雪乃「昨日、面白いライトノベルを見つけたのだけど」八幡「ラノベ?」 (22)

雪乃「ええ、インターネットのイッヤッフゥゥゥーで検索していたら見つけてね」

八幡「Yahooな。はっちゃけ過ぎだろ。マリオみたくなってんぞ」

雪乃「それで、あまりに面白い作品だったから、比企谷君にも教えてあげようと思ったのよ。面白い事はみんなで強要した方がいいし」

八幡「共有な。強要だと、無理矢理に変わるぞ。面白い事を強要するとか、それ、どんなイジメだよ?」

雪乃「ただ、これはかなりマーイーナーな作品らしいから、比企谷君でも恐らく知らないと思うのだけど」

八幡「マイナーな。何で全部伸ばしちゃったんだ? まあいいな、みたいに聞こえちゃうだろ」

雪乃「『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』って知っているかしら?」

八幡「知らなきゃ大問題だぞ、おい。つうか今まで雪ノ下は知らなかったのかよ」

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雪乃「それで、まずこの『ガイル』の主人公なんだけど」

八幡「俺まで略すな。ガイルの主人公って言われたら、ソニックブームする人以外考えられないだろ」

雪乃「主人公は比企谷君と同じでぼっちの高校生なのよ」

八幡「いや、それ俺だからな? 俺が主人公の話だし」

雪乃「それで、肝心の主人公の名前なんだけど、ド忘れしてしまって……。確か、ヒキ……ヒキ……」

八幡「それ前ふりだよな? ヒキタニかヒキガエルか引きこもりかの、どれかを言うつもりだろ、雪ノ下」

雪乃「ヒキ……ああ、思い出したわ。ひき逃げ君よ」

八幡「お前だろ、それ。厳密には違うけど、轢いた車に乗ってて、普通に入学式に行ったのお前だからな」

雪乃「それで、このひき逃げ君が『青春とは悪であーる』っていう舐めきった作文を書いたせいで」

八幡「本当に舐めきってるだろ、それ。さっきからちょいちょい妙なところで伸ばすな。棒線大好きなのかよ、雪ノ下」

雪乃「国語教師のいつまで経っても結婚出来ないアラサーの平塚静先生に呼び出される事になるの」

八幡「平塚先生に怨みでもあるのか? 泣いちゃうよ、あの人。むしろ、俺が慰めるまである」

雪乃「それから何やかんやあって、何かの部活に入って」

八幡「適当過ぎないか? 何でそんなに雑なんだよ」

雪乃「そこで美人でスタイル抜群で性格も素晴らしい上に親が県会議員で建設会社も経営しているお金持ちで上品なお嬢様、雪ノ下雪何とかさんに会うのよ」

八幡「ステマ。今度は頑張り過ぎだ、おい。しかもそこまで言ったらもう何とかさんいらないだろ。むしろはっきり言えよ」

雪乃「この雪ノ下雪何とかさんが実質、この話のヒロインと言っても過言ではないのだけど」

八幡「過言だな。由比ヶ浜とのダブルヒロインだから」

雪乃「私の引き立て役としてもう一人ヒロインが出てきて」

八幡「思いっきり私って言っちゃったぞ。いいのか、それ?」

雪乃「それでそのヒロインの名前が……これもド忘れしてしまったわね。確か、ユイ……ユイ……」

八幡「名前なら、思いっきりもう言ってるぞ?」

雪乃「思い出したわ、由比ヶ浜トメさんよ」

八幡「何でそこ間違えた? それもう、わざとだよな? 由比ヶ浜に冷たくないか、おい?」

雪乃「それで、この山ヶ岡さんが奉仕部にクッキーの作り方を教わりに行くのが最初の話で」

八幡「急に美味しんぼみたくなったぞ? 誰だよ、山ヶ岡って。中途半端に混ぜるな名前を」

雪乃「結局は未解決のまま終わるのだけど」

八幡「凄い消化不良な話だな。読んでてモヤッとしちゃう」

雪乃「これによって、海ヶ原さんとの仲が徐々に深まっていくのね」

八幡「美味しんぼになっちゃったな。あと、ヶを真ん中に入れなきゃいけないルールでもあるのか?」

雪乃「それでその後も、この放置部の三人は色々な依頼を放置していくのだけど」

八幡「何が面白いんだ、そのラノベ。投げっぱなしじゃねーか。一文字変えただけで全員のやる気が完全消滅しちゃったぞ」

雪乃「その中で魅力的なトラクターがたくさん登場するのよ」

八幡「キャラクターな。トラクター出てきても、農家の人しか食いつかないから」

雪乃「何人か例を挙げるなら、まず中二病の小鳩さんに」

八幡「別作品な。確かに友達少ないけど、それは別作品だ」

雪乃「あざとい二十七色さんや」

八幡「何で色を増やした? ていうか増やしすぎだ。色鉛筆セットみたいな感じになっちゃったぞ」

雪乃「男なのにどう見ても女にしか見えない、手塚君や」

八幡「そっちも別作品だから。テニス絡んでるけど、戸塚は王子でもないしゾーンとか作れないから」

雪乃「BLが大好きな恵比寿さん」

八幡「神様をホモにするな。罰が当たるぞ、おい」

雪乃「その他にも、名前をよく覚えられていないKawasaklさんや」

八幡「何で急にローマ字表記なんだよ。バイクメーカーみたいになっちゃったぞ」

雪乃「リア充なYAMAHA君」

八幡「葉山な。バイクメーカーとこんがらがってるぞ」

雪乃「あと、車も作ってるHonda君に」

八幡「そんなやつはいない。バイクメーカーから離れろよ」

雪乃「海外からの留学生のハーレーダビット君」

八幡「ダビットソンな。もうわざとやってるよな?」

雪乃「こんな感じで個性的なバイクが沢山出てくる作品なのだけど」

八幡「作品変わっちゃってるな。イニシャルDのバイクバージョンじゃないんだぞ。峠を攻めたりとかしないからな」

雪乃「毎年開かれる『このライトノベルがすごい』大賞に十六年連続で一位に選ばれていて」

八幡「盛りすぎだ。三年連続な。史上初の殿堂入りを果たしたのはありがたいが」

雪乃「キャラクター人気投票でも、男性部門でHIKITANI君が一位になっているし」

八幡「だから何でローマ字表記にすんだよ? あと、俺の名前はヒキガヤだからな。読みにくいけども」

雪乃「そして、女性部門でも一色さんと由比ヶ浜さんが援助交際してそうなキャラクター2015で二位と三位を受賞していて」

八幡「やめてやれよ。いろはすと由比ヶ浜イジメんな。というか、公式の投票じゃないし、お前もそれ七位に入ってるんだからな」

雪乃「こんな感じでこの作品の魅力はもう十分に伝わったと思うのだけど」

八幡「何一つ伝わらなかったぞ。見所とか一切触れてないし。何がしたかったんだ、結局」

雪乃「私としては、是非、貴方も『僕は友達が少ない』を読むべきだと思うのよ」

八幡「だから、別作品だっての。はがない関係ないだろ。いい加減にしろ」



終わり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月15日 (日) 19:26:14   ID: 8as8BlL0

すき

2 :  SS好きの774さん   2016年05月16日 (月) 21:43:31   ID: ZwTU8RNx

なかなかだった

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