阿笠「出来たぞ新一!異世界召喚スイッチじゃ!」 (30)

コナン「何だよ博士、異世界召喚って?」

阿笠「何じゃ知らんのか?最近、巷で人気のラノベのジャンルじゃよ。このスイッチを押せばそんな異世界にいけるんじゃよ」

コナン「へーそうなのか、俺は小説はミステリーしか読まねーからなそんなジャンルがあるなんて知らなかったぜ」

阿笠「何じゃつまらんの~このスイッチがあれば異世界の女の子とあんなことやこんなことができるんじゃ」

コナン「じゃあ博士はもう異世界に行っちまうのか?」

阿笠「そうじゃのう、まだこっちでやりたいこともあるし、まだ当分先かの~」

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コナン「なんだよ行かねーのか。じゃあ、そろそろ飯でお食いに行こーぜ灰原が待ってるはずだから」

阿笠「そうじゃの哀君を待たせるとまたおかずを減らされてしまうからの」

コナン「じゃあ行こうぜ~」ガチャンッ

阿笠「ああそうじゃ、あのスイッチは使う時は注意することが・・・・」スタスタスタ

光彦「やっと行きますたね、それにしても異世界召喚ですか、これでいじめられっぱなしの僕も女の子とキャッキャウフフ出来ますね」グフフフ

光彦「さてこの世に未練はありません、いざ異世界へ!!」ポチッ

シュウウウウウウウウウウン

女神「あなたをこれから異世界へと召喚します。なにか願いがあれば言いなさい」

光彦「おお、こんな機能まであったんですか、さすが博士ですね」

光彦「僕を女の子とイチャイチャさせてくださ~い」

女神「分かりました、異世界を見つけました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」

光彦「いや~楽しみですね」

コナン「いや~灰原のやつも腕を上げたんじゃねーか?」

阿笠「そうじゃのう、あれでもう少し量を増やしてくれれば文句はないんじゃがな」

コナン「あれ博士?さっきのスイッチが床に落ちてるぞ?」

阿笠「なんじゃと!?まさか誰かが間違えて押してしまったんじゃ?」

コナン「おい大丈夫かよ?なんか確認する方法はないのか?」

阿笠「ああ、このテレビを使えば異世界へ行ったものをトレースして見ることができるぞい」

コナン「じゃあ早速見てみようぜ」ポチッ

光彦『いや~楽しみですね』

阿笠「おお、光彦くんじゃ、光彦くんが異世界へ行ってしまっているぞ」

コナン「なんだ光彦かよ、じゃあほっといても問題ねーな、向こうで楽しくやるんじゃねーか?」

阿笠「いや、あのスイッチはまだ完全じゃないんじゃ、どんな世界へ行くかは予想もつかん」

コナン「へーじゃあちょっと見てみようぜ」

シュウウウウウウウウウウン
光彦「おお着きましたね、ここが異世界ですか、なんだか地球と変わらないですね、平原でしょうか?」

光彦「いや~それにしても景色がいいですね・・・・あ、あが・・・頭が・頭がいたいです」ギャアアア

阿笠『光彦くん大丈夫か?』

光彦「博士?博士の声が聞こえます、何処に居るんですか博士?」

阿笠『元の世界から直接脳に通信しておるんじゃよ』

光彦「それでこんな頭痛がするんですね、やめてくださいよ博士、僕はもうその世界は捨てたんです」

阿笠『頭痛?何を言っておるんじゃ?そんな機能はないぞい?』

光彦「何言ってるんですか、さっきから頭痛が、それにゴホッゴホッ・・なんだか息もしづらいです」バタッ

光彦「うううう~なんだか目眩も、どうしてしまったんでしょう?」

コナン『おい博士、見てみろよこれ、光彦のいる世界は酸素濃度が10%しかねーぞ』

阿笠『なんじゃと?光彦くん早くそこから逃げるんじゃ、そのままでは死んでしまうぞ』

光彦「逃げるってどうやって、ゴホッゴホッ・・・・もうダメです・・・これ以上は意識が持ちません・・・」チーン

阿笠「おお、光彦くんが死んでしまったぞい」

コナン「酸欠みて~だな、窒息死だ」

円谷光彦  リタイヤ
----------再起不能

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「ゴホッゴホッ、ああひどい目に合いました、一体何だったんですか?」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

ジャボーーーーン
光彦「!?!?今度は水ですか?溺れます、このままじゃ溺れてしまいます」アップアップ

阿笠『光彦くん大丈夫か?』

光彦「博士どうなってるんですか?今度は水しかないですよ」ブクブク

阿笠『どうやら今度は水の惑星のようじゃの、見たところ陸は100km県内にはないようじゃ』

光彦「そんな!?このままじゃ溺れちゃいますよ、助けてください」ジャブジャブ

阿笠『といってもの~そこは異世界じゃからこっちからはどうすることも出来ないんじゃよ』

光彦「そんな・・・痛っ!足が、足が痙りました」バチャバチャ

コナン『このままじゃ溺れちまうぞ』

阿笠『そんなこと言われてものう、まあなんじゃ光彦くん次の世界で頑張ってくれ』

光彦「博士、待ってください、博士・・・・・・・」ブクブクブクブク

コナン「今度も窒息死みて~だな、でもどうなってんださっきから?まともな所に召喚されてねーじゃねーか」

阿笠「そこがこのスイッチの欠陥なんじゃよ、異世界にはいけるんじゃがどんな異世界かはまったくわからないんじゃよ」

コナン「じゃあ光彦はどうなるんだ?」

阿笠「光彦くんが最初に設定した目標を達成するまではこのままじゃ」

コナン「じゃあ光彦はそれが達成できなかったら・・・」

阿笠「ああ、一生このまま異世界をたらい回しにされるんじゃ」

光彦「プハッー、ゴホッゴホッ、ゴホッゴホッああああ、死ぬかと思いました・・・」

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「ゴホッゴホッ、ちょっと待ってください、一体何だったんですか?」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

コナン「お、光彦のやつまた異世界に行くみて~だぞ」

阿笠「ああ、今度こそまともなところならいんじゃがなあ・・・」
シュウウウウウウウウウウン

光彦「一体僕はどうな、ぎゃあああああああああああああああああ」

光彦「熱い熱い熱い」ゴロゴロゴロ

光彦「ぎゃあ・・・・・・・(喉が・・・喉が焼けて声が出ないです・・・)」ジタバタ

阿笠『光彦くんその世界は気温が300℃もあるようじゃ、このままでは焼け死んでしまうぞ』

光彦「・・・・・(そんなこと言っても、ダメですもう息が持ちません・・)」バタッ

コナン『また窒息死みて~だな』

阿笠『熱で気管が焼けただれてしまったんじゃのう、よく火災現場である死に方じゃわい』

コナン「まったく窒息死ばっかでつまんねーな」

阿笠「そうじゃのう、たまには違う死に方が見たいもんじゃわい」

光彦「熱い熱い熱いあ・・・つくない・・・はぁ、死ぬかと思いました・・・」

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「ちょっとストップ!!ちょっと待ってください」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

シュウウウウウウウウウウン
光彦「ちょっと待ってください、ああまた来てしまいました・・・・さぶ」ビュウウウウウウウウ

光彦「からだが・・・体が動かないです・・・なんですかこの寒さは」ガクガクガク

阿笠『おお、今度は違う死に方が見れそうじゃぞ』

コナン『おお、今度は極寒の世界かこれは辛そうだな』ゲラゲラゲラ

光彦「寒いです・・・う、動けません」ボキンッ

光彦「ああ、僕の指が、指が凍って取れてしまいました」ウワアアアアアア

光彦「ダメです、もう動けません」バタン

光彦「・・・なんだか・・・眠くなってきました・・・」チーン

阿笠『今度は凍死みたいじゃのう』

阿笠『ああ、あの特徴な手の曲げ方は間違いねーな』

光彦「・・・・・・ハッ、またここですか、一体どうなってるんですか?」

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「待ってください、どうなってるんですかさっきから?」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

光彦「そればっかりじゃなくてなにか答えてください」パアアアアン

光彦「ぎゃあああああああああ」

コナン『おい、今度は突然爆発したぞ』

阿笠『この星は大気が極端に薄いみたいじゃのう、ほとんど真空と変わらんわい』

コナン『なるほど、それで肺の中の空気が膨らんで爆発したのか』

阿笠『今回のは勢いがあって面白かったのう』

コナン『俺はもっとじっくりのほうが好きだけどな』

光彦「ハァハァ、今回は本当にやばかったです、精神が崩壊するかと思いました」

コナン『お、光彦が帰ってきたな』

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「もう許して下さい止めてください!」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

光彦「いやああやめてええええ」グシャン

光彦「体が、体が重いです、動けません」ズリズリ

阿笠『今度は高重力の惑星じゃのう、大丈夫か光彦くん』

光彦「博士、ダメです。体が重過ぎて動けません」ググググッ

ポタッ ポタッ ポタッ

コナン『お、雨みて~だな』

ヒュウウウウウウウウン  ズガアアン

光彦「ぎゃあああああああ、な、なんですかこれは?」

ヒュウウウウウウウウン ズガアアン ズガアアン

阿笠『これは雹のようじゃの、だがとんでもない重力のせいで一個一個がマグナム弾並の威力になっとるぞい』

光彦「た、助けてください、助けてください博士」ズガガガガガガガガガガガ

光彦「ぎゃあああああああ」ビチャビチャビチャ

コナン『うげえええ、こりゃミンチよりひでーや』オエエエエ

光彦「・・・・・・」チーン

その後も光彦は異世界を転々とし続けた、ある時は体を焼かれ、ある時は息をすることも出来ず死に絶えコナンたちが飽きてテレビを消した後も死んでは異世界召喚を繰り返した。その殆どの異世界で光彦は大気の違いや地球との環境の違いで死んでいった。

なんとか生きていける環境の世界に行き着いても食料を手に入れる前に餓死するか異世界の生物によって殺されていった。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ光彦にやっとチャンスが巡ってきた

シュウウウウウウウウウウン
光彦「・・・・・・・・・・・・」

光彦「すうううううう・・・・」キョロキョロ

光彦「今度は大丈夫みたいですね、久し振りですねこんな星は、もう精神が限界を迎えるとこでしたよ・・・」

光彦「さて、生き物はいるでしょうか?それよりもまずは水ですね、水を探さなくては・・・」ガサガサ

ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアア キャ キャ キャ パシャパシャ

そこには水辺で水浴びをする人型に近い生物がいた

光彦「ひ、人がいました、やっと人のいる世界に来れました」イヤホオオオオ

○△□「jsbih:sbsp:pib :sktng:psi」

△△✖「vbs;nas;a:rpa/lnblh;ahg/a」

光彦「しまった見つかってしまいました」

○△□「sj/he/lssl/erjknb/s;」キョロキョロ

光彦「あれ?怒られるかと思いましたけど、なんだか友好的ですね、これはいけるかもしれません」

光彦「でもこれは困りましたね、何を喋っているかまったくわかりません・・・」

阿笠『ジジジジジ・・・聞こえるか光彦くん・・・』

光彦「博士!?博士ですね」

阿笠『この放送を聞いている時にわしらはもう生きておらんかもしれん、そのために光彦くんのために翻訳機を贈ろうと思う、うまく使ってくれ』

アリサ「ねえこの子一体どうしたのかしら?」

エリカ「なんだか困ってるみたいですね?」

光彦「分かります、なんて言ってるかわかります!?」

アリサ「キャア!急に喋り出したは」

光彦「すいません驚かせて」

エリカ「良いのよ気にしないで」

アリサ「ねえ、この子誘はない?結構いい感じじゃない?」

エリカ「そうね、ねえよかったらこれから村に来ない?」

光彦「ええ良いんですか?ありがとうございます」

アリサ「いいのよ来てくれると私達も嬉しいし」

光彦「いやああ、ついに僕の時代が来たかもしれませんね」ウキウキウキ

光彦「へえ、綺麗な村ですね」キョロキョロ

アリサ「ねえ光彦くんちょっとこっちに来てくれない」チョイチョイ

光彦「ハイなんですか?」トコトコ

エリカ「・・・・・・」ドガッ

光彦「アガッ!!」バタン

ギリギリギリ ズリズリ
光彦「んんんん~ここは一体、痛た頭がいたいです・・・」ブラン ブラーン

アリサ「エリカ、殴るのが弱いから起きちゃったじゃない、暴れられると迷惑よ」

エリカ「わかったわよ、私がやるわ」キラン ズブシュウウウ

光彦「ぎゃあああああああ」ブシャアアアアアア

エリカ「よしよし、これでうまく血が抜けるわね」ウンウン

アリサ「どうするやっぱり丸焼きにする?」

エリカ「そうね、このまま火にくべちゃいましょ」グルグル

光彦「・・・・・(ああこの世界でもダメでしたか・・・)」ジュウウウウウウウ

アリサ「よし焼けたわよ」グウウウ

「「いっただきまーす」」

ガブガブガブ ググググ ブチーーーン  グチャグチャ

女神「光彦死んでしまうとは情けない。新しい異世界を探しています、少々お待ちください」

光彦「・・・・・・・・・・・・」

女神「新しい異世界が見つかりました。あなたを召喚します、行ってらっしゃい」
シュウウウウウウウウウウン

今日もまた光彦は異世界へと召喚されている
人知れず知らない世界へと
~完~

近年の乱立する異世界召喚ものへのアンチテーゼとして書きました
異世界召喚の安直さには腹が立ちます、異世界の世界観が甘すぎる。人間はそんなに簡単に生活する環境を帰ることは出来ません
人間は日の長さを変えるだけでストレスを感じてしまいます、酸素濃度が数%変わっただけで動けなくなります
そういった設定の作りこみが出来ない量産型の安直な作者は自分の作品の世界観をもう一度見なおして悔い改めてください

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