うちはサスケ「デレステ? なんだそれは」 (31)
とある街の宿
サスケ「カカシ。あんたから電話なんて珍しいこともあると思えば、いきなりなんだ」
カカシ「長期の単独任務だと、宿での暇つぶしにも一苦労だろう。だから手ごろな遊びを紹介してやろうと思ってな」
サスケ「遊びだと?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458618744
カカシ「サスケ。スマホは持ってるよね」
サスケ「ああ。今あんたと話すのに使っている」
カカシ「デレステ、正式名称は『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』。スマホで基本無料で遊べるゲームだ」
サスケ「ゲーム? オレはそんなものほとんどやったことがない」
カカシ「まあまあ。とりあえず、俺の言う通りにダウンロードするところまではやってくれ。元火影の頼みだと思ってさ」
サスケ「従う義理はないな」
カカシ「じゃあ元先生の頼み」
サスケ「………」
サスケ「手順を教えろ」
カカシ「ははは。本当、いい子になったねお前は」
サスケ「切るぞ」
カカシ「すまんすまん。今から教えるから」
スマホ「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ!」
サスケ「……オレはこんな俗にまみれた遊びをやる気はない」
カカシ「まあまあ、たまにはいいじゃない」
カカシ「実を言うとな。このゲーム、サラダもやっているんだ」
サスケ「サラダが?」
カカシ「ああ」
カカシ「もしお前も始めれば、親子で共通の話題が増えることになるなー」
サスケ「………」
カカシ「まず画面をタッチするとチュートリアルが始めるからそれを聞く」
サスケ「………」ポチッ
チュートリアルプレイ中
サスケ「(名前を入力か……まあ、本名で問題ないか)」
サスケ「……あんたの好きそうな絵柄の女達だ」
カカシ「小説のネタになるかと思ってね」
サスケ「小説?」
カカシ「俺も一線を退いたことだし、物書きでも始めようかと思ってね。ジャンルとしては、自来也様のイチャイチャシリーズに近い形にしようと考えている」
サスケ「イチャイチャシリーズ……あんたがよく読んでいたヤツか」
カカシ「そ。火影もナルトに譲ったし、暇な年寄りの道楽のひとつってやつだな」
サスケ「……老け込むにはまだ早いだろう。ガイもまだ元気にしているんじゃないのか」
カカシ「あれ。ひょっとして、心配してくれてるの?」
サスケ「………」
カカシ「なーんてね。少し意地悪な聞き方だったかな」
サスケ「フン」
カカシ「ま、チュートリアルを終えればだいたいのやり方はつかめるだろう。あとはお前なりに楽しめばいいから」
サスケ「楽しめるかどうかはわからないがな」
カカシ「ははは。じゃ、またな」
サスケ「ああ」
サスケ「………カカシ。オレが里にいない間は」
カカシ「サクラとサラダのことは、ちゃんと見ておくよ」
サスケ「……ああ。頼む」
サスケ「島村卯月、渋谷凛、本田未央。この三人から一人を選び、センターに置くのか」
サスケ「島村卯月。笑顔が得意か……まるでナルトだな」
サスケ「本田未央。騒々しいヤツだ……まるでナルトだな」
サスケ「渋谷凛……こいつにするか」
サスケ「(どうやら、ライブとやらで踊るアイドル達を眺めながら、リズムに合わせて画面の特定の場所をタッチしていく形式のようだな)」
サスケ「(タッチするポイントは5か所だが、長押しやフリックを要求されたりと、タッチの仕方にも種類があるのか)」
サスケ「ミスなくタッチしていけばいくほどコンボが継続し、スコアも伸びる。こんなところか」
サスケ「(どう考えても両手でプレイすることを推奨されているゲームだが……まあ、こんな遊びで須佐能乎の腕を使う必要はない)」
サスケ「右腕一本で問題ないだろう」シャンシャン
『FULL COMBO!』
サスケ「ふっ」
サスケ「余裕だな。どうやらこのProが最高難度らしいが……ん?」
サスケ「Proをクリアすると、その上の難易度のMasterに挑めるようになるのか……なるほど、段階を踏ませていくというわけか」
サスケ「下忍が中忍試験を受け、合格して中忍になり、その後上忍試験を受けるようなものだな」
サスケ「(オレは下忍のままだが)」
サスケ「(とにかく、Masterも片腕で余裕……)」シャンシャンカッ
サスケ「………」
サスケ「Niceだとコンボが途切れるのか……Niceのくせに」
『FULL COMBO!』
サスケ「(さっきは油断したが、Masterの曲も労せずフルコンボできることがわかった)」
サスケ「次は、アイドルを増やす作業だな……このガシャで新たなアイドルを引けるらしいが」
サスケ「友情ポイントで引くローカルガシャと、スタージュエルで引くプラチナガシャ……ん?」
サスケ「有償ジュエルだと? なんだこれは。無料ゲームじゃなかったのか」
サスケ「(いや……よくよく考えれば、これだけ手の込んだゲームを無料でプレイさせたら作り手は商売にならない)」
サスケ「………」
サスケ「なるほどな。わかってきた」
サスケ「通常、プラチナガシャ一回に必要なジュエルは250個。しかし一日一回『有償ジュエル60個』でガシャを回すことができる」
サスケ「多くを語るつもりはないが……大した運営だ」
サスケ「………」
サスケ「(カカシは、このゲームをサラダもやっていると言っていたな)」
サスケ「(サクラがいるから、課金しすぎるということはないと思うが……いや、だがあいつがサクラに隠れてこっそりやる可能性も)」
サスケ「………」
サスケ「オレのほうでも、もう少しこのゲームを調べてみるか」
サスケ「……毎日ジュエル60個なら、たいした出費にはならん」
サスケ「(毎月の小遣いで足りるな)」
翌日
サスケ「………」
サスケ「ここも、特に異常な気配やチャクラは感じられない……今のところは問題ないか」
サスケ「少し休むか」ドサッ
サスケ「(そういえば、そろそろデレステのスタミナが全快するころだが)」
サスケ「……この森の中では、電波が届かないからプレイできない」
サスケ「(オレには向いていないな。このゲームは)」
数日後
サスケ「……このあたりにも、カグヤの痕跡は感じられない」
サスケ「(近くに町がある……今日は野宿でなくてすみそうだな)」
宿にて
サスケ「SRやSSRは引けないが、徐々に手持ちのアイドルが増えてきたな」
サスケ「浜口あやめ……忍でアイドルを目指すヤツもいるのか……ん?」
サスケ「イベント? この前見た時は、こんなものはなかったはずだが」
サスケ「LIVE Groove……四曲連続でプレイする形式か」
サスケ「難易度は……なに、Master+?」
サスケ「(Masterより上があったのか……難易度は30。とりあえずやるか)」
サスケ「………」
サスケ「このオレが、三回連続フルコンボを逃すとはな……」
サスケ「いいだろう……ならば」
サスケ「(写輪眼!)」キンッ!
サスケ「………!」シャンシャンシャンシャンシャンシャン!
『FULL COMBO!』
サスケ「フン」ドヤァ
サスケ「………」
サスケ「(なんだ、この敗北感は)」
サスケ「こんなゲームに写輪眼を使っても仕方がないということか……」
サスケ「アイドルコミュ……アイドルとの会話が見られるモードか」
サスケ「……やはり、基本無料のゲームにしてはかなり手が込んでいるな」
サスケ「(誰のコミュを見るか……)」
サスケ「……こいつにするか」
『村松さくら コミュ』
さくら「村松さくら、15歳でぇす。よろしくお願いしまぁす」
サスケ「(気の抜けるしゃべり方だな……サクラも昔はこんな口調で話す時があったが、今はしっかり大人の口調だ)」
サスケ「(……いや。たまに昔に戻る時があるか……あいつは夜は甘えてくるからな)」
さくら「自己PRは……えっと、笑顔でぇす!」
さくら「みんな幸せになれるから、どんなときでもにっこり笑顔が一番でぇすっ♪」
サスケ「笑顔か……」
サスケ「(確かに、サクラの笑顔はオレの力になる)」
サスケ「(あいつの笑顔を一番曇らせたのはオレだが……あいつを一番笑顔にしたのもオレだと、あいつは言っていたか)」
さくら「ニコニコしているだけじゃなくて、もっといろんなことがしてあげられるようになりたいんですぅ」
サスケ「してあげられるように、か」
サスケ「サクラも、似たようなことを言っていたな……見ているだけは嫌だと」
サスケ「(オレを追いかけ、ナルトを追いかけ、あいつはあそこまで強くなった)」
サスケ「(写輪眼があったわけでもない。人柱力だったわけでもない。だが、あいつは強い。自分にできることを精一杯やっている)」
サスケ「……大した奴だ」フッ
さくら「頑張りまぁす♪」
サスケ「ニューウェーブ……三人組のユニットか」
サスケ「昔のオレのようなヤツがいなければ、うまくいくだろうな」
サスケ「………」
サスケ「コミュを見ていたのか、思い出に浸っていたのか……どちらかわからないな、これじゃ」
サスケ「………」
Prrrrr
サスケ「……サクラか」
サスケ「いや、別になにかあったわけじゃない……心配するな」
サスケ「用件は、そうだな……サラダは、元気にしているか」
サスケ「……そうか。元気にやっているか」
サスケ「……いや。サラダに代わる前に、もう少し……その」
サスケ「お前の声が、聴きたいと思って……電話した」
サスケ「………」
サスケ「笑いすぎだ……」
サスケ「……まあいい。今日あったことでも、聞かせてくれ」フッ
サスケ「(デレステ……悪くないゲームだな)」
おしまい
おまけ
数日後
サスケ「イベントの結果発表が出ているな」
サスケ「(Master+をフルコンできたが、オレの編成はあまりスコアを稼げるものではなかった……ハイスコアランキングの上位は不可能だったか)」
サスケ「一位のスコアはどれほどなのか……」ポチッ
『ハイスコアランキング 1位 日向は木の葉にて最強』
サスケ「………」
日向家の屋敷
ヒマワリ「わあ、すごい! おじい様、イベントptもハイスコアランキングも一位です!」
ヒアシ「ははは。ヒマワリに薦められて始めたが、やるからには頂点を目指さねばな」
ヒマワリ「わたし、楓さんが好き!」
ヒアシ「おお、そうかそうか。おじいちゃんは高垣楓のSSRを持っているぞー」ハハハ
ハナビ「お父様、孫の前だと本当に別人ね……」
ヒナタ「ふふっ」
火影の部屋
ナルト「うーん」
シカマル「どうした、ナルト?」
ナルト「家族の話についていくためにも、影分身一個だけデレステに回すか……?」
シカマル「……なに言ってんだお前?」
おまけおわり
アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージは基本無料で遊べる素晴らしいゲームです。みんなプレイして可愛い女の子たちを踊らせよう
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