丸尾「ズバリSAWでしょう!!」 (7)
キーンコーンカーンコーン
戸川先生「それでは帰りの会を終わります。
暗くなるのが早くなってきたのでまっすぐ帰ってください。特に最近はこの辺りでの誘拐事件が多発しているので道草をしないようにしましょう。
それでは皆さん、さようなら!」
クラスメイト達「「「さようなら!!!」」」
関口「よお永沢、ちょっと校舎裏行こうぜ!」
永沢「ううっ・・・」
キートン:あの日の火事以来永沢は関口らから虐めを受け続け、
それは新築の家に引っ越した現在まで及んでいた。
藤木「・・・・」
ー翌日ー
まる子「いやあ~誘拐が多発って清水も物騒になったもんだねぇ~」
たまえ「しかも全員行方不明か死体で発見っていうからね。目撃情報はいくらかあるらしいけど...」
まる子「へえ、初耳だね。犯人はどんな奴なの?」
たまえ「聞いた話だとフードのついた黒いコートに豚のマスクだったとか・・・」
まる子「豚~?案外ブー太郎だったりするんじゃないの~?」
たまえ「ちょっとwwwwやめなよまるちゃんwww」
花輪「ヘイベイビー!誘拐事件がどうしたって?」
まる子「花輪くん!花輪くんも誘拐事件のこと気になるの?」
花輪「そうだね、なにせ地元で起こってることなんだから」
たまえ「花輪くんはお金持ちだし特に狙われそうだよね」
花輪「いや、それがこの誘拐事件、お金が目当てじゃないみたいなんだ」
たまえ「え?」
花輪「親戚にこの事件を担当してる刑事がいるんだけどね、
その人の話によるとなんでも毎回被害者は廃工場や使われてない倉庫なんかに拉致されたあと、
生き死にをかけた試練をやらされるみたいなんだ」
まる子「試練?どういうものなんだい?」
花輪「被害者は試練の前にカセットテープやビデオなんかでゲームの内容を説明されるんだkrど、
その内容というのが大抵死ぬか、
それとも肉体的苦痛や欠損を経て生きるかというものなんだ。体に殺人装置をつけられ
作動する前にそれを解除する鍵を自分の目から取り出せだとか、
肉を抉るようにして体中に繋がれた鎖を全て引きちぎって
爆弾が設置された部屋から脱出しろだとか」
まる子「うわぁ・・・あたしゃそんなことされたら死んだ方がマシだよ」
花輪「だろう?だから大抵の人は死んでしまうのさ。」
たまえ「何が目的なんだろうね。そんなことして楽しいのかな・・・」
花輪「そればかりは僕も理解できないね。
神のみぞ知る話さ。君たちも気をつけなよセニョール」
ー帰り道ー
キートン:黄昏時のアスファルトの上、ここに一人の男が浮かない顔で歩いていた。
藤木「はぁ・・・今日も夜遅くまで一人なんだろうな・・・
永沢くんとも最近遊ばなくなったし・・・」
キートン:彼が曲がり角を曲がった時、前方に夕日の光を浴びる影があった。
藤木「・・・誰・・・?」
キートン:彼の記憶はそこで途切れていた。
「う・・・・」
キートン:藤木が目覚めたのは、独房のような狭く薄汚れた部屋だった。目の前にドアを見つける、ドアには赤いペンキで何か書いてあった。
藤木「OPEN ME・・・開けろ・・・?」
キートン:藤木がドアを開き真っ先に目に入ったのは小型のブラウン管テレビだった。
藤木がドアを開ききるとほぼ同時に砂嵐を経て映像が映る。
藤木「・・・あれってさくらの描いた・・・」
キートン:画面いっぱいに映し出されたのは、
偶然描いたものがクラス中に広まっていたまる子のオリジナルキャラクター、
「コジコジ」の姿をした腹話術人形だった。
コジコジ「やあ、藤木くん。
ゲームをしよう。」
キートン:人形の口の動きにあわせ、犯人のものであろう機械で加工された音声が流れる。
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