パンデミック・プルーフ 免疫事変編(17)

どうもー

始めまして、マシュー・クルーソーです。


LSDという旅行会社のメディカルスタッフ兼設備管理課の責任者を勤めています。

元々は細菌兵器の治療薬を開発する仕事に勤めていましたが

たまたま出来たスーパーワクチン『デイライト』を誕生させた結果……

製薬会社の利権争いに巻き込まれ、身を隠すために成り行きでLSDに入社しました。

色々と無茶ぶりされたり……殺されかけたりされながらも医療知識を身につけて今や

幹部にまで登り詰めました。

最近の目標は『HIVの撲滅』です。

僕の創造した”ワクチン”がー

とんでもない事態を引き起こします。

ハーバード大学

マシュー「エボラ、SARS、インフルエンザ……人類は常に病と闘い続けました」

「ひと昔前まではかなりの犠牲を払いつつ人類は勝利を得てきました。ですが」

「僕が開発したワクチン、『デイライト』によって予防接種すれば恐れるに足りないモノになりました」

「ですが……デイライトだけに頼るのはダメです。確かにどんなウィルスも消滅させる効果がありますが」

「ウィルスは人間と同じく、学び、成長します。もしデイライトの効力によって進化したら……それだけは絶対に避けなければなりません」


こんな感じで講演会は幕を閉じたが

マシュー「ん?」


珍しくシンジから連絡が来た。

先代社長の血のつながら無い愛息子、碇シンジが仕事中に連絡してくるのは妙だった。


マシュー「もしもし?」


講演が終了してから折り返し連絡した。


シンジ『ごめん、急に連絡して』

マシュー「いや……別にいいけど」


相変わらず、マジメで謙虚な性格している。

いざという時はかなりの頼りになるが。

シンジ『ちょっと悪いけど……本部に戻ってくれないかな』

マシュー「どうした? なんか問題でも起きたのか?」

シンジ『電話では話せないから、大至急 本部に戻って』

マシュー「……わかった」


この時はまだ、楽観視してそれほど危機感は抱いていなかった。

よくある機械の不慮とか書類に不備があったとか……そんな風に考えていました。

LSD 本部 社長室

コンコン、ガチャッ


シンジ「どうぞ」

マシュー「よぉ、なんだ」

シンジ「座って。なんか飲む?」

マシュー「必要ない……それより話は?」


シンジは窓を眺めながらこう訊いた。


シンジ「ねぇ…… ライジング・サンの副作用は?」

マシュー「はぁ?」


”ライジング・サン”

デイライトの品種改良型の一つでヒト免疫不全ウイルス……通称HIVの特効薬だ。

確かに副作用があった。

それは『DNA改変』

要するに白人が黒人になったり……アジア人が白人になったりなど。

ただ、それだけである。

しかも起こる確率は1/5000。

それだけだが……

シンジにそれを説明するとあるファイルを僕に手渡した。

ファイルを読み進めると

どうやら、マイアミでライジング・サン接種者が射殺された事件が2日前に起きたらしい。

資料の中には白人が黒人に変わるという事は書かれてなく

ただ、45ACPを30発以上くらっても襲いかかってきたとか。

さらに自宅で子供の頭蓋骨を喰い破り

自分の妻にも襲いかかって近所の住人に通報されたらしいなどが書かれていた。


シンジ「捕まった旦那さんは今、マイアミ警察の留置所で隔離中らしいよ」

マシュー「奥さんは?」

シンジ「首筋を噛みちぎられて出血多量で亡くなった」

マシュー「監視は?」

シンジ「トウジと正義君が居るよ。警察の方はケンスケとシロウ君が」


良かった……いや、良くない。

パンデミックが起きる危険性が出てきた。

とりあえず、シンジと共にマイアミ警察署に向かうことにした。

マイアミ警察署

バラララ……


マシュー「わざわざヘリを使わなくても……」

シンジ「目立つ方がいいっしょ?」


草薙素子「何が?」


マシュー「てか……なんで、奥さん連れてきた?」

シンジ「僕、人見知りだから~」


ウソつけ。

てか、本当になんで少佐つれてきたんだ。

マイアミ警察署 留置所


警官「こちらです……」


どうやら、同僚が現場で襲われ”変貌”したらしい。


素子「これが……例の」

シンジ「接種者だね、マシュー」

マシュー「ああ」


素人が見ても『なんで生きてんの?』って疑問に思うレベルに身体が穴だらけだった。

マシュー「現場に急行した時間は?」

警官「確か……報告では45分です」


なるほど。

”報告では”45分だから少し時差が生じてるいるだろうけど

大した問題じゃない。

マシュー「鍵を開けてくれませんか」

警官「えっ?」

ガシャン‼︎


シンジが牢屋の鍵を破壊した。

壊す必要ないだろ。

まぁ……とりあえず、脈を調べるか。

素子「はぁ~」


苦労が多いだろうな……

そんなことを考えながら脈を探ると


マシュー「無いよな、やっぱり」


2日前に蜂の巣にされてるから当り前だが

妙なのは


「フッー!フッー!」

マシュー「目が蒼い」


瞳が蒼いの良くいるが目が蒼いのはヘンだ。

血液を抜けるかな…


ブスッ

マシュー「……ムリか」


どうやら血は”渇いた”みたいだ。

皮膚を採取しとくか。


「ウッー‼︎ウッー‼︎」



マシュー「もういいぞ」

シンジ「了解」


何の躊躇なく元ワクチン接種者の眉間を撃ち抜いた。

6インチのコルトパイソン で。

流石と言うべきなのか、それとも軽蔑するべきなのか迷うな。


衛宮 士郎「大丈夫ですか⁈」

相田ケンスケ「……フッ」

銃声を聞いて外で待っていたケンスケとシロウ君が駆け寄ってきた。

ケンスケは状況を見て少し笑ったけど。


シンジ「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」

「それよりも何かヘンなことは無かった?」


ケンスケ「様子がおかしいの1人いる。現場に急行した警官だ」

シンジ「負傷は居ないって……」

シロウ「どうやら咬まれていたのを隠していたみたいです」


ギャッー‼︎‼︎

ガタンガタン‼︎‼︎

マシュー「マズイな……」

シンジ「咬まれた警官は?」

シロウ「取調べ室です」

素子「急いだ方がいいわね」

シンジ「行こう」


僕たちは急いで取調べ室に向かった。

取調べ室 前

ざわざわ…ざわざわ……


シンジ「どいて下さいー、借りますよっと」


取調べ室に集まる警官たちを押し退けながらシンジはどさくさに紛れてイサカM37 ステーク・アウトを拝借した。


ブチブチッ、ウガァァッッ‼︎‼︎‼︎


中で何かが千切れる音と唸り声をあげていた。


シンジ「僕が先行するから、援護ヨロシク」

素子「わかった///」


スッゲー嬉しいそうだな少佐。

ドア蹴破り中に入ると

腕が突如、たまたま近くにいた警官の首を掴んだ。


警官「アアアっー⁉︎」


ボキッ‼︎


気持ちいいぐらいに警官の首が横に折られた。


「ガァァッ‼︎‼︎ ぐちゃっぐちゃぐちゃ‼︎‼︎‼︎」


例の現場に急行した警官が自分の同僚の首筋にかぶりついた。

かぶりつかれた方は白目むいていた。


そして、なんの躊躇なくシンジは警官の頭を吹き飛ばした。

12ゲージによって頭部は下顎を残して粉砕した。

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