女僧侶「安価で世界を癒す旅ですっ!」 (132)

女僧侶「戦争、疫病、飢餓」

女僧侶「ありとあらゆる負の要素で今、この世界は溢れかえっています……」

女僧侶「そんな世界を憂いた我らが神は、ある日…熱心に天に祈りを捧げていた私に、『何でも完璧に癒す能力』を授けてくださったのです!」

女僧侶「……え? そんな回りくどいことをせずに、神自身が世界を救えばいいと?」

女僧侶「はぁ…あのですね、神も暇じゃあないのですよ。手が空いていなかったから、代わりに私が選ばれたのです」

女僧侶「―――さて、日課の独り言タイムはここまでにしておいて、そろそろ旅立つことにしましょう。」

数十分後・街道

女僧侶「おや、さっそく救いを求めていそうな >>3 を見つけましたよ!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459861927

裏ボス

裏ボス「うぅ……」

女僧侶「まあ、とてつもなく大きな方ですね!」

女僧侶「何かお困りのようですが、どうかなさったのですか?」

裏ボス「↓2」

女僧侶「あらあら」

裏ボス「クソ……! もっと早くに着工していれば……!」

女僧侶「ふふ、まるで夏休みの宿題が終わらなかった学生みたいですね」

裏ボス「夏休み? 宿題……? 一体何を……」

女僧侶「まあそれは置いといて! よーし、サクッと救っちゃいますね!」

裏ボス「はっ、小娘に何ができるというのだ」

女僧侶「簡単ですよ。つまり……」

1.女僧侶「史上最凶の鬼畜ダンジョンを用意しすればいいのですね!」

2.女僧侶「勇者一行を滅してしまえばいいのですね!」

3.女僧侶「貴方をめちゃくちゃ強くすればいいのですね!」

選んでください ↓2

裏ボス「史上最凶の鬼畜ダンジョンだと? そんなもの、すぐできる訳……」

女僧侶「えーいっ!」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…

裏ボス「この振動は!?」

女僧侶「はい、ダンジョンが出来た音です。勇者は振り出しに戻しておきましたよ!」

裏ボス「お、お前は一体何者なのだ……?」

女僧侶「神の遣いですよ。ほら、ダンジョンの最深部に飛ばしてあげますからしゃんとしなさい!」

裏ボス「え、あの―――」ピュン


女僧侶「ふぅ…これでよし、と」

女僧侶「あぁ、初仕事を達成できた喜びで私 、どうにかなってしまいそうです……!」

女僧侶「…っと、浸っている場合ではないですね。少し先にもまた救いを求めていそうな ↓2 が!」

勇者「……」ズーン

女僧侶「何かお困りのようですね、良ければ私がお力になりますよ!」

勇者「実は僕、勇者なんだけどさ……」

女僧侶(勇者…あっ)

勇者「ついさっきね、仲間とあの魔物の親玉である魔王を倒してきたんだよ」

勇者「それで、僕達あまりにも嬉しくてさ、調子乗っちゃって…そのまま裏ダンジョンに挑むという暴挙に出てしまったんだ」

勇者「最初はね、なんて楽なダンジョンだろうと思ってたんだけど……」

勇者「途中から急に、凄い鬼畜なダンジョンになってさ。べらぼうに魔物は強いし、トラップは一歩間隔であるし…魔王からの連戦で魔力も枯渇して……」

女僧侶「」

勇者「案の定、僕達ピンチに陥っちゃって…それで、仲間の魔法使いが僕だけでも生きろって、外に送ってくれたんだ」

勇者「それで、体力を回復させてから助けに行こうと思ってたんだけど……あはは、行ったところで無駄死にしそうで不安でさ、ここで立ち止まってるわけ」

勇者「はは、勇者なのに情けないね……」

女僧侶「あ、あははー……」


女僧侶(絶対私のせいですごめんなさいー!!)

女僧侶(ど、どうしましょう。勇者を救いますか? でも、そうすると裏ボスさんが……)

女僧侶(……えーい、↓2 だ!)

女僧侶「……よし、ちょっと肩に掴まってください」

勇者「え? こ、こうかな」ギュッ

女僧侶「そいっ」ピュン


裏ダンジョン・最深部


女僧侶「…っと」スタッ

勇者「え、急に景色が禍々しく……あっ」

裏ボス「なっ、なっ、貴様はさっきのと…勇者ァッ!?」

勇者「その邪悪な姿…お前が裏ボスか!!」チャキッ

裏ボス「ぐっ、心の準備がまだだったのに、くそ!!」カマエ

女僧侶「はーいストップストップですよ、お二方! 今お仲間も呼びますから…よっ!」ヒョイ

戦士「…ん?」

魔法使い「あれ?」

賢者「……?」

勇者「皆ぁ!」

裏ボス「こ、小娘ェ! お前は我の味方ではなかったのかッ!?」

女僧侶「いや、どちらの味方でも敵でもありませんよ」

女僧侶「私は調停者です」

勇者「調停……?」

女僧侶「ええ。お二方には和解して貰おうかなーっと」

裏ボス「和解だと!?」

勇者「そんなの無理だよ!」

女僧侶「まあまあ」

女僧侶「では訊きますが、勇者さん。貴方が裏ボスさんを狙う理由はなんですか?」

勇者「それは―――」

女僧侶「『裏ボスを倒すのはセオリー』だから、は無しの方向で」

勇者「うっ… ↓2」

女僧侶「近隣の住人が?」

勇者「うん。皆怖がっていたよ」

戦士「そうそう、体が大きいし顔も怖いし」

魔法使い「なんか生臭いし」

賢者「工事の音がうるさいとか…なんとか」

女僧侶「まさか、裏ダンジョンの着工に遅れたのって」

裏ボス「……騒音のことで度々揉めてたのだ」

勇者「僕達はご近所の平和を守るために、こいつを倒さなきゃいけないんだ!!」チャキッ

女僧侶「一人で盛り上がらないでください勇者さん。何も解決方法はそれだけではないでしょう?」

勇者「え? でも他に何が……」

女僧侶「最高の平和的解決……それは」

1.女僧侶「裏ボスさんの見た目を可愛い生物にしてしまえばいいのです!」

2.女僧侶「裏ボスさんを強制退去させればいいのです!」

3.女僧侶「裏ボスさんにもっと近隣住民と打ち解けてもらえばいいのです!」

選んでください↓2

裏ボス「そんなの無理だ! 奴らは我を見るとすぐどこかに逃げてしまうのだ!」

女僧侶「大丈夫ですよ。その辺はこう、勇者さん達が間に入ればいいのです!」

裏ボス「は、入ってくれるのか……?」

勇者「まあ、その気なら……」

女僧侶「よくぞいいました勇者さん! さあ、これで争う必要はないですよね? お二方」

裏ボス「あ、ああ」

勇者「うん……うん!」

勇者「よし、頑張ろうよ裏ボス! 君の社会復帰を、僕達が全力でサポートするからさ!!」

戦士「ああ! 大船に乗った気でいろよ裏ボス!」

魔法使い「わ、私は少し離れたところからさぽーとするね」ニオイニ

賢者「私も」ナレナイ

裏ボス「お前ら……!」

女僧侶「良かった良かった! それじゃあ皆さん! もといた場所に戻りますよー……えい!」ピョン


大きな街


女僧侶「よっ…とと、あれ?」スタッ

女僧侶「どうやら私だけ別の場所に飛んでしまったようですね。うーん、座標というのは慣れません……」

女僧侶「まあ、あの方達だけできっと大丈夫でしょう! 頭の中カラッポそうですし!」

女僧侶「私は、せっかく来たこの街で、癒し活動に精を出すとしましょうか」テクテク

女僧侶「うーん……お! 救いを求めてそうな ↓2 を発見しました!!」

女騎士「うーん、参ったなぁ」

女僧侶「何かお困りのようですね! 私で良ければお話して頂けますか?」

女騎士「↓2」

女僧侶「魔王の娘…ああ、そちらの女の子ですか?」

魔王の娘「うぅ……」フルフル

女騎士「ああ。さっき道端に蹲っていたところを拾ってきたのだが」

女騎士「家はどこかと訪ねても、勇者に城もパパも壊されて行く宛が無いなどと言っていてなぁ」

魔王の娘「ほ、本当だもん! 本当に本当に私は魔王の娘なんだもん!」

女騎士「はいはい……と、まあこんな調子で、どうしたものかと悩んでいたところだよ」

女僧侶「なるほどぉ」

女僧侶(そういえば勇者さんが魔王を倒したとか言っていましたね……)

女僧侶(うーん、この残された子供を癒せばこの女騎士さんも癒されることになりますよね……)

女僧侶(よし、↓2 してあげればこの子は救われるかな?)


眠いので寝ます。続きはまた明日。

再開します!

女僧侶「よし、ではその子は私が預かりましょう!」

魔王の娘「!?」

女騎士「な、何も良くない!」

女僧侶「何故です? 私がその子の保護者…ママになると言っているんです」

女騎士「いや問題だろ!」

女騎士「素性も分からぬ相手に、迷子の子を預けるなど!」

魔王の娘「迷子じゃないもん! 逃げてきただけだもん!」

女僧侶「ほらー、その子は本当に行く宛がない孤独の身かもしれませんよ? それなら、誰かが守ってあげるべきじゃないですか?」

女僧侶「そう、だから私が救いの手を差しのべるのです! 神の遣いである、この私が!」

女騎士「こ、こんな胡散臭い奴に子供を預けるなど……!」

女僧侶「……ふう、君はどう思うのですか?」

魔王の娘「↓2」

女僧侶「……ん? 姉ちゃんって、どちらのことですか?」

魔王の娘「あっ、えっと……」

女騎士「そりゃあ、若くて綺麗な方だろ」

女騎士「な? 私のことだろ?」

魔王の娘「あの―――」

女僧侶「ちょっ! 私がまるで若くなくて綺麗じゃないみたいな言い方は止めてくださいよ!」

女僧侶「男みたいな見た目の癖に! 貴女こそ、姉ちゃんというより兄ちゃんですよーだ!」

女騎士「ああん?」ギロッ

女僧侶「あ? やりますか? 神に反逆しちゃうんですかぁ!?」

魔王の娘(け、喧嘩になりそうな雰囲気…な、なんとかしなくちゃ……!)

魔王の娘「↓2」

女僧侶「……」ピタッ

女騎士「ふ、二人とも、だと?」

魔王の娘「う、うん」

魔王の娘「どうすることも出来なくて、ただ泣いていた私に手を差しのべてくれた女騎士さんも」

魔王の娘「私の言ってること…やっぱり普通の人は信じてくれないと思ってたけど、信じてくれて、しかもママになってくれるって言った女僧侶さんも……」

魔王の娘「二人とも大好きだから…だから、もう喧嘩はやめて欲しい……です」

女僧侶「……分かりました。ごめんなさい、不安にさせて」ナデナデ

女騎士「そうだな、いい大人がみっともないところを見せたな」

女僧侶「私は大人というより子供ですがね」

女騎士「まだ言うか!」

女僧侶「ふう…そんなことより、これからのことを話し合いましょうか」

魔王の娘「?」

女騎士「これから、だと?」

女僧侶「はい。だってこの子は私達両方を選んだのですから」

女僧侶「私達二人でこの子を養っていくことになったわけです」

女騎士「……えっ」

女僧侶「まあ、貴女のお家でこの子と暮らしてあげてもいいのですけど、何分、私には神より与えられた使命があります」

女僧侶「なので、お二人には私の旅に同行してもらうことになっちゃうのですが……どうですか?」

魔王の娘「わ、私は別にいいよ。だって、行くとこないから……」

女騎士「↓2」

魔王の娘「わあ……!」

女僧侶「私がいれば、のところが何かひっかかりますが良しとしましょうかねぇ」

女騎士「ふん。で、どうする? さっそく街を出るのか?」

女僧侶「いや、そろそろ日も落ちる頃ですし、今日はどこかに泊まりたいですね」

女騎士「なら私の家に来るといい。旅の準備もしなくてはならんし、丁度いい」

女僧侶「しょうがないですね……」

女僧侶「娘ちゃんもいいですか? きったない所に一泊ということで」

魔王の娘「うん! 誰かと寝るのは初めてですっ」

女騎士「おい、勝手に私の家が汚いことにするなよ! 綺麗だからな、本当だぞ!!」


女騎士の家


魔王の娘「わぁ……」

女騎士「おら、どうだ。綺麗だろうが」

女僧侶「↓2」

女騎士「なっ! どういう意味だそれはぁ!」

女僧侶「はいはい、興奮しないでくださいねぇ」ニヤニヤ

女騎士(くっ…この子が居なかったら、今すぐにでもあのにやけ面に一発いれたい!!)

魔王の娘「喧嘩は、あの……」オロオロ

女騎士「だ、大丈夫だ、喧嘩なんてしてないぞ」

女僧侶「ふふっ」

女騎士「」イラッ

女僧侶「それよりも、晩御飯はどうするんです? やっぱりいつも通りの外食ですか?」

女騎士「だからお前の中の私はどうなってるんだよ! 自炊ぐらいしてるわ! ……週に一度だけ」

魔王の娘「あの、私は晩御飯、皆と一緒に作りたいですっ」

女僧侶「いいですね! じゃあそうしましょう!」

女僧侶「娘ちゃんは何か希望はありますか?」

魔王の娘「↓2」

女騎士「おでんかぁ。いいなぁ……」ジュル

女僧侶「じゃあさっそく作りましょうか! 冷蔵庫の中に材料はあるかなー……っと」パカッ

女僧侶「……」

魔王の娘「……」

女騎士「その…すまん。ち、ちょっと買ってくる!」

女僧侶「迅速にお願いしまーす」

バタンッ


女僧侶「……行きましたか。ふふっ」

魔王の娘「ど、どうしたんですか?」

女僧侶「どうしたもこうしたも、家の主人が居なくなったらすることは一つですよぉ……」

女僧侶「―――物色ですよ! 物色ゥ!!」

魔王の娘「!?」ビクッ

女僧侶「うふふ、きっと面白いものを隠してるに違いありませんよぉ! ほら、このベッドの下とかに意外なものがあったりとかぁ!!」バッ


何があったか ↓2

女僧侶「くっくっくっ……やっぱりあるじゃないですかァ! 期待を裏切りませんねあの女ァ!」

魔王の娘「わぁ…すっごいカッコイイです!」

女僧侶「この撮り方は明らかに隠し撮り…あんな男勝りっぽい感じなのに、いじらしい乙女な一面もあるんですねぇ」

女僧侶(これは弄り甲斐がありますよ!)

ガチャッ

女騎士「ただいま。割と早く買ってこれたぞ!」

魔王の娘「おかえりなさい!」

魔王の娘(一度言ってみたかったこの台詞! やっと言えたっ!)

女僧侶「ふふふ……」

女騎士「な、なんだよ気持ち悪いなぁ」

女僧侶「いえいえ。お話は晩御飯の後にでもしましょうか」

女僧侶「娘ちゃん、手伝ってくれますか?」

魔王の娘「はいっ」

女騎士「お話……?」キョトン


夕食後


「「「ごちそうさまでした!」」」

女騎士「ふぅー、食った食ったぁ。美味かったな」

女僧侶「娘ちゃんはどうでしたか?」

魔王の娘「その、おでんは勿論美味しかったですっ。でもそれ以上に……」

魔王の娘「皆で食べるご飯の美味しさに感動しています!」

女僧侶(そういえばこの子は魔王の娘でしたね。どんな生活をしていたかは想像できませんが……)

女僧侶「……」ナデナデナデナデ

魔王の娘「ふぁ…凄い落ち着きますぅ……!」

女騎士(くそ、お母さん面しやがって! 羨ましい!)

女僧侶「…あっ、ところで女騎士さん」ピタッ

女騎士「なんだよ」

女僧侶「こんな写真をさっき拾ったんですがぁ」ピラッ

女騎士「―――うえええええええぇ!?」ガタッ

女騎士「えっ? えっ? なんでななな、なんでそれを……!!」

女僧侶「ふふっ」ニヤニヤ

女騎士「い、いや違うからな! 違うから!!」

女騎士「お前の想像してるのとは絶対違うからな!?」

女僧侶「……意中の人なんですねぇ」ニヤニヤ

女騎士「―――!?!?」

女僧侶「自分の気持ちには正直であるべきですよ、女騎士さん」

女僧侶「明日には街を出てしまうのですから。もしかしたら、その間に誰かに盗られちゃったりしちゃうかもですよ? その人」

女騎士「↓2」

魔王の娘「おぉ……!」

女騎士「確かにお前の言う通りだ。いつまでもうじうじしてるのはらしくない!」

女騎士「あ、明日の朝にでもコクッてやんよ!!」

女僧侶「明日ですか?」

女騎士「え?」

女僧侶「貴女はそうやってまた、自分の想いを後回しにして……」

女騎士「―――ああああああああ!! もう!」

女騎士「ちょっと行ってくる!!」

ガチャッ バタンッ!

魔王の娘「……行っちゃった。凄い顔真っ赤だったなぁ」

女僧侶「ふふ、今日はもう帰ってこないかもしれませんねぇ」ニヤニヤ

魔王の娘「?」

女僧侶「さあ、良い子は寝る時間ですよ。私と一緒に寝ましょうね」

魔王の娘「やった! その…抱いてもらってもいいですか?」

女僧侶「こうですか?」ギュッ

魔王の娘「わ、わぁ…温かい……」

魔王の娘「これがお母さんの匂、い……すぅ」

女僧侶「よしよし」ナデナデ


翌朝


女騎士「……」

魔王の娘「すぅ……すぅ」

女僧侶「ふぁ…あれ、帰ってきてたのですか」

女僧侶「どうだったのですか? うまくいきました?」

女騎士「↓2」

女僧侶「まあ! それは良かったですねぇ」

女騎士「ああ。しかも、この旅が終わったら結婚する約束もしたんだ!」

女僧侶「貴女の勇気ある行動が実を結びましたね」

女騎士「えっと、その……」モジモジ

女騎士「背中を押してくれて、ありがとう……」ボソッ

女僧侶「いえいえ。礼には及びませんよ」

女僧侶「面白いものを見せてくれたことへのお返しですから」

女騎士「面白いもの……?」

女僧侶「…さっ! 娘ちゃんを起こして旅立ちますよ!」

女騎士「そうだな。さっき職場にも挨拶してきたし、準備万端だ!」

女僧侶「娘ちゃん、朝ですよー?」ユサユサ

魔王の娘「んん……」

女僧侶「なかなか起きませんね」

女騎士「もう少し寝かせてやろう。疲れてたんだろ、昨日は」

女僧侶「そうしますか。じゃあ私も二度寝しよーっと!」

女騎士「私も眠くてなぁ……ふぁぁ」


街の外


女僧侶「―――で、旅立ちが昼過ぎになってしまったと」

魔王の娘「う、寝過ぎて頭痛いですぅ……」

女騎士「起きれなかった……面目ない」

女僧侶「まあいいです! 気にせずさあ、ガンガン行きますよ!」

女騎士「ところで、何処に向かうんだ?」

女僧侶「↓2 です。救いを求める匂いがしたので!」

眠気がピークなのでまた明日。
少しずつしか書けなくて申し訳ないです。

昨日は寝落ちしました! ごめんなさい!
再開します。

女尊男卑思想のある村


女僧侶「ということで、何か救いを求めていそうな村にやってきました!」

女騎士「うわぁ……この村の男共の今すぐにでも死にそうな顔ったらないな……」

魔王の娘「かわいそうですっ……」

村娘「あら旅人さん、この村の独特なしきたりに驚いているようね」

女僧侶「しきたり、ですか?」

村娘「そう、出産の痛みに耐える女性こそ男よりも強く、尊ぶべきだという教えよ!」

村娘「この村では男なんて女の奴隷に過ぎない、ただの種馬よ! 種馬!」

女騎士「こ、これは酷いな」

魔王の娘「あんまりですよ!」プンプン

村娘「でも、これが村の風習なのよねぇ。よそ者にとやかく言われる筋合いは無いわ」

女騎士「言いたい放題だな……おい! 何か言ってやれよ僧侶!!」

女僧侶「↓2」

村娘「いや、そんな私怨なんて……わ、私はただ、村のしきたりに従っているだけで……」

女僧侶「本当にそうなのですか? 村のしきたりを盾に、貴女の恨み辛みを男性にぶつけているのでは?」

村娘「うっ……」

女僧侶(図星のようですねぇ)

女僧侶(こういう率先して男性を排斥する輩の魂から浄化していけば、この村は救われるはずです!)

女僧侶「…ということで、えい! 浄化!」パァァ

魔王の娘「わぁ……! 虹色の光があの女の人に当たって、すっごく幻想的っ……!」

女騎士「すげぇ! なんだそれ! ま、まじで神の遣いなのか?」

女僧侶「ええ、まじです。あの女性が何よりの証拠ですね」

浄化済みの村娘「今まで私は何を……はっ! そうだ、この村の腐ったしきたりを廃止しなければ!」ダッ

女騎士「凄い変わりようだな。人の心を操れる力とかチートすぎるだろ、おい……」

女僧侶「ふふ、後は適当にその辺の人を浄化しまくればこの村は癒し完了ですね!」

魔王の娘「僧侶さん、ふぁいとっ!」


数時間後


女騎士「いやー、胸糞悪い村だったのがあんなに様変わりするとはなぁ」

女僧侶「ええ、驚きですね。これで男も女も対等な、素敵な村になったことでしょう」

女僧侶「いいですか? 我々人間は弱いです。弱いからこそ、人と人との協調、つながりが不可欠なのです」

女僧侶「助け合って生きていった方が有益なので、娘ちゃん。貴女は誰かを差別するような子に育っちゃ駄目ですからね?」

魔王の娘「はーい!」

女僧侶「…っと、向こうに何か見えますね……あれは ↓2 でしょうか」

女僧侶「何だか救いを求めている匂いがしますねぇ!」

狼女「たーすけてくれぇ!!」バタバタ ブルンブルン

女騎士「ちょっ…なんて格好だこんな道端でぇ!」

女僧侶「ほぅ、なかなかいいものをお持ちで……チッ」

魔王の娘「はわわぁ……」テレッ

狼女「いや、自分を見た感想とかいいから助けてくれよー!」バタバタ ブルンブルン

女騎士「は、早く解放してやろう! 見てるこっちが恥ずかしくなる!!」

女僧侶「まあまあ」

女僧侶「えーと? 見たところ貴女のその尻尾、耳……人間ではないようですが、どうして吊られているのですか?」

狼女「↓2」

女僧侶「なるほどぉ」

女騎士「お、おさわり自由奴隷だと……?」ドキドキ

狼女「くぅー、色んな奴に耳やら尻尾やら触られて気持ちよっ……悪かったぜ!!」

女騎士「……存外に健全だった」

狼女「ってか早く助けてくれよ! なぁ!」バタバタ

魔王の娘「うぅ」テレッ

女騎士「暴れるな! 嫌でも視界に入るから!」

女僧侶「敵意は無さそうですし、下ろしてあげますか。それっ」

ドサッ

狼女「痛い! もう少し丁寧に下ろしてくれよなぁ!」

女僧侶「感謝の言葉も言わないどころか、文句を言うとは……」

女僧侶「もう一度吊るされたいのですか?」ニッコリ

狼女「ごめんなさい! ありがとう!」

狼女「そ、それじゃあ自分は、あの後輩のヤローを〆なきゃならないんで、これで……」

女僧侶「ふふ、待ちなさい」

狼女「え……?」ビクビク

1.女僧侶「貴女に後輩を倒す力を授けましょう」

2.女僧侶「私が倒してあげますよ」

3.女僧侶「私達と一緒に行きましょうよ」

4.自由

↓2

狼女「えっ」

女僧侶「私は貴女の言う後輩とやらの居場所を知ることができます」

女僧侶「更に、その道中も私達が貴女を守ってあげます」

女僧侶「ね? 美味しい話じゃないですか。さあ、一緒に行きましょうよ」

狼女「怪しすぎ! 自分バカだけど、さすがにその手には乗らないわ!」

狼女「第一、あんたに何の得があるんだよ……」

女僧侶「損も得もありません。困っている人が居たら救う……」

女僧侶「ふふん。私、神の遣いですからね!」ドヤッ

女騎士「……それにお前、今の自分の格好見てみろよ」

狼女「はっ! なんじゃこりゃー!!」バッ

女騎士「気付いてなかったのかよ!」

女僧侶「ほら、着るものも与えますから。ね?」

狼女「くぅん……お願いします……」

女僧侶「娘ちゃん、荷物から適当に服をとってくれます?」

魔王の娘「はい! えーと、これですか?」

どんなのか ↓2

女僧侶「そうです。さ、着てみてください」

狼女「あ、あざっす……」

女僧侶(ふっ…娘ちゃんもなかなかやりますね)

女僧侶(あの服は調教用こちょこちょドレス……あれを着ると定期的にこちょこちょされた感覚になる、私作の悪魔のアイテムです……)

女僧侶(ふふふ、先が楽しみですねぇ!)ニヤニヤ

女騎士「また僧侶が悪い顔してる……」

魔王の娘「じ、慈愛に満ちた笑顔ですねっ!」

女騎士「ちょっとそれは無理があるな、娘ちゃん……」


数分後


狼女「これすっごくいい! 自分好きだわこれ!」

魔王の娘「可愛いですよ、狼さんっ!」

女僧侶「喜んでくれて何よりですよ、うふふ」

女騎士「何か裏があるだろ、絶対……」

女僧侶「ないです」

狼女「?」

女僧侶「こほん! それじゃあさっそく、後輩さんの居場所を探しましょうか……むむむむむ、えいっ!」

女僧侶「……出ました。↓2です」


※これより、狼女がパーティに居る時に↓2のコンマが50以下だった場合は、狼女が悶え苦しむようになりました。

女騎士「アバウトすぎだろ、どこのカジノだよ」

女僧侶「もぉー、姑のお小言は煩いですねぇ! しょうがないでしょ、今日は神の力をさんざっぱら使っちゃって若干弱くなってるんですぅ!」

女騎士「だ、誰が姑だ! この―――」

魔王の娘「ど、どうどう! どうどう!」

狼女「カジノ……といったらあそこかなぁ」

女僧侶「おや? 何か心当たりが?」

狼女「うん…少し行ったとこにある街にカジノがあるんだけど、そこへたまに皆で遊びに行っていたんだ」

狼女「もしかしたら今日もそこに……」

女僧侶「なるほど、ではその街に向かいましょう!」

女騎士「ちっ…ああ」

魔王の娘「ほっ……」

狼女「……」

女僧侶「どうしました? 急に元気がなくなってしまったようですが」

狼女「いや、後輩に負けた自分には、群れの皆に合わせる顔がないというか……また挑んでも負けるかもしれないって不安だったり……」

女僧侶「↓2」

狼女「んなっ!? あ、あんたに自分の何がわか―――」


狼女「―――ひゃああああああああああ!!?」ビクン


女騎士・魔王の娘「「!?」」

女僧侶「あ、今きちゃった感じですか」

狼女「な、なん…んひっ!www」ビッタンビッタン

狼女「なんらのこれぇー!!wwwwwwwww」ビクビクビッタン

女騎士「お、お前なんかしただろ!」

女僧侶「シリマセンヨー」

魔王の娘「あわわわっ……!」

狼女「wwwwwwwwwwww」ビッタンビッタン

女騎士「わ、笑いながらやばい顔になっていってるぞ……! おい僧侶!!」

女僧侶「はいはい、↓2 すれば治りますよぉ」

狼女「wwwwwwwwwwww」クルッ

狼女「wwwwww」クルッ

狼女「www」クルッ…

狼女「わ、ww…わんっ」

狼女「……!」ピタッ

女騎士「と、止まった!」

狼女「はぁ、はぁっ……! 死ぬかと思った!」

女僧侶「服を脱げばすぐ済んだのに」

狼女「こんな道端でまた自分に全裸になれと!? あんた鬼か! 悪魔か! この外道め!!」

女僧侶「あ?」

女騎士「いや、今回は僧侶が悪いだろ」

魔王の娘「今回はふぉろーできませんっ。狼さんがかわいそうだから、他の服をあげるべきです!」

狼女「この子天使すぎぃ!」

女騎士「ほら、娘ちゃんもこう言ってることだし」

女僧侶「↓2」

女騎士「は?」

女僧侶「ないんですよねぇ、それしか」

狼女「そんな……!」

女騎士「ふざけるのも大概にしろよ!」

女僧侶「いや、本当ですしおすし」

魔王の娘「う、うん。確かに今荷物の中を見たら服なんてありませんでした……」

女騎士「え? た、旅立つ時に替えの服を入れておいたはずだが!?」

女僧侶「いやぁ、前の村のね? 男の人の服装がなんか哀れだったのでね、すこし施しを……ね?」

女騎士「全部くれてやったというのか! おい!」

女僧侶「てへぺろ」

狼女「はぁ…だったら自分このままでいい。おかしくなってもまた回って鳴けばいいし」

女騎士「ごめんな、うちの馬鹿が……」

魔王の娘「ごめんなさい、うちの、その…お母さんが……」

魔王の娘「えへっ! 言っちゃった……!」

女僧侶「う、嬉しいのとムカツキが同時に!」

狼女「ってか、さっきのはどういう意味なの!?」

狼女「その、今の自分では勝てないとかってのは!」

狼女「何故だ!」

女僧侶「ああ、それはですね」

女僧侶「↓2」

狼女「ぷ、ぷらずまえねるぎー?」

狼女「ってなんかwwwwwwまたwwwwwww来たwwwwww」

クルッ クルッ クルッ

狼女「わ、わふ!」

女僧侶「大変ですねぇ」

女騎士「他人事じゃないだろうが! てか、プラズマエネルギー? なんだそりゃ」

魔王の娘「えーと、こんな感じのですかっ?」ビリビリ

女騎士「うぉっ! 娘ちゃんすげぇ!」

狼女「じ、自分にもあれをやれと……?」

女僧侶「いや、 プラズマエネルギーとは ↓2 のことです」

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