※注意事項※
・ラブライブ!(アニメ版)と同一の世界観です
・登場人物は基本的にオリジナルキャラです
・(実はラブライブ!の知識はかじった程度にしか持ち合わせて)ないです。
・(でも別にラブライブ!のアンチでは)ないです。
以上を踏まえた上で、お楽しみください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468066046
最近、世間ではスクールアイドルとかいうのが流行っているらしい。
はぁ!? 学校でアイドル?
ギャラ貰えるわけでもないのに? バカバカしい。
――って、最初は思ってた。
――
だけど、スクールアイドルの先駆けだったとある女の子たちが解散し、
三年生だった三人が高校を卒業してから、アタシの考えは変わった。
三年生のうちの一人が、大手プロダクションからアイドルデビューしたのだ。
会社の強烈なプッシュも手伝って、あっという間に人気爆発。
今やバラエティや歌番組に引っ張りだこで、デビューシングルは一週間で20万枚売れた。
しかも握手券とか投票券とかなしでだよ! このご時世に!
売れっ子アイドルになりたかったら、スクールアイドル時代に人気集めておくのって……アリじゃん!?
亜里沙「つーわけで、アタシはスクールアイドル部作るから」
美涼「はぁ。別にいいんじゃない? 亜里沙可愛いし。反対はしないけど」
亜里沙「いや、美涼もなるんだよ」
美涼「何で私が付き合わにゃならんのさ」
亜里沙「アタシよりちょい賢い。可愛いけどアタシよりちょい落ちる。
もう誘わない手はないっしょ」
美涼「……あんたねぇ。普通もうちょっと言い方があるでしょうが!」
亜里沙「え~? 今さら美涼に気ぃ遣って、アタシに何の得があるのよ」
美涼「……はぁ。まあいいわ。かれこれ四年も親友やってる身からすれば、
変におべっか使われる方が気持ち悪いかな」
亜里沙「さっすが美涼! 頼りにしてるから!(ポンポン)」
美涼「でも他の子誘うんなら、オブラートに包むくらいはしなさいよ」
亜里沙「……善処しま~す」
美涼「で、どうするの? 他にも部員集めるの?」
亜里沙「最初に言っておく。アタシは奇跡とか運命とか、都合のいい言葉は信じてない」
美涼「うん、知ってる」
亜里沙「普通の女の子が輝きたい? そんなの幻想じゃん。ルックス平均程度の子がアイドル名乗っても、馬鹿にされるだけ」
美涼「まぁ、現実は厳しいよね。正論だと思うよ」
亜里沙「だから最大限の打算を働かせて、このアタシを引き立てる最高のメンバーを揃えたいの!
そしたら圧倒的な実績を引っ提げて、本物のアイドルとしてデビューしてやるんだから!」
美涼「うわぁ、アンタ清々しいまでにクズだね。さすが中学時代、男子に『顔と体以外は最低』と評されただけあるわ」
亜里沙「やだなぁ美涼、褒めても何も出ないし出すつもりもないよ?」
美涼「(え、褒めたつもりはないんだけどな……)」
亜里沙「スクールアイドルってさ、一学年三人の九人がデフォじゃん?」
美涼「まぁ、例外はいっぱいあるけど、基本はね」
亜里沙「アタシたち二年だから、まず二年からあと一人誘おうと思うんだけど」
美涼「確かに、同学年の子が一番誘いやすいね」
亜里沙「で、誰か候補知らない? そこそこ可愛いけど、アタシより微妙に可愛くない子」
美涼「露骨な基準だなぁ……。というか、亜里沙の友達にマッチした子はいないの?」
亜里沙「やだなぁ、アタシに美涼以外の友達いるわけないじゃん!」
美涼「(そうだ、コイツ性格悪すぎてろくに友達いないんだった)」
亜里沙「つ~わけで、候補はよ!(バンバン)」
美涼「仕方ないな。うーん……いるにはいるけど、ガチで部活やってる子はちと誘いにくいかも」
亜里沙「あ~確かに。アタシらみたいな帰宅部、もしくは幽霊部員が狙い目じゃんね」
美涼「そうなると……そうだ、二組の山川とかどう?」
亜里沙「却下」
美涼「えー、なんで? ルックスはまあまあだし、割とノリもいい奴だよ?」
亜里沙「あんな男をとっかえひっかえしてるヤリ○ンビッチは論外。SNS掘り返されて炎上するに決まってるじゃん。
アイドルは清純なイメージで、童貞男に夢みせるのが仕事なんだから」
美涼「酷い言い方だな……。まぁ確かに、アンタ彼氏いたことないもんね」
亜里沙「アタシはアイドルになって知名度上げてから、顔そこそこ良くて大金持ちの青年実業家と玉の輿結婚するの。
一時の性欲で処女捨てて自分の価値下げるなんて、そんなのは馬鹿のやることだね」
美涼「(この腹黒処女、ある意味プロ意識高いな……)」
美涼「そうだ、あの子ならいけるかも。ほら、昨日の学年集会で紹介されてた三組の転校生」
亜里沙「転校生……? へぇ~、そんなのいたんだ。アタシ寝てたからわかんないや」
美涼「少なくとも見た目は合格点だと思うけど。とりあえず会って、話だけでもしてみようよ」
亜里沙「よ~し、アタシの引き立て役になれるかどうか、この目で見極めてやる!」
美涼「(清々しいほど自分本位な奴……)」
美涼「こんにちは! ちょっと時間いいかな?」
???「へっ!? は、はい。なんでしょうか」
美涼「初めまして、私は一組の坂本美涼。こっちは同じく望月亜里沙」
亜里沙「…………」
???「あ、はい。初めまして。わたしは鈴木萌香といいます」
美涼「突然なんだけど、私たちとスクールアイドル目指してみない?」
萌香「ふえええ!? ス、スクールアイドルですか……?」
亜里沙「……美涼、この子はアウト」
美涼「は? なんでさ?」
亜里沙「だってこの子クッソ可愛いじゃん! 七十点から九十点の子探してんのに、九五点取ってんだよこの顔じゃ!
普通に人気出過ぎちゃうからアタシ的にアウト!!!」
萌香「????」
美涼「あー、コイツなりの褒め言葉だから。気にしないでね」
萌香「あ、ありがとうございます……?」
美涼「じゃあ、鈴木さん部活はやってなかったんだ」
萌香「は、はい。前の高校では一年間、ずっと帰宅部でした」
亜里沙「……やっぱりアウト! なんかこう、属性が違う!」
美涼「は? 属性?」
亜里沙「キャラ的にはアタシがキュート、美涼がクールだから、二年の残り一枠はパッションな子が欲しいの!
キュートでアタシと被っちゃったら人気の奪い合いになるじゃん! それじゃ意味ないんだよ!」
萌香「????」
美涼「ここにきて他の世界観を持ち出さないでよ! 話がややこしくなるじゃない!
それにアンタはどっちかって言ったらパッションだよ!」
亜里沙「え、マジで? 美涼にはそう見える? じゃあギリギリセーフかな……?」
美涼「(知wらwなwいwよw!)」
萌香「あの、今度の学校では部活に入ろうかな、って思ってたので、誘ってもらえたのは嬉しいです」
美涼「そっかそっか! 亜里沙、これはもう決定でいいんじゃない?」
亜里沙「……萌香ちゃん、彼氏いたことある?」
萌香「か、彼氏ですか!? はっ、はい。一応……今はいないですけど、以前になら……あります」
亜里沙「やっぱり! こんなに可愛い子が処女のわけがない!」
萌香「ふえええ!? あ、あの……」
亜里沙「非処女だから絶対ダメってわけじゃないけどさぁ、顔売れてから昔の男にしゃしゃり出られると厄介だな~。
余計なリスクを避けるためにもここは――」
美涼「こら! オブラートに包めって言ったでしょうが!」
亜里沙「痛い!? ちょ、顔はやめてぇ~」
萌香「あのぉ……男の子と付き合っていたと言っても、実は小学生の頃で、ただ手を繋いで帰ったりしたくらいで……。
い、一応、まだ……しょ、ゴニョゴニョ、です」
亜里沙「…………チクショ~!!! 何だこの可愛い生き物は!
しかもよく見たら乳までアタシよりあるじゃんかぁ! ズル~い!」
萌香「ひゃあ!? 胸はやめてください! そ、そこはダメぇ……やぁん……!」
美涼「(やば、何か超面白くなってきた! 亜里沙には悪いが、鈴木さんは加入決定だね)」
(数日後)
美涼「亜里沙、さっそく連絡来たよ」
亜里沙「ZZZ……んぁ? 何の連絡ぅ?」
美涼「ほら、『スクールアイドル部立ち上げにつき部員募集!』って張り紙してたやつ。ふんふん……一年生の二人組だって」
亜里沙「お~、さっそく獲物が釣れたか! できればロリっ子がいいなぁ、食べちゃいたい感じの」
美涼「……は? あ、そっか。アンタに彼氏がいない本当の理由がわかったよ(後ずさり)」
亜里沙「ちょっ、何ドン引きしてんだよぉ! これも計画のうちなんだってば!」
美涼「計画ぅ? アンタの個人的な性癖じゃなくて?」
亜里沙「違うっつ~の! いわゆる百合営業ってやつ!
男を匂わすのは当然アウトだけど、女同士のイチャイチャはむしろファンに受けるんだってば!」
美涼「あー、つまりファッションレズってやつね。でもロリである必要なくない?」
亜里沙「そこはキャラ被り防ぐためじゃん。正統派美少女はアタシ一人で間に合ってるから、一年生なら妹系が欲しいんだよ。
ぶっちゃけ、絵面的にアタシが映えれば何でもいいけどね」
美涼「正統派美少女ねぇ……。でも、この前鈴木さんに完敗宣言してなかった?」
亜里沙「そっ、それはあれよ! 萌香ちゃんは天然おバカキャラとかで売り出すからいいの!」
美涼「はいはい、そうですか(ニヤニヤ)」
(一年生のとある教室にて)
美涼「連絡くれた古賀光さんと篠田エレナちゃんだね?」
光「は、はい、古賀です。わざわざ一年の教室まで来て頂いて、すみません」
エレナ「ど、どうも……(ガクブル)」
亜里沙「……両方不採用。美涼、教室戻るよ」
光&エレナ「!?」
美涼「は? ちょっと待ってよ、まだ話も聞いてないのに?」
亜里沙「こっちは慈善事業でやってるんじゃないから。部長のアタシがダメだと思ったら、ダメ」
光「どういうことですか? ダメならダメで、ちゃんと理由を教えてください」
亜里沙「いいよ。アタシ遠まわしな言い方苦手だから、正直に教えたげる。
まず古賀さんだっけ、あなたはルックスがアタシの合格基準以下」
光「……!」
亜里沙「点数付けるとしたら五〇点。アイドルはファンの特別な存在になってナンボだから。平均程度じゃ厳しい」
エレナ「そんな! 普通の女の子でも輝ける、スクールアイドルってそういうものじゃないの!?」
亜里沙「考え甘すぎ。去年のラブライブ本戦に出てた子で、顔が普通以下の子なんていたと思う?」
エレナ「う、それは……」
亜里沙「普通の女の子が輝けるなんて幻想。運動部でも文化部でも、努力次第で輝ける場所なんていくらでもある。
でもアイドルとして輝けるかは、持って生まれたものの比重が大きいから」
エレナ「で、でも、そんな言い方しなくても!」
光「エレナ、もういいよ。部長さんの言い分は筋が通ってるし、私が可愛くないのは私が一番知ってるから。
けど、単にルックスの問題なら、エレナは合格してもいいんじゃないですか?」
亜里沙「確かに、ルックスだけなら篠田さんの方は余裕で合格してるよ。目がパッチリしてて、年相応に幼さ残してて、いい感じ。
じゃあ何で不合格かって言うと、篠田さんが古賀さんに依存してるタイプに見えたから」
エレナ「え……」
亜里沙「おおかた一人じゃ不安だから古賀さんを誘ったってところでしょ。
ここで篠田さん一人を入れたって、アタシらもそっちも、お互いいいことはなさそうじゃん? それじゃ、帰るわ」
美涼「……ごめんね、二人とも。アイツも悪気があるわけじゃないから」
光&エレナ「…………」
(二年の教室にて)
美涼「亜・里・沙。オブラートに包むのを善処した結果がアレ?(グリグリ)」
亜里沙「ぎゃ~イタタタ! だって変に誤魔化したって仕方ないじゃん?」
美涼「にしても、余計な恨みを買ったら賢くないって言いたいの。……まぁ、合否に関しては特に言うことないよ。
エレナちゃん一人入れるくらいなら、両方不採用で私も正解だと思った」
亜里沙「最近ラブライブ出てる子で、『普通の女の子でも!』って連呼してるのいるじゃん? あれは良くない。
お前普通に可愛いだろと。あの場に古賀さんみたいな子立たせたら、それこそ可哀想じゃん」
美涼「現実は厳しいねぇ。二年前の初代ラブライブ優勝の……何だっけ。
全校生徒が少ない廃校寸前の高校で、あんなに可愛いメンバー集まるのって、それこそ『奇跡』だったのかもね」
本日の書き溜め分は以上です。
キャラ名に関する調査不足は申し訳ないです。ご指摘感謝致します。
以降、ある程度書き溜めたらの不定期更新になりますことをお許しください。
(翌日の放課後、とあるファミレスにて)
亜里沙「今日は二年生メンバーの親睦会ってことで、カンパーイ!(カチン)」
萌香「はっ、はい! これからよろしくお願いします!」
美涼「まぁ、部の正式な届け出とかはまだだけどね」
亜里沙「にしても……萌香ちゃん、本当に彼氏いないの? ウソついてない???」
萌香「う、うそじゃないです! 前の学校では、その、共学だったので、男の子に告白とかされたりはしたんですけど……」
亜里沙「今は女の子にしか興味がないと」
萌香「はい……って、違いますよぉ! そういうのじゃないですぅ!」
美涼「こら、あんまりからかってあげるな(コツン)」
亜里沙「いやゴメン。いちいちリアクションが良いから、つい」
萌香「こ、こちらこそすみません。よく冗談が通じないタイプって言われちゃってました……。
あ、続きですけど、仲のいい友達が勝手に断ったりしちゃって、今に至るって感じです」
亜里沙「ふむふむ。お目付け役がいたってわけか。とりあえず納得した」
美涼「それじゃ、その友達は鈴木さんが転校して心配してるんじゃない?」
萌香「はい。結構頻繁に連絡が来ます。とっても嬉しいですけど、ちょっと心配しすぎな気もします」
亜里沙「ま、男遊びを覚えられたらこっちも迷惑だから。困ったことがあったらちゃんと言って」
萌香「はい! よろしくお願いします!(キラキラ)」
美涼「ほぅ……。亜里沙って、鈴木さんにはずいぶん甘いようだね」
亜里沙「なっ……だって、何かあったら自分にも被害あるかもしれないし! 部長としてメンバーを守るのは当然じゃん!」
萌香「望月さん、ありがとうございます! とっても頼もしいです!(キラキラ)」
亜里沙「う、うん。遠慮はいらないから……」
美涼「(コイツ、ピュアな子には弱いと見た。いやー、レアな反応見られて眼福だわ)」
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