!
響「二人が合体してるんだからイナヅチも妹みたいなものだと思うんだけど…」
提督「ごめんなイナヅチ、暁も同様してるだけだから」
イナヅチ『雷と電が暁に大切に思われててとっても嬉しいのですわ!』(ぺかーっ!
提督「わぁこの子超良い子。」
今回はここまで
俺はここからコレをどうすればいいんだ…
一発ネタでしかないならダラダラやらずにすっぱり終わらせりゃいい
もったいないとかもう少しとか欲が出るから収まりきれなくなってエタるんだよ
誤字みっけた
「暁も同様してるだけだから」って変だよね、
「暁も動揺してるだけだから」に頭の中で直して読んでね!
それでは書いたとこまで
>>35
元々ささっと終わらせるつもりですが終わらせ方がノープランなもので…
▼工廠
提督「明石ー、いるかー?」
明石「あ、いらっしゃい提督!今日は買い物ですか?修理ですか?」
提督「どっちかっていうと修理かな、ちょっとこいつが着けてるイヤリングを見てくれ」
響「ほら、耳出して」
イナヅチ『こうですの?』(さらっ
明石「あ、私がこの前作ったなんちゃってポタラじゃないですか
なんで電ぁ…ん?雷?いな…いや、雷ちゃんが着けて?」
提督「………」
提督「いたぞぉぉぉおぉぉぉおおおおおおお!!!!!!犯人だ吊るせえぇっっ!!!!!!!」
暁「返せええぇぇええぇえええ!!!!!!雷と電を返してええぇぇええぇぇええ!!!!!」(がばぁっ!!
響「これはしょうがないね」(ガシィッ!
明石「えっ!?何!?なんですか急に!!!???」(ガターン!!
明石「なんで!?なんで私がこんな目に!?私が何したって言うんですかぁ!?」←クレーンに吊るされてる
提督「…なぁ明石、この子が誰に見える?」
イナヅチ『私なのですよっ!』
明石「えっと?あれ、さっきは雷ちゃんだと思ったけどよく見ると電ちゃん?」
提督「うん、ある意味正しいな」
明石「なんなんですかもー…」
提督「正解はな…合体したんだよぉ!!雷と電がなぁ!!!!」
明石「うえぇっ!!??なんですかそれ!?」
提督「お前がポタラなんか作ったからだろうが!!!着けちゃったんだよぉ二人が!!!!」
明石「えっ、それはおかしいです」
提督「えっ?」
明石「だってそれ失敗作ですもん」
提督「そうなの?」
明石「はい、加賀さんからの依頼で作ってたんですけど上手く動作しなくて」
提督「っていうか加賀はなんでそれを作って貰おうとしたんだ…」
明石「赤城さんと一つになる時が遂に来たわ…とか言ってましたけど」
提督「あいつはあいつで別口で説教だな」
明石「でもどうしても合体まではこぎつけなくって…加賀さんはもう待てないから自力でなんとかするって言い始めて、それで開発中断して倉庫にしまって置いたはずなんですけど…」
提督「自力でなんとかなると思ってる加賀が怖いんだけど」
明石「まぁそういうわけで、それ着けたって合体なんかできる筈ないですよ?実際実験でも一回も成功しませんでしたし」
提督「お前はお前で実験とはいえ何と何を合体させようとしたんだ」
明石「夕張さんと合体して開発、改造、実験、実装まで一隻でこなせるパーフェクト工作実験軽巡『明張(アカバリ)』にでもなれないかと」
提督「超迷惑な予感しかしないからやめてくれる?」
明石「ですから上手くいかなかったんですって」
明石「まぁそんなわけで私は無実なんでそろそろ下ろしてくれません?」
提督「あー…まぁそうだな、響ー、もういいぞクレーン下ろしてやれー」
響「ウラー」(ガコーン
明石「きゃああぁあぁあああ!!??降下速い!!速いいぃっ!!!!」
明石「はぁ…はぁ…っ!私艦娘としては凄く弱いんですからね!?他の子なら笑って済むようなノリで大怪我するんですからね!?もっと優しく慎重に接してもらっていいですか!?」
提督「うんごめん、ほら響も謝って」
響「ごめんね」
明石「くそっ!!元々あんまり感情を表に出さない子だって解ってるけど全く誠意を感じなくて腹立つ!!」
響「すごく申し訳なく思ってるよ」
明石「そこが全く伝わらないんだけど!!!!」
提督「まぁでも今の所心当たりがこのポタラっぽい物しか無いんだ、一応調べてもらっていいか?」
明石「うーん、確かに本当にこれで合体できたんだとしたら私にも非はあるしなんでか気になるし…ちょっとソレ貸してもらってもいいかな?えぇーっと…」
イナヅチ『イナヅチなのですよ!』
明石「うん、イナヅチちゃん?」
イナヅチ『元々明石さんの物なのだったらお返しするのですわ、最初から持ち主に返すつもりだったのですの!』
明石「解ったありがとう」
明石「じゃあこれは調べなおしますね、何か解ったら連絡しますよ」
提督「ああ、頼んだ明石」
暁「絶対よ明石さん!?絶対雷と電を元に戻してね!!」
イナヅチ『イナヅチは別にこのままでも構わないのですわよ?』
暁「暁は構うのぉ!!!!」
一旦ここまで
▼執務室
提督「さてこれからどうしたもんか」
響「遠征に行こうにも一隻足りないしね」
暁「他の子に今のこの子をどう説明すれば良いのかも解らないし…」
イナヅチ『イナヅチはどこにでも行けるのですわ!』
暁「あんまりウロウロしないで欲しいの!!」
イナヅチ『そうなのですね…残念なのですわ…』(しゅん…
暁「あ、あうぅ…」(たじっ
提督「でも確かに遠征に出して他の鎮守府とかにイナヅチについて突っ込まれても面倒だな」
イナヅチ『ならイナヅチは当面お休みなのですの?』
提督「イナヅチだけじゃなくて暁と響も休んでもらおうかな、どの道第六駆逐隊はセットで動いてもらってたわけだし」
暁「じゃあ暁は明石さんのお手伝いをしてくるわ、一刻も早く二人に元に戻ってもらわなきゃ!」
響「せっかくだし私は普通に休暇として過ごそうかな、自分が何かできる気がしないし」
提督「イナヅチはどうする?」
イナヅチ『決まっているのですわ!空いた時間は司令官のお手伝いをするのですわ!』
提督「それじゃ仕事になっちゃうだろ、良いんだぞ別に俺の事は気にしなくて」
イナヅチ『私がしたいのですよ…司令官にもっともーっと私を頼って貰いたいと思うのは、そんなにおかしな事なのですの…?』(しゅん…
提督「よろしくなイナヅチ」(がしっ
暁「弱い!!さっきから司令官この子に弱すぎない!?」
提督「無理だよ!!勝てないよ!!ただでさえ超良い子の雷とめっちゃ良い子の電が合体してとんでもない良い子になってんだぞ!?
そんな子に懇願されて心動かない奴が人でなしだろ!!!」
イナヅチ『やったー!出撃が無い分いつもより司令官のお世話ができるのですわーっ!』(ぴょんぴょん
響「かわいいね」(ほっこり
提督「かわいいな」(ほっこり
暁「響まで!!二人ともちゃんと雷と電の事考えてる!?」
提督「だって可愛いんだもん」
イナヅチ『可愛い…えへへへ////』
響「たまにはこう言うのも悪くないね」
暁「もう響と司令官なんて知らない!暁が早く何とかして元に戻ってもらうんだから!!」(ぷんすか!
提督「…あんなにぷんすかする事ないのになー」
響「暁は暁で雷と電が心配なんだろうね」
イナヅチ『せっかくだし私はもう少しこのままでいいのですのに…』
提督「まぁ長女として思う所もあるんだろ、すぐに解決策が見つかるとも思えないししばらくはそのままになるんじゃないか?」
イナヅチ『そうですわよね!それじゃあ張り切ってお世話するのですわ!』
提督「朝からバタバタしてて腹減ったしとりあえず飯でも食いに行くか」
イナヅチ『私も一緒にいくのですわ』
響「私もそうしよう」
提督「そっか、じゃあ今日は俺が昼飯奢ってやろう」
響「いいの?ありがとう司令官」
イナヅチ『ありがとなのですね!』
提督「ついでに食堂にいる連中にだけでもイナヅチを紹介しておくか」
響「それがいいね、今後の混乱が少し和らぐだろうし」
提督「じゃあ行こうぜ」
響「ウラー」
▼食堂
提督「…と言うわけでイナヅチだ」
イナヅチ『よろしくなのですねっ!』
加賀「なん…ですって…?」
間宮「えぇー…」
漣「元々アホだと思ってましたけどとうとう手遅れな感じになっちゃったんですかご主人様?」
提督「もう少し上司を敬おうぜざなみん」
漣「ちゃんとご主人様って呼んでるっしょ?」
提督「そんなんで全てが許されるならメイドカフェのメイドさんが最強だこらぁ」
漣「実際そういう商売じゃない?」
提督「そうかもだけど」
加賀「今はそんな事はどうでも良いわ、えっ?合体…?例のアレは失敗作の筈じゃ…」
提督「うーん明石もそう言ってたからアレが原因じゃないのかもしれないが、実際雷と電はこうなっちゃったしな」
加賀「ちょっと工廠に行ってくるわ」<ガタッ
提督「何がお前をそんなに突き動かすんだよ」
加賀「赤城さんと一つになりたいという思いに理由が必要かしら?」
提督「必要不可欠だわ」
響「もぐもぐ…」
提督「本当に行きやがったあいつ…」
漣「それでイナヅチ?は出撃はどうするの?」
イナヅチ『出撃はお休みして元に戻るまでは司令官のお手伝いをするのですわ』
漣「あ、お休みいいなー
ねぇご主人様ぁ?漣もお手伝いするから休暇ちょーだい♪」
提督「お前は秘書艦やらせた時ですら執務室でだらけながらお菓子食ってるだけだから駄目だ」
漣「ぶー、ケチー!」
提督「悪いな、俺は真面目な子しか贔屓しないんだ」
漣「贔屓はするんかい!!」(ビシッ!
提督「そりゃするぞ、可愛い子なら尚更だ」
漣「なん…だと…?漣の可愛さじゃ不足だというのか……?」
提督「真面目さが足りないからな」
漣「くっそー、じゃあズル休みの為に漣の真面目な所見せてやるからな!」
提督「ざなみんと俺が思ってる真面目に著しい食い違いがある件について…っと」
今回はここまで
▼工廠
加賀「明石、いるかしら」
明石「あら加賀さんじゃないですか」
暁「ごきげんよう、なのです」
加賀「暁もいたのね」
明石「今日は何の御用で?」
加賀「とぼけないで、会ったわ」
明石「あ、もしかしてイナヅチちゃんですか?」
加賀「そう、あのイヤリング、使えたのでしょう?」
明石「うーん…それを今調べてたんですけど…」
加賀「??どういう事かしら」
明石「やっぱりですね、何度調べてもこれ上手くいかなくて開発中断した時と変わりがないんですよ」
加賀「ならあの子達の合体とイヤリングは関係無いと…?」
明石「それについてですね、ひょっとしたら何かしら発動条件があるんじゃないかと思ってた暁ちゃんに話を聞いてたんです」
加賀「発動条件…」
加賀「今は何処まで解っているの?」
暁「雷と電が合体しちゃった状況までよ」
加賀「明石にはもう話したと思うんだけど、私にも聞かせてくれないかしら」
暁「ええいいわ」
暁「まず二人があのイヤリングを着けていたわね、
そしていつも通り二人は同じお布団で寝て、朝起きたら合体してたってところよ」
加賀「ふむ」
明石「とりあえずその状況から考えられるのは、ポタラを着けている事、長時間密着している事、睡眠によって互いの意識が無い状態になった事…くらいかしら」
加賀「そのどれかが当てはまっていると?」
明石「まだそこまでは…全部やらなきゃいけないかもしれないし、全く別の条件があるのかしれません」
加賀「試してみる価値はあるんじゃないかしら、イヤリングを貸してもらえる?」
明石「試すって…どうするんですか?」
加賀「それは勿論あの二人と同じ様に私と赤城さんが同じ布団で…布団で……」
加賀「ぶはっ!!!!」(鼻血噴出
暁「加賀さん!!??」
加賀「そんな状況になったらもう…死んでも…良い……わ…」(がくっ
明石「なってないのに死にそうなんですけど!?」
暁「加賀さん!!!加賀さあぁぁああぁぁぁあああん!!!!!!」
▼執務室
イナヅチ『さぁお手伝いするのですわ!』
提督「といっても今日は書類整理くらいかな」
イナヅチ『なら書類を持ってきてあげるのですわ』
提督「えっと演習の資料は…」
イナヅチ『ここの棚なのですね』
提督「おおサンキュー、あれ、判子が無い」
イナヅチ『多分上から二段目なのですの』
提督「本当にあった」
提督「よく解ったなぁイナヅチ」
イナヅチ『イナヅチの実務経験は雷と電の二人分なのですよ、もっと頼って良いのですのよ!』
提督「ははっ、つい甘えちゃいそうだな」
イナヅチ『むしろ甘えていいのですよ!』(ぱぁっ!
提督(天使がおる)
提督「やー、イナヅチのおかげで思ったより早く片付いちゃったな」
イナヅチ『もうおしまいなのですの?』
提督「おう、後は俺もヒマだから遊びに行って良いぞ、元々休暇あげてるんだし」
イナヅチ『なら司令官にお茶を淹れてあげるのですわ』
提督「外に遊びに行かなくて良いのか?」
イナヅチ『せっかくのお休みなのですよ…出来るだけ司令官と一緒にいたいのですわ…////』(もじもじ
提督「ごばっ!!」(吐血
イナヅチ『司令官!?』
提督「も…萌え死ぬ……っ!」
提督「…あーお茶美味ぇ…落ち着いたー…」
イナヅチ『あの…司令官…?大丈夫なのですの…?』(オロオロ…
提督「あー、気にすんなって、イナヅチの可愛いさに驚いただけだからさ」(なでなで…
イナヅチ『はわわっ!?可愛いなんて…照れちゃうのですわ…♪////』
提督「ぐふっ!」(吐血
イナヅチ『司令官!?』
提督「…しかしなイナヅチ、俺といるのは仕事でもできるだろ?
俺としてはイナヅチにもっと駆逐艦相応というか…遊んだり寛いだりして休暇を楽しんで欲しいんだよ」
イナヅチ『むぅ…司令官がそう言うなら、明日はそうするのですわ』
提督「ああ、そっちの方が俺も休暇を与えた甲斐がある」
イナヅチ『でも…』(ぎゅっ
提督「ん?どうした抱きついてきて?」
イナヅチ『今日は司令官とずっと一緒に過ごしたいのですわ…これだってイナヅチの楽しみなのですから』
提督「……そっか」(なでなで
イナヅチ『えへへ…///』
<ガチャ!バァーン!!
漣「バカップルかッッ!!!!!」
イナヅチ『ひぅっ!?漣!?』
響「外まで聞こえてたよ…本当に司令官が大好きだねイナヅチは」
イナヅチ『あの…その…はうぅ…///』
漣「それはそうと作戦の達成報告よご主人様、受け取ってちょーだい」
提督「おーそっかご苦労さん、ざなみん」
漣「いつもふざけていると思われがちですが…まぁちょっと本気は凄いでしょ、ね?というわけで頑張った漣に特別休暇は?」
提督「一回や二回で調子にのるな」
漣「ケチ」
提督「ケチじゃない」
提督「……と言いたい所だが、響、そっちは何の用だ?」
響「外でいい感じの喫茶店を見つけてね、明日一緒に行かないかイナヅチを誘いに来たんだ」
イナヅチ『司令官…』
提督「行ってこい、休暇の過ごし方が解らないなら響に引っ張ってもらうといい」
イナヅチ『…はい!じゃあそうするのですわ!』
提督「というわけだ漣、お前も着いてってやれ」
漣「へ?それってつまり…」
提督「特別休暇だ、イナヅチは休暇の過ごし方が解らないらしい、お前も着いてって息抜きのし方を教えてやってくれ」
漣「キタコレ!!休暇だわっほい♪漣は休暇くれるご主人様の事愛してますっ♪」
提督「休暇くれないご主人様は?」
漣「そのうちぶっ飛ばす!!」
提督「正直でよろしい」
一旦ここまで
お答えしましょう!
戦闘力に関してはあくまで明石の作ったなんちゃって品なのでオリジナルのポタラ程上がってません、経験値の足し算です
(練習×練習)でも
(練度+練度)でもなく
(経験値+経験値)です
なのでイナヅチが駆逐艦の域を脱した戦闘力を持っているわけではありません
ただしこれを使えば経験値が足りていればケッコンを無視して練度99を超えられるのと、ケッコン後上限に達していてもそれすら突破します
別の艦種と合体した場合?
お互いの性能を併せ持った艦娘が誕生する反面、噛み合わない部分は長所を殺しあっちゃうんじゃないですかね?
「やはりこれからは航空火力艦の時代だな」
おい誰だ今の
……というのを今考えました
戦闘力が気になっている方が多々いるようなので
パワーアップしすぎると戦闘に投入しない提督が無能の極みになるのと、そういう趣旨の話ではないのでこの程度で十分かなーと
あと設定としてこの鎮守府の初期艦は実はざなみんです
でもそれもだからどうと言うことはない
>>100
一箇所ミスっとる。
(練習×練習)でも ←この部分。
(練度+練度)でもなく
(経験値+経験値)です
正しくは
(練度×練度)
ですからね?
それではいい加減再開します
▼翌日・繁華街
漣「繁華街キターーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」
響「テンション高いね」
漣「びっきーが低いだけだと思うなー」
イナヅチ『あはは…』
漣「それで喫茶店だっけ?」
響「ここから少しあるし、遊びながら向かった方がいいんじゃないかな」
漣「それもそうだね、じゃあイナヅチはどこか行きたい所とかある?」
イナヅチ『私は特に…』
漣「そもそも雷と電は休暇の時何してたの?」
イナヅチ『雷は司令官のお世話をしたりお料理の練習したり、電はそんな雷に付き合ったり訓練してたり…なのですわね』
漣「真面目だにゃあ…ご主人様なんかほっといてもっと休暇を満喫しようよ」
イナヅチ『といっても他に趣味らしい趣味も特にないのですわ』
漣「よぉーっし、じゃあこのざなみんが羽根の伸ばし方を教えてしんぜよー!ついてきたまえイナヅチにびっきー!」
響「ウラー」
イナヅチ『お…おーっ?』
▼ゲームセンター
漣「という訳でゲーセンキターーーーーー!!!!」
イナヅチ『見た事ない機械がいっぱいなのですわ!』
漣「雷も電も普段は来そうにないトコだもんねー」
響「というかなんでゲームセンター?」
漣「漣が来たかったから!」
イナヅチ『あれ凄いのですわ!ぬいぐるみがいっぱいなのですわ!』
漣「おークレーンかー、好きそうだねぇ」
イナヅチ『あの軍帽被ってる猫のぬいぐるみとか司令官に似てて可愛いのですわ!』
響「ふふっ、確かに似ているかもね」
漣「あれが気に入ったの?なら漣ちゃんが取ってしんぜよう!」
イナヅチ『いいのですの!?』
漣「任せてー、漣こういうの得意なんだよー?
ここをこうして…こういって……」
イナヅチ『………』(どきどき…
がこんっ!
漣「取れたー!ゲットだぜ!ぶいっ!」
響「ハラショー」
漣「じゃあはい!イナヅチにあげる!」
イナヅチ『ありがとう、なのですね!漣!』
漣「いいっていいって、イナヅチのおかげで漣も休暇もらえてるんだしそのお礼って事で!」
イナヅチ『大切にするのですわ…♪』(ぎゅーっ
漣「……恐ろしく萌えるセリフ、漣でなきゃ同性でも惚れちゃうね」
▼雑貨屋
漣「雑貨屋さん!」
イナヅチ『司令官が新しいマグカップを欲しがっていたのですわね、買っていくのですわ!』
響「わざわざお揃いで買わなくても」
▼服屋
漣「服屋さん!」
イナヅチ『司令官の袖のボタンが取れかけだったような…買っておきましょうなのですの』
響「服見ようよ」
▼バッティングセンター
漣「バッティングセンター!!チャー・シュー・メーーーーーン!!!!」
カキーン!
イナヅチ『前に司令官からバットの振り方を習ったのですわ!えいっ!』
カキーン!
響「ウラー」
ズバンッ
▼喫茶店
漣「やー着いたねー」
響「ここはケーキと紅茶が美味しいんだ、2人もそれでいいかな」
イナヅチ『それがいいのですわ!』
漣「びっきーにお任せー」
響「解った」
漣「しかしまぁよくあれだけご主人様の話が出てくるもんだねイナヅチ?」
響「それは私も気になってたかな、雷と電も司令官には懐いていたけど、イナヅチ程じゃなかった気がするよ」
イナヅチ『それなら当然なのですよ』
響「当然?」
イナヅチ『だって私は司令官の事が大好きな雷と電が合わさっているのですのよ?』
漣「にゃるほどねー…二つの心が一つになれば一つになれば、一つの正義は100万パワー的な?あ、あれは三つか」
イナヅチ「イナヅチは雷と電の二人分…ううん、誰にも負けないくらい、司令官が大・大・大好きなのですわ」
漣「そりゃあご主人様が聞いたら喜ぶねー」
響「試しに言ってあげたらどうかな?」
イナヅチ『そんなの恥ずかしいのですわよぉ////』(もじもじ
漣「まったく、ご馳走様ぁ」
響「さて、来る途中で遊べる所は大体周っちゃったし、帰りは真っ直ぐでいいかな?」
漣「漣も楽しかったよ!」
イナヅチ『せっかくだし暁にお土産でここのケーキを買っていくのですわ!』
響「そうだね、後で拗ねられても困るし」
イナヅチ『明石さんと一緒にいる筈だから明石さんの分も頼むのですわよ』
漣「うわーイナヅチってば気がきくねぇ」
▼鎮守府(廊下)
ガシャッ、ガシャッ、
暁「うんしょ…うんしょ…っと、……うぅー、重い!」
(明石「見た感じ一応なんちゃってポタラを使った痕跡はあるし、これで合体したって前提で二人を元に戻す機械を作ってみようか
必要なモノをリストアップするから倉庫から持ってきてくれる暁ちゃん?」)
暁「こんなガラクタたくさん集めて本当に雷と電を元に戻せるのかしら?
でもいつまでもあんな状態にしておけないし…」
ガッ(つまづいた音)
暁「きゃあっ!?」
ドンガラガッシャーン!!
暁「いったぁーい…転んじゃった…」
イナヅチ『…暁?何してるのですの?』
暁「ひゃあっ!!??あ…あなた…!脅かさないでよもうっ!」
イナヅチ『ご…ごめんなのですね…?』
イナヅチ『これを運んでいたのですの?』(ひょい、ひょい…
暁「あっ!それは…!」
イナヅチ『これはどこに運べばいいのですの?』(ひょいっ
暁「え…?」
イナヅチ『ん?どうかしたのですの?』
暁「えっと…暁はあなたを元に戻すための道具を作る手伝いをしてるんだけど…」
イナヅチ『……なら工廠の明石さんの所なのですね、イナヅチも付き合うのですわ』
暁「え…いいの…?」
イナヅチ『?困っている暁を手伝おうと思うのはそんなに変な事ですの?』(きょとん
暁「えっと…どうなんだろう…?」
▼工廠
明石「あ、お帰り暁ちゃん、イナヅチちゃんも一緒だったのね!」
暁「うん…」
イナヅチ『何かわかった事はあったのですの明石さん?』
明石「どうやって起動したのかは解らなかったけど、あのイヤリングは確かに使われてたわ
だからイナヅチちゃんを元に戻すにはあれの逆回しが出来る機械があればいいと思って、それを作れないか色々試してる所ね」
イナヅチ『そうなのですね、頑張って、なのですわ!』
明石「任せて、私に作れないものはないわ!」
イナヅチ『それお邪魔しないウチに私は行くのですわね』
明石「はーい、期待しててね」
イナヅチ『お土産はここに置いていくのですわ、暁と一緒に食べてなのですね、響おすすめの喫茶店のケーキなのですよ!』
明石「いいの?いやー丁度お腹減ってきてたのよねー♪」
暁「……あ…あの…!」
イナヅチ『うん?』
明石「ん?」
暁「あの…手伝ってくれて…ありがとう……」
イナヅチ『暁…』
明石「暁ちゃん…」
暁「な…何よ!お礼は…ちゃんと、言えるし…///」(ぷいっ
イナヅチ『うん!どういたしまして、なのですよ!』(ぱぁっ
暁「か…勘違いしないでよね!暁は絶対あなたを元に戻すんだから!」
イナヅチ『解ってるのですわ!よろしくお願いするのですねっ!』
というわけで、今回はここまでで
実はそろそろゴールが近い
この>>1、今回か次回の投下で終わらせる覚悟です!
▼翌日
イナヅチ『今日は改めて司令官のお手伝いなのですよ!』
提督「昨日は楽しかったかーイナヅチー?」
イナヅチ『はいとっても!でもやっぱりイナヅチはこうしている方がしっくりくるのですわ!』
提督「じゃあ折角だしまたお願いしようかな」
提督「…よーし、午前中の仕事は終わったなー」
イナヅチ『お昼まで少し時間もあるし、お茶にでもしましょうなのですの、淹れてくるのですわ』
提督「悪いなイナヅチ」
イナヅチ『………はい、お茶なのですよ』
コトッ
提督「ありがとうイナヅチ……はぁー、落ち着くなぁー…」
イナヅチ『…あの、司令官』
提督「ん?どうした?」
イナヅチ『司令官は…イナヅチの事どう思っているのですの…?』
提督「可愛いと思うけど」
イナヅチ『可愛い///えへへ////』
イナヅチ『…でもそうじゃなくて、やっぱりイナヅチじゃなくて雷と電の方がいいのですの…?』
提督「なんでそんな事訊くんだ?」
イナヅチ『暁は…私の事を良く思ってないみたいなのですわ、司令官も…もしかしてそうなんじゃないかなって…』
提督「うーん…確かに二人が居なくてちょっと寂しいかな」
イナヅチ「……っ」(ズキッ
提督「でもさ、それとは別にイナヅチに会えてよかったとも思ってるよ」
イナヅチ『…え?』
提督「だってさ、今俺の目の前にいるのは雷でも電でもなくてイナヅチで、そのイナヅチはこんなに良い子じゃないか
よく思わない理由はないだろ?」
イナヅチ『…じゃあ、ずっとこのままでも良いと思うのですの……?』
提督「イナヅチの意思は雷と電の総意みたいなものなんだろ?
だったらそのイナヅチがそうしたいなら別に良いんじゃないかな」
イナヅチ『でもそれじゃきっと、暁が納得しないのですわ……』
提督「暁は人一倍妹想いだからな、今は雷と電の事で頭がいっぱいなんだろ
時間が経てばイナヅチの事も受け入れてくれると思うぞ?」
イナヅチ『…でも…それなら…尚更……』
提督「……?」
イナヅチ『…あの、司令官!その…イナヅチは…!』
<ガチャッ!
明石「提督ぅー!居ますかぁー!」
提督「お、どうした明石?」
明石「どうしたもこうしたもないですよ!イナヅチちゃんを元に戻す機械、出来そうなんですよ!」
イナヅチ『そ…それは本当なのですの!?』
明石「うん!暁ちゃんが凄く頑張ってくれたからね!」
提督「丁度その話をイナヅチとしてた所なんだ、やっぱりイナヅチはさ…」
イナヅチ『明石さん、それはいつから使えるのですの?』
明石「うーん…エネルギーのチャージも含めて、明日のお昼頃には使えるようになるかな?
どうする?完成したらすぐ使う?」
イナヅチ『そうするのですわ、工廠に行けば良いのですの?』
提督「イナヅチ?さっきはお前…?」
イナヅチ『…いつまでも心配かけるのも悪いのですわ、戻れるのなら戻った方が良いと思うのですの』
提督「……そっか、イナヅチがそれで良いなら」
イナヅチ『それでは明日のお昼なのですね、よろしくお願いしますのですね明石さん!』
明石「うん!任せておいて!
それじゃあ私は工廠に戻りますね!」
<バタン、
イナヅチ『…それじゃあいい時間だし私たちも食堂へ行くのですの』
提督「そうしようか、今日は何が食べたい?」
イナヅチ『えっと…ちょっと我儘言っても良いですの…?』
提督「別にいいけど」
▼食堂
イナヅチ『あの…司令官!これ頼みたいのですの!』
提督「え?特盛スペシャルAランチ?駆逐艦には量多いんじゃないのか?」
イナヅチ『その…前から一度食べてみたくて…合体して燃費が悪くなってる今くらいしか食べられないし…』
提督「そっか、じゃあ良いよ
間宮さーん!特盛スペシャルAランチと普通のBランチ一個ずつ!」
間宮「はーい♪」
イナヅチ『ありがとう、なのですね司令官!』
漣「おっ、お二人さんもお食事ですかー…ってイナヅチそれ食べきれるの?」
イナヅチ『燃費が悪くなってる今ならいける気がするのですわ…!』
提督「合体してる間に食っておきたいんだってさ」
響「食べきれなかったら手伝うよ」
提督「いつから隣に座ってた響」
響「今来たよ」
イナヅチ『それはそうと二人とも、昨日はありがとうなのですね!』
漣「お礼なんか要らないよ、漣も楽しかったもん」
響「またみんなで遊びに行こうか、今度は暁も誘ってさ」
漣「今度はカラオケとボーリングも行こうよ!あ、ゲーセンでプリクラ撮り損ねたからそれも!」
イナヅチ『あはは、それは楽しそうなのですわね!』
イナヅチ『それなら今度は雷と電として行くのですわ、人数が多い方がきっと楽しいのですわ!』
漣「漣はイナヅチでもいいよー?」
響「まぁいつまでイナヅチなのかも解らないけどね」
イナヅチ『明石さんと暁次第ですわね』
響「ところでこの時間に加賀さんが食堂にいないのは珍しいね、間宮さんは何か知ってる?」
間宮「入渠していると聞きましたよ」
漣「漣見たよ、128時間(ブラウザ版基準)とか書いてあった。」
提督「128!?どんな怪我したらそんな事になるの!?」
漣「本人は凄い満たされた顔で気絶してたけど」
提督「マジで何があったんだよ…」
▽夕方
提督「よぉーっし、これで今日の仕事は終わりだー!」
イナヅチ『ご苦労様なのですね司令官、お茶をどうぞ』
コトッ
提督「あぁ、ありがとうイナヅチ」
提督「はぁー…ふぅー…」(のほほーん
イナヅチ『あの…司令官、言っておきたい事があるのですの』
提督「ん?なんだ?」
イナヅチ『その、とっても真面目な話なのですの』
提督「うん、解った話してくれ」
イナヅチ『イナヅチの意識が、雷と電の混じり合ったものだって事は最初に話しましたわよね?』
提督「ああ聞いた」
イナヅチ『それが昨日…喫茶店でお話ししてたあたりからおかしいのですの…ただ混ざってるだけの意識が溶けて一つになってきている感覚がするのですの』
提督「!!それってつまり…!」
イナヅチ『ただ混じり合って一塊になっているだけの意識が、混ざりきって一つの「イナヅチ」になってしまったら…きっともう二度と雷と電には戻れないのですわ』
提督「…それで明石の機械が完成次第元に戻る事にしたのか…」
イナヅチ『うん…』
提督「でもそしたらさ、一回戻ってまたイナヅチになれば問題はないだろ?」
イナヅチ『それが出来るのならこんな話はしないのですわ』
提督「ポタラの発動条件なら今後調べていけばさ」
イナヅチ『違う…違うのですわ司令官
自分の事だからわかるのですよ…このイナヅチは、あの時の雷と電が混ざったもの
また合体できてもそれはもう全く別のイナヅチなのですのよ
…いいえ、イナヅチですらないのかもしれないのですわ』
提督「!!じゃあまさかお前は!」
イナヅチ『はい、"今の"イナヅチは…合体を解いた時点で消えてしまうのですの』
提督「そこまで解っててなんで明日合体を解くだなんて!!」
イナヅチ『司令官は雷と電が居なくなってしまっても良いのですの?』
提督「そ…それは…っ」
イナヅチ『完全に"イナヅチ"になってしまうのは明日かもしれないし、一ヶ月後かもしれない…それは自分でも解らないのですのよ、
だから…手遅れにならない内に戻らなくちゃいけないのですわ』
提督「お前は…お前自身はそれで良いのか…?」
イナヅチ『……元々私が今居るのは雷と電の場所なのですよ…暁の言う通り「偽物」の私がいつまでも居るわけにはいかないのですわ
……だから、イナヅチが今のイナヅチである間に、伝えたい事があるのですの』
提督「……聞くよ」
イナヅチ「私の気持ちは雷と電の借り物で、偽物なのかもしれないのですの
それでも確かにここにイナヅチの気持ちがあるのですわ
司令官、イナヅチは司令官を愛していますわ
二人に…ううん、誰にも絶対に負けない気持ちで、貴方が大好きですの
偽物でも借り物でも、この気持ちは決して嘘じゃないのですわ
もう一度…司令官、イナヅチは司令官を愛しているのですわ」
提督「イナヅチ…俺は……!」
イナヅチ『待って!!
…待って……私の気持ちを受け止めないで欲しいのですの司令官
伝える事が出来ただけで、イナヅチには過ぎた事なのですから…』
提督「………ッ!」
イナヅチ『…これ以上暁を心配させたくもないのですわ…せめて綺麗な思い出のままで、イナヅチを終わらせて欲しいのですの…』
提督「……解った、お前がそう望むなら」
イナヅチ「ありがとう司令官…貴方を愛せて、本当に良かった…」
連投規制が怖いのでちょっと休憩
▽その夜・提督の寝室
<コンコン
提督「……開いてるぞー」
キィ…
イナヅチ『……こんばんわ、なのですよ司令官』
提督「イナヅチか、どうした?」
イナヅチ『…今日はここで寝ても良いですか…?最後だと思ったら…寝付けなくて…』
提督「……いいよ、おいで」
イナヅチ『お邪魔します、なのですね!』
イナヅチ『えへへ…っ、こんなの雷と電の時もした事ないのですわ!イナヅチは幸せ者なのですねっ!』
提督「イナヅチの言う通りなら寝過ごしちゃいけないからな、もう寝るぞ」
イナヅチ『えっと…司令官のお布団にお邪魔してもいいですの…?』(ウワメヅカイ
提督「………解った、おいで」
イナヅチ『やったー!司令官がイナヅチの我儘を何でも聞いてくれるのですわ!これなら最後も悪くないのですわね!
それじゃあお邪魔して…』(もぞもぞ
提督(ぐ…っ!持ってくれよ俺の理性……ッ!!)
イナヅチ『…………』
提督「…………」
イナヅチ『……司令かーん?』
提督「…どうしたー?」
イナヅチ『なんでもないのですわ、呼んでみただけなのですの!』
提督「…………」
イナヅチ『えへへ…///』
提督「………」
イナヅチ『……司令官、まだ起きてるですの?』
提督「…どうした?」
イナヅチ『ふふっ、今だけは、イナヅチが司令官を独り占めなのですわ…』(ぎゅーっ
提督(ロリコンではない、俺は決してロリコンではない、だがあの告白を聞いた後でこれは下半身に悪い)
提督「…………」
イナヅチ『…………』
提督「…………」
イナヅチ『……司令かーん?寝てますかー?』
提督「…………」
イナヅチ『本当に寝てるのですのー…?』
提督「……寝てるよ」
イナヅチ『……よかった、じゃあ…独り言くらい言ってもいいのですわよね…』
イナヅチ『…イナヅチが合体した理由なら、本当は心当たりがあるのですの…
雷も電も本当に司令官が大好きで、雷はおしとやかで儚げな電の可愛らしさに、電は雷の積極的で明るい性格に…お互いに憧れていたのですわ…「自分がこうなら今よりもっと司令官に自分を見てもらえる」って……
雷と電はお互いがお互いになりたかったのですのよ、あのイヤリングはそれに応えてくれただけなのですわ…』
提督「…………」
イナヅチ『…羨ましいのですわ…これからずっとここに居られる雷と電がとっても羨ましいのですよ
なんでイナヅチはダメなのですの…イナヅチだってこんなに…こんなに司令官が大好きなのに…』
提督「…………」
イナヅチ『まだやりたい事がいっぱいあるのですのよ…?
また響や漣と遊びに行きたい…美味しいケーキをいっぱい食べたい…司令官のお側にいたい…お世話をしたい……暁と…仲良くなりたい……』
提督「…………っ」
イナヅチ「……消えたくない…っ、消えたくなんかない……っ!でも…でも……っ、雷と電の居場所を奪ってしまうのはもっと嫌なのですの……!
でも消えたくないのですわ……っ!イナヅチも…イナヅチだって……、これからも…ずっとここにいたい……っ!いたいのにぃ……っ!
どうにかならないのですの……!?雷も電も…イナヅチもみんなでここに居られないのですの……っ!?
ズルいですわ…とってもズルいですわ……!本物だってだけで、ズルい…ズルい……っ!」
ぎゅっ
イナヅチ『あ…っ』
提督「…………」
イナヅチ『司令官…暖かい…でも…こんな辛い思いをするくらいなら…私なんか生まれなかった方が……」
提督「……これは寝言なんだけどな」
イナヅチ『!!』
提督「俺はイナヅチに会えてとっても嬉しかった、だから…生まれなかった方が、なんて言わないで欲しい」
イナヅチ『………っ』
提督「辛いなら今は泣けばいい…今は…誰れも聞いてないからさ……」
イナヅチ「ぅ…ぅわ……っ、うわぁああぁあああぁぁあああああぁあああん……!
しれ…っ、じれぇが…っ、じれぇがあぁああぁぁあん………っ!!」
提督「…………」(ぎゅー…
▼翌日・工廠
明石「じゃじゃーん!これがポタラ合体解除装置でーす!」
暁「暁も頑張ったんだから!」
明石「助かったよー暁ちゃん!」
提督「へーこれが、なんかポケ◯ンの転送装置的な感じだな」
明石「初代やってた時の思い出がヒントになりました!マ◯キがポ◯モンと合体してたやつ!」
イナヅチ『これで元に戻れるのですの?』
暁「当然よ!暁と明石さんの力作なんだから!」
イナヅチ『暁は凄いのですわね!』
暁「な…何よ!褒めたって何も出ないんだから!///」
イナヅチ『それじゃあ早速…ってこれどうやって使うのですの?』
明石「イナヅチちゃんはこのカプセルの中に座るだけでいいわ、
イナヅチちゃんが座ったら私と暁ちゃんで両側のカプセルのレバーを同時に引いて、あっと言う間にあら不思議!雷ちゃんと電ちゃんに早変わり!なんだから!」
イナヅチ『す…凄いのですわね…』
明石「じゃあ準備するから待っててねー?」
イナヅチ『よろしくお願いするのですわ!』
暁「…………」
暁「あ…あの…っ、『イナヅチ』!」
イナヅチ『……え…っ?』
暁「色々ごめん…その…ありがとう……」
イナヅチ『あ…暁……?』
暁「…えっと、たまに、なら……」
……やめて、暁
暁「たまになら、またイナヅチになっても良いんだから!」
なんで…暁は…イナヅチの事が嫌いなんじゃ…
暁「最初に響が言ってた通り、イナヅチだって暁の妹みたいなものだものね、レディとした事がうっかりしてたわ!」
崩れていく、雷と電に戻る理由が、イナヅチが消えてもいいと思った、一番の理由が、崩れていく
暁「でもこれがあればまた合体してもいつでも雷と電に戻れるのよ!
今度イナヅチになった時は、暁がちゃんとお姉さんっぽいところ見せてあげるんだから!」
私は…暁が心配してると思ったから、イナヅチが暁に嫌われていると思ったから、覚悟を決めたのに…これじゃ……これじゃあ……!
イナヅチ『あか……つき……』(ぽろぽろ…
暁「えぇっ!?なんで泣いてるのイナヅチ!?」
イナヅチ『暁は…私の事が嫌いだったんじゃ……っ』
暁「き…嫌いなんかじゃないわよ!暁をバカにしないでちょうだい!妹が嫌いなお姉ちゃんなんてお姉ちゃん失格じゃない!」
イナヅチ『イナヅチは…嫌われてなかったのですの……?』
暁「だからさっきからそう言ってるじゃない!」
イナヅチ『あはは…司令官の言った通りなのですわ…時間が経てば暁は…イナヅチを受け入れてくれるって……』
暁「何よ!?なんなのよさっきから!?」
…でも、このタイミングはあんまりなのですわ、
イナヅチ『暁…暁はイナヅチの事…好きなのですの…?』
暁「えぇっ!?えっと…その……好き…よ///」(ふいっ
イナヅチ『……イナヅチは…暁が大っっっ嫌いなのですわ』
暁「ええぇっ!!??」
イナヅチ『暁はいちいち間が悪いのですのよ、いいのですわ、暁にイナヅチの秘密を教えてやるのですわ!』
……………
…………
………
暁「う…嘘よ…!合体を解いたらもうイナヅチは戻れないって…!手遅れになったら雷と電が消えちゃうって……!」
イナヅチ『ふふふ…自分が何をしようとしてたのかようやく解ったみたいなのですね
どうですか?暁の言う"妹"を自分の手で消そうとしていた感想は?』
暁「だったらこんなのダメよ!!きっと別の方法が…!」
イナヅチ『……そんな方法があったとして、見つかった時、雷と電がまだ消えていない保証はどこにもないのですわよ?』
暁「やだ…そんなのヤだぁ……っ」(ぽろぽろ…
提督「暁……」
明石「こんなの聞いてないですよ…提督、やっぱりこの方法は…」
イナヅチ『良いのですの明石さん、やって下さいなのですわ』
暁「良いわけないでしょバカぁ!!!!」
イナヅチ『バカは暁なのですの!!時間切れで雷と電が消えてもいいのですの!?』
暁「良くないけど!!まだイナヅチを残す方法が見つかってないじゃない!!」
イナヅチ『暁の分からず屋!!!!』
暁「どっちがよ!!!!」
イナヅチ『……お願いだから…行かせて下さいなのですよ…っ!
雷と電は……自分達を守ってくれた暁にとっても感謝してるのですのよ…この気持ちを……無駄にさせないでほしいのですのよ……っ!』
暁「なんで…なんでそんな事言えるのよバカぁ……っ!」
イナヅチ『バカバカうるさいのですわ…やっぱりイナヅチは暁が嫌いなのですよ』
暁「うっさい……うっさいバカぁ…暁は好きなんだから…嫌いなんかじゃないんだからぁ……っ!」
イナヅチ『………っ』
イナヅチ『…こんなに嫌いだって言ってるのに、イナヅチの事を好きだなんて言う暁には意地悪をしてやるのですわ』
暁「いじ…わる……?」
イナヅチ『イナヅチはこれから消えるのですの、もうこの世からいなくなっちゃうのですの、それはぜーんぶ暁の所為なのですの』
暁「…………っ、」
イナヅチ「だから暁、暁はずーっとイナヅチを憶えているのですのよ
忘れたら許さないのですの
イナヅチのとっておきのいじわるなのですわ」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira113716.jpg
暁「……忘れない…忘れるわけないでしょ…!
バカな妹がいると、ほんっっとお姉ちゃんが苦労するんだから……っ!」
……それが、みんなが見たイナヅチの最後の姿だった
【エピローグ】
雷「…………」
電「…………」
雷&電「あのっ」
雷「…………」
電「……先にどうぞ…なのです」
雷「……どっちでも良いわよ…多分同じ話でしょ?」
電「うん…その…イナヅチだった時の事…雷は憶えているのですか…?」
雷「……うっすら」
電「電もです…」
雷「あの子…っていうか私達、司令官に凄い告白したわよね?」
電「確実にしたのです…」
雷「どうしよう全部バレたわ!!!これから司令官とどんな顔して会えばいいの!!!??!」
電「落ち着くのです雷!!!元々バレバレだったのです!!!!」
雷「口に出す前と後じゃ全然の違うのおぉぉおおおぉおおおお!!!あぁぁあぁぁあああぁぁああぁあああああああっっっ!!!!!」<ガンガンガン!!!
電「そんなに壁に頭を打ち付けたら大怪我するのです!!!!」
雷「忘れろおおおぉぉおぉぉおおおぉぉおお!!!!!せめて告白した事を私が忘れろおぉぉおぉぉおおおっっ!!!!!」<ガンガンガン!!!
雷「はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ」
電「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
雷「……ちょっと落ち着いた」
電「……これっきりにして欲しいのです」
雷「…でも、イナヅチは…私達なんかよりずっと…ずっと司令官が好きだったわよね」
電「……悔しいけど、認めるのです…私達の二人分なんてズルいのです…絶対に勝てないじゃないですか……」
雷「でもね、だから思うの…私は自分が誰よりも司令官の事が好きだって思ってた、でもまだまだだった…」
電「電も…雷に負けていたつもりはないのです」
雷「うん、だからね、お互い当面の目標ができたと思うの」
電「……そうなのです、負けてられないのです、雷にもイナヅチにも」
雷「その通りよ!まずは目指せイナヅチ!!あれだけ司令官の事を想っている人を知ったからって、諦める程私の気持ちはヤワじゃないわ!!」
電「それが自分なら尚更なのです!電は負けないのです!!」
雷「その意気よ!!頑張るわ!!」
電「おーっ!!」
<ガチャ、
響「まだ部屋にいたんだ、そろそろ出発だよ二人とも」
暁「遠征だからって甘く見ちゃダメよ!しっかり暁に着いてくるのよ!」
響「またお姉ちゃんぶって」
暁「お姉ちゃんよ!!!!」
雷「あはは、すぐ行くわよ」
電「もう準備はできているのです」
暁「それじゃあみんな行くわよ!あの子に情けないところは見せられないんだから!」
響「ウラー」
雷「ふふふっ」
電「そうなのです、それじゃあ…」
第六駆逐隊『行ってきます』
イナヅチは消えた?もういない?
そんな事はない
あの子はずっとずっとここにいる
彼女達の胸にずぅーっと
だからあの子は大丈夫
それにほら、まだそこにちゃんとあの子の私物が置いてあるっしょ?
漣が取ってあげた、ご主人様似のぬいぐるみがさ
漣「どうしたの?おしまいですよ、ご主人様っ☆」
裏設定的に初期艦だから出しただけのざなみんが思いの外いい仕事しててびっくりした
こいつ登場時点まで出番の予定無かったんだぞ…
それとスレ立てした時はこんな話になると思ってなかった
実は落書きでこれ描いた時にこれで何か書きたいなーと思って勢いだけで立てただけのスレでした
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira113720.jpg
それではここまでお付き合いありがとうございました、またいつか
このSSまとめへのコメント
感動しました