松尾千鶴「お荷物部署の日々」 (100)

・アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
・アニメの設定を都合よく使っています。
・キャラ崩壊あり、書き溜めありです。
・前作と併せてお楽しみいただければ幸いです。

関裕美「お荷物部署?」
関裕美「お荷物部署?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460655367/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464068096



千鶴「346プロ所属アイドル、松尾千鶴です」

千鶴「…こんな風にいうの、今でも少しためらいがあります」

千鶴「…アイドルなんて絶対やれっこないって思ってたから」

千鶴「でも……なんだかんだでお仕事も貰えて」

千鶴「ファンレターなんかも貰えて…」

千鶴「…やれるものなのかなって、最近は思ってます」

千鶴「……私がア、アイドル、やっていいんだって…」

千鶴「…嬉しい」



千鶴「…ハッ!」

千鶴「…そ、そんな私がいるお荷物部署のお話しですっ」

346プロダクション 地下一階 お荷物部署



千鶴「おはようございます…ん?」


モバP「……」

関裕美「……」

モバP「雨の日と月曜は憂鬱な人?」

裕美「月曜?は別に…」

裕美「…そんなにぼさぼさ?」

モバP「いやいや、少し膨らんでるくらいよ」

裕美「……はぁ」

モバP「でも好きよ。ボサボサ関くん」

裕美「やっぱりボサボサなんだね」

モバP「どんな関くんでも俺にとっては最高のアイドルだから」

裕美「プロデューサーさんがよくってもね…」

モバP「言うねえ」


村上巴「……」

巴「……」パチ

向井拓海「……」

拓海「……」

拓海「……よっと」パチイッ!

巴「…拓海、二歩じゃ」

拓海「おうよ、二段構えでブッ潰す!」

巴「違う」

拓海「?」

巴「違う」



千鶴「……はあ」


千鶴「もう」

モバP「え、あ、おはよう、え、なに?」

千鶴「朝からだらけてる」

千鶴「裕美ちゃんの髪の毛触ってニタニタしちゃって」

モバP「おっと、ひょっとして?」

千鶴「セクハラ」

モバP「やっぱりか」

裕美「おはよう千鶴さん」

千鶴「おはよう」

裕美「あ、あんまり見ないでね、髪の毛まとまらなくて…」

千鶴「そうかな?そんなに気にならないよ」

裕美「そう…?」


千鶴「うん…もともと私裕美ちゃんの髪型好きなのよね…」

千鶴「うらやましいな、綺麗で長くて…」

千鶴「……」

千鶴「ハッ!」

裕美「…ふふ」

裕美「千鶴さん、ありがとう。嬉しい」

千鶴「うう、また聞かれてた…」

モバP「俺好きよ?松尾くんの独り言」


巴「……」

巴「王手じゃ」パチ

拓海「っかあー!ヘッドとられちまうか。クッソ!」

拓海「しゃあねえ!!残りの奴らで総力戦だぜッ!!」

巴「違う」

拓海「?」

巴「違う」


モバP「はい、では今日の出席とスケジュール確認します」

モバP「関裕美さん」

裕美「はい、一日レッスンです」

モバP「松尾千鶴さん」

千鶴「私も同じく」

モバP「村上の巴」

巴「うちもレッスンじゃ」

モバP「特攻の拓」

拓海「…アレ?レッスンだったっけ?」

モバP「テレビ番組のゲスト出演」

千鶴「BSの番組ですね。スポーツクライミングだっけ?するやつ」

モバP「よく他の人のまで覚えてるね」

千鶴「どこかの誰かさんが少ししか仕事いれないからね」

巴「誰じゃ誰じゃ~」

モバP「俺じゃ俺じゃ~」

千鶴「ふざけない」


拓海「アタシの仕事ってそんなんばっかりなんだよな」

裕美「やっぱりあの映画のお陰だよね」

巴「山登りのやつか」

拓海「へへっ、まあ主役張ったしな」

モバP「自社制作のドキュメンタリーものだけどね。しかも代役」

拓海「んだよ、うっせーなー」

千鶴「誰の代役だったの?」

モバP「棟方さん」

裕美「そうなんだ…」


モバP「でもあれがそこそこ評判だったから私ら潰されずに済んでたんですよ」

巴「そうだったんか」

拓海「ま、それも昔の話だけどな」

拓海「今じゃ気ぃ抜いたら即解散になりかねねえ」

拓海「おめーらも気合いれてけよッ!」

「「「はーい」」」

モバP「というわけで、もう少ししたら出発するから準備しといてね」

拓海「おう」

モバP「後は各自予定通りでよろしくお願いします」

「「「はーい」」」

巴「あれ?和久井の姐御は?」

モバP「おやすみだよ」


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346プロダクション 地下一階 お荷物部署



ドア「ガチャ」


巴「いつかベテトレ姐さんに認められる日が来るんかのう」

裕美「また明日だね」

千鶴「これからどうしようか?」

裕美「今日は…ご飯食べに行く?」

巴「久々にパスタが食いたいのう…うん?」

千鶴「拓海さんの収録っていつまでなのかな…」

和久井留美「……」

裕美「メールしてみようか?」

巴「……」

留美「……」



千鶴「プロデューサーに連絡してみましょ…う?」

裕美「え?」

留美「……」

千鶴「……」

裕美「……」

巴「……」

留美「くしゅんっ!」


留美「…おはようございます」

ネコ「にゃ」


裕美「留美、さん…?」

千鶴「ど、どうしたんですその恰好は?」

巴「まるっきり変質者じゃ」

留美「仕方ないのよ」

巴「マスク越しじゃとよう聞こえん」

裕美「もう日も落ちますけどサングラス必要ですか?」

千鶴「ていうか今日お休みじゃ…」

留美「仕方ないのよ」


巴「あ!そうじゃ!姐御一緒にメシいこうや」

千鶴「待って巴ちゃん、留美さん何か用事があるんじゃないかな」

裕美「プロデューサーさんまだ戻ってないんです」

留美「はくしゅん!…丁度よかったわ」

ネコ「にゃあ」

巴「お腹減ってないんか?」

裕美「食べてきたんですか?」

千鶴「裕美ちゃんもちょっと待って」

千鶴「ん?」

千鶴「『にゃあ』?」


ネコ「にゃあ」

巴「猫じゃ!猫がおる!!」

裕美「本当だ!え、え?どういうこと?」

巴「わぁ!ちっこいのう!」

裕美「留美さんが飼うんですか?」

巴「裕美、見てみぃこれ。捨て猫じゃ」

裕美「ええ!?」

巴「段ボールに書いてあるぞ『拾ってください』って」

裕美「あ、本当だ…」

千鶴「……留美さん?」

留美「……」


ドア「ガチャ」


拓海「うーす。戻りましたーっと…なんだ?」

モバP「あれ、留美さんなんで?」

裕美「……」

千鶴「……」

巴「……」

留美「……」



留美「仕方ないのよ」

ネコ「にゃ」

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モバP「元あったところに返してらっしゃい」

留美「そこをなんとか」

千鶴「なんとかって言ったって…」

モバP「駄目ですよ。346プロダクションはペット禁止です」

巴「あ!こいつメスじゃ」

ネコ「にゃあ」

裕美「だ、大丈夫?ひっかかれない?」

拓海「捨て猫の割には堂々としてやがんなコイツ」

巴「かわいいのう」

モバP「ほらもう情が沸き始めてるアイドルがいる」


裕美「体濡れちゃってるから拭いてあげなきゃ」

拓海「食いもんとかどうするよ?」

巴「まだちっこいからのう、とりあえずミルクか?」

裕美「駅前にペットショップあったよね?」

拓海「よし、裕美行くぞ!」

裕美「うん!」

モバP「拓海!バイクだめだよ!」ワーッテルヨ!

巴「どりゃ、拭いちゃるけえ大人しゅうしとれよ」

ネコ「にゃあ」

モバP「あっという間に世話する流れになっちゃった」

留美「みんなならそうしてくれるって信じていました」

モバP「猫アレルギーなのによくやりますよ」

留美「くしゅんっ!」

千鶴「ア、ハハ…」

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ネコ「んくんく」

拓海「おお~、飲んでる飲んでる!オマエ腹減ってたのか~」

巴「おーおー哺乳瓶つこうて器用じゃのう!」

裕美「わあ…」

千鶴「可愛い…」

モバP「みんなそのまま、写真撮るよ」

拓海「バッ!恥ずかしいから撮んなよ!!」

千鶴「猫ちゃんびっくりするでしょ」

モバP「フラッシュ焚かないから大丈夫」パシャ

巴「ほれ裕美ピースじゃピース」

裕美「ぴ、ぴーす…」


モバP「…ま、貰い手を見つけるまでは預かりますか」

留美「…ありがとうございます」

モバP「まだ小さいから、みんなよく注意してお世話するんだよ?」

裕美「そっか…そうだよね。気を付けなきゃ」

千鶴「お世話の仕方…調べてみます」

モバP「仕事とレッスンも調整するよ。部屋に常に誰かいれるようにね」

拓海「しっかり頼むぜ!コイツもひとりぼっちは寂しいだろうしな」

留美「よろしく、くしゅんっ、お願いします」

モバP「…この雨の中を放りだすわけにはいきませんからね」


留美「ごめんなさいね」

留美「この体質のせいで家に連れ帰るわけにはいかないし」

留美「かといって見過ごすことも出来なかったの」

巴「『義を見てせざるは勇無きなり』じゃ」

巴「さすがは姐御じゃ」

留美「巴ちゃん…ありがとう」

モバP「グラサンマスク和久井も撮っておこう」パシャ

留美「恥ずかしいからやめて」


ネコ「にゃあ」

千鶴「で、どうしましょうか?」

留美「差し当たっては…そうね」

巴「名前じゃな」

拓海「だな」

裕美「そうなの?」

拓海「そりゃそうだろ!ネコってだけじゃ味気ねーし」

千鶴「いやそれも大事だけど…」

モバP「俺はコイツを見てティンときたね」

モバP「灰色のボディ、切れ長のおめめに鷹揚なたたずまい」

モバP「見てみな腹向けて寝だしたぞ」

モバP「さながら王者の風格」

拓海「じゃあ金武愚(キング)か炎兵羅亜(エンペラァ)だな」

千鶴「この子メスです」

巴「ブンタはどうじゃ?」

裕美「と、巴ちゃん!?」

留美「くしゅん」


モバP「『せんむ』」

拓海「は?」

モバP「『せんむ』がいい。似てるし」

裕美「…言われてみれば」

千鶴「……ああ」

裕美「似てる…かな?」

巴「コイツの方が可愛いじゃろ」

拓海「そりゃそうだろ!」

千鶴「二人ともちょっと」

留美「専務って役職名だけど」

モバP「美城さんの名前つけたら失礼でしょ」

千鶴「『せんむ』も十分失礼だと思う」

モバP「せんちゃんとか呼んどきゃ平気かなって」


千鶴「……」

モバP「……」

拓海「……」

巴「……」

留美「……」

裕美「……せんちゃーん」

ネコ「にゃあ」

千鶴「ちょ」

モバP「決まりだね」


モバP「あと…分かってるね?」

拓海「何が?」

千鶴「他の人たちには内緒なんでしょ?」

裕美「会社に生き物連れてくるのって、駄目なんでしょ?」

モバP「察しが良くてモバP感激」パシャ

千鶴「撮らなくていいから」

裕美「そんなにカメラ好きだったっけ…?」

拓海「なんだか面倒なことになっちまったな」

拓海「なあ、せんちゃんよ」

せんむ「にゃあ」

巴「仕方ない。乗り掛かった舟じゃ」

留美「みんな、本当にありがとう」


モバP「俺はこれから病院行くから各自解散で」

裕美「…どこか悪いの?」

拓海「頭かな?」

巴「顔かな?」

千鶴「性根かも」

モバP「猫だよ。体に異常ないか診てもらうの」

留美「なら私も行きます」

モバP「ありがとうございます。みんなは気を付けて帰ってね」



ドア「バタン」


千鶴「…じゃあ本屋さんでも寄って行きましょうか」

巴「猫の育て方学ばにゃならんしの」

拓海「付き合うぜ。この天気じゃ単車使えねえし」

裕美「しっかりお勉強しないとだね」

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モバP「でもよかった。どこも悪くなくて」

留美「そうね、本当によかった…」

モバP「俺はこのまま社に戻ります。駅まで送りますよ」

留美「心配しなくていいわよ、一人で帰るから」

留美「君は早く戻ってちょうだい」

留美「この子が風邪でも引いたら大変だし」

モバP「すいません。じゃあお言葉に甘えて」

せんむ「にゃあ」

モバP「これせんむ、暴れるんじゃないの」

モバP「せんむは仕方ないなあ。ほんと仕方ない」

留美「歪んだ鬱憤の晴らし方するのね」

モバP「いやあ」


留美「…不思議なものね」

留美「昔の私だったら、こんなこと絶対しなかった」

留美「会社に捨て猫連れてくるなんて非常識なこと」

モバP「……」

留美「……」

留美「今の仕事に」

留美「…アイドルになって、私も変わってきたみたい」

留美「ありがとう、プロデューサー君」

モバP「こちらこそ。な、せんむ?」

せんむ「にゃ」

留美「ふふっ…」

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346プロダクション 地下一階 お荷物部署



拓海「猫ってホントにネコじゃらしで遊ぶんだな」フリフリ

せんむ「にゃ!」ネコパンチ!ネコパンチ!

留美「可愛いわっくしゅん…はあ」

裕美「わっくしょん…」

裕美「…近づかなければアレルギー反応は出ないんですか?」

留美「そうね、まあそんな感じよ。残酷だわ」

留美「私もせんちゃんと遊びたいのに…すん」

裕美「つらいですね…」

拓海「ほれほれ!」フリフリ

せんむ「にゃん!」ネコパンチ!ネコパンチ!


千鶴「プロデューサーずっと会社にいるの?」

モバP「うん」カタカタ、ターン

モバP「せんむ連れて帰ってもいいんだけど」

モバP「あっちこっち行くのもストレスだろうし」

千鶴「平気?……無理しないでね」

モバP「会社にはシャワーも仮眠室もあるし大丈夫」

モバP「ただいまを言う相手もいない家よかよほどマシよ」

モバP「心配してくれてありがとう」

千鶴「…別に、あなたに何かあったら、いやだもん」

モバP「今の表情写真に撮っておきたかったわ」

千鶴「……」


千鶴「……ねえ、プロデューサーが写真撮ってるのって」

千鶴「もしかs」


巴「おっ」

巴「誰か来るぞ!備えい!」

千鶴「!?」


ドア「コンコン」

ドア「ガチャ」


千川ちひろ「失礼します」

モバP「おはようございます」
拓海「おはようございます」
巴 「おはようございます」
裕美「おはようございます」
千鶴「おはようございます」
留美「おはようございます」

ちひろ「お、おはようございます」

ちひろ「そ、そんなわざわざ列になって挨拶しなくても」


モバP「とんでもない、挨拶は基本です。な、みんな?」

拓海「はい」
巴 「はい」
裕美「はい」
千鶴「はい」
留美「はい」
せんむ「にゃ」

モバP「!!」

ちひろ「…ん?」


ちひろ「今何かそっちのほうで聞こえませんでしたか?」

ちひろ「鳴き声、みたいな…」

巴「ねっ、猫なんかおらんぞっ!」

拓海「バカ!」

モバP「空耳です。千川さんお疲れですか?」

ちひろ「いいえそんな…留美さん、何故サングラスとマスクを?」

留美「瑞樹さんから教わった新しいアンチエイジングメソッドです」

ちひろ「まさかそんな…何かのアレルギーとかですか?」

千鶴「ち、ちひろさんっ!ご、ご用件の本日はどういったあれですかっ!?」

裕美「千鶴さん落ち着いてっ」


ドア「バタン」


巴「……」

巴「ふぅ、肝が冷えたのう!」

拓海「嘘下手か?巴」

巴「…うん」

裕美「…こんな調子で大丈夫なのかな?」

千鶴「多分駄目だと思う…」

拓海「アイツ出て行っちまったな」

留美「何かの打ち合わせみたいね」

せんむ「にゃあ」

巴「それにしてもお前、タイミング良すぎじゃ」

裕美「プロデューサーさんの『みんな』に反応したのかな?」

千鶴「だとしたら凄くない?天才かも」

拓海「親バカっぽくなってんぞ千鶴」

千鶴「だ、だってぇ」

せんむ「ふわぁぁ」

留美「呑気な子…ふふっ」

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事務所近くのファミレス



 「ご注文は以上でよろしいですか?ありがとうございまーす」


モバP「…誰が今日のドリンクバーさん?」

留美「次その呼び方したらただじゃおかないわ」

モバP「え、どうして…」

千鶴「ちょっと地雷だったかもね」

モバP「どこが」

巴「姐御にバーさんはないじゃろって話じゃ」

留美「取りに行くわよ巴ちゃん」ツン

巴「ひゃ!なんでうちをつっつくんじゃ姐御!」

拓海「なにやってんだか…」

裕美「ア、ハハ…」


千鶴「せんちゃん、ひとりで大丈夫かな?」

モバP「長い時間放っておくわけじゃないしね」

モバP「食べたら俺が戻るから心配しないで」

拓海「アイツ夜ってどうしてるんだ?」

モバP「アイツってせんむのこと?」

拓海「他に誰がいるんだよ」

モバP「少し遊んですぐ寝ちゃうよ」

モバP「寝るまでは俺が抱いてやってんだ」

裕美「へえ」

千鶴「嫌がったりしないの?」

モバP「全然。せんむは俺に抱かれないと眠れないの」

モバP「しょうがないヤツだよねえ」

拓海「しょうがないのはオメーだよ」






「……」

「……」

「……」

「……」

「」




「……聞いた?」

「…聞いちゃったねー」

「あの専務が…フフ、見かけによらないものね」

「にゃはは」

「」


塩見周子「あやつら全然こっちに気づいてませんよ」

宮本フレデリカ「かえでみりあに輝子にメアリーとはこのことだよー」

周子「え、なんなんそれ?」

フレ「さあ?なんだろね」

速水奏「不用心ね…」

一ノ瀬志希「すんすん」

志希「ん~嘘の匂いはしないかなー」

周子「ということはさっきの話…」

フレ「ホントのことみたいだよ、ありすちゃん」


橘ありす「」


周子「裕美ちゃんとこのプロデューサーさんが…」

フレ「ありすちゃんの尊敬する専務を…」

奏「…眠るまで抱いてあげるんですって」

奏「優しい人なのね、あのプロデューサーさん」

志希「おとなしい猫ちゃんなんだって」

志希「あの美城専務が」

周子「驚いたねー」

フレ「そだねー」


ありす「」


周子「まあどーせ何かの間違いなんだろうけど」

奏「男と女なんて、いつでも何かの間違いよ」

フレ「あーそーゆー方向に行くか―」

周子「…だってさ、ありすちゃん」

周子「ありすちゃん?」



ありす「」

ありす「」

周子「やばっ、いじりすぎた」

フレ「あちゃちゃ」

志希「にゃはは」


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346プロダクション 美城専務のオフィス


ドア「コンコン」


美城「入りたまえ」

ドア「……」

美城「……」

ドア「……」


美城「…入りなs」

ドア「ガチャ」

モバP「じかんさこうげき~」

美城「……」

モバP「……」

美城「……チッ」

モバP「おっとぉ」


美城「…どうやら君は私が薦めた本を読んでいないらしい」

モバP「滅相もない。言われたその日に書店に走り」

モバP「時間を忘れて読みふけりましたよ」

モバP「…控えめに言っても傑作ですね。愛読書の一つです」

美城「ほう、そんなに良かったか?」

モバP「そりゃもう」

美城「『チンパンジーと学ぶ社会人マナー』が、そんなに」

モバP「…いや、あれ?」

美城「ふむ」

美城「ではバブルス君、本題に入ろうか」

モバP「随分懐かしい名前出しましたね」


美城「いくつか私の所に報告が来ている」

美城「まず人事より」

美城「最近君が帰宅せず社に泊まり続けていること」

モバP「……」

美城「次に警備より」

美城「君の部署から時折何か動物の鳴き声が聞こえるとのこと」

モバP「…」

美城「そして最後は、とあるアイドルから」

美城「君が『毎晩、専務を抱いて寝ている』と言っていると聞いたと」

モバP「」


美城「これは一体どういうことかな?」

モバP「」

美城「…君に分かるか?」

美城「橘ありすを宥めるのにどれだけ手こずったか」

美城「宮本と一ノ瀬を抑え込むのに費やした労力は?」

美城「速水と塩見に訳知り顔される苛立ちは?」

美城「君に分かるか?おいバブルス」

モバP「……」

美城「……」

モバP「…ウ」

モバP「ウキャ?」

美城「……」


美城「…フ。そうだな。分かるはずもない、か」

美城「フフフ」

モバP「ウキャキャ」

美城「フフフフフフ」

モバP「えっへっへ」

美城「フフフフフフ」

モバP「えっへっへっへっへっへ」

モバP「じゃあ、ピアノのお稽古があるんで帰りますね」

美城「待たんか馬鹿者!!」

モバP「はい!!」

美城「今すぐ正直に話せ!事の詳細と、私が貴様にいつ抱かれて眠ったのかをな!!」

モバP「はい!!申し訳ありません!!!」



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美城「…無断で動物を持ち込んでいたのか」

美城「わざわざ言うまでもないが、許可しません」

美城「即刻対処しなさい」

モバP「猶予をいただけませんか?」

美城「貴様に発言を認めていない。対処しなさい」

モバP「そこを何とか」

モバP「ね?こうして私が頭下げますから」

美城「勿体ぶるな。いくらでも下げろ」

モバP「里親が見つかるまで」

美城「駄目だ。常識を弁えなさい」

モバP「私にそれを言うんですか?」

美城「開き直るな」


美城「会社に必要のないものは持ってきても置いてもいけません」

モバP「必要はあります。今や私達にとってはなくてはならない存在です」

モバP「せんむが」

美城「私がなんだ?」

モバP「いや、猫のせんむですが」

美城「それが一番腹立つ」

モバP「専務お言葉遣いが」

美城「うるさいな」

モバP「彼女が私達に必要であり、社の利益にもなる理由を」

モバP「こちらの企画書に記してあります。ご一読下さい」

美城「…気に食わんな。用意していたのか」

モバP「……」


美城「……」ペラ

美城「……」パサッ

美城「……フン」

美城「君のやり方は社会人としてのそれを大きく外れているぞ」

美城「歴史ある我がグループとも相容れない」

モバP「申し訳ありません」

美城「今回の件、何らかのペナルティーは課すのでそのつもりで」

美城「…早急に引き取り手を見つけなさい」

モバP「ありがとうございます」

美城「あと名前を変えなさい」

モバP「善処いたします」

美城「その返事はやらないな。もういい、下がりなさい」

モバP「はい、失礼します」


美城「…ああ、あと」

美城「先程名前を出したアイドル達にも適切な説明を行いなさい」

美城「特に橘には念入りに。可憐なほどに取り乱していたからな」

モバP「直ちに伺います」


346プロダクション 地下一階 お荷物部署



モバP「…猫じゃない方のせんむからそうお達しがありました」

モバP「というわけでバレましたが、何か質問は?」


ありす「わわっ…お腹むけましたよ?」

巴「おう、なでてくれいうとるんじゃ」

拓海「ひっかいたりしねーから、なでてみな」

ありす「はい…それじゃあ、なでます」

せんむ「ごろごろごろ」

ありす「わわっ…うわぁ」

ありす「…うわぁ」

裕美「ふふっ、せんちゃんご機嫌だよ」

モバP「ご機嫌なのは君らだよ」


留美「ご迷惑をおかけして、本当にごめんなさいね」

周子「いーですいーです。こんなことだろうとは思ってたし」

千鶴「よかったら周子さんもなでてあげてください」

周子「いいの?じゃあお言葉に甘えて…」

ありす「……」ナデナデ

周子「おーい、変わっておくれよありすちゃん」

ありす「橘です。知っててからかってた人なんて知りません」

周子「ごめんてー」

モバP「塩見さん代わりに俺なでていいよ」

周子「えーいいのー?」

巴「アホは相手にせんほうがええぞ」

周子「わかったー」

モバP「わかるかー」


ありす「お騒がせして、すみませんでした」

ありす「…また来ても、いいですか?」

裕美「もちろん、いつでも来てね」

巴「すまんかったの、ありす」

ありす「いえ…それじゃあ」

ありす「ばいばい、せんちゃん」

せんむ「にゃあ」

周子「それじゃ、お邪魔しましたー」

ありす「失礼します…」

ドア「バタン」


拓海「……さて、プロデューサー」

留美「これからどうするつもり?」

モバP「ちゃんと聞いてはいたのね」


千鶴「遅かれ早かれこうなるとは思っていたわ」

巴「うちら揃いもそろって嘘下手じゃしのう」

拓海「うちら?」

巴「なんじゃい」

拓海「ま、こそこそすんのは気持ち悪かったしな」

裕美「私たち何をすればいいの?」

留美「君の口車に、今回も乗ってやろうじゃない」

千鶴「嫌な予感しかしないけどね」

せんむ「んにゃ」

モバP「いいね」

モバP「それじゃあ今後のスケジュールを説明しますよ」


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裕美「みんな、準備できた…?」

千鶴「どっちの?気持ちの?それともこれの?」

巴「千鶴しゃべるとずれるぞ、くちばし」

千鶴「……」

拓海「にゃ、にゃあん…ちがうな…」

拓海「んん!……にゃんっ!」

留美「いいわよ拓海ちゃん」

裕美「留美さんそろそろタオルを…」

留美「…ギリギリまで隠していたいのよ」


ドア「コンコン」


モバP「準備できた?」

巴「おう、入っていいぞ」


ドア「ガチャ」


モバP「よっ、大丈夫か?」

せんむ「にゃあ」

千鶴「大丈夫に見える?」

モバP「千鶴しゃべるとくちばしが…」

千鶴「うるさい」

拓海「覚えとけよコノヤロー」

裕美「ま、まあまあ…」

留美「…もう少しどうにかならなかったの?」

モバP「え、でもみんな良く似合ってますよ」

千鶴「私の目を見て言いなさいよ」

モバP「裕美、しっかり頼むね」

裕美「うん。頑張るよ……頑張る、ぴょん」

モバP「いいねえ」

千鶴「こっち見なさいよ。ちょっと」


巴「…時間か」

モバP「うん。胸張っていこう」

モバP「誰かの為に一生懸命頑張れる君たちが」

モバP「俺は心底誇らしく思いますよ」

せんむ「にゃ」

拓海「…見てろよ、せんちゃん」

千鶴「見てなさいよ、プロデューサー」

留美「爪痕を残してやるわ。様々な意味で」

巴「気合いれてこうや」

裕美「……す~」

裕美「よしっ!行きましょう!」



都内 某テレビスタジオ控室




十時愛梨「とときと~」

諸星きらり「きらりのっ!」


「「とときら学園っ」」


きらり「最後はぁ、お歌のコーナーでぇっす☆」

愛梨「仁奈ちゃん、準備はいいですか?」

市原仁奈「はーい!いつでもきやがれでごぜーます!」

きらり「いいお返事だにぃ」

愛梨「今日歌ってもらうのは、『みんなのきもち』ですね」

仁奈「はい!いろんな動物のきもちになって歌います!」

きらり「元気いっぱいっ!はっぴはぴだにぃ」


愛梨「そんな仁奈ちゃんに、今日は心強い助っ人さんたちが来てますね」

仁奈「おねーさんたちが仁奈と一緒に踊ってくれやがります!」

愛梨「じゃあ仁奈ちゃん、みんなを呼んでくれますかぁ?」

仁奈「はい!おねーさんたち!出てきてくだせーっ!」



プロジェクトGS「「「「「ハ~イッ」」」」」

きらり「にょわっ!」

愛梨「うわぁすっご~い!」


仁奈「おねーさんたち、自己紹介でごぜーますよ!」


拓海「にゃんにゃんっ!向井たくにゃんだにゃん!」

留美「にゃお~ん。和久井るみにゃん♪」

巴「わんわん!村上ともえわんこじゃ犬!」

千鶴「きょおおん!松尾お鶴だよ♪」

裕美「ラビット関ですぴょん!ぴょんぴょんぴょ~ん♪」

愛梨「わぁ、みんなお似合いですよぉ」

きらり「いろんな動物の恰好して仁奈ちゃんを応援するんだねっ」

愛梨「拓海ちゃん、留美さんは猫さんでぇ」

愛梨「巴ちゃんはワンちゃん、裕美ちゃんはうさぎさんなんですね」

きらり「千鶴ちゃんはなんだろ?鶴さんかな?」

千鶴「きょおおおん!」


仁奈「千鶴おねーさんは鶴のきもちになりきってやがりますよ!」

きらり「うっきゃ~!バッチシ☆それじゃあ、そろそろぉ」

愛梨「歌ってもらいましょう!『みんなのきもち』です!」



~♪~



仁奈「さあ!みんなでおどるですよっ!」




――――――――――――
――――――――――
――――――――
―――――


~♪~


武内P「……」

モバP「……」

武内P「……良い、チームですね」

モバP「私には出来すぎたアイドルたちです」

せんむ「にゃ」

モバP「せんむ、お前の出番はまだだよ」

武内P「……その子は、いつまで?」

モバP「いつまでも一緒にいたいですが、無理がありますから」

モバP「セクシーギルティーの及川さんに、話をしている最中です」

武内P「そうですか…」

モバP「…今回は、ありがとうございました」

武内P「いえ、これからもよろしくお願いします」

モバP「ありがとうございます」


~♪~


愛梨「仁奈ちゃんと可愛くてセクシーな動物さんチームでした!」パチパチパチ

きらり「みんな、ありがとうだにぃ」パチパチパチ

きらり「仁奈ちゃんのお歌も、みんなのダンスもとっても素敵だったよぉ☆」

仁奈「ありがとーごぜーます!楽しかったですよ!」

愛梨「動物チームさんたちもありがとうございましたぁ」

愛梨「何かお知らせがあるんですよね?」

裕美「はいですぴょん!…おいで、せんちゃん」

せんむ「にゃん」トコトコ

きらり「うっきゃー☆かわいい猫ちゃんだー」

仁奈「うわーちーせーでごぜーます!」


裕美「この子、せんちゃんって言います」

留美「私たちでお世話している猫なんです」

巴「動物のきもちを教えてくれる先生なんじゃ」

拓海「コイツとの生活をブログにあげてるんで、夜露士苦にャ!」

千鶴「きょおおん!」

裕美「是非アクセスしてくださいねっ」

せんむ「にゃあ」

愛梨「はあい!ありがとうございましたぁ!」




番組スタッフ「…ハイオッケー!!!」


「「「「「ありがとうございましたー!」」」」」



――――――――――――
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――――――――
―――――


346プロダクション 地下一階 動物さんチームのお部屋



巴「zzz」

せんむ「zzz」


裕美「……評判は?」

留美「上々よ」

拓海「あんだけやって駄目だとヘコむぜ…」

千鶴「良かった…本当に」

留美「男女共に幅広い年齢層から反応があったわ」

千鶴「私小さな子供からファンレター貰うの初めてです」

千鶴「『とてもおかしかったです』…だって」

千鶴「……嬉しいけど、どうだろう、アイドルとして……」


留美「『あなたのヘソ出しコスプレに同年代として響くものがありました』」

留美「褒めてるのかしら、これ」

拓海「昼間っから刺激的すぎるってのもあったらしいな」

留美「ええ、でも大した数ではないみたい」

千鶴「動物のチョイスに偏りがあるってツッコミも…」

裕美「それ私も思った」

留美「色々含めて、なんというかバラドル的な捉え方をされているわ」

拓海「やれやれだな…」


裕美「ブログもまずまずみたいだし…」

千鶴「あの写真も全部その為だったとはね…」

裕美「色々考えてたみたいだね、プロデューサーさん」

留美「どうにか格好はついたかしらね」

千鶴「あの、今更なんだけど…」

千鶴「最初からこうしていればよかったんじゃないの?」

千鶴「下手に隠し立てする必要、あったのかな」

拓海「それな、アイツに聞いてみたんだけどよ」

拓海「『専務に怒られるかもしれないから秘密にしたかった』だとよ」

千鶴「…そんな理由?大人なのに?」

裕美「…ア、ハハハ…」

裕美「はあ…」


ドア「ガチャ」


モバP「大人だって怒られるの嫌なんだよ?」

裕美「わっびっくりした」

拓海「ノックくらいしろよ」

モバP「自分の部屋なのに?」

留美「皆の仕事場よここは」

モバP「秘密を共有した仲間たちに遠慮はいらないかなって」

千鶴「言い方がなんかイヤ」

裕美「そうだね…」

モバP「だめですか…」

モバP「では気を取り直して」


モバP「取材と番組収録が何件か入りました」

モバP「市原さんのバックダンサーです」

拓海「クッ…またあの恰好すんのか」

留美「業界内でも評判があったのね」

モバP「千鶴にはコント番組からお声かかった」

千鶴「…単独なの?嘘でしょ…」

裕美「が、頑張って、千鶴さん」

モバP「ブログは裕美のコメント載せるから考えておいてね」

裕美「あ、はい」


モバP「あと、せんむのことだけど」

モバP「貰い手が見つかったから」

裕美「えっ」

巴「……んむぅ」

せんむ「zzz」


モバP「及川さんとこの実家で飼ってくれるそうです」

モバP「今度の日曜が引き取り日に決まったから」

拓海「オイオイ急すぎんだろう!」

留美「拓海ちゃん」

千鶴「及川さんの実家って…」

モバP「及川牧場。自然がいっぱいの良いところだよ」

留美「…確か、岩手県だったかしら?」

千鶴「……遠い」

モバP「寂しくなるけど、いつまでもこのままじゃね」

裕美「…このままじゃ、ダメなの?」

モバP「残念だけどね」


千鶴「…みんなでの仕事が増えればその分」

留美「…この子はひとりぼっちの時間が増える」

モバP「うん」

裕美「…そっか…」

拓海「……チッ」



巴「……」

せんむ「…んにゃああ」


留美「仕方ないわね」

千鶴「…そうですね」

モバP「…みんなで会いに行けるから」

裕美「……ぐす」

裕美「そうだね…会いに行こう」

拓海「…最後まで、しっかり面倒見ねえとな」

留美「…見送りはできるのかしら?」

モバP「はい。スケジュールは空けてありますから」




巴「……」

巴「せんちゃん、こっちゃこいや」

せんむ「にゃ」

巴「寂しくなるのう」ギュウ

せんむ「んにゃあ」


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――――――――
―――――


346プロダクション 正門付近駐車場




及川雫「お待たせしましたー!」

モバP「いえいえ、お手数おかけしてすみません」

モバP「わざわざ車で、それに牧場の人まで来ていただいて」

雫「小さな猫ちゃんって聞きましたからねー」

モバP「本当にありがとうございます」

雫「いえいえー」

裕美「……」

千鶴「……」

拓海「……」

巴 「……」

留美「……くしゅん」

せんむ「んにゃあ?」

モバP「せんむ、お別れだよ」

せんむ「んにゃ…」


裕美「あの、これ…」

雫「はいー?」

裕美「哺乳瓶と、お気に入りのタオルです」

裕美「これでくるむと、よく寝てくれるんで…」

千鶴「食器と、ミルクとフードです」

千鶴「新しい環境に慣れるまでの分、多目に…」

巴「爪とぎ器とおもちゃがこんなかに入っちょる」

雫「あらー!ありがとうございますー!」

拓海「トイレ用品は、これな」

拓海「コイツ、大人しくていいヤツだぜ」

拓海「…よろしく頼む」

雫「…みなさん、とっても大事にしていたんですね」

雫「責任を持って、実家でお世話しますー」

裕美「…お願いします」


巴「ほいじゃあ、またなせんちゃん」

拓海「会いに行くからな」

千鶴「……またね」

モバP「留美さん、そろそろ…」

留美「くしゅんっ!すん…そうね」

せんむ「にゃあ」

留美「…よろしくお願いします」

雫「はい。…可愛らしくて清潔なねこちゃんですね」

雫「愛情たっぷりなのが、よく分かりますー」


雫「お名前は…確か」

モバP「せんむです」
拓海「せんむ」
巴 「せんむじゃ」
裕美「せんむです」
千鶴「せんむ」
留美「せんむです」

雫「あらー…はい。じゃあせんむちゃん、行きましょうか」

せんむ「……」


自動車「ブロロンブロロン」


雫「それじゃー、せんむちゃん、みんなにバイバイって」

せんむ「…にゃあ」

せんむ「にゃああ」

雫「あ、あらー。一生懸命何か喋ってますねー」

モバP「…よろしくお願いします」

せんむ「にゃあ」

せんむ「にゃあああ」

拓海「…必ず会いに行くからよ」

巴「待っちょれや、せんちゃん」

せんむ「にゃあああ」

雫「向こうでの様子、定期的に送りますからねー」

せんむ「にゃああああ」

裕美「ばいばい。またね」

千鶴「せんちゃん、じゃあね」

留美「……元気でね」

雫「それじゃあ、出してくださいー」


自動車「ブロロロロ……」


雫「失礼しまーす」

せんむ「にゃああ」

せんむ「にゃああああ」

せんむ「にゃああああああ…」

モバP「えぇ…ちょっと何?あれ」

モバP「アイツ何であんななくの?嘘だろ…」

留美「いい大人が泣かないで…みっともないわ」

モバP「自分はどうなんですか…」

留美「こ、これは…ただの、アレルギー反応よ…」

留美「つらくて嫌になるわ…本当に…」

モバP「じゃあ俺だってそうですよ…」


裕美「ぐすっ…私も…アレルギー…」

千鶴「すん…みんなに、うつっちゃった…」

巴「……」ゴシゴシ

拓海「ケッ…みっともねえぜ…」グイ


裕美「…ばいばい、せんちゃん」

巴「うぅ、切ないのう」チーーン!

モバP「俺のシャツでハナかむなよお…」


「「「「「せんちゃーん!ばいばーい!」」」」」


美城「……」

美城「…フン」

武内P「……」

美城「…君は」

武内P「はい…?」

美城「君はせんむちゃんとは遊んだのか?」

武内P「……」

美城「……」

美城「つまらん事を聞いた。忘れてくれ」

武内P「…はい」

美城「…重ねて頼むぞ。忘れてくれ」

武内P「……承知致しました」



――――――――――――
――――――――――
――――――――
―――――


千鶴「こうして、私たちとせんちゃんの生活は幕を閉じました」

千鶴「雨の日に留美さんに抱えられてやってきたせんちゃん」

千鶴「みんなでお世話しようって決めて」

千鶴「初めてのことで分からないなりに一生懸命勉強して」

千鶴「遊んで、躾けて、同じ時を過ごして…」

千鶴「大変だったこともあったけど」

千鶴「せんちゃんと一緒だった瞬間はどれも」

千鶴「…とても、とても楽しい思い出です」

千鶴「きっと会いに行くからね、せんちゃん」

千鶴「またね」


モバP「…うん。オッケー。これで更新するよ」カタカタカタ

千鶴「…なんか月並みなことしか言えない…」

千鶴「もっともっと、上手に思いを伝えたいのに…」

モバP「大丈夫。とてもいい文章だよ」

モバP「素直な気持ちが一番伝わるんだよ」


千鶴「…そういえばお別れの日、ブログ用の写真撮らなかったね」

モバP「…撮っておいた方がよかったかな?」

千鶴「そう思うけど…あまり、見返したい写真にはならないかな」

モバP「俺もそう思ったんだ」

モバP「なんか切なくなりそうだしさ」

千鶴「そうね…」

モバP「というわけで写真はお鶴さんの千鶴とせんちゃんのツーショットで」

千鶴「ちょ…まあ、いいか」

モバP「いいの?」

千鶴「よくはない…でもこの写真、大好きだから」

千鶴「……だからいいの」




千鶴「…それにしてもさ」

モバP「はい?」


雫「それでこれが最近の様子ですー」

ありす「わあ、少し大きくなりましたね」

巴「ありすありすっ!うちにも見せえや!」

周子「おーしっかりカメラ目線だー」

雫「お利口さんで、すっかり牧場のアイドルですー」

拓海「へへっ。ったりめーだよなあ!」

巴「うちらアイドルが育てたんじゃもんな!」

仁奈「仁奈もせんむと遊びたかったですよ…」

裕美「ふふっ、いつかみんなで遊びに行こうね」

仁奈「ホントですか?行きてーです!」



千鶴「…ずいぶん人が増えてない?この部署」

モバP「来客があるのはいいことだよ」

千鶴「そうだけどさ…」


巴「おう千鶴終わったか、また雫が写真持ってきてくれたぞ」

千鶴「どれどれ……わっ!牛の背中に乗ってる…」

モバP「みしてみして」

拓海「駄目だ」

モバP「なんだよ女子ィ!男子仲間外れにすんなよ!」

拓海「オメーは仕事残ってんだろ」

裕美「始末書、反省文、レポート、読書感想文…」

裕美「…読書感想文?」

裕美「専務からのペナルティー、終わらせないと」

モバP「やるやる!夜一気に終わらせるから」

千鶴「そう言って何一つやってないって、留美さん嘆いてた」

巴「これくらいで勘弁してくれたんじゃ、はよう済ませや」

巴「姐御が休みじゃけ、うちらでようけ見張らしてもらいます」

モバP「ちょっとだけ、ねね?ほんと、一瞬見るだけだから一瞬」

拓海「ガキみてーな食いつき方すんなっての」


雫「写真は逃げませんからー」

周子「いいじゃんいいじゃん、見せてあげなよ」

ありす「周子さん、いけません。甘やかしたら駄目らしいです」

モバP「大人だって甘やかされたいんだよ?」

仁奈「仁奈もみんなから甘やかされてーです!」

モバP「ねー?」

仁奈「ねー!」

千鶴「仁奈ちゃん、あのおじさん悪いおじさんだから…」

モバP「おじさんに良いも悪いもないだろうさ!」

拓海「いーから!さっさとしやがr」





ドア「ガチャ」




ドア「バタン」





留美「……」





「「「「「「…………」」」」」



拓海「………」

拓海「……オイ」

千鶴「……嘘でしょ?」

裕美「な、何で…」

巴「姐御、あんたぁ…」

周子「あっははははははは」

ありす「ちょ、ちょっと周子さん!」

雫「あらー」

仁奈「うわー!ねこだーー!」

モバP「悪いお姉さんが来た」



留美「……」







留美「仕方ないのよ」

  

  「にゃあ」





松尾千鶴「お荷物部署の日々」 おしにゃい

お騒がせしました。どうもありがとうございます
依頼出してきます

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