【艦これ】提督「続投しましたけど…」 (741)
仕事の息抜きでしたが、
身バレして身内から要望あったので…
・地の文ありのSS
・独自設定あり
・前回よりさらに遅筆
一応前作 提督「下っ端ですが何か?」
提督「下っ端ですが何か?」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459178942/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461506612
私は下っ端の提督である。
長所は医師免許保持(元心療内科、外科)。
あと、艦娘の艤装制御系に割り込める。
補足すると、艦娘への割り込み程度、誰でもできる。
武官の連中が言語を覚えてないだけである。
やろうと思えば小学生でも出来る、多分。
そんな私はしばらく前まで犯罪者扱いだった。
その理由はラバウルの提督を殺った為。
私が殺したラバウルの提督は、
艦むす使ってのクーデターを考えており、
そのために海外艦を必要としていた。
たまたま私は件の海外艦の輸送担当で、
奴が先に仕掛けてきたから死んでもらった。
元はといえば、
私がヤツからの提案を断ったから(彼は同志を求めていた)
私に取っても奴に取っても自業自得と言える。
けれども、殺されかければやり返したくなるというのが人間だろう?
で、私は奴をぶっ殺しこうなった。
死んだラバウルが、
偉大で腐った大本営様に反抗しようとしていなければ、
十中八九私も殺されていただろう。
何よりも私が大本営判断により、
やむなく提督に復帰されることもなかったに違いない。
自分でも何故提督に復帰できたのか不思議で仕方ないが、
まだ、当分戦え、
あるいは死んでこい、
おそらく、そう言うことなのだろう。
そんなことを考えながら、私は一人歩いていた。
歩けているのも、私が自由になったからに他ならない。
振り返れば、何泊もした庁舎が見えるが振り返りたくもない。
仮にも日本に戻ってきたのに、
私はラバウル殺しのせいで、
ほとんど宮古島の拘置所で過ごす羽目になった。
ろくな自由時間もないまま、解放された途端に新任務である。
…また海外かと思うと、気分が重い。
それから自分の艦隊と会いたくない気持ちもあり、
私の足取りは重かった。
とりあえず、宮古島拘置所の正門を出た。
何週間も暮らしたが、居心地はよくなかった。
青々したパパイヤの木さえ忌まわしい。
「さて、どうするか?」
一人言が漏れた。
バスで移動しないといけないのだが…
そう思っていると、
正門の陰に隠れていたらしいピンク髪と黒髪の少女二人から声をかけられた。
「お勤めご苦労様です。提督」
むかつく物言いは、明石。
八重歯が見える。
「お疲れさまです」
ちょっと暗い声が大淀だった。
二人とも私服である。パッと見は、ただの少女にしか見えない。
「早いな。港で良いって言ったんだが」
そう私が言うと、明石が笑って言う。
「いや~?先生のご尊顔を誰より早く笑って差し上げたくお待ちしておりました」
「明石、テメエ」
「驚きましたよ。ラバウル殺し。無許可の艦むすへの私的改造。うちの大将はやっぱりイかれてる」
「お前に言われたくねぇ、実年齢晒すぞ」
「別に良いですよ?私、肉体年齢はJKですから」
「相変わらず正気を疑うな」
「またまた。先生ったら、ひどいですね~」
明石に何か言ってやろうと、私は口を開く。
「お二人とも」
そこで、大淀が口を挟んだ。
「明石は、からかわない」
「ええ?」
「それに提督」
ギロリと大淀の目が私を貫く。
「処理待ちの書類がどれだけあるかご存知でしょうか?」
大淀は静かにキレていた。その気迫に、私は口を閉ざす。
「海外艦の私的利用。
そしてラバウル殺害に関連した機密保持違反。
条約違反の不正ツール及びコードによる艦娘への強化。
私がどれだけ手を尽くしたか解ってますよね?」
「言う通りです」
「説教は山ほどあります」
だから会いたくなかったんだ。
と、私は内心毒吐いた。
予算の都合だろう。
私の艦隊は民宿に逗留していた。
浴衣姿の夕立が、目ざとく私を見つけた。
「あ、提督さん!おかえりなさい!」
不器用な結びで駆け出すものだから、
いろいろ目に悪い。
「声がデカい」
夕立はそのまま私の腰に抱きつく。
そこで夕立はハッとした表情となる。
「げ、大淀」
「げ、とはなんですか?夕立」
大淀を見てから夕立は私に言う。
「聞いてよ提督さん、大淀ひどいんだよ?夕立に嘘教えたっぽい!」
「…?」
しれっと、大淀は答える。
「時間をズラしただけです」
…ああ、なるほど。
【子供がいては怒れない】
そう思ったから、
そうしたのだろう。
で、夕立は私に会えず大淀に腹を立てている。
そして怖いから直接文句が言えない、か…
なんとも子供っぽいが、
理由がわかると夕立の行動に納得がいった。
「お前は煩いからな」
私が頭を撫でつつ言うと、夕立は反論した。
「失礼ね!私だって大人しくできるっぽい」
その姿は子供でしかない。
思わず半笑いするしかなかった。
まったく知らなかったが、
一番広い部屋に皆と集まる事になっていた。
大淀、明石、由良、天城、夕立、涼風。
自分の艦隊の視線を浴びながら私は言う。
「えー、まあ世話をかけた」
その続きを言う前だった。
涼風が口を挟む。
「本当だよ。漂流してさ、次は監獄だ」
「監獄ではないですよ、拘置所です」
天城が訂正する。
正しいが、私としては話す機会を折られたままだ。
「ともかく!」
私は声を張った。
このままだと、グダグダになる予感がしていた。
「無事に復帰してしまいました。皆様、よろしくお願い致します」
私が言うと、由良だけが拍手した。
逆に困った。
…叩かれることなど話していないのだが。
次の句に詰まっていると、廊下で待っていた給仕のおばちゃんが声をかけてくれた。
「初めていいですか?」
助かった。
私はおばちゃんに言う。
「ええ、お願いします」
誰の発案か知らないが、そのままささやかな祝いが始まった。
宴も酣だった。
コースらしき料理も終わり、
由良が食事に飽きた涼風と夕立を部屋に連れて行った。
私は、追加注文した枝豆をつまみにうっすーいビールを飲んでいた。
「…で、提督。どう殺したんです?ラバウル」
突然、明石がヌッと横から入ってきやがった。
「おい、お前ら飲んでたんじゃないか?」
思わずそう言うと、ヤツはグラスを空にしながら言った。
「えー?二人なら寝てますよう?」
見れば天城と大淀が酔い潰れている。
こいつ、邪魔だからって二人も潰したのか。
「お前。なんか盛っただろ」
「てへぺろ♥由良にも盛ってます~」
「ああ通りで…」
戻ってこないはずだと思った。
何か言おうとしたが、
ニコニコ笑う明石を見ていると怒る気も失せた。
「いいや、で何が聞きたい?」
私がそう言うと、ヤツは答えた。
「うーん、ゴシップ好きとしてはラバウル殺った時の手順ですかね?」
私は何日か前に、取り調べの役人に話したことを繰り返すことにする。
「金剛に砲撃、加賀に爆撃だよ」
「そりゃ、ひき肉になりますね」
「まあ、あの島にいた…」
「提督の哀れな被害者ちゃんたちですね」
明石の指がひょいと枝豆を掴む。
「そう、彼女たち全員にフラグとプログラムを組んでおいた」
「ひっどいわぁ、で中身は?」
「ラバウルの前で罪悪感ないし緊張したら、自衛が発動するってやつさ」
「ほー直接的じゃないんですね」
「嗚呼、実際自殺までは想定してなかった」
「うそでしょ?」
「マジだ。本当は取り調べのゴタゴタで工作する予定だった」
「うわ、ひど」
「まあ、しゃーない。そりゃ発狂だわ。自分の手で惚れた男を殺せばな」
「…で、そんなことして、なーんで提督は大丈夫なんですか?」
「いや、そもそもラバウルの反逆があったから不問になった」
「ついてますねー」
「確かに」
「で、ラバウルのお人形ちゃんたちは?」
ビール片手に明石が尋ねる。
行儀が悪いが、彼女は枝豆の皮を皿に投げて戻す。
「ヤツの艦隊か?解体らしいな。『普通の女の子』になるんだろ」
「へえ…」
私の言葉に、明石は目を細めた。
だが、その先を彼女が聞く事はなかった。
「ねえ、不思議なんですけど?だったらなんで提督は勾留されたんです?」
代わりに明石はそう言って、私を見る。
「殺す発端となった奴との接触そのものがアウトらしい」
「あー、そう言う事。お前も危険分子だろうと?」
「その通り。一度は国家転覆罪やらなんやら言われたが、
結局、私の改竄能力程度問題ではないと見逃してもらったよ」
「あらいやだ。在野に鬼畜を放つのね」
「…鬼畜」
「違います?でもそれ以外にもあったんでしょ」
「推測だが、特定の政治活動してなかったのも良かったらしい」
「うわ、それこそありえないです。極右のくせに」
「誰が極右だ。誰が」
「提督ですよ~。政治に文句しか言わないですから」
「何時でも何処でも、誰が政権獲ろうと、結局同じ事するだけさ。
だから文句言って何が悪い?」
「政治観なんてやめましょ。あんなゲームつまらないですもの」
「ゲームね」
「違います?…しっかし、ねえ?だからって野放しにしていいんですか?こーんな提督を」
「上からしたら、私など何時でも消せる程度でしかない。だからだろう」
>>1です。
今夜分を突っ込みます。
夕暮れ時だった。
天城は涼風とすれ違ったが、
夕立は見つけられなかった。
遠くへ行かないはずだ。
そう思ってはみたけれど、
彼女は夕立だったら、
やるのではないかと思い始めていた。
ぼんやり歩くと、誰かとぶつかる。
とっさに謝る。
…ふと、気になる人影が見えた。
「提督…?」
雑踏の中、彼の姿は一瞬だった。
他人の空似であるはずである。
彼は死んだ。そうわかっていた。
けれども、
知らず駆け出していることに天城は気づかなかった。
だが、かけてもかけても彼に追いつけはしなかった。
やがて息も上がり、天城は足を止めた。
汗が鬱陶しい。
息も上がりかけていた。
「何をやっているんですか…」
と、自分自身バカバカしくなった。
だが、それでも自分を責めることは彼女にできなかった。
もしも彼に会えたなら、そう思ってしまった自分がいた。
腕の中に飛び込めたなら。
そう思って、天城は自己嫌悪に陥った。
女が武官の邸宅を訪ねたのは、
夜も更けてからだった。
品の良さそうな奥方と、
一人っ子らしい令嬢が女を出迎える。
「ごめんなさいね、少し遅れるみたい」
「いいえ。むしろお招きいただきありがとうございます」
そう礼を言いつも、
女は何故遅れたのだろうかと訝しんだ。
そうして始まった食事に送れること30分、
慌てた様子で武官はやってきた。
「遅れて申し訳ない」
彼はそう言い、女は立ち上がって挨拶する。
「いえ、今日はお招きいただきありがとうございます」
「すまない。後任の士官を迎えに言っていたら遅くなった」
女は、取引先が話していたことを思い出す。
日本人のネットワークが狭いと見るべきだろう。
…そもそも提督が殺されるのがおかしいのだが。
女はそのことを黙って武官と握手を交わした。
「それ以外に、問題はないのでしょうか?」
女が聞くと、武官は言った。
「そうだと思いたい。
イレギュラーばかりだ。
姫が出る、士官が死ぬ」
武官は、席に着く。
「面倒ばかりですね」
女が相槌を打つと、
武官は疲れた横顔を少し見せつつ言った。
「全くだ。
軍艦の小型化と深海どもへの対抗に成功したものの…
その指揮が可能な人間が限定されるのはかなわん。
得体の知れない妖精が見える人間。
しかも、適性がある人間に限定されると言うのは面倒でしかない。
羅針盤を回せるだけで軍人になれる…
海どもは狂ってるとしか言いようがない」
「妖精ですか」
「機械仕掛けの艦娘を艦娘だとたしらめる要素だ。
深海と同じく訳のわからない存在」
女も、艦娘技術には明るくない。
突然発生した深海に対抗できる機械仕掛けの女達。
女はそれ以上の理解をもっていなかった。
だからこそ、武官の話は興味を覚えた。
「どうお考えで、戦局を」
女が質問すると、武官は言った。
「我々の優勢だと思いたい。
だが、敵は講和を結べる相手ではない。
そこが最大の難点だ。
そもそも意思疎通が不可能というのが、
公式の見解だ。
事実率いていると見られる姫どもは、
ことらとの対話など考えていない…
いや、そもそも親玉がいるのさえ怪しい。
殺せど殺せど敵は現れ、我々は戦場に女を送り出し続ける」
武官は、世論と同じことを話した。
だが、そのあとで彼は一つ付け加える。
「ただ、あくまで…」
「はい?」
「噂だがね。
艦娘と深海は表裏の関係ではないかと言われているようだ」
「それは?」
「深海が本来の姿。
艦娘と言うのは、
そんな相手に対抗するために生み出した存在だと。
…となると同時発生的に各国が開発に成功した理由にもなる。
各国の艦娘を調べれば、『始まりの艦娘』もわかるかもしれない」
「始まりの艦娘ですか」
「そう、その雛形さえ手に入れれば戦争が終わるとな。
深海にしろ、艦娘にしろ、そのオリジナルさえ解き明かした暁には、
彼女たちはもう海原に立つ必要がなくなる」
「面白い噂ですね。
でもなぜ、始まりである必要があるんですか?」
女の質問に男は答えた。
「その女を調べれば、
この世に存在するであろうあらゆる艦娘がわかる。
その女を殺す手段さえ確立できたら、
もう我々は人形に金を払わなくていい」
女はSF小説を思い出した。
あれは祖先を殺したから起きたトラブルを描いたのだったのか。
「…研究する価値はありそうですね」
女が言うと、男は楽しそうに話し出す。
「だろう?
となると、大本営が一兵器である艦娘を一元管理しつづけるのは、
それが本当ではないのかと私は考えてる。
ラバウルの彼が殺されたのも、それが理由かもしれない」
気分が良くなったらしい。
武官は高そうな葉巻に火を付ける。
「なんにせよ、惜しい人材を無くした。
彼の喪失で、様々なことが頓挫した」
「彼は民間での運用を考えていたと聞きました」
「私も同じことを考えていたよ。
海のやつらばかりががでかい顔するのは、ね」
武官は、そう本音を漏らすと言った。
「仕事の話はここまでにしよう。
食事を楽しもうじゃないか」
とある男は、自室で資料を見ていた。
前回の作戦は上々だった。
手に入れた敵の鹵獲も多く、
また『ドロップ』として艤装を手に入れたのも喜ばしい。
あの少将との密約で、男は目的の数だけの検体を得ていた。
後は、比較するための個体さえあればいい。
男は先日会談した女のことを思い出す。
…もうこちらが『始まりの艦娘』への道筋に至りつつあるのに、
企業があんな女をよこしたのは、
まだこちらを不審に思っているからだろう。
窓口はあの程度でいいと思われての采配に違いない。
そう考えると、男は小さな屈辱感を覚えた。
全て、ラバウルの死が原因である。
「半ばで死なれるとは」
独り言が溢れる。
奴がしくじらなければ万事が遅れることはなかっただろう。
男は、あの男について考えた。
奴が生きていればそれなりの求心力があった。
現役だからこそ、
奴を神輿にすればそれなりの影響力は持てた。
艦娘の民営化、民間による戦争の終結。
技術を独占する赤レンガさえ、その玉座から引きずり下ろせた。
…だが、そんな男は殺された。
男は当初、大本営の工作を疑った。
奴の野心は大本営すら越えたところにあった。
だからこそ、
男は奴の死は奴を嫌った大本営によってもたらされたのだと予想した。
権力がある手合いのやることなど同じだ。
奴も消されたのだと、男は信じていた。
しかし真実はより奇妙だった。
泡沫の提督。
先日排除した、あの提督が成し遂げたらしい。
男は、真相を知って驚いた。
奴は大本営の息がかかっていたわけではない。
むしろ逆で、いつでも消えていい立場だった。
だからこそ、ラバウルは接近し、
そして件の提督の手で殺された。
よりにもよって自らの艦娘を利用されて。
調べて分かったが、あの提督は元医者だ。
それも士官学校出である。
でありながら末端の士官であることに疑問を感じたが、
男は奴は何らかの咎で送られたのだと予想した。
だからこそ、
ラバウルを死に至らしめた艦娘への加工が可能だったのだろう。
…単純な命令だったからこそ見逃され、
だからこそラバウルは殺されることになった。
まったくツメの甘い男であった。
「しかし、もういい」
男はほくそ笑む。
計画は上手くいく。
これで全ては揃う。
忌々しい大本営の手によらない建造が出来ると、
男がそう確信した時だった。
夜が深いというのに内線が激しく鳴った。
今夜はここまでです。
よろしくお願い致します。
>>1です。
今夜分行きます。
二人で謝りに行ったものの、男は忙しそうだった。
どうやら、拉致された邦人と関係があるらしい。
天城と夕立は、しかたなく男の部屋を後にした。
「…おなかすいたっぽい」
男の部屋を後にすると、夕立はそう言った。
天城はすでに朝食を済ませていたが、
ここは夕立に合わせることにした。
「じゃあ、食事でもとりましょうか」
「うん」
二人でラウンジに降りると、
由良がコーヒーを飲んでいた。
由良は二人に気づくと、自分の座る席の空きを示した。
「どうぞ」
「どうも」
天城が礼を言うと、
夕立はブッフェ形式の朝食をすでに取りに行っていた。
彼女らしいと天城は思いながら、腰掛ける。
「天城は、食べたんですか?」
由良の質問に天城は答える。
「ええ、少し前に…由良は一人で?」
「そうですね」
同室の大淀が見当たらないからそう聞いてみたのだが、
由良の表情が変化したことを天城は見逃さなかった。
大淀の名を出した瞬間、由良は不快さを示した。
聞かないことも出来たが、天城は由良に尋ねていた。
「大淀と何かあったんですか?」
「少しだけですよ」
含みのある言葉が返ってきて、
天城は由良の顔を観察する。
落ち着いてはいるらしい。
無言は長く続かず、由良から話してくれた。
「喧嘩したんです」
「…意外ですね。
付き合い長いと聞いてましたけど」
天城が言うと、由良はコーヒーの入ったソーサーを置く。
彼女は指でその縁を触りながら言った。
「そう。結構長いですけど」
「……何か言われたんですね」
「ええ。姉のことを」
「お姉さんの?」
天城が意外に思って言うと、
由良は硬い表情を作る。
「そうです。
天城は知らなかったでしょうけど、
私の姉も艦娘だったんです」
「…皆さんが同じ施設出身だとは聞きましたが初耳です」
「話さないでって、私が言ってましたから」
「そうだったんですね…」
【艦これ】提督「続投しましたけど…」 曙「糞提督地の文長すぎ」
天城は由良の身の上を聞きながら、
それが何故大淀との喧嘩に結びついたのかわからなかった。
由良は続ける。
「で、その姉があるとき病に倒れたんですね。
…働きすぎと、運が悪かったんでしょう。
不治の病でした。
そんな姉を、先生…提督が見ることになったんです。
当時、提督はまだ医学生でインターンでしたか。
提督か、姉か、どちらが先か知りません。
けど、二人は惹かれあった」
由良は、そこでソーサーの上のカップを再び手にした。
天城は由良の身の上を聞きながら、
それが何故大淀との喧嘩に結びついたのかわからなかった。
由良は続ける。
「で、その姉があるとき病に倒れたんですね。
…働きすぎと、運が悪かったんでしょう。
不治の病でした。
そんな姉を、先生…提督が見ることになったんです。
当時、提督はまだ医学生でインターンでしたか。
提督か、姉か、どちらが先か知りません。
けど、二人は惹かれあった」
由良は、そこでソーサーの上のカップを再び手にした。
「提督は、姉を何としても救いたかったようです。
また姉も……生きる理由があった。
私のため、そして治療費の金が必要だったんでしょう。
姉は、それで艦娘になりました」
由良はコーヒーを一口飲む。
ふうと、息を吐いてから彼女は言った。
「艦娘となった姉ですが、
数年後出撃したきり帰ってきませんでした。
轟沈したそうです。
だからでしょうね、先生は職を蹴って提督になったんです」
「…なんの為に?」
「わかりません。
復讐と言うより、
私には提督さんは死にたいように思えます」
「…あなたたちを救ったのに?」
「提督さんは、そう思ってはないでしょうね」
天城は、由良の姉と提督との関係は分かったが、
その先がやはり分からなかった。
「それが、大淀の喧嘩と何の関係があるんですか?」
「回りくどくて、すみません。
大淀が悪いわけじゃないですけど、
そんな姉と比較したんですよ、私を」
やっと、天城はピンと来た。
「提督にとって、由良は贖罪か、
または姉さんの代用とでも言われたんですか?」
「…近い内容ですね」
由良は気まずそうに、カップを置く。
天城は、そこで不思議に思ったからこそ聞いていた。
「聞いていいですか?」
「何でしょうか」
「どうして皆さんは、提督さんを…そこまで」
天城の質問に、由良は答えた。
「自由にしてくれたからですよ。
提督さんは、身寄りのない私達で揃えたと多分天城に話したと思います」
「ええ。以前そう聞きました。
だから、提督になれたとも」
「それは提督の視点です。
わかっていますよ、提督さんはおそらく死にたかったんでしょう。
それが姉を殺した責任からかまではわかりませんでしたけど。
でもですよ、私達からしてみたら、
病を消して、施設から出してくれた恩人です。
天城がそうなったみたいに……
信頼も手伝って…
あんな人を嫌いになれるはずがないでしょう?」
天城はそこでやっと理解した。
ああ、そう言うことなんだと。
彼女達は信頼に加えて、強い恋慕もあったのだと。
だから大淀と揉めたのか。
そこまで察した天城は黙る。
由良は、皿に山盛りの料理を乗せてきた夕立を見ながら言った。
「好きでした。
絶対に言えなかったですけど」
夕立が聞こえなかった距離で、
由良はそれだけ言った。
そこから由良が、
その話を振ることはなかった。
天城は自分もコーヒーをとってこようと席を立った。
今夜はここまで。
>>314氏 申し訳ないですね
曙「糞提督地の文長すぎ」
提督「潜望鏡でも殴ってストレス解消しなよ」
>>1でそ。
今夜分を投げます。
木曾と由良のくだりをやらかすという…
ほんと本業が書物なのに…
「?!」
意識が戻ると、武官は自分が縄で縛り付けられていることに気がついた。
ひどく足が痛み、どうしたことか体が重い。
暴れようとして、彼は足に異変を感じた。
「起きたか」
人影が動いた。
見ると、自分の仕事机に男が腰掛けていた。
片耳のない男。どうしたことか血まみれだが、覚えがあった。
「お前、何故…」
死んだはずの男だった。
提督はニタリと嫌な笑みを浮かべる。
「爆死してないと?」
小汚い格好の提督はそう言うと、武官の万年筆を弄ぶ。
「耳を切った程度で誤魔化せる捜査だからそうなる」
そう言うと、男は万年筆を捨て武官に近寄った。
「貴様、どうやって?」
武官の質問に、男はつまらなさそうに答えた。
「別に、対策してただけ。グラーフの派遣で予感が当たったよ。
しっかし上手い手段だ。最初に自分の艦隊に猜疑心を抱かせる。
でもって護衛ひとりとなったところで、護衛ごと爆殺って手段か」
「明石と死んだはずでは?!」
武官が声を張り上げると、提督は言った。
「死ぬか。万一に備えて右耳切って正解だった」
「お前…ッ」
「殺したければ直接こい。艦娘経由で死ぬほどバカじゃない」
武官は絶句した。
艦を一時的に操る装備、それを目の前の男は封殺したらしい。
ありえなかった。
いくら男が艦娘を改竄できると言っても、あれは装備だ。
妖精の技である。ヒトである男の腕前が及ぶものじゃない。
「装備までは改造できないはずだ!貴様は!一体何を」
「その通り。私は装備は触れない」
おどけるように提督は腕を広げて見せた。
おどけるように提督は腕を広げて見せた。
「が、装備でも制御に後から割り込むなら別だ」
提督はそう言うと武官を見た。
「私、これでも生涯勉強だと思っていてね。
由良の暴走の原因の特定くらいさせてもらったよ。初めて見た。勅令妖精なんて」
武官は背筋に冷たいものを感じた。
こいつ、そこまで。
「お前…だが、何故だ?あれは回避できないはずだ。強制命令なのだから!」
武官が言うと、提督は何事もなかったのように言った。
「私以外から装備を受け取ったら、私の艦むすが落ちるよう事前に組んでおいたまでさ」
「…正気か?そんなことすれば」
武官の言葉を遮って、提督は言う。
「まともに動きはしない。だろ?
低級な命令だが、妖精として艤装が認識するならそこに命令と書き込まれる文法があるはずだ。
…たとえ勅令妖精であっても、そこに違いはない。だから、その式を消したまで。
おかげで装備の引っぺがしと、明石の復帰に大変な時間かかった。
グラーフは賭けだったよ。赤城のコードで代用して動いてくれてよかった」
武官は困惑する。だが、それでも彼は言った。
「だったら、何が望みだ?せっかく助かった命で、こんなことをして!」
「復讐に決まってるだろ?さ、サクッと、目的を語ってくれ。
そしたら最悪だけは回避しよう」
提督は言うなり拳銃を取り出し武官に向ける。
「誰が話すか!」
武官が答えた瞬間、銃声が轟く。
右足の甲を撃たれた武官は悲鳴をあげるが、同時に痛みが薄いことに気づく。
「…が、ぁ」
「今度は麻酔じゃない。話せよ」
提督は武官の頭を掴む。
鼻先に熱い銃口を突きつけ、提督は言う。
「なんなら、その汚い足以外も切ってもいいんだ」
「…?!」
武官の前に提督はナイフを見せる。
「これであんたの健の一部を切ってる。手当てすれば、回復するかもな」
武官は唾を吐きかけた。
提督はそれをぬぐうことなく、武官の頬にナイフを突き立てる。
激痛と出血。武官が痛みに取り乱す中、提督はナイフを引き抜き言う。
「話せ」
「…あ、あ、あ」
武官は目の前の男を見る。
正気じゃない。
こんな鬼畜なことを、人ができるものか。
「ラバウルの亡霊と、金を出してるやつの居場所を吐け」
「…断る!」
武官はそれでも黙った。私一人の問題ではないとの想いからだった。
その返答を受け、提督は目を細める。
「なら、選択させようか?死にたくなるような地獄の日々を生きるか。
それとも言って私に殺されるか。選べ」
武官は提督を見る。殺し前提で、何を言ってる。
「言うか、貴様なぞに!」
「根性は買う。その野心も。ただただ残念だ。お前もダメだ」
提督は、そう言うと言った。
「【来い、これが君らの『提督』だ】」
「…?!」
武官は、提督の一言に耳を疑った。
今、この男は何と言った?自分には妖精は見えはしないのに…
ドアが開く。二人の女が部屋に入ってきた。
「あなたが私の提督なの? それなりに期待はしているわ」
「ヨロシクオネガイシマース!」
その声を聞いて、武官は凍りつく。
まさか、この男。そこでやっと武官は男が血まみれの理由を理解した。
「お前……何した?」
「何って?暇だったんで、あんたの家族を艦娘にしてみた。
嫁も娘も親父の事情を知ってるぽかったんで保険だな」
「…馬鹿な、バカな!」
武官は驚く。
ありえない。ありえない。こんな環境で建造など出来るはずが…
しかし非常にも男の希望を打ち砕くように、提督は言った。
「艤装は作れなくても内装は出来る。幸い、パーツならある程度強奪してきた。
ほら見ろよ。あんたの愛しい家族じゃないか?報国してる彼女らにその対応って、父親として最低だな」
やめろ、見たくない。
武官はそう思うが、足音は近づく。
その二人の艦むすは、武官の前に立った。
「提督!」
「提督!」
金剛と加賀。
だが面立ちの面影が、妻と娘のソレだった。
武官は、絶叫する。
「妻と、娘に何をしたァ!!」
「言ったろ、艦娘化手術だよ。よかったな。大型艦だ。アタリだ。
頑張れ、『提督』さん」
提督は顔色ひとつ変えず言った。
「イカれの鬼畜が!妻と娘を戻せ!」
武官の絶叫に、提督は何も感情を見せず言った。
「なぜ戻す義理がある?」
提督は、そう言うと武官の顔を掴む。
その力は、異常に強い。
「先に手を出したのはお前だ。でもって、普通考えないか?
お前に報復する相手なら、お前の大切なものから壊したいってな。
お前のせいでお前の家族はこうなった。お前の悪徳が、二人を巻き込んだ。お前が原因だ。お前が下手打った。
父親としても男としても失格だよ。カス」
武官は、提督を見る。彼は真っ青になりながら言った。
「だが!こんなことが…!
彼女らは何もしてないじゃないか!」
「何もしていない?それが私の報復の対象にならない理由になるか?
お前の悪徳がお前で止まると思うか?お前で支払えないものを、お前の家族に払ってもらっただけだ。
私はやるなら徹底すると決めていてね。残念だけど、目撃の可能性のある二人には犠牲になってもらった。
お前のせいだ。お前が悪い」
武官は、加賀と金剛を見た。
かつて妻と娘だった二人に武官は必死で呼びかける。
「私が、私が分からないのか?」
武官は妻と娘の名前を呼ぶが、二人はキョトンとするだけだった。
そんな武官に提督は言う。
「一度艦娘化して、解体して、でもって再度艦娘化させた。
その無茶に記憶と人格なんか、とっくに揮発してるよ」
「こ…この!人でなし!」
「人間だからここまで出来る。さて…艦娘は国家の所有物だ。
資格のないアンタが、所有できるかな?あきつ丸のような派遣でなく」
「…あ、あああ。あああッ!」
武官は叫ぶ。
それを一瞥すると、提督は武官の椅子を蹴飛ばした。
硬い床に武官は転がり、天井を見上げることになる。
提督がそんな武官を見下ろす。
「ああ、吐けばよかったのにな。そしたら知らずに死ねたろ?」
「お前を、お前を絶対許さない!」
武官は提督を見上げて叫んだ。
提督は答えつつ武官の顔面を踏みつけた。
「許す?笑わせるなよ。お前に許されて何になる?
それより感謝してほしいな。犯罪者の妻子として後ろ指されないようにしてやったんだ」
そのまま提督は思い切り武官の頭を蹴りつけた。
>>1です。
今夜はここまで。
誤字脱字がひどいっすね。
>>1でそ
今夜分を投下します。
エタるのががが
大鳳は、荒い息を整える。
深海化した大淀だったが、なんとか大破まで持ち込んだ。
雷撃と爆撃を繰り返すこと数十度。
そこまでしてやっと、彼女らは大淀を戦闘不能にさせた。
「化け物ですね」
大淀は、ひどい状況だ。
大破してなおも動けたのは、深海化と深海由来の艤装の為だろう。
が、その無理と度重なる攻撃で大淀自身ボロボロだった。
眼鏡は無く、艤装はすでに原型を留めていない。
それでもまだ浮いているのが不気味で不思議だった。
「…まったくや。木曽と阿武隈…
でもって叢雲まで戦闘不能まで追い込むなんてな」
龍驤が大鳳の言葉を拾う。
血まみれの大淀が二人を見る。
その目が死んでいないことを大鳳は不愉快に思った。
この状態でまだ折れないのか。
「…弾切れですか」
大淀が顔を上げる。
「残念やけど次で終いや。…でも、あんたも限界やろ?」
龍驤の言葉に、大淀は答えなかった。
返事をするかのように、大淀の背負った深海側の艤装が軋む。
だが、先ほどのような凶悪極まる砲雷撃は起こらない。
龍驤は、それを見てざまあみろと思った。
「誰も沈んどらへんけど、幕引きやな。いくら…バケモンでも次はあらへん」
龍驤は止めの攻撃を繰り出す。
そんな彼女のの目配せを受け、大鳳もまた攻撃隊を発艦させた。
これで終わり。その確信があった。
これで終わる。だが…
「はい、喧嘩はそこまで」
女の声が響いた。
その声に大鳳と龍驤は振り返る。
いつの間にか、3人の艦娘が立っていた。
「無傷の空母相手に沈みたくなければ、戦闘やめましょ」
拡声器を抱えた明石がいた。
その後ろには、グラーフツェッペリン。
そして逃したはずの天城が控えている。
龍驤は硬直し、大鳳は混乱した。
「…なぜ、貴方達が」
グラーフが奪われたのは、自分たち以外の存在だと思っていた。
だからこそ大鳳は、轟沈したはずの明石が彼女を連れていることが信じられなかった。
明石はそんな大鳳の内心を読んだかのように答えた。
「ちょっとした小細工です。
…ラバウルの麾下だった子らでしょ?逆恨みも済んだでしょ。もう許してあげて下さいな」
明石はそう言うと、頭を下げる。
「お願いします」
その行動に、大鳳は困惑するしかない。
頭を下げることも腹立たしいのだが、そんな行動をとられるなんて予想もしてなかった。
苦虫を噛み潰したような顔をした龍驤が、やっと切り出した。
「あんた、自分何言っとるかわかっとるん?」
「ええ、承知ですよ。それでも私、その子達に沈んで欲しくないので」
明石は頭をあげて言う。龍驤はそれを見て怒りを露わにする。
「身勝手すぎるわ。…関係あらへん、あんたも沈め!」
そう艦載機を明石に向けた時だった、明石は言った。
「そうですか。なら伝えて大丈夫ですね。
貴方達が殺したいあの人、生きてますよ。まだまだ」
ピタリと、龍驤が手を止める。
「嘘です!」
大鳳が叫ぶと、明石は悪い笑顔を作る。
「事実です。貴方達が、あの人殺したいなら…ここは引いてくださいな」
「…信じられない」
大鳳の言葉に、明石は続ける。
「そうでしょうね。私のハッタリかもしれません。
ですから、証拠にこれを」
明石は、そう言うと何か丸めた紙を大鳳に投げる。
大鳳はその丸めた紙を受け取る、警戒しながらも彼女はそれを広げた。
そうして紙を一瞥するなり、大鳳は表情を変えた。
「分かりました…」
「大鳳?」
龍驤がつっかかるが、大鳳は明石に言う。
「今は引きましょう、龍驤」
「アホか、大鳳。この機会を逃すなんて!」
「旗艦として命令を出します。行きましょう」
大鳳は、そう言うと明石を睨みつける。
この女狐と怒りを込めて大鳳は言い放った。
「次はありません」
「ありがと。もう会う事もないでしょうけど」
明石はそう言うと、手を振った。
龍驤を制しながら大鳳は大破した仲間を連れ撤退を始めた。
腸が煮えくり返る思いだったが、やむを得なかった。
視界が虫食いのように血で歪む。
ほぼ見えていないが、声は聞こえた。大淀は、その声の主に話しかける。
「わ…わた、私の…幻覚で、なな、い。で…すよね?」
「残念ですけど。しっかし、バカでしょ。大淀」
言われて、大淀は笑うしかない。
本来なら、自分は沈んでいる。
今までの興奮が収まってきたせいか、酷く痛む。
だが、耐えられなくなかった。
「これ、くら……ぃ、耐えられ…。
ねえ、明…石。あの人…、あの人は…
ててて提……督は、生き…て…るんでしょ?どこなの?どこ?どこなのよ?
あのひとに、あのひとは…」
大淀は、明石を見る。
近づいて近視の目でもやっと彼女の顔がわかる。
にじんだ視界の中、明石の表情が動いたまでは大淀にも見えた。
「その前に、休んで」
大淀は明石が近づいたまでは記憶していた。
だが、彼女が自分に触れたあと全てが真っ暗に消えた。
「本当、バカな娘。あー嫌だ…」
明石は鎮痛剤を兼ねた麻酔薬を打って、意識を失った大淀を抱える。
…どう考えても無茶だった。
深海化の地点で、意識があちら側に持っていかれなっただけでも驚くべきことだ。
なのに、そのまま戦闘を継続していたのだと思うと、背筋が冷たくなる。
完全に深海に成っておらず、それでも艦むすでいた事実に明石はため息をつく。
…本当にあの男は最低である。
年端のいかない少女を、自分のために…
当の本人は別の女に熱を上げてる。
明石は振り返ると、天城に言う。
「天城、悪いけど抱えてくれる?」
「は、はい」
天城に大淀を預けると、明石は由良に近づく。
「大丈夫?」
「あか、し?」
由良がこちらを見る。
…精神をやられていると見た。
明石は由良の頭に手をやると言った。
「もう大丈夫」
それからぎゅっと抱きしめる。
幸か不幸か、彼女は『成っていなかった』。
由良は震え、泣き始める。
その背中を優しく叩きながら、明石は涼風と夕立を確認する。
…両者大破だが大淀を見ていなくてよかった。
彼女らも『成っていたら』手に負えない。
明石はそう考えながら由良が落ち着くのを待った。
>>1でそ
今夜はここまで。
おなさす
このSSまとめへのコメント
フィルター外さないと、完結まで見れない
この提督はダイハードだな