杏「大洗四天王」 (17)
杏「大学選抜チームに勝利したことで廃校が撤回された訳なんだけど」
みほ「喜ばしいことです」
桃「問題が解決したことにより新たな障害が立ちはだかった」
柚子「今回西住さんを読んだのはこの問題についてなの」
みほ「問題というと?」
桃「知っての通り我々は生徒会だ」
杏「大洗女子学園のトップなわけよ」
柚子「私たちにとって一番大きな問題、それは―――」
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杏「四天王なのに三人しかいない事だねぇ」
みほ「…えっ」
杏「ま、とりあえず座ってよ」
桃「どうしよう柚子ちゃーん!四天王なのに三人しかいないよぉ!」
柚子「桃ちゃん落ち着いて、ほら西住さんもいるんだし」
杏「そういうことでどうしたらいいと思う?」
みほ「どうしたらって… 一人増やせばいいだけの話じゃないんですか?」
杏「アタシら三人はちょっと生徒会でも浮いてるからねぇ」
柚子「なかなか入ってくれる人がいないんですよ」
桃「生徒たちの頂点なんだぞ! 書記程度入れられるか!」
杏「ま、河嶋もこんな感じだし」
みほ「えぇ…」
みほ「じゃ、じゃあ名前を変えるとか! 三本柱とか!」
杏「三本柱かぁ…」
桃「三本柱はちょっと…」
柚子「嫌かなぁ…」
みほ「誰か助けて…」
……………
杏「やっぱりこうなったかぁ」
杏「ま、こんなこともあろうかと強力な助っ人を呼んでおいてよかったよ」
柚子「強力な助っ人?」
桃「クロ高の四天王だ、しかもリーダー」
みほ「えっ!? 黒森峰にそんな人たちいたかな…?」
杏「入ってきていーよぉ」
イガちゃん「………」
みほ(なんか海外バンドのベーシストみたいな人出てきた!?)
桃「クロマティ四天王のリーダー、伊賀勝だ」
みほ(クロマティってどこ!?)
杏「愛称イガちゃん」
みほ(誰!?)
桃「聞いての通り我々は今窮地に立たされている、是非力を貸してくれ」
柚子「イガちゃんがいるなら百人力だね!」
みほ(しかも知己っぽい!?)
イガちゃん「……とりあえず」
イガちゃん「どの学園艦でも四天王問題は重きに置かれている」
みほ(四天王ってどの学園艦にもいるの!?)
イガちゃん「我々の高校でも四天王なのに五人いる事が問題になっている」
杏「どこも困ってんだねぇ」
イガちゃん「そこのところアンタはどう思う?」
みほ「え!? 私ですか!?」
みほ「うーん…」
みほ「そもそも四天王の存在意義がわからないっていうか…」
桃「西住! なにを言っている!」
柚子「四天王のいない学園艦はメイクしてないKissみたいなものだよ!」
杏「わかってないねぇ西住ちゃん」
みほ「え、ごめんなさい…?」
イガちゃん「まあそう攻めてやるな、彼女はまだ日が浅いんだろう」
杏「しかしこれじゃあどうしようもないねぇ」
柚子「いっそのこと生徒に投票してもらうとか」
桃「それだ! ここまで話が進まないということはもはや我々では無理というコトかもしれん」
杏「じゃ早速生徒みんなに通知するねぇ」
イガちゃん「まとまったようでなによりだ」
イガちゃん「ウチの四天王が待ってるんでな、俺は帰らせてもらう」
杏「いろいろありがとねぇ」
柚子「また遊びに来てね、イガちゃん」
桃「世話になったな、イガちゃん」
みほ(あの人は結局なにしに来たんだろう…)
翌日、生徒会権限により誰が四天王にふさわしいか投票が行われた―――――
桃「集計が終わったので発表する」
桃「…………」
桃「西住」
みほ「!?」
桃「お前が大洗四天王の新たなメンバーだ」
杏「西住ちゃんなら文句ナシだね」
柚子「戦車道の隊長だしピッタリ」
みほ「もう嫌ぁー!」
その後―――
みほ「あっ、もしもし? お姉ちゃん?」
みほ「あのさ、黒森峰って四天王いる?」
みほ「だから、四天王」
みほ「わからないならいいんだ、うん」
みほ「ううん、ごめんね。変なこと聞いて」
みほ「四天王ってどの学園艦にもいるんじゃなかったの…?」
完
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