【監獄学園】 花とキヨシの ショートストーリー (37)


体育祭は、まさかの展開で裏生徒会の勝利で終わった。
しかし万里は自分の男子生徒にしてきたことを反省し、全権を表生徒会にゆずり渡した。
不純異性交遊も解禁とまではいかないが、以前よりかなり寛大になってきた・・・

それでは。ということではないであろうが、男子生徒はそれぞれ
ガクトはみつ子と、アンドレはリサ、シンゴと杏子、ジョーとスターさん。
まだまだぎこちないにしろ、いい感じになっていた。ただひとり、キヨシを除いては。

(みんな女の子と仲良くしているのに何で俺だけ・・・?)
キヨシは皆の近況に羨ましく思いつつも、それがなぜなのかなんとなく解っていた。
「俺が好きなのは・・・千代ちゃん・・・だよな?」

体育祭が終わるまでははっきりと千代が好きだったことはキヨシも認識している。
体育祭が終わったら告白しようと思っていたのだが、結局それもしないままでいる。
なぜなら、徐々に心の中で存在の大きくなってきたあの女性が頭をよぎるからだ。

「花さん・・・か」

千代ちゃんは俺にとって天使だ。それは間違いない。
退学阻止にも多大なる貢献をしてくれたし、とても優しい。
しかしそれは自分に限ったことではなく、男子生徒全員に対して・・・だ。
それは理解しているし、だからといってそれが気持ちの枷になっているわけでもない。
その天使たる千代の存在をも超えるほど、花との攻防がキヨシにとって無視できない程の
出来事として心に刻まれていたのである。

キヨシの手には映画のチケットが2枚握られている。
「これで素敵な女の子をデートにでも誘いなさい」
こんなメッセージを添えて、キヨシの母が送ってきたチケットだ。
素敵な女の子・・・
以前のキヨシなら間違いなく千代を誘っていたであろうが、キヨシは迷っていた・・・





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「あ~ぁ、退屈だな~」
花は放課後自室に戻り、普通の人はどれだけ暇でもあまり口に出してはつぶやかないセリフを吐いていた。

万里が全権を表生徒会に委ねてから、たまにみつ子から生徒会業務について相談される事以外、
ほぼやる事がなくなっていた。
それまで忙しく生徒会業務に精を出していた花にとって、今の状況は「ヒマ」の一言に尽きる。

(バカキヨシでもからかいに行こうかな)

ぁ・・・またキヨシの事を考えちゃった。
認めたくはない。認めたくはないが、心の中にアイツがいる。
それが復讐とか、憎しみではない、もっと別の感情であることに花自身、うすうす感づいてしまっている。

(なんであんなバカの事・・・)

全く以って理解ができない。
おしっこを見られおしっこをかけられエリンギを押しつけられあそこを見られ初チューを奪われ?
おしっこをかけてパンツ交換してパンツ脱がされてetc・・・
思い返してみると、良く考えたら自殺モンの恥ずかしいことばかり、しかもほとんど私が仕掛けての事。
たしかにこれだけ色々あって気にするなってほうが無理かな・・・

(でもいつから?)

最初の頃は当然、そんな感情は無かった。
キヨシなど、のぞきをしたキモイ男子生徒の一人にしかすぎなかった。
アイツが囚人だったころはとにかくされた事に対して復讐することしか頭に無かった。

(やっぱ、あの時・・・かな)

あの時。
言わずと知れた、看守部屋での攻防だ。
初チューを奪われた??から?バカになっちゃたすごいキスをされたから?
でもあの時はどうなんだろう。たしかにアイツに「隙をついて」って聞いた時はブチ切れたけど、どうなんだろう・・・わかんないな。

それからもアイツとは色々あって・・・
気づいたら心にアイツがいて・・・
日を追うごとにアイツが私の中で大きくなって・・・
でもアイツは千代ちゃんが好きで・・・

「あーもう!めんどくせ~な、花!」

そうよ、このままではダメ、私はやられたらやり返す女。
私がアイツに惚・・・っく・・・
そうだ、アイツから私の事を好きにさせてやる。
そうよ、そうでなくちゃ。このままじゃ私の負けみたいじゃない。それだけはいや。
アイツが私の事を好きになれば、この勝負私の圧勝!まいったか、バカキヨシ!
で、好きって言わせて、・・・言わせて?
言わせてからど、どうする、ワタシ!?

「私も好きです!」か?

いやいや、それじゃだめでしょ。優位に立てない。

「はぁ?オマエ誰に向かって告ってんの。10年はえーよ」とか?

いやいやいや、これじゃ付き合えないじゃん!
てか、え、付き合う?わたし、キヨシと付き合うの??
キャー・・・


そんな二人が物思いに耽っていた日から数日後・・・

「花さんを映画に誘おう」

キヨシは決心した。どうなってもいいように、遺書も書いた。

(あくまで俺の勝手な憶測だが、花さんは俺の事を嫌いではない!・・・はずだ。
そうでなければあんなことやそんなこと、こんなコトまでしないだろう。それに何度か以心伝心、心が通じ合った事もある!)

最悪のシナリオを振り払うかの様に、キヨシは良い事だけを頭に浮かべていた。
しかし花のいる教室に向かうその顔は、素敵な女の子をデートに誘うものとは程遠い、死地へ赴く戦場の兵士そのものだった・・・


(バカキヨシを誘ってみよっかな)

花はあれから色々とシュミレーションをしていた。
あくまでも自分からでは無く、キヨシから好きになった的にもっていくにはどうしたら良いのかと。
結果導き出した答えがこれだ。

「買い物に付き合わせて、素敵な女の子っぽい所を見せつけて惚れさせる」

色々と考えた割には単純そしてだいぶ強引、且つどうしたら素敵な女の子?っぽいのかは良く分からないが、
なんとかなるよ!と、自分に言い聞かせ、花は逸る気持ちを抑えつつキヨシのいる教室に向かった。

「!」「!!」

「あ、花・・・さん」「うっ、キ、キヨシ・・・」

二人はお互いの教室に向かう途中の階段でばったり出会った。
二人とも教室に着くまでに心の準備をして・・・と思っていたのでこれは想定外だ。

(やべっ、ここで会うとは考えていなかったぞ。ど、どうする俺?どう切り出す!?)
(な、なんでここにキヨシが?三年生の教室に向かっていた?何故??)

「あの・・・」「あのさ・・・」

((っく、被ってしまった。これじゃあ(コイツ)(花さん)と相討ちだ!))

「な、なんだよ、何か用あんのかよ?」
(ヨシ、先手はもらった、これで私のペースで進めるわ!・・・ってあれ?)

「なんですか、いきなり。出会い頭にそんな言い方しなくてもいいじゃないですか!」
(ヨシ、言ってやったぞ!先手は取られたがこれで形勢逆転、俺のペースだ!・・・あれ?・・・いやそうじゃない、ちがうぞ俺!)


(っく・・・バカキヨシのくせに偉そうに。コ○ス・・・いやちがう、誘わなきゃ)
「あぁ、ワリィワリィ。つい・・・な。なんだオマエ、もしかして私に用事あったの?実は私もなんだよね、なんかムカつくから同時に言う?」

(いったい何処にムカつく要素があるのか良くわからないが、まあいいか花さんだし)
「そうですね。では同時に用件言いましょうか」

「今度の日曜ですが・・・」「今度の日曜さ~・・・」

「「!?」」

(まさか花さん、俺を誘いに来たのか?しかし何故?今までの花さんから顧みるに全く以って予想外だぞ。)
キヨシは顔を真っ赤にしながら花の予想外の言葉に困惑していた。

(え、キヨシから誘ってくれるの?うそ・・・え、だってコイツが好きなのは・・・??)
キヨシの3倍、顔を真っ赤にしてフリーズしている自分が、どうしようも無く恥ずかしい。

(な、なにがどうなっているのか・・・しかしここは男の俺から誘うのが正解な気がする)
「花さん、今度の日曜日、良かったら映画でも観に行きませんか?
 母からチケット送られて来たんですが、素敵な女の子を誘えってありまして
 ・・・花さんが良ければ・・・ですが」

は、恥ずかしいよ・・・自分の顔が更に赤く染まっている事は、鏡を見なくてもわかる。
まさかキヨシから誘ってくれるなんて・・・しかもサラッと素敵な女の子とか言いやが
ったぞ!?ど、どうするワタシ?なんて返せば優位に立てる?・・・いやちがうって!

「へ、へ~。オマエのお母さん、出来た人なんだな。ホントにオマエの親か?」

「なんでそういうこと言うんですかね。もういいですよ、じゃ・・・」
(相変わらずだな、この人は・・・これがなければホントに素敵でかわいい・・・っく)

やばい、怒らせた?ホントにダメだな私は・・・
「うそ、ごめん。誘ってくれて、あ、ありが・・とぅ、ウレシイよ・・・」
(素直になれ、自分!)
「でも、・・・千代ちゃんでなくていいの?」
(うわ~言っちゃったよ、言いたくないし聞きたくないのに・・・)

「ええ・・・俺は花さんを誘いたかったんです。いけませんか?」

「・・・・・・うれしいよ・・・・・・・」

そして日曜日・・・

ヤバい、どうしよう緊張してきたな~。
しっかりしなさい、花。そもそもアイツから好きって言わせる事が目的、今日のデート
だって私がリードして素敵な女の子だって事を気付かせるのよ!
ん?・・・デ、デート?あれ、これってデート・・・だよね。
まままマズイ、落ち着いて花。私は花。やられたらやり返す女!・・・何に??

と、とりあえず今日はショッピングしてランチして映画観て~
ヨシ、今日の予定を考えたら心が弾んで来たよ!
目いっぱいお洒落にしてきたし、キヨシはどんなカッコなのかな~・・・あは♪あれれ?


どうしよう、緊張してきたぞ・・・
待ち合わせ時間の一時間も前に着いちゃったし、どんだけ楽しみにしているんだ、俺?
実際楽しみで仕方ないけど。
映画観ながら手とか繋いじゃっていいのかな?殴られないかな?花さんも誘ってきたく
らいだから、流石に殺られはしないと思・・・いたいけど。
とりあえずまだ時間には早いな、その辺プラプラして来るか・・・

って花さん!?

「オ~ス、お待たせ!」

「ず、随分早いっすね。まだ50分前ですよ?」

「な、なんだよ、そういうオマエこそどんだけ楽しみにしてんだよ?」

「お前こそって・・・花さんも楽しみにしまくってたんですか?」

「っく・・・そ、そんな事・・・あるかも・・・」

「え、なんですか?良く聞こえないんですが。まあいいです、早速行きましょうか。
 お互い早く来たんだから、ゆっくりデート出来ますよ!」

(な・・・!コ、コイツあっさりとデートって認めやがったぞ。
 そりゃたしかにショッピングしたりランチしたり映画観て寄り添ってたりあと
 ・・・キス・・・とかしたらデート・・・っぽいけどさ。
 う、うれしくなんかない・・・事もない・・・か?あぁくそっ)


「花さん、今日は一段と素敵ですね」

「えっ、何、急に。ええっと・・・ありがと・・・」
(くそっ、油断した。まさかショッピングモール歩きながらのタイミングでこのセリフかよ!
 うぅ・・・顔が熱いよ。バカキヨシのくせにさっきからウレシイ事ばっか言いやがって。
 このままじゃペースを掴めないじゃん!・・・ていうか気付いてくれたんだ♪)



「花さん、ランチは何がいいですか?」

「そうだな~、洋食がいいかな。ドリアとかパスタとか?」

「了解、ではそうしましょう!」


キヨシはパスタ、花はグラタンをつつきながら・・・

「さっきキヨシに選んでもらったこのブラウス、かわいいね」

「俺、花さんみたいにファションセンスは無いですが、俺なりに花さんに似合う服を選んだつもりですよ。
それにそのブラウス、袖がシースルーになっているからセクシー・・・」

(くぅぅ・・・キヨシの奴、次から次へと・・・。また顔が・・・キヨシの事睨みつけたいのに見れないよ・・・
 こ、ここは話題を変えないとヤバいぞ、私が!)
「キ、キヨシのパスタ美味しそうだね、一口もらっていい?」

「いいですよ、大盛り頼んだんで一口位。・・・はい、あ~んして」

「!!」

「ぁ、ぁ~ん」(きゃぁぁぁぁぁぁぁ~)


「どうしたんです?なんか疲れているようですが・・・」

「だ、大丈夫、体質なの・・・」


花の具合?が戻るまで休んでから、映画館へ・・・

「・・・ガラッガラですね・・・」

「そうだね、つまんない映画なのかな?」

「いや、そんな映画を母が勧めるとは思えませんが・・・」

「あ、始まるみたい。観てみりゃわかるよ」

「そうっすね」



こ、これは・・・
なんてこった、メチャクチャ甘~い恋愛映画かよ!
しかも主人公達のいちゃつきっぷりときたら・・・こっちがはずかしくなるわ。
たしかにストーリーもしっかりしていて面白い映画だけど、花さん、こんなの     
観れるのかな・・・って食い入ってるよ!

(手、繋いでみようかな・・・コロ・・・されるか!?)

な、なんなのよ、この映画!?
ただ甘いだけじゃないし、物語も素敵だし純愛だし・・・憧れるぅ
こんなの観ながらカップルって寄り添ったりするのかな・・・

(よ、寄り添ってみよう・・・かな・・・具合悪いふりでもすればいいでしょ?ダメ?)

「「!!!」」

「「な、なぜ・・・」」

((同時に手を繋ぎ寄り添ってんだ?(私)(俺)達―!!))


結局最後まであのままの姿勢で観てしまった・・・
映画と私たち、どっちのほうが甘かったんだろう?
映画館が暗くて良かったわ、あの時の顔コイツに見られてたらワタシ生きてけないよ。

「映画、良かったですね、その・・・素敵な感じが」

「そ、そうだね、楽しかったよ」

((途中から内容入って来なかったわ!))

「そろそろ帰りますか?」「・・・うん」


あ~あ、今日が永遠に続けばいいのに・・・
楽しい時間って、あっという間だね。でもホントに楽しかったな~
キヨシも楽しんでたのかな・・・私だけって事、無いよね?

「花さん」
 
「?」


夕焼けの灯りに照らされた若いカップルは、微笑ましい位に素敵なキスをしていた・・・

終わり

乙 
続きはよ


キヨシが手痛い失敗や花さんがヒドい勘違いをしない監獄学園もあるんだな

次回休載です

原作があれだからさ、テンポ良くストレートにしたかったんだよ
原作通りだとキヨシがポンコツすぎてどうにもならんし・・・

読んでくれてありがとう

もうキヨシハーレムでいいんじゃないかな?


キスで締める王道キヨ花良いね
原作は結婚式で誓いのキスまで行きそうだな

花たそ~

『この二人、やっぱり』

(どうやら花さんは俺の事を嫌いどころか、もしかしたら好きなんじゃないか?)

キヨシは先日の花とのデートを思い返しては、顔が緩んでいた。
深く考えなくても解りそうなことを真剣に考え、ようやくその事に気がついた。
そしてどうやら自分自身も花の事が好きになっている事にも、気付かされていた。

どうやら俺と花さんとの関係は、世間一般的には「付き合っている」状態になったっぽいな。
まさかこの俺が、あんなかわいい(凶暴だが)、しかも2コ先輩と付き合う事になるなんて
夢にも思わなかったぞ。アリガトウ、お袋!

今後も花さんとデートを重ねていっぱいラブラブして、ウロボロ・・・いやシックスナ○ンとかして、んでいつかは初エッ・・・ぐはぁ!
ハァハァ、想像しただけでギンギンになってしまった・・・

だが待てよ・・・これから俺はどうすればいいんだ?
この間のデートで、俺の持てるスキルは全て使い果たしてしまったぞ。
買い物してランチして映画観て・・・それ以外何をして過ごせばいいのは全くわからない!
くそぅ・・・ボキャブラリー無さすぎだろ、俺ぇ・・・
花さんが喜ぶ事をしたい!でも全く以ってどうしたらいいのか解らない。

「誰かに聞いてみよう」


(キヨシに惚れさせる計画だったのに、もっと好きになっちゃったよ・・・)

花もまた、先日の事を思い浮かべては赤面していた。
終始キヨシのペースでリードされた事は多少気に入らないが、
どうやらキヨシもまんざらでは無い事が解ったので、その事はあまり気にしなくて済んでいた。

アイツ、千代ちゃんの事好きじゃなくなったのかな?そうなら嬉しいんだけど、もしまだ好きだったらいやだな・・・そんな事アイツに聞ける訳ないし、でも気になる・・・
やっぱりちゃんと言葉で聞きたいな。
『花さん、愛してます』とか言ってくれないかな~
え、えっ、いきなり愛してます?そ、それってプ、プロ、プロポーズ!?
いや、いきなりそんな、困る、だってまだお互い高校生だし、親とかにも会ってないし~?
・・・はっ・・・あれ、鼻血が・・・

お、落ち着け花。
そこまで行くにはまだまだ長い道のりがあるのよ。
そう、例えば・・・なんだ?
うぅ、一生懸命考えて思いついた作戦がショッピングっていう私に、例える事ができる訳ないよね・・・
そういえばこれからどうなっていくんだろう?
キヨシだって女の子と付き合うなんて初めてなはずだし、私もそう。
ん?これはチャンスでは?

初デートはバカキヨシにリードされてしまったけど、次からは私が主導権を握ってやる!
そうよ、そうすれば今度こそ優位に立てる。
バカキヨシのくせに、花さんをなめんじゃないわよ!
となると早速、シュミレーションっと・・・
まずは何処に行こう・・・いや、だめよ、また結局ショッピングになっちゃう。
う~ん・・・そうだ、キヨシが喜ぶ事をしよう。そうすればアイツは私にメロメロ!
でも、アイツの喜ぶ事ってなんだろ?
殴る?後ろ回し蹴り?いや喜んでいるようには見えなかったな~。
私は楽しくて仕方なかったケド・・・
・・・ッハ、そういえばリサが言ってたっけ、相手の気持ちを知りたければ自分をその身に置き換えろ・・・的な事を。
つまり、私が殴ると楽しい訳だから、キヨシに殴らせる?
まあ、返り討ちでコ○スね。って、殺しちゃダメだよね?
そういえば・・・リサは縛られてみたって言ってたっけ・・・

「アンドレ、ちょっといいかな?」

「どうしたの、キヨシ君」

キヨシはアンドレに教えを請う事にした。
キヨシの感覚では、アンドレとリサさんが一番微笑ましいカップルに思えたからだ。

「アンドレさ、今リサさんといい感じだろ?それでその、色々教えてほしいんだ。
 お前はリサさんとどう過ごしている時が幸せなんだ?たのむ、教えてくれ!」

「お仕置きを受けている時だよ!」

「え・・・と、ごめん、具体的に言うと?」

「例えば、竹刀でシバかれている時とか、ヒールで踏みにじられている時、唾をはきかけられたり、言葉で罵られてもたまんないよね・・・」
アンドレはそう言いながら恍惚としている。

「な、なるほど・・・でもいきなりそんな状況になるのかい?」

「そこは先行投資だよ、マゾのウォール街っていうのかな?こっちからサド攻めにして、
アンドレノミクスって言葉があるように、その先にある回収を期待するんだよ」

(アンドレノミクス??初耳だが、なんとなく解った気がする!)
「アンドレ、ありがとう。リサさんとお幸せに」

「ありがとう、でもキヨシ君、もしかして千代ちゃんといい感じになったの?」

「い、いや、千代ちゃんとは・・・何もないよ。ただ参考までに聞いておきたくてね」

「そうなんだ、お役に立てたならいいんだけど」

(ふぅ、あっぶね~。花さんといい感じなんて、口が裂けても言えないからな)

しかしアンドレに聞いたのは正解だったな。
話を要約すると、責めても責められてもそれは愛だ!ってことだな。
たしかに副会長にイジメられていた囚人時代、悪くなかったもんな。

でも・・・花さんを竹刀でぶったたく?確実に死ぬなオレ。
殺されず、且つ喜ばせるにはどうしたら・・・


週末、花はキヨシの部屋に遊びに来ていた。
キヨシ以外は自宅に泊まりで帰っている為、誰かに見つかる心配はない。

(キヨシの部屋・・・体育祭の日以来だな、あの時は・・・
 うわァ、思い出したら緊張してきたよ、は、恥ずかしい・・・)

花はキヨシが喜ぶ事は何かを考えていたが、さっぱり答えが見つからないでいた。
めんどくさいからキヨシに聞いてみようと思ったのは、自然の成り行きだろう。

「あの・・・」「あのさ・・・」

「「!」」

((ま、また被ってしまった・・・二度目の相討ち))

「な、なんだよ?オマエから言っていいよ」
(お?ナイスキヨシ!何かお願いしてくるのか?私からは聞きづらかったから
 助かるよ。お姉さんっぽくお願いを聞いてやるか~?)

「花さん、おしっこ見せてください」

「なんだキヨシ、花さんにしてほしい事はそんな簡単な事でいいのか・・・
はァ?・・・って、お、おしっこ!?」


「おしっこ見せてください」

キヨシは凛とした顔つきで、花に言った。
キヨシはアンドレの話を聞いてから、一つの結論を出していた。
花さんが喜ぶ事・・・。それはつまりこうだ。

「花さんはオレのおしっこを見たがっている。
それはつまり花さんは俺に、花さんのおしっこしている姿をみてほしいんだ!」・・・と。

アンドレとリサの関係を分析した結果、サドでもエムでも喜ぶ!って事だ。
花さんがどっちかは分からないが、オレに要求してくる事はしてほしい事だろう。

この結論に確信を得ていたキヨシは、堂々と真っ直ぐな心で、そして優しくそう言ったのだ。

(な、何を言い出すんだコイツは?お、おしっこ!?私もまだみてないのに?
 なにがどうしてそうなった?訳わかんないよ~・・・)

「ちょっ・・・おしっこって。オマエ一回ワタシのおしっこ見ただろ!?
 なんでそうなるの?」

(っふ、花さん、恥ずかしがっているな。想定通りの反応だ。
 この恥ずかしさは仮面、つまり本当の花さんは嬉しいに決まっている!
 ここは攻めの一手、一歩も引く事は無いぞ、オレ!)

「それが何か問題でもあるんですか?俺は花さんのおしっこが見たいんです。
 あの時は見ようと思って見た訳ではないんですよ。それは花さんも不本意でしょう?
 でも今は違う。俺は自分の意思で花さんのおしっこが見たい。否、見せなさい!」

(っく、バカキヨシ・・・まさかこんな要求してくるなんて・・・
 でも、ここで嫌がったら、お姉さんっぽくないよね・・・)

「そ、そんなに見たいなら見せてやるよ!」
花は真っ赤になりながら強がって見せた。

「え?何か勘違いしていませんか?オレは『見せなさい』と言ったんですよ?
 言葉、間違ってますよね」
(こ、これが殺されない限界か!?)

「・・・見て・・・下さい・・・」
花は蒸気がでる程の恥ずかしさを耐えながら、呟いた。


(ま、マズイ、花さんを喜ばせるだけのはずが、オレも興奮してきたぞ・・・
 まさかあの花さんがあんなに恥ずかしがるなんて・・・よっぽど嬉しいんだな)

男子寮にあるトイレに花の手を引いて連れて行き、中に入った。
ここも当然、誰にも邪魔はされないだろう。

「さあ、早くおしっこしてください」

洋式トイレの上に和式トイレの姿勢をさせ、タンクの方を向いて座る様キヨシは指示した。
その横からキヨシが覗き込む様に立っている。

「キヨシ・・・恥ずかしいよ。ホントにするの?」

「当然です。オレの言う事が聞けないんですか?」

「ううん、ごめん。するよ・・・見て・・いてください」
(っく、キヨシの奴・・・いやだよ、恥ずかしいよ・・・
 死にたいくらい恥ずかしいのに、キヨシの言葉に抗う事ができないよ・・・
 もしかして私って・・・恋してる!?)

「うわぁ・・・恥ずかしい音立てながら、何してるんですか?」

「ぇえ、キヨシがしろって・・・」

「そんな恥ずかしい音立てろとは、言っていませんが?」

「そんな・・・ンんっ・・・」

キヨシは優しい口づけで、花の言葉を遮った。

おわり

花ちゃん・・・

花キヨええな

第三話 『壊れゆく花』


ふぅぅ・・・ふしゅぅぅぅ・・・

花は全身から、禍々しいオーラを放っていた。
そのオーラは武道をやっていない人間でも分かるほどの『近寄るな、キケン!』である。

(キヨシの奴、この私にあんな恥ずかしい格好でおしっこさせやがって・・・
 しかも『見せなさい』だと?何様だ、バカキヨシのくせに生意気よ!)

花は先日のおしっこ見せなさい事件の事で、憤っていた。

このままではアイツの思うつぼ、こんな事ではダメよ、花。
私はやられたらやり返す女、アイツにもとびっきり恥ずかしい思いをさせてやる。

あれからネットで色々調べたわ、どうやらこの間の事はSMプレイっていうらしいわね。
おしっこ見せろとか言葉で責められたりとか、そういうのってMな人には堪らない快感みたい。
・・・そう言われてみれば?
・・・ちがう!私はちがう!決して気持ちよくなんかなってない!
キヨシにイジメられてアソコが熱くなんてなってない!
それを証明する為に、アイツの事をいたぶってやる・・・

その晩、花はキヨシに電話を掛けた。
「おいキヨシ、今度の日曜日、オマエの部屋に遊びに行っていいか?」

「はい大丈夫ですよ、その日も皆実家帰ってますから是非いらしてください、
オレも花さんに逢いたかったんで、誘おうと思っていたんですよ!」

(私に逢いたい?う、嬉しい事言うじゃね~か、私もすっごく逢いたい・・・
 ってちがう、いや逢いたいけどそうじゃない、やり返すのよ)

「そうか、じゃあロープを用意しとけよ」

「??ロープ・・・ですか??」

「そうだよ、忘れんなよ、使うんだからな!」
そう言って花は電話を切った。
(フフフッ。キヨシの奴、自分で用意したロープで縛られるという屈辱を味わいがいい。
 そういえば長さとか伝え忘れちゃったけど、まあいっか、なんとかなるでしょ)

(ロープ?いったい花さんは何がしたいんだ・・・)

ハッ、そうか、そういう事か・・・花さん、どんだけ好きなんだろう、かわいいな。


そして日曜日のお昼前。

「オッス、来たよ~」

「やあ花さん、待ってましたよ、どうぞ上がってください」

「例のもの、用意したか?」

「もちろん準備してありますよ、これでいいですか?」
キヨシは長さ10m程の、肌さわりの良いロープを用意していた。

「おおっ、完璧じゃねーか、良く何も伝えないで解ったな」

「そりゃそうですよ、俺と花さんは以心伝心、手に取るように花さんの気持ちは解るんです」

(ぅう、まずい、また嬉しくなっちゃう事を・・・だめよ、きっちりやり返すまでは。
 しっかりしなさい、花)

「よ、よし、じゃあ早速、オマエをふん縛ってやる」

「え・・・お、俺が縛られるんですか?花さんを縛るんじゃ・・・」

「ち、ちがうわバカ!オマエを縛って恥ずかしがらせるんだよ!」
(私が縛られる?悪くない・・・かも・・・ってちが~う!)

「そ、そうだったんですか。解りました、花さんが望むなら、どうぞ縛ってください」

花はキヨシの服の上から縛ろうとした。だが・・・

「あ~もう、これどうなってんの!?全然出来ないじゃん!」
花は、縛る行為については調べて来たものの、肝心の縛り方は調べていなかった。

「花さん・・・」

「何?黙ってないで手伝えよ、これどうやんの?」

「手伝えって・・・縛られるのにどうやって手伝うんですか?」

「それもそうだな・・・あ~もう、めんどくせーな」

「花さん、タイムアップです。攻守交代」

キヨシはこの日の為にアンドレに縛り方をレクチャーしてもらっていた。


「俺が花さんを縛って差し上げますよ、良く覚えてくださいね」

(ええっ、やっぱりそうなるの?心のどこかで期待して・・・いや、覚悟していたけど・・・)

「花さん、服を脱いでください」

(ふ、服を脱ぐ?うそ、縛るってそういうもんなの?ぃや、恥ずかしい・・・)
花は真っ赤になりながら、以前キヨシに選んでもらった白いブラウスをゆっくりと脱いだ。

「ぬ、脱いだよ・・・」

「花さん、全部ですよ。一糸纏わぬ花さんを、オレに見せてください」

「い、いや・・・恥ずかしい。できないよ、せめて下着だけでもつけさせて」

「花・・・さん。言う事聞けないなら、縛ってあげませんよ、いいんですか?」

「ごめん・・なさい。脱ぐからお願い、止めないで」

「ダメですね、反抗したからお仕置きです、オレの目を見ながら脱ぎなさい」

「・・・はい」

花はもう、抵抗出来ない事を悟っていた。
抵抗しようとするプライドよりも、身体の疼きの方が遥かに勝っていたからだ。

花は恥ずかしさで震えながらも、スカート、ブラ、そしてしまパンを脱いだ。
キヨシをみつめる花の目は、すでに従順な女の目になっていた・・・

「花さん、きれいだよ」

お世辞にも豊満とは言えないが、美しい形のバスト、そして淡いピンク色の乳首。
アンダーは、まだ生えそろっていないかのように薄い。

未だかつて男の目に晒された事の無いその美しいまでに白い身体を、
花はなんとか隠そうと試みたが、キヨシの無言の圧力によって阻まれた。

恥ずかしさに身悶える花の後ろに立ち、花をゆっくりと、優しく縛り始めた。

「ぁっ・・・」

身体に食い込むロープの刺激に、花は耐えきれず声を漏らした。

「花さん、気持ちいいんですか?」

「そんな事・・・無い」

「ふ~ん、じゃ止めますか」

「ごめんなさい、恥ずかしくて・・・気持ちいいよ・・・お願い、やめないで」

「素直でよろしい」


首からバスト、太ももの付け根までキヨシは縛った。
バストの周りは、胸のふくらみが強調される縛り方だ。
手足は一切の自由を奪っていない。

「さて、終わりましたよ。鏡で自分の恥ずかしい姿をみてごらん」
そう言ってキヨシは花を、姿見の前に立たせた。

「いやぁ・・・私、なんて恥ずかしい格好・・・でも・・・
キヨシ、こんなはしたない女の子、きらいにならない?」

「はしたないですね。そのうえいやらしい。こんな姿、誰かに見られたらどうするんですか?オレは知りませんよ?」

「ひどい、キヨシがやったんでしょ?キヨシ以外には絶対見られたくないよ」

それを聞いてキヨシがニヤリと笑った。
「では、そのままお出かけしましょうか?」



花とキヨシはファーストフード店で、遅めのランチをしていた。
キヨシは涼しい顔でハンバーガーを食べていたが、花はそれどころではない。
スカートとブラウス、ジャケットは着ているが、その下は縛られたままだった。
もちろん、ブラもしまパンもつけていない。
乳首がうっすらと透けている為、良く見られてしまえばノーブラである事がばれてしまう。

「キヨシ・・・恥ずかしいよ、お願い、許して・・・」

「花さんのその恥じらった顔といいそのかわいい胸といい、とてもいやらしいですよ」
キヨシはさらに言葉で責める。

「いや・・・私、おかしくなっちゃうよ・・・キヨシは他の男の子に私が視られてもいいの?」

「いい訳ないじゃないですか、いやだけど、花さんばかりに辛い思いはさせられません、
 オレも嫉妬に耐えさせてもらいます!」

「キヨシ・・・好き」


二人は食事を終え、プラプラと繁華街を歩いていた。
その姿は、初々しく微笑ましい、お似合いの若いカップルにしか見えない。
花が縛られている事以外は。

「今日は少し暑いくらいですね」

(ワタシは初めから熱いよ、身体が火照って仕方ないよ・・・ん、ま、まさか)

「花さん、ジャケット脱ぎましょうか」

(やっぱり!)
「ちょっと待って、それだけは・・・見られちゃうよ・・・」

「脱ぎなさい」

「はい・・・」
花はジャケットを脱いだ。
ジャケットでなんとかノーブラである事を隠していられたが、これでは隠しようがない。
透けた花のきれいな乳首が、前から見たらすぐに分かるようにまでくっきりと現れた。

(今の子、ノーブラじゃね?)
(ああたまんねえな、あんなかわいい子のノーブラ、乳首立ってたぞ、エロすぎ)

通りすがった男性の話し声が、花にも聞こえた。

(いやっ、見られた・・・恥ずかしいよ、熱いよ、いやだよ)
花は恥ずかしさと、それでいて抑えきれない身体の火照りに戸惑っていた。

「花さん、そろそろ帰りましょうか?ジャケット着ていいですよ」

花はほっとしていた。あのままずっと見られていたら、頭がおかしくなりそうだったから。
(キヨシ以外に見られるのは本当にいや。でも、キヨシにやれって言われたら、
 私なんでもしちゃうかも・・・)

キヨシの部屋に帰ってから、花はキヨシに服を脱がされた。

「花さん、恥ずかしかったでしょう。オレ以外にいやらしい目で見られるの、いやだったでしょう。良くがんばりましたね。ご褒美です」

そう言ってキヨシは、花の身体、特にツンと立っている乳首をじっとみつめた。

「いやぁ、そんなにみつめないで・・・恥ずかしいよ・・・」

「ではもう見ないですよ、いいんですか?」

「いやっ・・・見て・・・ワタシのいやらしいおっぱいをもっといっぱい見てください」

その後キヨシは、たっぷりと時間を掛けて花を視姦した。
そして花に指一本触れることなく、キヨシは花に服を着るよう促した。

「ホントに今日は頑張りました、また今度、一緒に過ごしましょう」

花を寮まで送ったキヨシは、優しい目をしながら花のおでこにキスをした。


第4話『デート後のプレイ』


「あっ・・・」
花は思わず声を漏らした。
花の指は、花の一番敏感な部分を弄っている。

(キヨシのせいで、こんな事を自分でしちゃった・・・)

花は先ほどキヨシと別れてから(キヨシと逢ってから)ずっと身体の疼きをガマンしてい
たが、ついに耐えきれなくなって自分で快感を得ていた。

(自分でしてもキモチいいのに、キヨシに触られたらどんなにすごいんだろう・・・)

花はそんな妄想をしては、また身体が疼き始め、指を動かし始めた。
これで帰ってから4回目である。


「ううっ!」

キヨシは自分で果てた。
自分のふともも付近に口が届かない事は実証済みなので、キヨシもまた自分の指だ。

(はぁはぁ、・・・花さん・・・)

キヨシは今日の花の姿に、興奮が冷めやらない。
あんな可憐な少女があれほどの恥じらいをみせて裸でいられては、誰でもそうだろう。

今日の花さん、すごかったな・・・
初めてキスした時はお子ちゃまだと思っていたけど、ここ最近のエロさといったら。
おかげで最高のオカズになりましたよ花さん、ご馳走様でした!

ん?待てよ、今日の花さん、俺と同じように明らかに興奮していたよな。
という事は今頃・・・

プルル・・・
キヨシは急いで花に電話した。

花は4回目の絶頂を迎えようと盛り上がっていた丁度その時、電話が鳴った。


(もうっ、いいところだったのに、誰だよ?・・・あ、キヨシだ♪)
「・・・どう・・したの・・?」

花は息があがっている事をばれないよう、必死に声を抑えながら電話に出た。

「花さん、一人エッチしていませんでしたか?」

「!?」

(なな、なんでキヨシにばれてんだ?まさかアイツ、盗聴でもしてんのか?)

「・・・え、なんの・・事。ワタシ、そんな事・・・」

「花さん」

「・・・してました・・・」

「やはりしていましたか。今日の花さんの様子からして、そうだと思いましたよ」
(オレもしていたからそう思ったとは、言わないでおこう)

「そんな事聞かないで、恥ずかしい」

「そうはいきませんよ、オレの許可無しにナニしちゃってるんですか!?
 そんなに知らない男に見られた事が良かったんですか?」

「ち、ちがうよ。その・・・キヨシと逢うと身体が勝手に熱くなっちゃうから
 ・・・ガマンできなくて。ごめんなさい」

「い~え、許しません。罰としてしばらくの間逢う事を禁止します」

「そんな・・・いやだよ、ごめんなさい。なんでもするからお願い、赦して」

「なんでも・・・ですか。では今すぐ来て下さい、まだそんなに遅くないから大丈夫でしょう」

花は電話を切るや、急いでキヨシの部屋に向かった。
何をさせられるんだろうと、不安と期待を胸に・・・


「花さん、どうやって一人エッチしていたんですか?」
キヨシは花が着くなり開口一番、そう尋ねた。

「えっと・・・その・・・指で・・・」
恥ずかしさのあまり、ほとんど声にならない。

「なんです、聞こえませんよ。はっきりと言ってください」

「指で、アソコを触っていたの・・・いや、恥ずかしい」
恥ずかしい行為を言わされた事で、花はまたもや興奮してしまっている。

「花さん、いやらしいですね。しかも今、興奮していますよね」

図星すぎて、花はキヨシの事をまともに見れないでいる。

「オレの許可無くそんないやらしい事をしていたとは・・・悪い子にはお仕置きが必要ですね」

「ごめんなさい、ワタシは悪い子です。お仕置きしてください」
花はまた縛られるのかと、内心ドキドキしていた。

「オレの目の前で一人エッチしてください」

「え・・・キヨシに・・見られながら?・・・そんな、無理だよ」

「は~な~さ~ん!?」

「・・・」
もうダメだ、ワタシはキヨシに逆らえない。
いや、普段の生活の範囲内なら今までの様に殴る事もできるはず。
でも、二人きりの状態でキヨシにこの口調で命令されると・・・もうダメ。
声を聞くだけでアソコが熱くなっちゃう。まるでキヨシの声が子宮に語りかけているみたいに・・・

花はスカートを脱いだ。すでにパンツは穿いていなかった。

「あれ、花さんパンツは?」

「キヨシに喜んでもらえるかと思って、穿いてこなかったの」

「良い子」
そう言いながらキヨシは花の頭を撫でた。


キヨシに褒められた♪嬉しい。
もっと褒めてほしい。
恥ずかしいケド、キヨシにいっぱい見てもらいながら、アソコをいやらしく触ってみよう。
そうすればもっと褒めてくれるかな・・・

花はキヨシの前に座り、良く見てもらえるよう、脚を大きく広げた。
普段から股関節のストレッチを丹念にやっているので、少しの陰りもなく、花の大事な部分が露わにする事が可能だった。

花はその姿勢のまま敏感な部分を指で弄り始めた。
キヨシに視姦されている事で、自分の部屋の時よりさらに興奮している。
自然と指の動きが激しくなり、クチャッピチャッとイヤラシイ音が出る。

花は快感で目が虚ろになりながらも、必死にキヨシから目を逸らさないでいた。
(キヨシも興奮しているのかな・・・?)
キヨシの表情を見る限り、いたって冷静だ。
しかし、一瞬キヨシの股間に目をやったとき・・・
ズボン越しにもそれと分かる、大きくそそりたったモノが視界に入った。

(すご・・い。あれはナニ?キヨシの・・・アレ?
 おっきい・・・いつかはアレがワタシの中に・・・でも入る?アレ??)

花は少しビビっていた。
もちろんいつかはキヨシとひとつになりたい。でもアレは・・・ワタシ、しんじゃうカモ・・・

そんな事を杞憂しながらも、花はキヨシも興奮している事が嬉しくてたまらなかった。

「キヨシ・・・挿れて・・・いいよ」
今までの花なら、決して言わないであろう事を口にした。
しかしキヨシによって調教されだした花は、その禁断の一言を言ってしまった。
いや、言わずにはいられなかった。もうガマンできない位にキヨシが欲しくなっていた。

「花さん」
キヨシは真顔で話し始めた。

「オレも花さんとひとつになりたい。でも、今ではないんです。
 僕らはまだ高校生、そしてその先に大学生活もあるでしょう」
 
「俺は花さんを愛しています。これからずっと、いつまでも愛し続けます。
 でも今、最後の一線を越えたらダメな気がするんです。
 愛しているからこそ、花さんが俺にとってかけがえのない人だからこそ、
ひとつになるのは花さんと生涯を共にする誓いをする時まで、とっておきたいんです。
婚姻届を出すまで・・・とは言いません。俺がちゃんとした社会人になれた時、
俺は貴女にプロポーズします。その時まで、とっておきたいんです。
勝手な事を言ってごめんなさい。
俺にとって花さんは、それだけ大事な人なんです」

花は下半身丸出しのまま、うれし泣きで顔がグシャグシャになっていた。

「キヨシぃ・・・嬉しいよぉ・・・」
「私もキヨシを愛しています。だから私もキヨシとひとつになりたいケド、ガマンする。
好きな人に大事にされるって、こんなに嬉しい事なんだね・・・ありがとう、キヨシ」

「・・・感動して中断しちゃったけど、ワタシ、まだ続きした方がいい?」
花はあと少しで果てるところだったので、ほんの少しご不満そうだ。

「いえ、もう自分でしなくていいですよ」

キヨシはそう言いいながら、花の大事な部分に手を伸ばした。

「ひとつになるのはとっておきますが、これはOKです。
 聞き訳の良い花さんに、俺からのご褒美ですよ」



花はキヨシに敏感な部分を優しく弄られた。
自分でするのとは全く別次元の、身体の全てが痺れる感覚がする。

「ダメ・・・イッちゃう!」
花は数十秒ともたずに果てた。

(キヨシに触られるだけでこの気持ちよさ・・・
アレを挿れられたらいったいワタシはどうなっちゃうの??)
花は涎が出そうになるのを必死にこらえていた。

「花さん、いやらしい・・・あっという間にイッちゃいましたね」

「いや、言わないで・・・キヨシのせいだよ、ワタシがこんなになっちゃったのは」

「そう言われてみればそうですね、すみません」

「ダメ、赦さない。ワタシはやられたらやり返す女、キヨシ、仰向けになりなさい!」

キヨシは言われるがまま、仰向けに横たわった。

「ワタシがされた事、オマエにもしてやる・・・」

花はそういいながら、キヨシの大きくなったアレをパンツから出した。
そしてぎこちないながら、指と、魅力的な唇と、艶めかしい舌を使って一生懸命に、
キヨシのモノに愛撫を始めた・・・

「あぁ・・花さん、凄く気持ちいいです・・・でも折角ですから、ウロボロスしましょう」

花とキヨシはウロボロススタイルになった。
もちろん、体育祭の時とはちがう、正真正銘のウロボロスだ。

あまりの気持ちよさに、二人は程なく、そして同時に果てた・・・


第5話 『結ばれる二人』


時は流れて、キヨシは25歳、花は27歳になっていた。

共に4年生大学を卒業、キヨシは社会人3年目、花は5年目を迎えていた。

『花さん、今度の七夕の日、逢えますか?大事な話があります』
キヨシは花に誘いのメールを送った。

キヨシからのメールに、花は舞い上がっていた。
きっとこれはあれよね、待ちに待ったあれよね?
キヨシとは高校生の時からずっとラブラブだったけど、これは一大事。
どうしよう、今から緊張してきたよ~


そして7月7日。
場所は八光学園。

花とキヨシは、プリズンの前で待ち合わせていた。
この日は土曜、時間も夕刻だったので、外泊の生徒が多い事も相まって生徒もほとんどいない。

「花さん、今日は来てくれてありがとう。貴女に伝えたいことがあります」

「な、なに?改まって・・・」
花は気付いているが、緊張を隠すためあえて解らないふりをした。

「花さん、俺と今まで付き合ってくれて感謝しています。
 そして9年前の約束を、今果たします」

「俺と結婚してください」
キヨシは決して高価ではないが、
一生懸命花の為に選んだ婚約指輪を差し出しながら花にプロポーズをした。

「不束者ですが、宜しくお願い致します」
花はしっかりと返事を返した。
しかしその眼には今日がその日だと分かってはいたが、とめどなく涙がこぼれていた。

(ワタシは幸せ者だ、初めて好きになった人に大事にされ続けて、
 そして今、こんな私をもらってくれるとキヨシは言ってくれた)

「良かった、大丈夫だと思ってはいましたが、万が一断られたらどうしようかと
 気が気ではなかったんですよ」

「断る訳、ないじゃん!」

二人は涙でクシャクシャになりながら、抱き合った。

そしてその夜・・・

花とキヨシはホテルのレストランで食事をしていた。
良いレストランの料理、おいしいはずだが、今の二人はそれどころではない。

「は、花さん。こ、このあと朝まで大丈夫ですか?
 このホテルの部屋、予約してありますが・・・」

「だ、大丈夫・・・だよ。いよいよって事だね・・・」

「はい、いよいよです・・・ね」

あれから思いつく限り、二人で数々のヘンタイプレイはしてきたが、
この日まで高校生の時の約束を守り、最後の一線を越えないでいた。



ホテルの部屋でシャワーを浴び、ベッドでお互い生まれたままの姿で向き合っていた。

どちらともなく相手を引き寄せ・・・二人は結ばれた。

挿れた瞬間、二人同時に果てた。

二人の目は、再度涙で溢れていた。

「幸せすぎて怖いよ、キヨシ・・・」
「オレもです、花さん・・・」

二人の言葉はほんの少しだった。
それだけ今の幸せが、言葉を必要としない位、大きかった。

「花さん・・・」
「あっ・・・キヨシ・・・もっとして」

花とキヨシは、その後一晩中、愛し合った。
愛おしくて仕方のないフィアンセを、お互いの愛液まみれにしながら愛し合った。
溢れんばかりの愛情が、二人を狂わせていた・・・

それから数カ月後。

花とキヨシは、チャペルで結婚式を挙げていた。
高校時代の友人達も招かれている。

式場での二人の姿を見て、友人たちは誰もが思っていた。

(この二人ほど幸せそうなカップル、今まで見た事ないな・・・ご馳走様!)

いちおつ

27歳の花さんに会いたい

おつかれー


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