[艦これ]桜花 (11)
空が燃えている。
赤く赤く燃えている。
空を飛ぶ敵の飛行機が悠々と飛び赤をまき散らしている。
そこに一つの飛翔体がスッーと吸い込まれていく。
そして飛行機にあたって爆ぜた。
一つの命を使って。
故郷を守るために爆ぜた。
それは花。
美しく儚い桜の花。
それは雷。
神が如き人の雷。
そして人の作った業。
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2013年突如現れた深海棲艦に人類は為す術もなく敗北し海を失った。
だがただ負けるだけの人類ではない
深海棲艦を鹵獲、研究し新たな兵器を造り出した。
古き軍艦の名を冠した深海より還りしもの。
通称艦娘。
そしてその乗組員にあたる妖精。
彼女らの登場により人類は攻勢に転じ徐々に海を取り戻していった。
だがその攻勢にも陰りが見え始めた。
度重なる防空網を抜けての本土爆撃を敢行する爆撃機。
異常な誘導性能、速度を持った戦闘機。
それらは人類の進歩の速度を上回る速度で進化した。
そんな状態が続き人類にも諦めの空気が漂い始めた頃。
異常な速度を持った爆弾が開発された。
誘導装置と制御装置が作れない状態で。
とある妖精がこういった。
「我々が誘導装置と制御装置の代わりになろう」と。
もはや反撃の機会を失った軍上層部は彼らの計画を受け入れた。
非常な覚悟をもってその計画は実行された。
人の模倣品である妖精を部品として扱った兵器。
その兵器は美しくも儚い桜の花に倣い名づけられた。
"桜花"と。
そして桜花の運用部隊が結成された。
部隊の結成にあたって軍の志願者の中から精鋭が集められた。
結成日に隊長は部隊名を表した。
「我々は神の雷が如く敵を打ち砕くものである故に我々は神雷である」
彼らはその日から神雷部隊と名乗った。
神雷部隊は各地で戦果を挙げ続けた。
彼らの通った後に敵はなく。
彼らの姿は虚空に散っていった。
「・・・お前たちは何のために死んでいったのだろうな」
神雷部隊彼らの活躍もあり人類は海を取り戻していった。
だが戦後彼らの活躍が語られることはなく。
むしろ隠匿され存在すら消されつつあった。
政府はそのような非人道的兵器を作成した事実はないと存在を否定した。
彼らはその名の通り神の雷の如き活躍をし。
そして人の夢のように儚く散った。
まるで桜の花のように・・・
今更ですが政治的意図は有りません。
それとそもそも艦これ要素は妖精さんだけです。
今回イベ報酬 一式陸攻、神風からの連想だったので
艦これssとさせていただきました。
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