五十嵐響子「大掃除!しましょう!」(26)

-事務所ー

P「ん~…」

P「…」カリカリ…

P「…あ、間違えた。」

P「消しゴム、消しゴム…」ゴソゴソ

P「…」ケシケシ…パッパッ

ポロポロ…

P「ふむ…」カリカリ…





響子「…」

TV<ナンデヤネン!\ドッ!/

友紀「ハハハ…」パリパリ

早苗「アハハハ!…友紀ちゃ~ん、お姉さんにもポテチちょーだぁい」

友紀「んー、どーぞー」ヒョイ

早苗「サンキュー♪」パリパリ

ポロポロ…

瑞樹「はしたないわよ、早苗ちゃん。ソファに寝転がって食べないの」

早苗「だぁって~この方が楽なんだもん」パリパリ

瑞樹「ほら、食べカスが落ちてるじゃない、やぁねもう」





響子「…」

ガチャ!

仁奈「ただいま帰りやがりました~」

菜々「お疲れ様で~す、収録終わりました~!」

P「おぅ、お帰り…仁奈ちゃんえらく汚れてるな」

菜々「着ぐるみを着たままクイズ外しちゃって…」

菜々「泥にボチャン、と…」

仁奈「おしりが冷てーです!」

P「おいおい、着替えてこなかったのか?」

菜々「お気に入りみたいで…脱いでくれないんです…」

仁奈「菜々おねーさんも泥だらけになりやがりましたね!」

P「あぁ…だからジャージ着てるの…君」

菜々「菜々も気に入ってたのに…あの衣装」

仁奈『ほげっ!こ、腰が…』ピクピク

菜々「やめて!その時の菜々の気持ちにならないで~!!」

仁奈「お風呂に入いりてーです!」ペタペタ…

ドロドロ…

P「こら、仁奈ちゃん!泥だらけで歩き回っちゃいけません!」





響子「…」

響子「皆さん!!!」

全員「?」

響子「事務所を汚しすぎです!…今日はちひろさんもいないのに、みんな汚してばっかり!」プンプン!

P「そう言えば…」キョロキョロ

ゴチャ~…

P「これはひどい」

響子「お部屋の乱れは心の乱れです!こんな散らかった事務所じゃお仕事も上手くいきませんよ!」

早苗「そんな大袈裟な…」

響子「…」ジロッ

早苗「」

響子「とにかく!ちひろさんが帰ってくるまでに...」

響子「大掃除!しましょう!」

――
―――
――――

響子「皆さん!準備はできましたか?」

全員「は~い…」

響子「返事が!小さいですよ!」

全員「はい!」

早苗「な、なんかキャラがおかしくない?響子ちゃん」

友紀「家事に関しては人が変わるから…あの子」

瑞樹「なんで私まで…わからないわ」

菜々「お掃除なら得意ですよ!メイドさんだった経験を活かします!」

仁奈「おそーじですね!ピッカピッカにしてやるです!」

P「…で俺達はどうすれば?」

響子「Pさんは他の方が箒で掃いた後にこの掃除機をかけてください」ゴロゴロ…

P「これ…清掃の人達が使うデカイやつじゃ…お、重いな」

響子「家庭用の掃除機は事務所にありませんから。大きなゴミは吸い込むと詰まりの原因になってしまうのでちゃんと拾って下さいね」

P「は、はい」

響子「友紀さんと早苗さんはテレビ周辺の掃き掃除とソファのクリーニングを」

友紀「は~い」

早苗「りょ~か~い」

響子「事務所のソファは布なのでシミになってる部分は洗剤を含ませた布で叩くように落とし、そのあと水を含んだ布で同じように叩いて拭きます」

早苗「ふむふむ」

響子「拭いた後は必ず乾かして下さいね!新たなシミになってしまいますから」

友紀「流石響子ちゃん、詳しいね!」

響子「クッション部分の奥に挟まってるゴミもちゃんと取って下さいね!」

早苗「は~い。それじゃ、取り掛かりましょっ」

響子「仁奈ちゃんと菜々さん、そして川島さんはデスク周りの掃き掃除と先程の泥を落として下さい!」

菜々「はい!お掃除はメイドさんの必須スキルですから!」

仁奈「仁奈もメイドさんの気持ちになるですよー!」

瑞樹「仕方ないわね…」

響子「デスクの下や書類棚の隙間には埃が溜まりやすいので入念にお願いします!」

響子「あ、デスクの下はコンセントなどがあるかもしれないので箒で引き抜いたりしないようにしてくださいね!」

菜々「はーい!仁奈ちゃん、瑞樹さん頑張りましょうね!」

仁奈「おー♪埃の野郎ども!待っていやがれー!」

瑞樹「やるからには全力で行くわ!」

ーー
ーーー
ーーーー

ー数十分後ー

P「…」ウィーン…

響子「Pさん!同じところばかり掛けないで下さい!こっちにも埃が残ってますよ!」

P「あ、あぁ…すまん」ウィーン…

響子「ほら、あっちにも!」

P(本当に人が変わるな…)

P(今度家事関連のTV番組でも出演させてみるか)ティン!

響子「手が止まってますよ!ボーっとしないで!」

P「は、はい…」ウィーン…

ーー
ーーー
ーーーー

菜々「よいしょっと…」フキフキ

仁奈「~♪」フキフキ

瑞樹「フン♪フフ~ン♪」サッサッサ…

響子(この人たちは大丈夫そうですね)

ビキッ!

菜々「グッ!?こ、腰が…ぶり返して…!!」ビキビキ

仁奈「あ!お馬さんの気持ちでごぜーますね!」

菜々「ち、ちがっ…四つん這いになっただけで…」

仁奈「仁奈も乗せてくだせー!」ピョン

菜々「に、仁奈ちゃん…ノウッ!それだけは…」ピクピク

\アッー!!/

瑞樹「…若いっていいわね~」

響子(ま、まぁひとまずは安心、っと…)

響子(一番問題なのは…)

――
―――
――――

友紀「よーし、バッチコーイ!」ブンッ!ブンッ!

早苗「ふっふっふ!この片桐式雑巾魔球を打てるかな?!」ガバッ!

早苗「どっせ~い!!」ビシュッ!

ギューーーン!

友紀「もらった!フルスイング箒をくらえ…」

スカッ!

友紀「…あれ?」

響子「…雑巾、捕っておきましたよ」ニコッ

友紀「」

早苗「」

響子「…なんで雑巾で野球してるんですか?お掃除は?」仁王立ち

早苗「だって…友紀ちゃんが…」正座

友紀「えぇ?!早苗さんがピッチングフォームとるから!」正座

早苗「私が悪いっての?!」ギュー!

友紀「グエッ!ぼ、暴力反対!」バシバシッ!

響子「…これは少しお掃除の『基礎』を叩き込む必要が…」ボソッ

早苗「?!お、お掃除楽しい~!今日の早苗お姉さんはとっても整理整頓したい気分よ!お、おほほほ~♪」フキフキフキ!

友紀(みっともない…)

響子「友紀さんも、暇なら教えましょうか?」ニコニコ

友紀「お、お掃除やります!やればいいんでしょ~?!」ゴシゴシ!

響子「使う前よりも美しく、お願いしますね!お掃除の基本ですよ♪」

友紀・早苗「ヒ、ヒエェェ~…」

-更に一時間後-

響子「皆さんお疲れ様でした!」

P「う、腕が…いたた、筋肉痛だ…」

菜々「な、なんとか…腰も良くなってきた…」

仁奈「仁奈、がんばったですよ~!」フンス!

瑞樹「えらいわね、仁奈ちゃん」ナデナデ

友紀「」

早苗「」

P「なんか二人ほど返事のない人がいるが…」キョロキョロ

ピッカピカー!

P「見ちがえるほど綺麗になったな。確かにこれなら仕事のモチベーションも上がりそうだ」

響子「ですよね♪でも、本当は普段からこの状態を心掛けるのが一番なんですよ!」

P「おみそれしました、響子さん」ハハハ…

響子「…Pさん」

P「…ん?どうした」

響子「いつもはちひろさんと二人でお掃除してるんですけど…今日はちひろさんがいなくて一人でお掃除大変だな、って思ってました」

響子「それに皆いっぱい散らかすからちょっとイライラしちゃって…」シュン

P「ぐっ…言葉もありません…」

響子「それで…ちょっと大変さを分かってもらおうかな、ってイジワルしちゃいました。ごめんなさい」ペコッ

P「…そうか」

P「ん~まぁ、なんだ…当たり前だと思ってたことが本当はこんなに大変だったんだ、って思い知ったよ」

P「いつもありがとな、響子」

響子「…!はい!感謝されるのってすごくうれしいことですよね♪これからも頑張ります!」

P「事務所の掃除には大変助かっているんだが…アイドルのほうも頑張ってくれよ?」

響子「もちろんです!お仕事も、お掃除も!心を込めてやります♪」

P「よ~し!じゃあ皆頑張ったことだし、ささっと仕事終わらせて飯でも食いに行くか~!」

菜々「いいですねぇ!行きましょう!」

仁奈「ハンバーグ!仁奈ハンバーグくいてーです!」

瑞樹「P君気前がいいのね~♪お言葉に甘えようかしら」

友紀「やったー!ビール飲むぞー!!」ケロッ

早苗「労働の後のビールはまた格別ね!今からワクワクしてきたわ…!」ケロッ





響子「あはっ♪本当に、皆さんお疲れ様でした!」

――
―――
――――

-深夜、事務所-

カチッ、チカチカチカッ!

ちひろ「帰りました~…って誰もいないわよね」

ちひろ「出張も楽じゃないわぁ~」ハァ

ピッカピカー!

ちひろ「あらら?そういえば今日は妙に事務所が綺麗な気が…」キョロキョロ

ちひろ「…なにかしらこれ、机の上に…」カサッ





<いつもお掃除ありがとうございます 一同>

ちひろ「…ふふふ、や~っと皆分かってくれましたか♪」ニコニコ

ちひろ「さぁて、タイムカードも打ったし、そろそろ帰りましょう!」

ちひろ「明日も、散らかす誰かさん達のためにお掃除頑張らないといけませんしね!」スタスタスタ

カチッ、フッ…

ガチャ…バタン!  カチャカチャ…カチャン!

ちひろ「戸締りよ~し、お疲れ様でした!」

カツ、カツ、カツ…

おわり

終わりです。ありがとうございました。

おつおつ

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