☆☆★


そう、20歳でした。あなたは『大人』でした。

けれど、あなたは文香さんや美波さんよりも幼く……。

いえ、それどころか私よりも幼い『子供』のように見えたのです。

Rise 空には太陽が
Force あなたには強さが 似合う
Days 涙は夢をみて
Stage 未来を描いては 掴む

『2003年の野球烈闘って番組の主題歌で……』

『あの頃はスターの球団が……』

あの笑顔は何処へやら。

いつもと違う表情を浮かべたあなたは、ぽきりと折れてしまいそうなほど真っ直ぐで、純粋で。

世界中 風さえ在るのなら
どこまでも ぼくらは飛べると誓い合う
絆が見えた

ダイヤモンドから 夢を放つ ペルセウス
まだ見ぬチカラを その瞳に秘めて
光の翼が 虹をかけてゆく Field of dreams
輝く あなたを信じてる

友紀さん。

その瞳に秘めているものは。

はるか遠くを見つめている、その瞳は……。



☆☆★

初めて会った時の印象は、はっきり言って最悪でした。

《ありすちゃんってさー！すごくかわいいよね！プロデューサーもそう思わない？》

《あたしもかわいいよねーうんうん、まぁねこっぴーのほうがかわいいんだけどさー！》

《あんな子、妹に欲しいなぁ。ありすちゃん……あたしがもらっちゃってもいいかな？なーんて》

《必死にがんばるありすちゃんを見てるとニヤニヤしちゃうね！ついつい応援したくなっちゃう！》

……典型的な、悪気がない『子供』扱い。私が呑み込んでしまえば終わりでした。

終わりのはずでしたが……。

友紀さんが、あまりにも『子供』らしく振舞うものだから。私と同レベルまで降りてくるものだから……度々衝突してしまったのです。

その際、野球好きということを知られてしまい、馴れ馴れしく付き纏われるようになり今に至ります。

ちなみに『ありすちゃん』呼びは、矯正するようにと以前伝えました。

現在……友紀さんがどのように解釈したかは知りませんが、何故かプロ野球審判員の橘高敦氏からとって……

『橘(キッ)ちゃん』

と、呼ばれています。

何度橘です、と訴えても変えようとしないので、ズルズルとここまで来てしまいました。

友紀さんに対する印象が変わったのは、あの日……プロ野球が始まってしばらく経った4月半ば、4月14日からです。


☆☆★

友紀『小熊もいいピッチャーだけどさぁ、完封を取ったのがあのスターの球団だからねー。その辺りの地力が、広島戦で出てしまったというか』

ありす「小熊さんは……ちょっと調子が悪かっただけです」

友紀『それでも10-1はねぇ……』

ありす「……キャッツも大概じゃないですか。長野さんの100号を勝利で飾れなかったし……救援陣も、不安定で」

友紀『ぐうっ』

ありす「その点、うちの田島さんと福谷さんは最高ですね！」

友紀『ぬうぅ……』

友紀『ーーーあっ、そうだ。話は変わるんだけど』

ありす「唐突ですね」

友紀『19日の熊本でやる巨人中日戦さ……』

ありす「チケット代ですか？いつ渡しましょう」

友紀『それは当日でいいよ。帰りのことなんだけど……』

ありす「はい」

友紀『試合、午後6時開始で、ホテルに一泊してから帰るはずだったよね』

ありす「ええ」

友紀『ちょっと宮崎の実家の方から……一度顔を見せろ、ホテルキャンセルして実家に泊まれ……って言われちゃって』

ありす「……」

友紀『橘ちゃんが居るのにねぇ、ウチの人身勝手だよね。んで、橘ちゃんがどうせ嫌だーって言うから駄目だってウチには言っ……』

ありす「別に大丈夫ですよ。泊まらせて頂けるなら、むしろありがたいじゃないですか」

友紀『えっ……』

ありす「……なんですかその声は」

友紀『……ん、んー。良いんだ……実家に行くと色々面倒だから体の良い言い訳にしようかと思ったのに……』

ありす「残念でしたね。友紀さんの実家のご厚意に甘えさせてもらいます」

友紀『うん。分かった。じゃ、ホテルはキャンセルしとくから……っと、もうこんな時間か。そろそろ電話切るね』

ありす「ありがとうございます。では、切りますね」

友紀『早く寝ないと背が伸びな(ﾌﾞﾂｯ

ありす「ふぅ」

ﾐｼｯ

ありす「……」

ありす「……？」

ありす「……少し、電灯のヒモが揺れているような……」

ありす「小さい地震でも起きたのでしょうか……調べてみましょう」ﾎﾟﾁｯ

ありす「……」ｽｯｽｯ

ありす「え……？」

熊本県益城町

震度7

この板は歌詞書くのアウトだぞ

>>20、21

無知ですみません。歌詞使用は禁止だったのですね。

①人の死に関する描写は無いのですが、震災の支援をする描写は問題でしょうか？

②歌詞使用部分を消して再投稿することは可能でしょうか？


とりあえずこのスレはHTML依頼をします。