橘ありす「帰ってきたタクシーフレデリカ?」 (53)



前作
橘ありす「ツッコミアイドルフレデリカ?」

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橘ありす「タクシーフレデリカ?」




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―――――事務所―――――

ガチャ
橘ありす「おはようございます」

宮本フレデリカ「へいらっしゃい! お客さん! どこまで!?」

ありす「で、デジャヴ……!?」



フレデリカ「みんなおまたせ! タクシーフレデリカが帰ってきたよ!」

ありす「みんなって誰なんですか……」

フレデリカ「全国86342947人のタクフレファンのことだよー♪」

ありす「多いし細かい!」

フレデリカ「北は大宮から南は箱根まで!」

ありす「狭っ!? その間に8600万人も住んでませんよ!?」



フレデリカ「まあまあ♪ 細かいことはいいじゃんいいじゃん!」

ありす「私が諫められてるのは納得いきませんが……」

フレデリカ「~♪」

ありす「……なんでまたタクシーを始めたんですか?」

フレデリカ「ネタ切れ!」

ありす「ネタ切れ!?」



ありす「ならわざわざ何かをしようと思わなくていいじゃないですか!」

フレデリカ「それじゃつまんないもん!」

ありす「価値観がそもそも合わない」

フレデリカ「大丈夫! きっと今日は満足気な表情で事務所を出ることになるよ……!」フフフ…

ありす「どんなメンタルしてたらそんなこと言えるんですか……」



フレデリカ「なんとタクシーフレデリカは、前回よりもパワーアップして帰ってきたのだ!」

ありす「はあ……。違いがあるようには見えませんが……?」

フレデリカ「まず、料金体系!」

ありす(前回、一番意味不明だったとこですね)

フレデリカ「初乗り運賃を撤廃したよ!」

ありす「とうとうタクシーとは言い難いですが」

フレデリカ「そもそも儲けることは目的じゃないもん!」

ありす「まあ、悪いことではないですけど……」

フレデリカ「そして10歩ごとに500円」

ありす「金儲けしか考えてないじゃないですか!!!」



ありす「何が『そもそも儲けることは目的じゃないもん!』ですか! 最低です!!!」

フレデリカ「でもクレジットが使えるよ!」

ありす「なんのフォローにもなってませんし!」

フレデリカ「じゃあやめよっと!」

ありす「当然でしょう……」

フレデリカ「みんなの『ありがとう』のために身を捧げるよ!」

ありす「そのちょくちょく偽善者っぽいのはなんなんですか」



フレデリカ「変わったのはそれだけじゃないよ!」

ありす「はあ……」

フレデリカ「この前までは、目的地をちゃんと言わなきゃダメだったでしょ? フロアとか、部屋の名前とか!」

ありす「ああ、そういえば面倒なシステムでしたね」

フレデリカ「そこにメスを入れたのです!」

ありす「“伝われば言い方はなんでもいい”ってなったんですか?」

フレデリカ「ううん! 目的地はテレパシーでお願い!」

ありす「なんでそう極端な采配をしてしまうんですか!?」



ありす「『面倒くさい』だったのが『不可能』になっちゃいましたよ!」

フレデリカ「事務所のみんなの考えもわからないのにアイドルができると思うなー!」

ありす「私は目の前のフランス人の考えがもうわからないですもん」

フレデリカ「フレちゃんは、ありすちゃんの考えが手に取るようにわかるよ!」

ありす「冗談でしょう?」

フレデリカ「今は、『なんでロボットアニメみたいな歌を歌わなきゃいけないんだ!』って思ってるね!」

ありす「思ってません!」

フレデリカ「WHY!!! 346’s PEOPLE!!!」

ありす「うるさい!!!」



フレデリカ「あとはね!」

・移動速度800%アップ!

ありす「危なっ!」

・フレちゃんの声量999%アップ!

ありす「うるさっ!!」

・日経平均600円ダウン!

ありす「タクシーどこ行ったんですか!!!!!」



ありす「はぁ……はぁ……」

フレデリカ「なんかお疲れさま!」

ありす「他人事のように!?」

フレデリカ「じゃ、お客さんを探しに行こ!」テクテク

ありす「ち、ちょっと待ってください!」トコトコ



ありす「というか前回は部屋で待ってたじゃないですか」

フレデリカ「甘い! 智絵里ちゃんより甘いよ!!」

ありす「あの人は激辛中の激辛だと思いますが」

フレデリカ「今の世の中、待ってるだけじゃこの業界でやっていけないよ!」

ありす「まるで競合他者がいるかのような!?」

フレデリカ「あいつもこいつもこの職をただ一つ狙っているんだよ!」

ありす「こちとらツッコミ地獄ですよ」



―――――廊下―――――

フレデリカ「フンフンフフーン♪」

ありす「はあ……」

フレデリカ「あ!」

南条光「あ! 2人とも!」

ありす「あ、光さんですか、こんにちは」

フレデリカ「乗ってく?」

ありす「ノリ軽いですね」

光「おお! 今日はタクシーなんだ!」

ありす「その慣れがこっちには異常に感じます……」



光「あの……、フレデリカさん……」

フレデリカ「どうしたのー?」

光「その……」

ありす「? 言いたいこと言っちゃっていいんですよ?」

光「う、うん! ……か、肩車、してほしいんだ……!」

ありす「え?」

フレデリカ「ほほう!」

光「だ、ダメかな……?」

フレデリカ「だいじょーぶ! へい! かもん!」シャガミ

光「あ、ありがとう!」ヨイショ

フレデリカ「じゃあ立つよ!」セーノ

光「おおーーー!」ヨイショー

ありす「……ついていけない」



光「高いな! さすがフレデリカさん!」

フレデリカ「フフーン! でっしょー?」タタタタタ

ありす「わ! 走ったら危ないですよ!」タタタタ

フレデリカ「あ! どこまで行く?」

光「レッスン室Aまでお願い!」

フレデリカ「はーい!」ダダダダダ

ありす「加速してません!?」



小関麗奈「……声がするから来てみれば、……あんたらなにしてんのよ」トコトコ

フレデリカ「あ! レイナちゃん! 乗ってく?」

ありす「それ全員に言わなきゃいけないんですか」

光「アタシの上に乗るのか? 3段重ねだな!」

麗奈「無理に決まってるでしょ!!」



ありす「麗奈さんもレッスンですか?」

麗奈「そうよ。光と小春とね」

光「あとヒョウさん!」

麗奈「なんでイグアナを敬う必要があんの」

フレデリカ「ヒョウさんによろしく言っといてね!」

麗奈「あいつのポジションはどこなのよ!」



古賀小春「こんにちは~」トコトコ

ありす「噂をすれば……ですね。こんにちは」

光「小春ちゃん! 高いとこからごめんね!」

小春「2度目はないですよ~」

ありす「小春さん!!」

フレデリカ「フランス人はセーフだよね!」

麗奈「何よその謎ルール」



フレデリカ「今日はダンスレッスン? ボイストレーニング?」

小春「表現力です~」

ありす「へえ、表現レッスンは難しいですよね。どんなことするんですか?」

光「ヒョウさんの言ってることを、自分なりに表現するんだ!」

ありす「はあ!? そんなレッスンがあるわけないじゃないですか!」

麗奈「……」

ありす「麗奈さん!?」

麗奈「そもそもイグアナの言うことなんてわかるわけないじゃない……。なんでこいつらは違和感なくできんのよ……」

フレデリカ「レイナちゃん……」アワレミ

麗奈「その目やめなさいよ!!!」



フレデリカ「あれ? そのヒョウく……さんは?」

ありす「言い直す必要はないのでは」

小春「あ、先にレッスン場に行ってます~」

光「さすが!」

ありす「ありえなくないですか」

小春「私がお茶を摘みに行ってる間に、先に行ったみたいです~」

麗奈「“お花を摘みに”でしょ!? どこの世界に茶摘みしてからレッスンに向かうアイドルがいんのよ!!!」

ありす「麗奈さん!」ダキッ

麗奈「うわっ!?」

ありす「今度いっしょに食事でも!」

麗奈「急に!?」



フレデリカ「そうこうしてる間にとうちゃーく!」

光「おお! ありがとう!」ヨイショ

麗奈「そもそもなんで肩車だったのよ……」

小春「何とかと煙は高いところが」

ありす「小春さん!!!!」



~~~~~~~~~~


フレデリカ「この辺には誰かいないかな~」

ありす「せめてまともな人がいてほしいです……」


神谷奈緒「お、ありすとフレデリカ」

ありす「奈緒さぁぁぁん!!!!」ダキッ

奈緒「え!? 前もこんなことなかったか!?」

フレデリカ「……」ジーッ

奈緒「睨むなよ!!!」



ありす「完全に、おかしな人たちがやってくるフラグを立ててしまったと思ったんですが……」

奈緒「同僚アイドルの大多数を“おかしな”でまとめるなよ」

フレデリカ「みんな面白いよねー!」

ありす「フレデリカさんはおかしいサイドの筆頭ですからね」

フレデリカ「行動が!? 性格が!?」

ありす「どっちもです!!!」



フレデリカ「奈緒ちゃん! 乗ってく?」

奈緒「何に!?」

ありす「その反応を待ってました!!!」

奈緒「ありすは大丈夫なのか!?」

フレデリカ「40秒待ってやるー!」

奈緒「混ざっちゃってるよ!」



奈緒「残念だけど、あたしは1つ上の階に行くだけだから、助けはいらないかな」

フレデリカ「今ならこの常務のブロマイドがついてくるのに!?」

奈緒「それで誰が釣れるんだ!?」

フレデリカ「誰も釣れないよ」

ありす「口調!」



奈緒「じゃ、あたしは行くから。ありす、頑張れよ」

ありす「はい……」

フレデリカ「だいじょうぶ! フレちゃんがついてる!」

ありす「だから頑張る必要があるんですよ」

奈緒「じ、じゃあな」

ありす「奈緒さんのことは忘れません……」

奈緒「あたしは死ぬのか?」


フレデリカ「……」



ありす「さて、そろそろいい時間ですし、戻りましょうか」

フレデリカ「……」

ありす「フレデリカさん?」

フレデリカ「ありすちゃん」

ありす「はい?」

フレデリカ「レイナちゃんに抱きついてたよね?」

ありす「は、はい」

フレデリカ「奈緒ちゃんに抱きついてたよね?」

ありす「……はい」

フレデリカ「フレちゃんには!!!???」

ありす「ええ……!?」



フレデリカ「こんなにも長い付き合いなのに! ありすちゃんから抱きついてくれたこと、一度もないよ!?」

ありす「いえ……、そもそも私は頻繁に抱きつくキャラでもないですし……」

フレデリカ「お姫様抱っこもしたのに!」

ありす「それ関係なくないですか!?」

フレデリカ「というわけで、フレちゃんはハグを要求します!!!」

ありす「はい!?」

フレデリカ「ハグしてくれないと、十歩も動かないからね!」

ありす「割と融通が利く」



フレデリカ「……」ツーン

ありす「はぁ……」

フレデリカ「……」チラッチラッ

ありす(変なとこで意地を張らずに、勝手に抱きついてくればいいのに……)

ありす(いや、“抱きつかれた”という事実が重要なんですかね……、まったく……)

ありす「フレデリカさん」

フレデリカ「! なにかな!」

ありす「まあ、いつも、楽しい……と、思わないわけでもないですよ」ダキッ

フレデリカ「!!!」パァァァァ

フレデリカ「うんっ!!!」ギュー

ありす「ちょ、痛いですって……もう……」



フレデリカ「ってかあんまりタクシーじゃなかったね!」

ありす「本人が言うんですか!?」



おわり



過去作


智絵里「朋さんとの」ほたる「ユニット名」

池袋晶葉「世のため人のため雪美のためペロのため」

渋谷凛「卯月の誕生日を」本田未央「祝いたい?」

朋「苦労人事務所の」未央「みんなの」ありす「ウワサ?」


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