モバP「孫だよ孫」 (32)
爺P(以下P)「おはようちひろさん」
ちひろ「おはようございますプロデューサーさん」
P「うーさむさむ。暖かくなってきたとはいえやっぱり朝は冷えるなぁ、爺の骨身には染みる」
ちひろ「暖かいお茶でよければすぐ淹れられますよ」
P「ああ、頼むよ」
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ずずーっ
P「ふぃー、コーヒーよりも茶がいいなんて俺も爺むさくなったもんだな」
ちひろ「そんなこと言って、まだまだお若いじゃないですか」
P「さすがに昔のようにはいかんよ、無理もきかなくなってきたし」
P「というかちひろさんが未だに若々しいのが不思議だ、今いくつよ?」
ちひろ「女性に歳を聞くのはマナー違反ですよプロデューサーさん」
P「そら残念」
ちひろ「……変わりませんね、プロデューサーさんは」
P「そういうちひろさんも」
ちひろ「……ふふっ」
P「……ははっ」
P「…さて!一息ついたし仕事しますか」
ちひろ「手が必要だったら言ってください、私は資料整理してますので」
P「お気遣い感謝するよ」
ちひろ「いえいえ、お互い様ですから」
P「お茶、ごっそさん。美味しかったよ」
ちひろ「どういたしまして」
P「♪~」カタカタカタ
ちひろ「これはドリフの……これがフェスの……」
パタタタタタ
P「おっ、誰か来たか」カタカタッターン
ちひろ「ええ。しかもこの特徴的な足音は多分…」
P「ああ、恐らくは…」
ガチャバタン
さくら「おっはよーございまぁす!!」
P「おはよう村松」
ちひろ「おはようさくらちゃん」
さくら「おじいちゃん!ちひろさん!おはようございまぁす!」
P「うんうんえらいえらい。ちゃんと挨拶できるいい子には飴ちゃんをやろう」コロン
さくら「やったぁ!桃味だー!」
ちひろ「はいさくらちゃん、いつもの霧吹き。お水やりよろしくね?」
さくら「はぁい!お任せくださぁい!」
シュッシュッコロコロ
P「やっぱ孫だな、孫」
ちひろ「でもホントのお孫さんとかじゃないんですよね?」
P「うん。本人が『さくらをお孫さんにしてくださぁい!』とか言ってるうちに定着しちゃったみたいで」
ちひろ「お似合いですよ、おじいちゃん?」
P「誉め言葉として受け取っておくよ」
シュッシュシュシュッエヘヘェ
さくら「お水やり終わりましたぁ!」
P「はい、お疲れさん」
さくら「今日の予定はなんですかぁ?」
ちひろ「今日は午前中はレッスンで午後にイベント出演が2件ありますね」
さくら「予定いっぱい!芸能人みたい!!」
P「一応芸能人なんだぞ、お前も」
さくら「おじいちゃんとちひろさんはぁ?」
ちひろ「私たちは裏方ね、業界人ではあるけど」
さくら「そっかぁ…じゃあさくらのけんげんで2人も芸能人にしてあげまぁす!」
P「ほう、どうやってだ?」
さくら「まずおじいちゃんはさくらのプロデューサーでぇす!」
P「そうだな」
さくら「だから芸能人!!」
P「なるほど、こりゃ一本取られたな」
さくら「ちひろさんはぁ…」
ちひろ「私は?」
さくら「ちひろさんは……さくらの大切なお友達でぇす!!」
ちひろ「お友達、ね」
さくら「だからぁ、芸能人!!」
ちひろ「なるほど、一理ありますね」
さくら「これでみんなおそろい!えへへ~」
P「かわいいな」
ちひろ「かわいいですね」
P「村松ーそろそろ出掛けるぞー」
さくら「はぁーい!」
ちひろ「気をつけていってらっしゃい」
P「お昼過ぎには終わると思うから良かったら昼飯食いに行くか?」
ちひろ「ではお言葉に甘えて待ってます」
P「じゃ、そういうことで。行くぞー村松ー」
さくら「いってきまぁーす!!」
ガチャバタン
P「思ったより空いてるな、この様子だとちょっと早く着きそうだ」
さくら「ねぇ、おじいちゃん?」
P「どうした村松?」
さくら「おじいちゃんってちひろさんのこと好きなんですかぁ?」
P「……難しい質問だな」
さくら「難しいかなぁ?」
P「うーんとな…好きか嫌いかで言われればそりゃ好きだ」
さくら「好きですかぁ」
P「でも結婚したいとかそういうんじゃないって言ったら分かるか?」
さくら「うーん?」
P「じゃあ例え話だ。村松は亜子とか泉とか好きか?」
さくら「大好きでぇす!!」
P「それじゃあその2人と結婚したいか?」
さくら「むー…亜子ちゃんはお金に厳しそうだし…いずみんはパソコンばっかり見ちゃいそうだし…」
P「過程はともかく、結婚はしないだろ?」
さくら「結婚は、しないと思いまぁす!」
P「俺にとってのちひろさんが、そういうことだ」
さくら「むむむ?」
P「分かるか?」
さくら「ちひろさんはお金に厳しくてパソコンばっかり見ちゃう…?」
P「間違ってるようで間違ってないような」
さくら「難しい質問ですねぇ」
P「だろ?」
P「ほれ着いたぞ、レッスン頑張ってこい!」
さくら「はぁい!頑張ってきまぁす!!」
P「その意気だ」
さくら「おじいちゃんまた後でねー!!」ブンブン
P「後ろ向きながら手振ってるとこけるぞー」フリフリ
P「言わんこっちゃない」
さくら「おはようございまぁす!」
ベテトレ「うむ、いい挨拶だ!…そのおでこの絆創膏はどうした?」
さくら「来る時に転んじゃいましたぁ!」
ベテトレ「まったく、アイドルたるもの顔は命だ、気を付けろ」
さくら「顔が、命?」
ベテトレ「大事ってことだ」
さくら「なぁるほど!」
ベテトレ「やれやれ…レッスンを始めるぞ!」
さくら「よろしくお願いしまぁす!!」
さくら「ふぇ~」キュー
ベテトレ「今日はこれくらいにしておくか、ちゃんとクールダウンのストレッチをしておくように」
さくら「ふぁ~~い」フーラフーラ
P「失礼するよ」
ベテトレ「おお、プロデューサーさん。お久しぶりです」
P「敬語はかたっ苦しいからやめてくれ、こちとらただの爺だよ」
ベテトレ「そうか?それなら私もこっちの方が楽だからそうさせてもらおう」
P「で、うちのまろっ子はどんな具合?」
ベテトレ「体力も付いてきたし声量も表現力も問題ない、ダンスが少し難ありだが複雑な振り付けのない曲なら踊れるだろう」
P「だいぶ仕上がってきたな」
ベテトレ「ああ、だが一番はアレだ。あの失敗した時の頭こつんってやるやつ。アレ可愛いな」
P「失敗した時のそれ含めて村松の魅力だからな」
ベテトレ「本番で失敗させるのは忍びないがレッスンならいくらでも失敗していいからな、やらせ放題だ」
P「あんまりうちの可愛いアイドルを苛めてくれるなよ?」
ベテトレ「しごき甲斐があるとだけ返しておこう」
さくら「ストレッチ終わりましたぁ…」ヘロヘロ
ベテトレ「はい、お疲れ様」
P「お疲れ村松」
さくら「ああーっ!おじいちゃん!いつの間に来てたんですかぁ!?」
P「ついさっきだよ」
さくら「来てたなら教えてくれれば良いのにぃ!」
ベテトレ「これからの方針を話してたのさ」
さくら「なんか悪役っぽい!!」
ベテトレ「悪役ってお前…」
P「いや、あながち間違ってないぞ」
ベテトレ「はぁ?」
さくら「2人とも悪の手先だったんですかぁ!?」
P「いずれは村松の可愛さを全世界に知らしめるわけだからな、ある意味世界征服だ」
さくら「世界征服…悪者でぇす!!」
ベテトレ「…だがそうなると村松も悪の手先になってしまうな」
さくら「わたし悪の手先になるんですかぁ!?」
P「むしろ首領だな」
さくら「しゅりょー?」
ベテトレ「ボスだ」
さくら「わたし悪のボスになっちゃうんですかぁ!?どうしよー…」
P「だがそんな悩める村松にこんな言葉を教えてやろう」
さくら「ふぇ?」
P「可愛いは、正義」
さくら「かわいいは、せいぎ」
P「村松は可愛い、そして可愛いは正義。よって村松は正義ってことだ」
さくら「じゃあー悪のボスにならなくて良いんですねぇ?」
ベテトレ「むしろ正義のボスだな、南条辺りが喜びそうなポジションだ」
さくら「やったぁ!」
P「無事解決したところで帰るぞー村松」
さくら「はぁい!」
ベテトレ「気をつけて帰れよ」
さくら「はぁい!!ありがとうございましたぁ!!」
P「ベテトレさん楽しそうだったな」
さくら「今日は難しいステップばっかりで大変でしたぁ…」
P「あの人Sっ気あるからな、多分」
さくら「えすっけ?」
P「厳しい師匠っぽいってことだ」
さくら「ふむふむ、なぁるほどなぁるほど」
P「まあ村松が可愛いのも悪いんだけどな」
さくら「??かわいいはせいぎなんじゃなかったんですかぁ?」
P「大人の事情ってやつさ」
さくら「おとなのじじょー、ですかぁ」
P「難儀だろ?」
さくら「なんぎですねぇ」
P「ただいま戻りましたー」
さくら「ただいま戻りましたぁ!!」
ちひろ「はい、おかえりなさい」
さくら「ちひろさんちひろさん!聞いてくださいよぉ!!」
ちひろ「はいはいどうしました?」
さくら「おじいちゃんがおすしに連れてってくれるんでぇす!!おすし!!」
ちひろ「ああ、あそこの角の」
P「回る寿司でよければ奢るよ」
ちひろ「ありがたく、頂戴します」
さくら「おすし!おすし!早く行こうよぉ!」
P「はいはい」
ちひろ「しっかり戸締りして…じゃあ行きましょうか」
ガチャバタン
カチャリ
おわり
お孫さん系アイドル村松の可愛さが少しでも伝わってくれたら幸い
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