客「もう夏だし、短くしてもらえると嬉しいかなぁ」

床屋「ふむふむ、短く」

客「だけど、あんまり短くしてもらっても困るかなぁ」

床屋「ふむふむ、困ると」

床屋「じゃ、だいたい３ｃｍぐらい残す感じでいいですかね？」

客「うーん、３ｃｍかぁ……」

客「３．１ｃｍにしてくれない？」

床屋「３．１ｃｍですねー」

客「でもって、ジャニーズっぽくして欲しいんだよね」

床屋「ジャニーズですか」

客「やっぱり若い子にモテたいしね」

床屋「同感です」

客「んでもって、側面はね、刈り上げて欲しいんだよね」

床屋「ほうほう」

客「アメリカの家の芝生みたいな感じにして欲しい」

床屋「アメリカの芝生、と」

客「頭頂部は重いのイヤだから、バッサリいって欲しい」

床屋「バッサリと」

客「だけどボリュームは残す感じでお願い」

床屋「ボリュームは残す、と」

床屋「前髪はいかがいたしましょう」

客「んー……そうねえ」

客「チョイチョイっと頼むわ」

床屋「チョイチョイっとですね」

客「あ、やっぱりチョチョイチョチョチョイで」

床屋「チョチョイチョチョチョイね」

客「いやチョイチョチョチョイチョッチョイチョイッチョで」

床屋「チョイチョチョチョイチョッチョイチョイッチョね」

床屋「さて、後ろはどうしましょう？」

客「襟足をちょっと残して……」

床屋「残して……」

客「襟足じゃなく襟手、みたいなニュアンスにしてちょうだい」

客「で、全体から漂う雰囲気はダンディになるようお願い」

床屋「はい、ダンディね」

客「んじゃ、よろしく！」

床屋「はい！」