【ジョジョSS】ナランチャ「恋がしてぇなぁ…」 (6)

ミスタ「いきなりどうしたんだよオマエ恋がしてぇだなんてよォーどんなドラマ見たんだ?」

ナランチャ「うあああああ、なぁアバッキオ愛って何なんだろうなぁ…」

ミスタ「オイオイオイオイ、俺のことは無視かよ…」

アバッキオ「ナランチャもそういう年頃なんだろうそれで、何のドラマに影響されたんだ?」

ナランチャ「何だよ二人共!ドラマの影響じゃあねーよ!」

ミスタ「だったら何なんだよ?アニメか?それとも漫画か?」

ナランチャ「ちげぇーよ!違うんだよ!ミスタ!そういうことじゃあねーんだよ!なんつーかこう急に胸が苦しくなったっていうか…俺にもよく分かんねぇんだよ!」

アバッキオ「ナランチャ、お前は『恋』がしたいんだよな?それは人を『愛したい』ってことでイイんだよな?」

ナランチャ「よくわかんねーけど多分アバッキオの言うとおりなんだと思うんだ…自分じゃどんなに考えても分かんないけど多分『そういうとこ』なんだと思う

ミスタ「何だよムズカシー顔しながら頬を赤らめてんじゃあねぇよ気持ち悪いな!恋バナなら人生の先輩のこの俺が…」

アバッキオ「ミスタの話は聞かなくていい、無駄な時間を過ごすだけだ」

ミスタ「どういう意味だコラ!」

アバッキオ「そのままの意味だが?まさかストレートに言わなきゃいけない なんて酷なことさせるはずがないよな?」

ナランチャ「ミスタはナンパしてもすぐフラれるからなぁ~」

アバッキオ「ナランチャ、本人を目の前に本当のことを言うのはタブーってやつだぜ」

ミスタ「なんだとォ~~~~????オメーなぁ!」

アバッキオ「落ち着けミスタ、話が逸れているぞ今はお前のナンパの失敗談を聞いてるんじゃあないんだ。ナランチャの話を聞いているんだ」

ミスタ「うぐッ…そ、そうだな…(ちくしょ~…悪口をちゃっかり言いやがってムカつくぜ!)」

アバッキオ「すまないなナランチャ話を続けよう。お前は今好きな人はいるのか?」

ナランチャ「いや、全然いないけど?」

ミスタ「マジかよ!じゃ、じゃあカワイイ女の子とか見たときよォ…この子と話してぇなあってな気持ちにはなるか?」

ナランチャ「それは…まぁ、なるかな…」

アバッキオ「ミスタ、もうナンパの話はいいと言っただろう、次はないぞ」

ミスタ「わかってるよ!別にナランチャにナンパを勧めてるわけじゃあねぇよ!俺はナランチャの気持ちを確かめたかっただけなんだよ!」

アバッキオ「気持ちだと?」

ミスタ「だからよォ~ナランチャは要するに人を好きになりたいし愛したいし愛されたいってことなんだろ?だったらそれがどこまで本気なのか知りたかったんだよ~」

ナランチャ「ん?わかんねーよミスタ…俺ミスタの言ってることがわかんねぇ…俺はあんまり頭が良くないんだからよ…」

ミスタ「バカ野郎!いいかナランチャ!恋や愛ってのはな!頭なんか使わねーんだ!気持ちだ!気持ち!」

アバッキオ「なるほどな、ミスタの言ってることはよく分からんが気持ちが大切だということは本当だ…そこでだ、昔読んだ本の中にこういう物語がある」

フランスのとある病院で少年と少女は出会い恋をした少年の名前はジャン・フラーク少女の名前はエリオ・マイヤ
エリオは生まれつき病弱で子供の頃から入院していた、ジャンは事故で大怪我を負いエリオのいる病院に入院することになった同じ病室になった彼らは話していくうちに互いが互いに惹かれ合うようになっていたある日ジャンはエリオにこう言った
「僕は君のためなら死ぬことだって恐れない何者だろうと怖くはない僕は君を愛している」
それから一週間後ジャンの怪我は治り退院することになった。退院後もエリオの見舞いにいったり会えない時も手紙でやりとりをしていた
ある日エリオが退院したという知らせを受けたジャンはエリオから教えて貰った住所を元にエリオの家を尋ねることにした
するとその家には人気はなくエリオの姿も見られなかった肩を落として帰ろうとするとそこには大量の喪服を着た人が列をつくっていたジャンはそれを見て慌てて走り近くの男に
「あれは誰の葬式なんだい」と訊いた
「あぁ、そこの病院で小さな頃から入院していた女の子の葬式だよかわいそうに…なんでも退院当日に殺されたそうだ」と男は答えた
ジャンはその翌日から毎日欠かさず墓参りに行くようになった。エリオの家を尋ねてエリオの両親からエリオの死について質問したなぜエリオが殺されたのか犯人は誰なのか知りたいことはなんでも訊いたがその答えは驚くべきものだった
ジャン「それじゃあ僕は誰も責めることは出来ないじゃないか…誰も…誰も悪くないじゃあないか…」
ジャンはエリオを殺害した犯人を恨むことも憎むこともできずただただ犯人を庇うようにつぶやきながら泣いた

ミスタ「それで…どうなったんだ?結局…犯人って誰なんだ?」

アバッキオ「この話はこれで終わりだ…問題なのはジャンはエリオをこの世で最も愛していた…その愛していた人が突然殺されたしかしジャンはその犯人を恨むのではなく庇ったのだ…なぜだと思う」




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ナランチャ「なぜ…って…殺した犯人がそのエリオの身内だった…とか…アバッキオちょっと難しすぎるよ…俺には分かんねぇ」

ミスタ「なーんだカンタンじゃあねぇかよ!ジャンはエリオのためなら死ぬことだって恐くねぇんだろ?だったらエリオも自分が死ぬことは怖くなかったハズだぜ?つまりだ!エリオは自分の命が短いことを悟ったんだよ…そこで医者に安楽死をお願いしてジャンには悲しまれないように退院したってウソの手紙を書いたんだ!」

ナランチャ「でもよォ…それだとちょ〜〜っとおかしくないか?」

アバッキオ「ふむ…」

ミスタ「ンぁ?どこがおかしいんだよ」

ナランチャ「だって、エリオはジャンに住所を教えていたんだろ?だったらよ…ジャンに退院しただなんて手紙を送ったらジャンが家に行くことくらい想像できるんじゃあねーのか?それにエリオもジャンを愛してるならエリオはジャンの悲しむようなことはしたくないと思うんだよ…だからそんなウソの手紙だとか、医者に安楽死させてくれだとか。しないんじゃあないかな?」

アバッキオ「…解決したな、実はこの話は俺が今作ったタダの作り話だ」

ミスタ「なっ…なにぃ〜〜〜〜ッ!?つ、作り話だぁぁあッ?」

ナランチャ「マジかよ…!オレはてっきりノンフィクションだと思ってたよ…」

アバッキオ「まぁ、落ち着けや…この話は確かに作り話だがこの作り話は人の考えがわかるようになってる…」

ナランチャ「まさか…『あの質問』も含めて『作り話』だったのか…?」

ミスタ「どーゆーことだァ?」

アバッキオ「つまりだ、最後の問いかけはなぜジャンは犯人を庇ったかという答えに辿り着く過程でお前達が考えた推理がお前達の考えそのものになるんだよ」

ミスタ「そりゃあ…そ〜だろなんせ推理なんだからよォ」

アバッキオ「分からん奴だなオマエは…ナランチャ、お前は恋人が悲しむようなことはしないんじゃないかと推理したな…この質問に正解なんてないがお前に恋人がいたらお前は恋人が悲しむところは見たくないってことなんじゃあないのか?別に恋人じゃなくてもいい、トリッシュやブチャラティ、フーゴにジョルノ、そして俺達…お前が大切だと思っている奴ならお前の中では誰一人として悲しむ姿を見たくないんだお前はそういう優しいヤツなんだ…おい、ミスタなんでそんなに泣いてるんだ」

ミスタ「泣いてなんかいねーよ!ただ!嬉しくてよォ!ナランチャ!オメーイイヤツだなぁ!」

ナランチャ「よしてくれよ!気色悪いなぁ…そりゃあ確かにオレはみんなが悲しむところなんて見たくないよ…でも、それが恋だとか愛だとかよくわかんねぇんだよ…」

アバッキオ「いいか、ナランチャ…俺達仲間や家族に向けてるのは愛情っていうやつだぜここにおける好き嫌いは男女関係の好き嫌いじゃあない…そして、全くの赤の他人でもお前が命を懸けても守りたいと、そう思うやつがいたら、そいつは恋だ…」

ナランチャ「わかった…じゃあオレ恋は遠分しねぇ…」

ミスタ「何ッ!?お前、なんで!?」

ナランチャ「だってオレが今持ってる愛情じゃあみんなを守るだけで精いっぱいだから…ほかの誰かに向けられるほどじゃあないんだよ」

ミスタ「…………」

アバッキオ「…そうだな任務を成功させたら多分お前の持つ愛情だとか恋心だとかは今よりも多くの誰かを守れるようになるだろうよ」

ガチャりと部屋のドアが開く

ブチャラティ「そろそろ時間だ行くぞ」

ミスタ「あ、ここにもいた愛情はあるのに恋心がわかんねーヤツが」

トリッシュ「みんな……何してるの?はやく行きましょう?」

ジョルノ「そうですね…行きましょうブチャラティ」

アバッキオ「あぁ…」

ナランチャ「ヨッシ!」

フーゴ「……」

ミスタ「行きますかッ!」

ブチャラティ「覚悟はいいか?」

〜完〜

即興及びかなりの短編で文章があたふたしたりキャラが少し不安定になったりちょっとおかしな部分が多々ありましたが読んでくださってありがとうございました!
また何か書きたくなったら書きます!

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