葉山「これは人徳というやつか」 (39)


葉山「人徳なんだろうな、彼の」

優美子「隼人、どうしたの?体調悪いの?」


葉山「いや、なんでもないさ」

優美子「そう?無理しないでね、最近隼人ってば疲れてるっぽいし」

葉山「…ありがとう、優美子」


優美子「気にしなくていいって、友達じゃん」

葉山「ははは」


優美子「でもさ~あれだよね」

葉山「なんだい?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462833262

優美子「最近なんつーか…周りの環境変わりまくってない?」

葉山「そうかもしれないな」


優美子「まだ3年の夏なのにさ…2年の頃と比べて…」


葉山「この短い期間に色々あったからね」


葉山(そう…色々あったね、色々と)

優美子「戸部は海老名と付き合い始めたしさ…あれ驚いた」

葉山「まさかよ思ったが…君も納得したようで安心だったよ」

優美子「ま、戸部のアホもしっかり準備して告白したしね、まあいいんじゃない?」


葉山「結衣は…振られたんだったね」

優美子「そのことに関して、あいつに問い詰めたんだけどさ…」

葉山「そんなことしてたのか…」

優美子「信じられないくらい素直に謝るし…いつもみたく捻くれてないし」

葉山「それで許してしまったのかい?」

優美子「ま、そんな感じ。怒りの矛先見失っちゃってさ」


葉山「そうか…比企谷も彼女ができて変わったのかもしれないな」

優美子「雪ノ下さんに迷惑かけないでおこうって思ってるんでしょ」


葉山「……雪乃ちゃん…か」

優美子「あ…ごめん、隼人」

葉山「いや、構わないよ。そもそも彼女には付き合う以前にまともに相手にされてなかったしね」


優美子「……」


葉山「それで、結衣は元気なのかい?」

優美子「それがすっごい元気でさ…びっくりするくらい」

葉山「本当に?少し意外だな」

優美子「最初は無理してるんじゃないかって思ってたけど…どうもそういう感じじゃないし」

優美子「相変わらず、心の底から奉仕部楽しんでるっぽいし」

葉山「なによりじゃないか、彼女にとっても」


優美子「そうなんだけどさ、ヒキオの奴…もしかして」

葉山「なんだい?」

優美子「雪ノ下さんと付き合ってるくせして、結衣もキープしてるんじゃないかって思うし」

葉山「なるほど…そういう可能性もありか」


優美子「まあ、そういうことする奴じゃないとは思うけど…」

葉山「…」


葉山(彼は…優美子にまでここまで信頼されている…)

葉山(翻って俺は…)

ガラガラ


結衣「優美子、おまたせ~」

優美子「あ、結衣。遅いし~」


結衣「ごめんごめん、待たせてさ」


優美子「隼人、あーしら帰るけど…隼人も行く?」

葉山「いや…俺は少ししてから行くよ」

優美子「そっか、わかった。じゃあ、また明日ね」

葉山「またね、優美子、結衣」



葉山(…優美子との仲も淡白になってしまったな…)


葉山(そう…彼女と付き合えないことや、女避けとして使っていたことを知られて…)

葉山(彼女も俺との距離を考えるようになった…友達とは言ってくれてるが…)

葉山「少し、同情も交じってるのかもしれないな」

スタスタ


「葉山くん、一人なんだ?」

葉山「ああ、今日はそうだね」

「そっか、なら…」

葉山「なら?」

「ううん、なんでもないよ。それじゃまたね~」

葉山「ああ、またね」

葉山「…」


葉山「学校内での人徳は…相変わらず高いか」


スタスタ


葉山(誰か適当な女の子を捕まえて…)

葉山(食事に誘ったりすればきっと来てくれるだろう)

葉山(その子の友達も混ぜて、カラオケとかも行けたりね)

葉山(それ以外でも、街でナンパとかもいいかもしれない)

葉山「そういう人徳はあるんだけどな…持ってるステータスというのか」

葉山「でも彼女らは…俺の外見的なステータスに寄ってきてるだけ…」

葉山(そもそも、会ってすぐに気を許すのはどうかと思うが…相手がどんな性格かもわからないで)


葉山「しかし、長続きはしないんだろうな、俺は比企谷とは違うから…」

葉山「比企谷はナンパなどはできなくても、親交を深めることで彼女を捕まえた」

葉山「対して俺は……長く付き合っていても…」


葉山「結衣は無関心だったし、好意をもっていてくれてたいろはや、優美子は離れて行った」


葉山「なんなんだろうな、この違いは」


葉山(いや、本当はわかってるさ…頭ではね)

葉山(ただ、認めたくないだけ…やれやれ、陽乃さんに叱責されそうだよ)

駅前のレストラン


優美子「で?なんでこいつらもいんの?」


八幡「なんでって言われてもな」

雪乃「私達も由比ヶ浜さんに連れてこられたのよ」


優美子「結衣~?どういうつもり?」

結衣「あ、あははは…ま、いいじゃんいいじゃんっ」


優美子「ったく…それでなんなの?」

結衣「えっとさ、海の家のバーベキューだけど…」

優美子「あれね、あれがどうかしたん?」

結衣「ヒッキーたちも出たいってさ」

優美子「はあ?マジで?」

八幡「待て由比ヶ浜、俺は一言も出たいなんて言ってないぞ?」

雪乃「私も同じね、出てあげてもいいって言っただけよ」


結衣「もう…二人とも…」

八幡「そもそも、お前が持ちかけてきて、勝手に決めて行ったことだろ?」

結衣「それは…そうかもしれないけどさ…」

八幡「…ま、それで行くって言ったのは俺だけどな」

結衣「ヒッキー…」


優美子「なんか気遣えてるし」

八幡「なんか言ったか?」

優美子「なんでも…で、この二人も来るの?」


八幡「まずいか?」

優美子「まずくは……ないけど、そういや雪ノ下さんのファンもいたっけ」

八幡「……」

優美子「露骨に嫌そうな顔すんなっての」


雪乃「そんなことはいいのよ、それより何人くらいくるの?」

優美子「あーしら以外のグループもいるから…それなりの人数かな」

雪乃「それなら特に目立たないでしょう」

優美子「まあ、雪ノ下さんは大丈夫かもだけど…ヒキオは逆に目立つかもよ」


八幡「地味だしな、周りお洒落な奴ばっかだろうし」


優美子「それもあるけど…目の敵にされたりして」

八幡「は?目の敵?」

結衣「まあまあ。じゃあさ、ヒッキー達もOKだよね?」

優美子「いいよ別に、そもそもあーしが断るのも変だし」

結衣「ありがと、優美子」


八幡「なんか悪いな、急なことで」

優美子「あんたにお礼言われるとか…鳥肌立つんだけど」

八幡「俺のお礼は呪いの言葉なんですかね」


結衣「よーし、じゃあ決まったことだし、注文しよっか」

雪乃「そうね」

優美子「んじゃ、ヒキオの奢りで」

八幡「おい…さらっと言うなよ」


雪乃「大丈夫よ比企谷くん、私も出すから」

結衣「あたしも出すから心配ないよ~」

優美子「ちょっ…あーしが悪者みたいじゃん…冗談だし」

八幡「…ホントに冗談か?」

優美子「…」イラ

結衣「でもさ、こうなってくると…他の子も呼びたいよね」

優美子「え?まだ誰か呼ぶの?既に結構来るんだけど…」


結衣「ほらやっぱり高校最後の夏だしさ…これから本格的に受験だし」

優美子「まあ、そういう考えもあるけど」


八幡「誰を呼ぶんだ?」

結衣「何人か候補はいるんだけどさ…来てくれるかは別にして」


------------------------------------------------


川崎「え?今なんて?」

結衣「え、えっと…バーベキュー来ない?あはは」

川崎「…なんであたしなの?意味わかんないんだけど」

結衣「なんでって言われてもあれだけどさ」

川崎「普通そういうのは仲いいの同士でやるもんでしょ?」

結衣「う~ん…」

川崎「あたしなんて呼んでも仕方ないよ」

結衣「…そっか」

川崎「まあ、誘ってくれるのは嬉しいし、あんたに悪気はないと思うけどさ」


川崎「仲がいいわけでもない人と話すのが苦手な奴もいるんだって、あたしみたいな」

結衣「うん…ごめんね」

川崎「別に謝られるようなことじゃないけど」

結衣「ヒッキーも同じ気持ちだったのかな…ひょっとして」


川崎「…比企谷?」

結衣「うん…来てくれるんだけどさ…ゆきのんも」

結衣「二人とも、優美子たちのグループと仲が良いわけじゃないから…」

川崎「……」

結衣「気遣わせちゃったかな、悪い事したかも…」

川崎「…あのさ」

結衣「なに?」

川崎「さっきの話だけど…その」

結衣「バーベキューのこと?大丈夫だよ、無理に誘ってごめんね?」

川崎「そうじゃなくて…出てもいいけど…」


結衣「ええっ?大丈夫なの?どうしたの、急に…」

川崎「きゅ、急じゃないし…やっぱり、由比ヶ浜の誘ってくれた気持ちを蔑ろにするのもさ…悪いし」

結衣「そ、そう?」

川崎「うん…」

結衣「じゃあ…来てくれるんだ?」

川崎「海の家のバーベキューでしょ?最近暑いし…丁度いいじゃん」

結衣「だよね、海水浴も同時にできるもんね、それじゃみんなにも言っとくね」


川崎「よろしく」


川崎「……」

なにを?

生徒会


いろは「バーベキューですか?」

結衣「うん、もしかしたら聞いてるかもだけど」

いろは「初耳です」

結衣「じゃあ、いろはちゃんもどう?」

いろは「そうですねー」

結衣「隼人くんも来るよ?」

いろは「葉山先輩が…そうですか…」

結衣「あれ?いろはちゃん…?」

いろは「ところで先輩も来るんですか?」

結衣「ヒッキー?来るよー」

いろは「なら…参加します」

結衣「いろはちゃん…現金だね…」

再会

葉山「なんだか、たくさん参加するみたいだな」

戸部「だべだべ、いろはすも来るってさ~」


葉山「そうか、いろはもか」

戸部「隼人くんも参加するんでしょ~?」

葉山「ああ、そのつもりだよ、戸部もだろ?」

戸部「まあね~」

葉山「それで…彼女とはうまく行ってるかい?」

戸部「え?それ聞く?隼人くんに聞かれると緊張するわ~」


葉山「どうしてだ?意味が分からないが…」

戸部「まだ付き合い始めたばかりだしさ~…うまく行ってるかはわかんね」

葉山「そうか…まだまだこれからか」

戸部「そういうことかな~、隼人くんの方は?」

葉山「俺のほうかい?」

戸部「彼女とか作らないん?」

葉山「そのつもりはないかな…今のところはね」

戸部「そうか~、隼人くんならすぐ作れるでしょ?」

葉山「そういう問題じゃないんだが…」


葉山(やれやれ…俺も未練がましいかな…)

戸部「そういやバーベキューだけどさ」

葉山「なんだい?」

戸部「結衣のこと狙ってる奴とかも参加するらしいよ」

葉山「へえ」

戸部「あとは…いろはすのファンとか」

葉山「そういえば、いろはも人気は高いからね」

戸部「だよね~、もしかしたら今度のバーベキューでカップル誕生とか?」


葉山「…比企谷は雪乃ちゃんがいるからな…もしかしたらそうなるかもね」

戸部「おお~なんか楽しみじゃね?隼人くんもこの流れに乗ってさ」


葉山「おいおい」


葉山(彼女…か。あんまり考えてなかったが…)

葉山(俺目当てで参加する子もいてくれるかな?)

バーベキュー当日 海の家


ガヤガヤ


八幡「……思いっきりリア充の集まりって感じだな、場違い過ぎる」


八幡「雪ノ下は…どこかね?一緒に来ればよかったか」


ドン

「いてっ」

八幡「あ、悪い」

「あれ?お前って…」

八幡「??」スタスタ

八幡(なんか見られてた気がする、空気のような存在のはずだが…ここにいる奴らからすれば)

八幡「しかし多いな…さっさと水着に着替えるか…?あんま見せられる裸じゃないが」

八幡「それにしても…戸塚は来れないんだよな…用事入ったとかで…はあ」


八幡「雪ノ下と由比ヶ浜と…あと誰が来るんだったか」


---------------------------------------------


葉山「多いね…というより、もう始まってるのか…勝手に開始してるね、はは」

優美子「あ、隼人~こっちこっち」

葉山「やあ、優美子」

優美子「つーか、人多いし…先に泳いできたいくらい」

葉山「まあ、そうだね。もう水着姿だし」

優美子「隼人も水着だし、行く?」


葉山「そうだね、そうしようか」

優美子「んじゃ他にも誰か呼ぶ?」

葉山「戸部や結衣はいないのかい?」

優美子「戸部は海老名のとこ、結衣は…」

葉山「ん?」

優美子「隣のクラスの奴らにナンパされてる」

葉山「おやおや、結衣も大変だね」

優美子「…あいつら」

葉山「行かないのかい?優美子」

優美子「行ってもいいんだけどさ…なんていうか」


葉山「?」

優美子「ヒキオの反応が見たいっていうか」

葉山「比企谷の?どうしてだい?」


優美子「そりゃあ…」

葉山「優美子は友達想いだね、本当に」

優美子「そりゃ、結衣は親友だと思ってるし」

葉山「でも、その優しさは結衣にとっては酷かもしれないよ?」

優美子「わかってるけどさ…」

葉山「君は結衣がいつもと変わらず元気でよかったって言ってたじゃないか」

優美子「言ったけどさ…結衣はヒキオの元を離れたいとは思ってない気がして」

葉山「ああ、なるほど。それは結衣にとってはあんまりいいことじゃないね」


優美子「うん…だから、今はヒキオの近くにいれるし結衣も元気なのかなって」

葉山「…恋人じゃなくてもいいから、好きな人の近くにいたいか。敵わない恋でも」

優美子「…もしも雪ノ下さんとの仲が拗れた時の代用として残してるなんてことはないと思うけど…」

優美子「ヒキオの気持ちは見ておきたいかな」

葉山「彼は本当に好かれてるな…見たところ他にも狙ってる子はいるみたいだし」


優美子「なんか色々心当たりある…バレンタインの時とか」

葉山「個人的に興味はあるよ、俺も静観してようかな」

優美子「隼人、そんな趣味あったんだ」

葉山「いや、どうなんだろうね。比企谷の交友関係も知っておきたいしね」

優美子「ふ~ん、そういやあそこでもなんかナンパっぽいことが…」


「いろはす、ほらこの肉とは焼けたぜ?」

いろは「え?あ、うん、そだね」

「いろはす~」


葉山「いろはも大人気だな…比企谷も大変だ」

優美子「なにが大変なのかはよくわからないけど、なんか勘違いしてる連中多くない?」

葉山「まあ、合コン気分で参加してる人は多いだろうな」

優美子「そりゃ女子メンバーが全員美人だし?そうなるだろうけど」

葉山「これはすごい自信だ、まあ合ってるけどさ」

優美子「な~んか嫌な感じ、トラブル起きないといいけど」

雪乃「比企谷くん」

八幡「雪ノ下…よう」

雪乃「ええ、おはよう。あなたも水着になってるのね」


八幡「日差しもきついしな」

雪乃「そうね、絶好の海水浴日和かしら?」

八幡「そうだな…しかし」

雪乃「なにかしら?」

八幡「似合うな、水着…」

雪乃「ありがとう、あなたもずいぶん素直に褒めてくれるようになったわね」

八幡「下はパレオ付きか」

雪乃「安心でしょう?」


八幡「言われてみれば…ここではつけててくれ」

雪乃「わかったわ、さっきも知らない男子から声をかけられたし」

雪乃「なんだか視線も気になるのよ」

八幡(まあ、わからなくもないな…完璧美少女だし)


雪乃「どう思うかしら?こういう状況は?」

八幡「許せんな、人の彼女に手を出すなってかんじだ」

雪乃「ふふ、ありがとう。うれしいわ」

八幡「……」

雪乃「でも」

八幡「ん?」

雪乃「あなたが外してと言えば、いつでも外してあげるから安心していいわよ」

八幡「なにを安心するんだよ…あとなんかエロイな、その台詞…」

雪乃「あら、それくらい普通でしょ?私達恋人同士なのだし」

八幡「まあ、そうだけど…」

八幡(雪ノ下が言うから、なんかメチャクチャエロく感じる…)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月10日 (火) 12:26:49   ID: jeGqQRYi

サキサキのNTR来ましたわ~

2 :  SS好きの774さん   2016年05月16日 (月) 20:58:41   ID: gY8Eod7u

葉山みんな嫌いっぽいけど、こんな扱い受けるほど俺は嫌いじゃない、むしろ相模の方がいまだに嫌いだわ

3 :  SS好きの774さん   2016年05月17日 (火) 00:30:39   ID: RC2VwYIi

原作でも八幡とお互いを心の底から認め合ってるような感じで 本人たちは嫌いだとか言ってるけど何だかんだで親友にちかい関係だとおもうんだけどな どっかの馬鹿がクズ葉山で寝取り物を書いたりするから悪い印象が出てくるんだな

4 :  SS好きの774さん   2016年05月17日 (火) 01:49:42   ID: vLnYfCan

このssの作者が最初に寝取り物書いた居酒屋じゃないの?

5 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 10:11:47   ID: lKqdP8-M

これ居酒屋だろw

6 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 11:43:12   ID: TipTnhng

ほ、ほら原作でもテニスコート奪いに来たり、海老名さんから相談受けときながら戸部を連れてきたり、マラソン大会で噂を消すためにあーしさんといろは利用したり腹黒い部分あるし
原作者の魅せ方が下手なだけかもしらんけど

7 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 13:27:01   ID: FcjhEDn_

まあ葉山が八幡を褒めるのは自分のためらしいし でも何だかんだあの二人はいい仲になりそうだな 腐腐腐腐

8 :  SS好きの774さん   2018年08月01日 (水) 16:51:59   ID: _J8nTEdT

1<
来てねぇよアホが

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom