依田芳乃「そなたの悩み、解決しましょー」 (53)

アナグラム(文字入れ替え)ネタです

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芳乃 「そなたーそなたー」

モバP「ん、芳乃か。どうかしたか?」

芳乃 「げーじが溜まりそうなのでしてー」

モバP「……何?」

芳乃 「げーじが、溜まりそう、なのでしてー」

モバP「いや、聞き取れなかったわけじゃないんだ」

芳乃 「?」

モバP「首を傾げたいのはこっちなんだけど。 ゲージって何さ」

芳乃 「不思議ぱわーのげーじでしてー。 皆からの信仰がー無事集まっている証かとー」

モバP「何それ俺知らない」

芳乃 「今こそこの力を使って―趣味の悩み解決を行いませー」

モバP「そ、そうか」

芳乃 「ではそなたー。 早速悩み事をー」

モバP「え、俺?」

芳乃 「はいー遠慮なくどうぞー」

モバP「いや、特にないけど」

芳乃 「……」

モバP「……」

芳乃 「嘘は良くないのでしてー」

モバP「嘘じゃないって」

芳乃 「さてはそなたー私の力、疑っているのでしてー?」

モバP「いやだって! いきなりゲージとか言われてもさあ!」

芳乃 「ふむー。 ならば他の方々の悩みを解決し、この力証明して見せましょー」

モバP「そうか。 いってらっしゃい」

芳乃 「そなたもくるのでしてー」グイ

モバP「ちょっ!? 力つよっ!?」

比奈 「……」

芳乃 「早速悩める若人がー」

モバP「お前より年上だけどな」

モバP「どうしたって……聞くまでもないか」

芳乃 「原稿にーインクが飛び散っているのでしてー」

比奈 「ふふ……終わった、終わったッス。 〆切は今日の夕方。 どうしようもないッス……」

モバP「今日〆切かよ。 これはどうにも」

芳乃 「お任せあれー」

モバP「な、何?」

芳乃 「この悩み、見事解決して見せましょー」

モバP「いやいやいや」

比奈 「変に希望を持たせるのはやめて欲しいッス。 今はそう、ただ安らかに眠りたい」

芳乃 「では、参りますー」

芳乃 「ふにゃふにゃむにゃむにゃ」

モバP「え、何その適当すぎる呪文は」

芳乃 「ふにゃむにゃー!!!!」

モバP「うおっ!」

比奈 「眩しっ!」



芳乃 「お告げが……お告げが聞こえるのでしてー」

モバP「お告げ?」

芳乃 「これがお告げの内容でしてー」


『荒木比奈、原稿にインクをこぼし頭を抱える(あらきひなげんこうにいんくをこぼしあたまをかかえる)』

『かまぼこを蘭子にあげウインク 日を変える 明日来な(かまぼこをらんこにあげういんくひをかえるあしたきな)』

モバP「どんなお告げだよ!?」

芳乃 「これしか解決の道はないかとー」

モバP「そんなわけあるかっ!」

比奈 「な、なるほど」

モバP「ん?」

比奈 「かまぼこ! その手があったッス! 何故今まで気づかなかったのか!」←徹夜三日目

モバP「ヒエッ」

蘭子 「闇に飲まれよ!」

モバP「何!? 何故このタイミングで蘭子が! 今日はオフのはず!」

比奈 「蘭子ちゃぁぁぁぁん!!!」

蘭子 「む、我を呼ぶ声が……ヒィ!」

比奈 「さあ蘭子ちゃん! かまぼこッスよ!」

蘭子 「み、貢ぎ物か?」

比奈 「」ウインクバチーン

比奈 「日を変える、明日来な」

蘭子 「バベルの塔は崩れた!(何を言っているのか分かりません!)」

比奈 「……!? まさかかまぼこが足りていない!? もっと、もっとかまぼこを……」

蘭子 「ひっ!? ぷ、ぷろでゅーさぁ。 何なんですかこれ!」

モバP「すまん。 俺にもさっぱりだ」

???「やれやれ。 見ていられないね」

モバP「そ、その声は!?」

蘭子 「その気配は!?」

比奈 「その匂いは!?」

三人 「「「二宮飛鳥!!」」」

飛鳥 「いや、別にそこまで特徴的なつもりはないんだが」

飛鳥 「まったく。 蘭子の泣き声が聞こえてくるから来てみれば、こんな事になっているとはね」

蘭子 「我が配下に弁慶はおらぬ!(な、泣いてません!)」

比奈 「面目ないッス……」

比奈 「やっぱり今回は大人しく諦めて」

飛鳥 「おいおい何を言ってるんだい? 諦める? 僕達が一番口にしちゃいけない言葉さ」

比奈 「で、でも」

飛鳥 「僕の事なんて興味はないかもしれない。 でもこの瞬間だけは思い出してみる事を推奨するよ」

蘭子 「……! 運命の創造手!(あ、漫画を描くことだ!)」

比奈 「!?」

飛鳥 「〆切に間に合わないのが世界の決めた定めならば、それに反逆するのも面白いと思わないかい?」

比奈 「いやでも……正直2人掛かりでも」

日菜子「むふふ。 話は聞かせてもらましたよぉ」

比奈 「日菜子ちゃん!?」

日菜子「日菜子もお手伝いしましょう。 むふ」

由愛 「わ、私も背景とかならお役に立てるかもしれません!」

比奈 「なんと!?」

響子 「私も張りきっちゃいます!」

比奈 「え゛、あの……休憩のおやつとかお願いしてもいいッスか?」

比奈 「いける! これだけの助っ人がいて挫けるわけにはいかないッス!」

飛鳥 「その意気だよ」

ワイワイ

芳乃 「うまくいきそうなのでしてー」

モバP「マジかよ」

芳乃 「いかがでしてー? これで信じる気になりましてー?」

モバP「う、ううむ」

TV 「ここでニュースです」

モバP「む?」

TV 「本日未明、ウサミン星からやって来た永遠の17歳でお馴染みの安部菜々さんの飲酒シーンがツイッター上に拡散されました」

TV 「生放送番組に出演中の安部菜々さんは涙目になりながら釈明をしており」

芳乃 「ほほー」

モバP「何しでかしてるあの人!?」

モバP「と大袈裟に驚いてみたけど、どうせファンも暗黙の了解だしなあ。 とりあえず本人に注意するとしてあとは」

芳乃 「どうやらそんな悠長に構えている時間はなさそうなのでしてー」

モバP「何?」

芳乃 「お告げが聞こえるのでしてー」

モバP「あのヘンテコ呪文言ったっけ?」

芳乃 「ふにふにぷにぷにふにぷにぷにふにー」

モバP「さっきと違くね!?」

芳乃 「これは発光するための動作でしてー」

モバP「要らないだろ! って眩し!?」


モバP「あ、あれ? ここは、俺の家? 事務所にいたはずなのに」

モバP「……さっきまでのは夢」

モバP「きっとそうだな。 俺の担当アイドルに発光するような子はいない」

モバP「とりあえず朝刊でも読みながら一服」



『ベソかきナナさん。ああっ、酒飲みバレたぴんち(べそかきななさんああっさけのみばれたぴんち
)』

『安部暴れ起訴なの チケ買った皆さん賛否(あべあばれきそなのちけかったみなさんさんぴ)』

モバP「ええええっ!? なんじゃこりゃ!」

芳乃 「それがこのまま彼女に対応を任せた結末なのでしてー」

モバP「芳乃!? お前何時からここに」

芳乃 「弄られ過ぎてテンパった彼女は遂に伝家の宝刀ウサミンパンチを繰り出しましてー」

芳乃 「運悪く司会者にクリーンヒット。 前歯が欠ける羽目になるのでしてー」

芳乃 「怒り狂った司会者は訴訟。 次回のライブチケットを買った人々も賛否両論真っ二つなのでしてー」

モバP「な、なんてことだ」

芳乃 「今ならまだ間に合うのでしてー。 さあ、彼女を救いに行きましょー」

モバP「な、何だ! 空間が歪んで……」

モバP「う、うわあああああ!?」


芳乃 「そなたー。 そなたー?」

モバP「……はっ!?」

芳乃 「気づきましてー?」

モバP「ああ……さっきまでのは」

芳乃 「夢ではありませぬー」

モバP「……そうか。 だったら助けてやらないとな」

芳乃 「どうするのでしてー?」

モバP「こうするんだ」ピポパ


翌日

司会者『いやあ、昨日のウサミンパンチは効きましたね』

アシ 『歯が欠けたようですが大丈夫だったんですか?』

司会者『それはもう! むしろウェルカム! もっと殴って!』

アシ 『うわあ……』


モバP「うまくいったようだな」

芳乃 「これは一体どのようなー?」

モバP「あの司会者を時子に調教してもらった」

芳乃 「なるほどー」

モバP「喜んでるんだから大丈夫」

芳乃 「でしてー」

モバP「豚風情が私を便利に使った事を後悔させてやるとか言われたけど大丈夫」

芳乃 「でしてー」

司会者『菜々様! 今日も一発キツイのお願いします!』

菜々 『菜々はそういうキャラじゃありません! 昨日の事は謝りますからその期待に満ちた目を止めてください!』

モバP「大丈夫大丈夫」

芳乃 「でしてー」


芳乃 「さてー私の力、認める気になりましてー?」

モバP「そうだな。 これは認めるしかないだろう」

芳乃 「ではではー」

モバP「ん?」

芳乃 「悩み事賜りましょー」

モバP「いや特にないけど」

芳乃 「……」ゴソゴソ

モバP「おい、そのほら貝をどうする気だ! まさか俺の耳元で……分かった分かりました! 相談事あります!」


モバP「ええっと……乃々ってすぐ逃げるじゃん?」

芳乃 「でしてー」

モバP「それでさ、あいつの好みの仕事ならひょっとしたら逃げないんじゃないかと思うんだ」

芳乃 「ほほー」

モバP「どういうのがいいと思う?」

芳乃 「直接お聞きになってみてはー?」

モバP「聞いてもむーりぃーしか返ってこないし」

芳乃 「それは聞き方に問題があるようなー。 よろしい、ではお告げを聞いてみましょうー」

芳乃 「ぴちぴちちゃぷちゃぷぴちゃぴちゃぷちぷち」

モバP「何でもありだなそれ」

芳乃 「そいやー」

モバP「ありがたやー」


『定期、森久保乃々は逃走(ていきもりくぼののはとうそう)』

『冒頭入り、即敵の物(ぼうとうはいりそくてきのもの)』


芳乃 「こんなん出ましたー」
 
モバP「即堕ちヒロインかな?」

芳乃 「これこそ彼女の天職でしてー」

モバP「うーむ? ドラマ系って事か?」

芳乃 「いえいえー。 普段のそなたたちのやり取り、思い出してみましょー」



モバP「くっくっく。 森久保ぉ! 次の仕事はこれだあ!」

乃々 「あううー。 むーりぃー」

モバP「さあこの衣装を着てもらうぞ」

乃々 「ああ、逃げられないーもう好きにしてぇ……」

モバP「くくく。 満更でもなさそうだな」

乃々 「そ、そんなはずないんですけど」

モバP「さあ、お前をオーディションに応募した親戚に今のお前の姿、見せつけてやろう」

乃々 「み、見ちゃいやあー……」



モバP「俺そんな笑い方したことないんだけど」

芳乃 「即ち―今こそ彼女の天職なのでしてー」

モバP「無視? というかこれ俺が敵役ポジションだよね、これ」

芳乃 「また一人の少女がそなたの手に堕ちたのでしてー」

モバP「風評被害やめて」


芳乃 「さあお次はー」

モバP「あ、乃々あれで終わりなんだ。 じゃあ……最近あr橘の方向性に悩んでてな」

芳乃 「ほほー」

モバP「本人はどうやらクールでかっこいい路線で行きたいようなんだが、俺はあr橘は可愛い路線の方が伸びると思うんだ」

芳乃 「ご本人様がおらぬ故ー好きに呼べばよろしいのではー?」

モバP「普段から意識してないと駄目なんだ」

芳乃 「まあいいでしょー。 それでは早速……おやー?」

モバP「携帯が鳴ってるな。 いいぞ、先に出てくれ」

芳乃 「では失礼しましてー。 もしもしー依田は芳乃でしてー」


モバP「うーん、しかしあれだな。 これでうまくいっちゃうと俺要らないような」ホホーソウダンゴトヲ

モバP「芳乃がプロデューサーを兼任すればよくね、みたいな」ナルホドナルホド

モバP「……まあいいか(思考停止)! 皆の幸せが俺の幸せだ!」イサイショウチデシテー


芳乃 「お待たせいたしましたー」

モバP「おっ、もういいのか」

芳乃 「はいー。 それでは参りますー」

芳乃 「おせんべぱりぱりおせんべぱりぱり」

モバP「何か今までと雰囲気が違うような」

芳乃 「おせんべぱりぱりー」


『画廊に橘パリ未来図を。絵がすごくうまい まゆと酔え』

モバP「あr橘に絵を?」

芳乃 「お告げによればー彼女には類まれな絵の才能が眠っているようなのでしてー」

モバP「パリの未来図を画廊に……」

芳乃 「さすればそなたの悩みに自然と答えが出るでしょー」

モバP「ホンマかいな」

モバP「それでまあそこまではいいとしても、だ。最後のはなに? まゆと酔え?」

芳乃 「はいー。 実際に画廊に飾られているのを、彼女と2人きりで見に行きその出来に酔いしれるのでしてー」

モバP「何故」

芳乃 「それが真理にたどり着く唯一絶対の道かとー」

モバP「どうにも怪しいなあ。 なにか裏があるんじゃないか?」

芳乃 「」プスープススー

モバP「口笛吹けてないぞ」

芳乃 「」ブオオオオオッ

モバP「だからってほら貝を吹くな!」

芳乃 「そう警戒なさらずにー。 絶対にそなたに悪い事は起こりませぬゆえー」

モバP「うーむ……まあとりあえずやってみるか」

芳乃 「でしてー」


まゆ 「それからどうなったかをまゆがダイジェストでお伝えしますねぇ」

まゆ 「芳乃ちゃんのお告げ通りありすちゃんは絵の才能を発揮。 彼女の描いた絵はすぐに画廊に飾られました」

まゆ 「当然プロデューサーさんはまゆと一緒に絵を見に行きました」

まゆ 「ただ、一度では結論が出なかったので何度も行くことに」

まゆ 「3回目からは同じ絵だけ見て帰るのも、ということでその足であちこち色々な場所にお出かけしました。 うふっ」

まゆ 「……ちなみにダイジェストなのは細かく描写できない大人なあれこれがあったからです♪」

モバP「ないからね!?」


モバP「とまあ今日もまゆとお出かけしてきたわけだが」

 柚 「恐いよ恐いよ……」ガクガク

モバP「これはどういうことだ」

『画廊に橘パリ未来図を。絵がすごくうまい まゆと酔え(たちばなぱりみらいずをがろうにえがすごくうまい まゆとよえ)』

『柚イチゴパスタを前に狼狽。トラウマが甦り泣く(ゆずいちごぱすたをまえにろうばいとらうまがよみがえりなく)』


モバP「何故いちごパスタが。 これは巴の力によって完全消滅したはず!」

芳乃 「お答えしましょー」ニュ

モバP「おういたのか」

芳乃 「今週のおやつ係はー?」

モバP「……まゆだったな」

芳乃 「それが不在となればー自分たちで用意しようと思考するのは当然であり―」

ありす『私に任せてください。 絵の世界を制覇した今の私に不可能はありません、論破です』

芳乃 「張り切って台所に向かわれたのでしてー」

モバP「とりあえず論破の意味タブレットで調べさせるか」


モバP「結局柚のトラウマをほじくり返しただけじゃないか。 新たな特技の発掘でプロデュースの幅は広がったけど」

芳乃 「己を慕うじぇーけーと逢引を重ねー、怯えるじぇーしーの身体を慰めという体でお触りとなればー。 至福でありましょー?」

モバP「体とか言うな。 俺を何だと思ってる」

芳乃 「実のところー今回はとあるあいどるにも相談を受けておりまして―」

モバP「そうなのか?」

芳乃 「曰く『まゆ、プロデューサーさんともっと堂々と一緒にいたいんです』だそうでー」

モバP「せっかく『とある』ってぼかしたのになあ」

芳乃 「本来そなたの相談へのお告げにー彼女の同行は無かったのですが―」

芳乃 「一気に解決するチャンスかと思いー」

モバP「思い?」

芳乃 「まあ少しくらいいいかとー」

モバP「雑!? 雑だよ芳乃さん!」

芳乃 「私も修行中の身、まだまだ未熟なのでしてー」

モバP「いやいや」


芳乃 「よもやここまで大きく運命が変わるとはー。 お詫びにこれをお渡しするのでしてー」

モバP「これは?」

芳乃 「これから私がそなたのそばに居られぬ間ーもしも何かがあった際に切り抜ける為の一言が書かれているのでしてー」

モバP「そばに居られぬってレッスン中の間って事か? そんな心配しなくても俺は今日ずっと事務所だし」

芳乃 「お守りのような物と思って頂ければー」

モバP「まあいいけど。 じゃあ貰っておく」

芳乃 「はいー。 では私は準備をして行ってまいりますー」

モバP「おう。 気をつけてな」

モバP「……それで何書いてあるんだろ」

モバP「……」

モバP「芳乃ぉ! 誰が言うかこんな事!」ビリビリ

モバP「さあ仕事するぞ仕事」

しばらくして

泰葉 「お疲れ様です……」

桃華 「お疲れ様ですの……」

 薫 「まー……」

モバP「お疲れ様……って本当にお疲れだな三人とも。 今日はレッスンだけだろう? そんなにきつかったのか」

泰葉 「そうですね。 ただ、今日はベテトレさんが」

桃華 「その、何といえばよいのか」

 薫 「せんせぇ、きょうせいけっさい?ってなに?」

モバP「あっ……(察し)」


モバP「うんお疲れ! ゆっくり休んでくれ!」

泰葉 「ふあっ~…… 気が抜けたらあくびが」

桃華 「だらしないですわよ泰葉さん……あふっ」

 薫 「ふわあ~あ」

泰葉 「それでは一旦失礼します……むにゃ」

 薫 「失礼しまー……」

桃華 「ですわ……」

モバP「……明日は休みにした方がいいかもな」

さらにしばらくして

ドカーン!!!

モバP「な、何だ!? 凄い音がしたぞ!? 場所は……仮眠室か!? 」

モバP「おい! お前ら無事か!」ガチャ

レイナサマバズーカ「誤爆やで、すまんな」

モバP「絶許」

三人「Zzz……」

モバP「三人ともこれで起きないとか相当疲れてるな……ん?」

三人 「う、うーん」

モバP「うなされ始めたぞ。 大丈夫か?」

泰葉 「テーマパークに……もう一人の私が! あなたなんか私じゃない!」

桃華 「この籠に閉じ込められてどれほどの経ったのでしょう。 ああ、きっとこの世界に救いなどありはしないのですね!」

 薫 「薫はけいさつかんだもん! 悪い人は取り締まりまー……ああ、待って許してください!」

モバP「お前らどんな夢みてるんだよ!」


モバP「ちょっ、おい暴れるな! ベッドから落っこちるから! 服もどんどんはだけてるから!」

泰葉 「……ん、あれ? Pさん?……!!??」

モバP「あ、泰葉起きたのか。ちょうどよかっt」

泰葉 「あの、何してるんでしょうか」

モバP「何そんな怖い顔してるんだ」

泰葉 「むしろ何でそんな涼しい顔をしていられるんでしょうか」

モバP「え」

そこには
ベッドの上で服がはだけまくった少女達に覆いかぶさり息を荒げるPヘッドを被った男がいた
というか俺だった

泰葉 「まさかこんな事をするなんて」

モバP「やべえどうしよう。 夢見が悪かったのか完全に初期泰葉の目に戻ってる」


泰葉 「とりあえず警察に」

モバP「! ま、待て! ちょっとでいい! ちょっと話を聞いてくれ!」

泰葉 「……いいでしょう。 2人の服を整え終わるまで待ってあげます」

モバP(どうする、何を言う? 最初の一言だ。 これを誤れば俺達の関係は決定的に終わってしまう!)

泰葉 「桃華ちゃんはこれでよしっと。 あとは薫ちゃんだけですよ?」

モバP「えーと……はっ!?」

泰葉 「?」

モバP(まさか、ここか? ここであのセリフを使うのか? いやしかし)

泰葉 「はい、おしまいです。 もういいですか?」

モバP「うっ……もうやけだ! いいか、よく聞いてくれ!」

泰葉 「は、はい!?」


『岡崎泰葉ら疲れ気味あくび連発で気だるげ(おかざきやすはらつかれぎみあくびれんぱつでけだるげ)』

『俺はあれだ。過激パンツ見る役ですから。ギザ美けつ(おれはあれだかげきぱんつみるやくですからぎざびけつ)』


泰葉 「……」

モバP「あああ! 何を言ってるんだ俺は!」

泰葉 「そうですか、そういう役だったんですね」

モバP「え、泰葉?」

泰葉 「お仕事なら仕方ありませんね、納得です」

モバP「納得するの!?」

泰葉 「違うんですか?」

モバP「え、いや、そうダヨ?仕事仕事」

泰葉 「じゃあいいじゃないですか。お仕事お疲れ様です。 私はもうひと眠りしますね」

モバP「あ、うん。 お休み」

泰葉 「おやすみなさい」


モバP「ということがあったんだ」

モバP「ちなみに泰葉は起きたら綺麗さっぱり忘れていた」

芳乃 「お役に立てたようでなによりでしてー」

モバP「出来ればあのハプニングそのものを回避したかったが」

芳乃 「余りに運命に干渉してしまうとー私には制御出来なくなってしまうのでー」

モバP「そういうもんか。 じゃあ仕方ないか」

芳乃 「それにー若い女子とくんずほぐれつー。 良い保養になったのでしてー?」

モバP「寿命が縮んだだけなんだよなあ。 というかお前さんの俺の評価おかしくない?」

芳乃 「気のせいでありましょー」

モバP「そうかなあ」


???「あ、あの」

モバP「ん? 智絵里か?」

智絵里「は、はい! 智将、絵を里にわすれるで覚えてください! 智絵里です!」

モバP「何だそのよく分からんキャッチフレーズ」

芳乃 「ファンレターに誤字が多いのを微妙に気にしているようでしてー」

モバP「ああ、そういう」

智絵里「だ、駄目、でしょうか」

モバP「うん。 まあ、もうちょっと一緒に考えてみようか」

智絵里「プロデューサーさんと一緒に!? ずっと一緒にですか!?」

モバP「いやずっとってわけには」

智絵里「」グッ

芳乃 「」グッ

モバP「もしもし? 聞いてる?」


智絵里「あ、あの! それからもう一つ、いいですか!」

モバP「どんとこい」

智絵里「今度の、地方ライブの事なんですけど」

モバP「うん。『大天使チエリエル、地方都市に降臨』って宣伝してるあれね」

智絵里「やっぱり不安で。 プロデューサーさんにも一緒に来て欲しい、です」

モバP「うーん。 俺も本当は一緒に行きたいんだけどな。 ちょっと予定が厳しくてな」

智絵里「そ、そうですか……」

モバP「智絵里のお願いなんて珍しいから本当は聞いてあげたいんだが」

智絵里「……分かりました。 凄く心細い! し、不安でいっぱい! ですけど、一人!で頑張りますね」

モバP「え、いや……え?」

芳乃 「むーん。 私は彼女に同行した方がいいと思うのでしてー」

モバP「……それはお告げか?」


『大天使チエリエル、地方都市に降臨(だいてんしちえりえるちほうとしにこうりん)』

『ダニエルと援交してリンチ 七里包囲(だにえるとえんこうしてりんちしちりほうい)』 


モバP「誰だよダニエルぶち転がすぞ!」

モバP「というかこんなの流石にありえんだろ!」

芳乃 「残念ながらお告げは絶対なのでしてー。 そなたも身をもって味わったはずですがー」

智絵里「そ、そんなどうしよう。 私恐いです」

モバP「ぐぬぬ……こ、これを回避するにはライブ中止しかないのか!」

芳乃 「いいえー。 そなたが同行しー、しっかり守れば大丈夫なのでしてー」

モバP「何!? 俺が付いていけばいいんだな!」

芳乃 「でしてー」

モバP「…… あれとこれとそれを繰り上げて終わらせれば何とかなるか。 よし智絵里、一緒に行くぞ!」

智絵里「は、はい! よろしくお願いします!」

モバP「……あれ? なんかおかしいような」

智絵里「」グッ

芳乃 「」グッ


モバP「智絵里のフルコンボを生で堪能してきた」

芳乃 「生で堪能、でしてー?」

モバP「何で意味深風にしようとするの!? 部屋別々だからな!?」

芳乃 「別々でしてー? あー……」

モバP「しまったみたいな顔するな」


モバP「なあ芳乃。 もうすぐ月末だな」

芳乃 「でしてー」

モバP「月末俺一つ思い出したんだ、相談したい事」

芳乃 「ほほー。 伺いましょうー」

モバP「俺先月のアーニャガチャで爆死してさあ。 もうホント泣きそう、いやもう泣いた。 完全に泣いたわ」

モバP「それでな? なんかこうガチャ当たるジンクスみたいなのないかな!」

芳乃 「……はたして彼の者に私の力が通じるでしょうかー」

モバP「頼むよ。 駄目そうならしょうがないからさ」

芳乃 「そなたの頼みー無下に断るなどあり得ぬ事なのでしてー。 やってみましょー」


『ロシア娘来るも引けない爆死、血の涙(ろしあむすめくるもひけないばくしちのなみだ)』

『悪意の名、ちひろ。しばし見下す。目も向けるな(あくいのなちひろ、しばしみくだす。めもむけるな)』


モバP「駄目じゃん!? てかなにこれ!?」

???「プロデューサーさん」ポンポン

モバP「ん?」

ちひろ「……」

モバP「いい!? ちひろさん!?」

ちひろ「ああこっち向かないでくださいね。 貴方の顔なんて見たくないので」

モバP「か、体の震えが止まらん!? なんだこれ!」

ちひろ「こんな手を使ってまで当てようだなんて。 あなたのような方はさっさと処分して……む?」ググ

芳乃 「……」

ちひろ「なるほど。 見下し目を向けるなと罵る以外の事をこうして封じた、というわけですか。 やってくれますね」

芳乃 「これは安易に禁忌の地に招き入れてしまった私の責ー。 なれば全力をとして守るのでしてー」

ちひろ「ふふっ、面白いですね。 いいですよ、遊んであげましょう」

芳乃 「……!」


こうして彼女たちの人知を超えた戦いが始まった

モバP「おい」

この戦いについて記す日がくるかもしれない

モバP「こら」

いつか来るその日まで、戦士たちよ、安らかに

モバP「投げっぱなしエンド止めろ!」

完!

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