片桐早苗「しんどいわ…」(30)

片桐早苗「早苗と!」川島瑞樹「瑞樹の!」

服部瞳子「今度は逃げない」 姫川友紀「あたしだって!」

の二つを読んでいただくと話が理解しやすいです

-朝、事務所-

P「ふぁ~…」スタスタ…

P「休日出勤も楽じゃないな…頑張ろう」

ガチャ!

P「おはようございま~す…って誰もいないよな、あはは…は、は?」

早苗「」

瑞樹「」

瞳子「」

友紀「」

P「え?事件?…お、お巡りさ~ん!あ、お巡りさんも倒れてる!!」

――
―――
――――

P「おはようございます」

瑞樹「あ~…」ゴシゴシ

瞳子「…」ボー…

友紀「ねむい…」ウトウト

早苗「しんどいわ…」

P「何してたんですかこんな時間まで…」

早苗「飲んでたのよ…このメンツで、4時ぐらいまで」

P「だから酒瓶が転がってるんですね…あ、ビールの空き缶もこんなに…」

P「事務所を使うのは構いませんがお酒を飲むときは量を考えて飲んでください」

瑞樹「ついつい盛り上がってしまったのよ…どうせ全員オフだと思ってたから」

瞳子「…」ボー…

友紀「…」コックリコックリ

P「この二人はまだ放心状態か…無理すんな、寝ても良いぞ」

瞳子「そうさせてもらうわ…」パタッ

友紀「ありがとー…おやすみ…」パタッ

早苗「ふぁぁぁ~…」カシュッ!

P「見落としそうなノリでビールを開けないでください!」

早苗「いや~頭痛くて…迎え酒しようかな、と」

P「ダメです。はい、これは没収します」

早苗「あぁん!いけずぅ~!」

瑞樹「このタイミングでよく許されると思ったわね…その自由さには憧れるわ」

P「川島さんも…非常に言いにくいのですが…」

瑞樹「…?私、なにかした?」

P「あの…さっき起き抜けに目を擦ってたせいで…メイクが…」ボソボソ

瑞樹「…」

瑞樹「…?!お、お手洗い借りるわね!」ダダダダダッ!

ガチャ、バタン!

早苗「…ぶっ!見た?!あの目元…妖怪みたいだったわ!!おっかし~!」ゲラゲラ

P「自由なのは結構ですが早苗さんはもう少し言葉を選んでください」

――
―――
――――

-しばらくして、談話コーナー-

TV<本日は天気も良く、絶好のお出かけ日和です

早苗「お出かけ日和か…煩わしい太陽ね」

瑞樹「あら…神崎さん、だっけ?なかなか前衛的よね、彼女」

早苗「中二病ってやつじゃないの?」

瑞樹「それ以上いけないわ、早苗ちゃん」

スタスタスタ…

P「はい、お茶です。少し濃い目に淹れてあるので」トンッ

早苗「お~ごくろうごくろう!」グビッ

瑞樹「別にP君がしなくても自分でやったのに…ありがとう」ズズズ…

早苗「あぁぁ~、染みるわ~」

瑞樹「…ちひろちゃんは?」

P「今日はお休みです。…皆さんも休日なんだからわざわざ事務所にいなくても…」

早苗「P君お休みなのに出てきたの?」グビグビ

早苗「あぁ~…渋ーい」

P「明日までに仕上げないといけない書類があったので…もう印刷してまとめるだけですけど」

瑞樹「真面目ねぇ~、感心するわ」

P「皆さんの活動のためですから」

早苗「…なんか朝までドンチャンやってて申し訳なくなるわね」

P「いえいえ、俺も好きでやってますので。限度を守れば皆さんも好きなようにやっていただいて結構です」

瑞樹「…ちなみに今回の件はP君の限度的にどうなの?」

P「…」ニコニコ

早苗・瑞樹「以降気を付けます…」

――
―――
――――

-1時間後-

瞳子「…」フラフラ…

瑞樹「あら、起きたの」

瞳子「おはようございます…」

早苗「もうおはよう、って時間でもないわよ」パリパリ

瞳子「…何を食べてるんですか?」

早苗「せんべ~い。…食べる?」ヒョイ

瞳子「いいえ…今は食欲が…」

瑞樹「お茶でも淹れましょうか。その前に顔、洗って来たら?」

瞳子「すみません…そうさせてもらいます…」フラフラ…

早苗「…意外とお酒弱いのね。あの子」

瑞樹「皆があなた基準だと思わないことね」コポポポ…

早苗「あの野球女は?」

瑞樹「いないところで悪口言うのやめなさい」

早苗「事実を述べたまでよ…友紀ちゃんは起きてこないわね…」パリパリ

瑞樹「あの子は別よ、アレは飲みすぎ」

早苗「ビール、あんた何本飲んだ?」

瑞樹「1本空けてからワイン飲んでたわ」

早苗「瞳子ちゃんは?」

瑞樹「最初からチューハイ1本空けて後は私とワイン」

早苗「で、私は3本飲んで日本酒…」チラッ

早苗「1、2、3、4…」ガラガラ…

瑞樹「何本ある?」

早苗「…11本」

瑞樹「…」

早苗「…」

瑞樹「そりゃあ…P君も怒るわよね」

早苗「…わかるわ」

瑞樹「こっちのセリフよ」

スタスタスタ…

瞳子「はぁ…」

早苗「おかえり~、P君に会った?」

瞳子「ええ…行き過ぎた事はするな、って…人に怒られたの何年振りかしら…」

瑞樹「28で怒られる人もいるのよ。落ち込むことはないわ…はい、お茶」トンッ

瞳子「あ、すみません…頂きます」チビチビ…

瞳子「…ほっ」

瑞樹「…」ジィー…

瞳子「…?な、何か私の顔に付いてますか?」ペタペタ

瑞樹「いいわね、その感じ。気に入ったわ」

早苗「瑞樹ちゃん…あんたまさか…」ガタッ!

瞳子「は、はぁ…なんですか?二人とも…」

瑞樹「察しがいいわね、早苗ちゃん。どう思う?」

早苗「この子が入ってきたときから私も常々思ってたわ…!」スッ…

瑞樹「流石ね…!この雰囲気…この感覚!…わかるわ!」ガシッ!

瞳子「???」

早苗「さぁさぁ瞳子ちゃん、こっちへいらっしゃい…」グイグイ

瑞樹「悪いようにはしないわ…さぁさぁ!」グイグイ

瞳子「ま、待って…!何ですか?!だ、誰か助けて…!」ズルズル…

――
―――
――――

友紀「あ~~!よく寝た!」スッキリ

P「飲み過ぎなんだよ、もっと節度を持って…」

友紀「はいは~い!気を付けて飲みま~す!」

P「ったく、本当に分かってるのか?」

友紀「分かってるよ!…ん?」

P「あん?…談話コーナーが騒がしいな」

友紀「3人で何盛り上がってるんだろ?」チラッ

P「嫌な予感が…」チラッ

早苗「早苗と!」キャピ!

瑞樹「瑞樹!」キャルン!

瞳子「あ~んど瞳子の!」キュワァーン!

3人「プリティー☆ダイナマァ~イツ!リ・バース!!」

\コンボラ!ドッカーン☆/





友紀「」

P「はぁ~…またか…」

早苗「見込み通りよ!瞳子ちゃん!」

瑞樹「本当ね!私達の目に狂いは無かったわ!」

瞳子「ウフフ!こんな気持ち忘れてた…!これこそアイドルよ!気持ちが軽い…!!」

友紀「」

P「もう少し寝とけ、友紀。…さて」

――
―――
――――

P「で、何をやってたんです?」

早苗「新しいユニットを…」

瑞樹「イケると思ったのよ…」

瞳子「柄にもなくハシャいじゃったわ…」

P「前回も言ったハズですが…やります?レッスン」

P「勿論やるからには全力でプロデュースさせてもらいます…しかし昨日の件もありますので」

P「そうですね、3倍とは言わず…5倍ほど」

早苗「そんなご無体な!」

瑞樹「ちょ~っとでいいのよ!おまけでね!」

瞳子「え?正式デビューをお願いするって…それに5倍って何…モガモガ」

早苗「あ、アハハ!この子まだ入ったばかりだからよく分かってないみたいで!」グイッ!

瑞樹「ほ、ほんのお遊びよ!たまには良いじゃない?!」

P「…分かりました。考えておきます」

P「しかしこの3人組というのは素晴らしい発想ですね」

早苗「ん?」

瑞樹「へ?」

P「先程の路線でデビュー、ではなく普段のお二人に瞳子を加えてはどうでしょう?」

P「勿論路線は大人路線で行かせて貰いますが…例のようにたまに、路線変更といった感じで」

早苗「…それでいいんじゃない?」

瑞樹「それね!それがいいわ!」

P「だ、そうだ。どうだ?瞳子…いい加減事務所のお茶汲みにもうんざりしてきただろ?」

瞳子「え、えぇ…いいんじゃないかしら…」

P「よっし、決まりだな!では次のLIVEからの新メンバーということで」

P「俺は新曲の発注と既存曲のパート編成を考えてくるので!来月のLIVEに向けて調整お願いしますね!」ダダダダッ!

早苗「…また良いように撒かれちゃったわね」

瑞樹「いいじゃない、おかげで新しいメンバーも加入したし」

瞳子「強引なとこも変わらないわね…」

瑞樹「…あら丁度お昼ね。ランチ、行く?」

早苗「いいわね~お腹空いてきたとこよ!…ちなみにお酒は?」

瑞樹「今朝怒られたばっかりじゃない。自重しなさい」

早苗「は~い…瞳子ちゃんも行くわよね?!」

瞳子「ウフフ…はい、是非」

瑞樹「パスタとか、どうかしら?行ってみたい所があるんだけど」

早苗「パスタ!大人のお姉さん、て感じね!さんせ~い!」

瞳子「いいですね、行ってみましょう」クスクス

瑞樹「それじゃあ決まりね。友紀ちゃんも行くかしら?」

早苗「まだ寝てるんじゃないの?寝かせといてあげなさいよ」

瑞樹「それもそうね、それじゃ、新しいユニットの誕生祝いでもしましょうか」

早苗「イェーイ!いってみよー!」

瞳子「…ウフフ」ニコニコ

瞳子(いよいよデビュー、ね…)

瞳子(早苗さんも瑞樹さんも、とても良い人達…)

瞳子(私の為にも、この人達の為にも私は負けない…!)

瞳子(…でも今回は早苗さん達の好意に免じて、譲ってあげるわ…友紀ちゃん)

早苗「ほら~!行くわよ、瞳子ちゃん!お店閉まっちゃうわ!」

瑞樹「まだ正午回ったばかりじゃない。気が早いわねぇ…行きましょ?瞳子ちゃん」

瞳子「えぇ…よろしくお願いします、お二人共」ニコッ

――
―――
――――

―しばらくして、事務所―

友紀「なんかすっごい夢を見た気がする…」

P「起きたか。調子はどうだ?」

友紀「ん~…スッキリスッキリ!…お腹減ったなぁ」グゥゥゥ

P「お?…もう昼か。昼飯食いに行くか?」

友紀「いいね!あれ、他の3人は?」

P「三人で食べに行ったよ…お前起こすのも忍びないとさ」

友紀「プロデューサーは行かなかったの?」

P「お前が眠りこけてるのに置いて行けないだろ。新しい仕事も入ったしな」

友紀「あ…そ、そう?ふ~ん…そっか!」ニコニコ

P「なんだよ、急に元気になって。…あー本格的に腹減ってきたな~ラーメン食いに行くか?」

友紀「いいね!ラーメンとビール!餃子も頼んで良い?」

P「ビールは控えなさい。餃子は頼んで良いから」

友紀「仕方ないなぁ…まま、いこーよ!早く!」

P「お前はどこから目線なんだ…え~事務所の鍵と、車の鍵と…財布か。携帯も持ったな!よし、行くぞー」

友紀「オッケー!あたし助手席ね!」

P「二人しか居ないんだから好きにしろ。何食うかな~」

友紀「そりゃ豚骨でしょ」

P「なに?この九州人め。迷ったら醤油と相場が決まってるんだよ」

友紀「なにを~!九州をバカにしたな~!」ゲシゲシ

P「肘で脇を突付くな!くすぐったい!」

\アハハハ…/

おわり

終わりです。ありがとうございました。

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