皐月「流子があまり姉さんと言ってくれない」 (31)

皐月「生命繊維から解き放たれた今、流子もまた旅立ちの時」

皐月「この鬼龍院皐月。悲しくなど無い」ウルッ

蟇郡「おのれ纏……」ギリッ

蟇郡「皐月様を泣かせるなど言語道断!姉妹の風上にも置けぬ愚行ぅぅ!!」

皐月「泣いてなどいない」ウルッ

蟇郡「泣かせていないなど言語道断!姉妹たるもの感動を共有して然るべきぃぃ!!」

犬牟田「どっちなんだよ」

蟇郡「おのれ纒ぃ……」ギリッ

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皐月「悪いのは姉妹離れできぬこの私だ。寂しくなど無い」ウルッ

蟇郡「いいえ皐月様!姉妹とは即ち家族であると言うことに他なりませぬ!」

蟇郡「離れる必要など無いのです!この蟇郡苛!全ては皐月様の幸せのために!」

蟇郡「いざぁぁぁ纏ぃぃぃ!!!皐月様の御膳へ引きずってでもぉぉ!!!」ドスンドスン

犬牟田「……良いのか猿投山?蛇崩?手柄を独り占めさせちゃって」

猿投山「ああ……なんか今、光になれそうな気が……」

乃音「まぁ~寂しくて涙目の皐月ちゃん可愛い~」ボタボタ

皐月「寂しくなどない」ウルッ

乃音「あ゛ぁ~~きゃ~わ~い~いぃ~~。犬君も撮影しなさ゛い゛!!!」ハァハァ

犬牟田「……平和ボケだぁね」●REC


――
―――

流子「マコー? どこだマコー?」

マコ「ここだよーりゅーこちゃーん!ここにいるよー!」

流子「あ?」クルッ

蟇郡「久しぶりだな纒流子」

マコ「人質だよー!マコ、久々の仕事が人質だよー!助けてー」

流子「あっ、てめっ!皐月の手下のゴリラ!」

蟇郡「ゴリラではない。蟇郡苛だ」

流子「似たよーなもんだろ」

マコ「ゴリゴーリゴリ?」

蟇郡「蟇郡苛だ。人質らしく大人しくしていろ満艦飾」

マコ「はーい!なんだかよくわからないけど人質はまかせてよー!」

流子「いいからマコを離せ。争う気はねぇがそっちがその気なら容赦しねぇからな」

蟇郡「無論、俺とて争うつもりはない」

流子「じゃあなんで……」ギリッ

蟇郡「時に纏、貴様は皐月様と最近どうなんだ?」

流子「はぁ? 皐月は関係ねぇだろ?」

マコ「あ!流子ちゃん!また皐月様のこと呼び捨てにしてるー!」

マコ「ダメだよ流子ちゃん! ちゃんとお姉ちゃんはお姉ちゃんって呼ばなきゃダメ!」

流子「な、なんでだよ。呼び捨てで呼ぶ家だってあるだろ!」

マコ「駄目だよ流子ちゃん!流子ちゃんがちゃんとお姉ちゃんって言う妹になるまで私、人質やめないから!」

流子「はぁ!?」

蟇郡「流石は満艦飾だ。何も話さずともこちらの意図を汲み、話を急速に進展させるとは……」

マコ「え?」

蟇郡「お、おう……」

流子「マコが何か考えてるわけ無いだろ」

蟇郡「す、すまん……」

マコ「あ、そうだ先輩先輩。そもそも何で私は人質に?」ゴニョゴニョ

蟇郡「うむ。訳あって皐月様と纏を会わせたいのだが……」ゴニョゴニョ

マコ「なるほどー。わかりましたー!」ゴニョゴニョ

流子「おい!そこ!いちゃいちゃすんな!」

蟇郡「いちゃいちゃなどしておらん!!」クワッ

流子「あーはいはい。ごちそうさん」

蟇郡「いちゃいちゃなどしておらんからな!!」クワッ

流子「はいはい」

流子「ったく……」ヤレヤレ

流子「おーいマコ。さっさと人質なんかやめて戻ってこーい」

マコ「あ、りゅーこちゃーん! 私、皐月様のとこに行かなきゃだからりゅーこちゃんも来てねー!」ピュー

蟇郡「んなっ!?」

流子「人質だろ!? 逃げたぞ!? 良いのかそんなんで!?」

蟇郡「……」

蟇郡「う、うむ……まぁ良しとしよう……」

流子「良いのか!?」

流子「人質って言ったからには何かの取引だと思ったがよ」

流子「……はぁ。なんだかよくわからねぇな」

流子「……とりあえずマコは返して貰うからな!」

蟇郡「う、うむ。 皐月様のところまで案内しよう」

流子「気が利くじゃねぇか。 さっさと案内して貰おうか」キッ

蟇郡(満艦飾のことになると流石にアタリが強いな。いかん気分が高揚してきた)

蟇郡「纏、満艦飾に手荒なことをしてすまなかったな」

流子「……全くだっての!」

蟇郡「ふぅ……こっちだ。ついてこい」

―――
――

蟇郡「皐月様ぁぁぁぁ!!!纏を連れて参りましたぁぁぁ!!!」

流子「よ、よう」

皐月「流子か……よく来たな」キリッ

流子「お、お前んとこにマコが来てると思うんだが……」

皐月「なに? 満艦飾が?」

流子「え? 来てないのか?」

蟇郡「そういえば……」

蟇郡「皐月様がどこに居られるのか満艦飾は知らぬのでは……?」

流子「はぁ!?」

蟇郡「この蟇郡苛!!不覚ッッ!!!」

蟇郡「皐月様!!満艦飾の捜索をこの蟇郡めにご命じください!!!」

皐月「……蟇郡。もう好きにして良いのだぞ」

皐月「私に仕える必要も、お前を縛る鎖ももう無いのだ。 私をお前を縛る鎖にしてくれるなよ?」

蟇郡「皐月様ッ……!! この蟇郡苛!己の意思で満艦飾を捜索して参ります!」

皐月「うむ。車には気を付けてな」

蟇郡「ありがたきお言葉ぁぁぁ!!!」ピュー

流子「行っちまった……。 忙しい奴だなな……」

流子「……」

皐月「……」

流子「……今日は他の奴等はいないんだな」

皐月「先ほどまでいたのだがな。気を利かせて席を外してくれたよ」

流子「へ、へぇ……」

皐月「せっかく来たんだ。茶でも飲んでいくと良い」

流子「き、今日は用事が……」

皐月「そうか……」ウルッ

流子「無かったんだった! お茶が飲みたくて仕方ねぇや!」

皐月「そうか……!」キリッ

皐月「揃! 揃! 紅茶を煎れてくれないか!」

流子(くっそ可愛いんだけど)

皐月「揃の紅茶は本当に美味しいだろう?」

流子「なんつーか……上品な気がするな?」

皐月「ふふっ。流子はそれで良い」クスッ

流子「あ!馬鹿にしたな! どうせあたしゃー舌の肥えてない娘ですよ!」

皐月「なら肥えてない舌にこれはどうかな?」

流子「なんだこれ? 固い豆腐か?」

皐月「スコーンだ」

流子「へぇ……なんだかよくわからんけど洒落たもん置いてんだな」

皐月「蟇郡が流子を連れてくると言ったんでな」

皐月「私が焼いてみたんだ」

流子「そりゃすげぇな」

流子「……食べて良いのか?」

皐月「もちろん」

流子「どれどれ……」モグモグ

流子「!」

流子「こりゃうめぇ!」モグモグ

皐月「それは良かった」

流子「これが食えりゃあ舌も肥えるってもんだぜ!」

皐月「ふふっ。それは良かった」

―――
――


流子「いやー食った食った」

皐月「お粗末様」

流子「……あ! もしかして皐月のぶんも食っちまったか?」

皐月「私のぶんは気にしなくて良いさ」

皐月「可愛い妹に食べて貰いたくて作ったんだ」

皐月「妹のために……」チラッ

流子「ぅ……」

流子「あ、ありがとな。……皐月」

皐月「……皐月、か」ウルッ

流子「あ! いや、その……なんだ……」

流子「……」

流子「あー! こっぱずかしいからあんまり言いたくないんだけどな!」

皐月「言いたくないのか……」ウルッ

流子「言いたい!凄く言いたいんだけど……恥ずかしいだろ!?」

皐月「私は流子にとって恥ずべき姉であったのか……」ウルッ

流子「ちがう!ちがうって!」

流子「あー……。照れちまうから二人っきりの時しか言わないからな!」

流子「よく聞いておけよ!」

皐月「わかった。……そう言うことならその前に……」

―――
――


蟇郡「満艦飾ぅぅ!!!!どこだぁぁぁぁ!!!」

マコ「あ!先輩!ここだよー!ここにいるよー!」

蟇郡「む!なんだ皆揃い踏みではないか!」

犬牟田「静かに蟇郡!今、良いところなんだ」

乃音「皐月様がついに……!」ハァハァ

蟇郡「き、貴様等……!隠し撮りとは卑劣な!」

犬牟田「人聞きが悪いなぁ。これは防犯用だよ防犯用。たまたま映っちゃってるだけさ」

乃音「そ゛う゛よ゛!」ハァハァ

マコ「流子ちゃん言えるかなぁ」ワクワク

蟇郡「満艦飾まで……!」

犬牟田「!」

犬牟田「キター!纏が言うぞ!録画ぁぁぁぁ!!!」カタカタカタカタ

蟇郡「なにぃ!?」

乃音「なんだかんだ見てるじゃないのよ」

マコ「蟇郡先輩も気になってるんだねー」

蟇郡「ぐ、ぐっ……!」

流子『よく聞いておけよ!』

一同「「「「「……!」」」」」ゴクリ

皐月『わかった。……そう言うことならその前に……』

犬牟田「!?」

犬牟田「ば、馬鹿な!? 皐月様が偽装を施したカメラに向かって来ている!?」

蟇郡「やはり防犯用じゃなかったようだな」

流子『な、なにやってんだよ?』

皐月『いや……気にするな……』プツン

犬牟田「ああああああああ!!!!電源切られたぁぁぁぁぁ!!!!」

乃音「非常電源は!?な゛い゛の゛!?」

犬牟田「無い!!!!」

蟇郡「遠隔操作は無いのか!?」

犬牟田「無い!!!!」

猿投山「俺が光になればいけそうか!?」

犬牟田「いたのか猿投山」

マコ「あー!映像戻りましたよー!」

一同「「「「なにぃ!?」」」」

流子『はぁ……はぁ……言ってやったぜ……』

皐月『……四天王の皆』

皐月『私のために奔走してくれたこと、感謝する』

皐月『……ありがとう』

流子『な、なにボソボソ言ってんだよ……』

皐月『ふっ……なんでもないさ』

蟇郡「皐月様……!肝心な所は見逃したがそんなことはどうでも良いぃ!!!」

乃音「私たち生徒会四天王は……!」

犬牟田「ずっと皐月様についていきます……!」

猿投山「皐月様を照らし続ける、光になれぇぇぇ!!!!!!!!!」

マコ「良かったね流子ちゃん!」

マコ「肝心な所は見れなかったけど、姉妹なんだから二人っきりの秘密があっても良いよね!」

―――
――


流子「な、なにやってんだよ?」

皐月「いや……気にするな……」プツン

流子「?」

皐月「もう大丈夫だ」

流子「そ、そうか……その、なんだ……」





流子「スコーン美味かったよ。 ありがと……姉さん」テレテレ

皐月「ふふっ。どう致しまして……流子」


終わり

なんとなく平和なキルラキルが書きたくなったんです
依頼だしてきます

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