清霜「戦艦になりたい!」古鷹「重巡洋艦の方が良いと思います!」 (17)

清霜と古鷹の師弟物、短編SSです。

エッチいのもグロいのもなく実際健全。

初めてSSを完成させることが出来ました。

書き溜めは終わってるので順次投下していきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458317653

清霜「うぅっ……また大破しちゃった」

霞「アンタが無理に前に出て庇うからでしょ!駆逐艦なんだから無理したら駄目でしょうが!」

清霜「戦艦になった時の練習だもん」

霞「それでもし沈んだらどうするのよ!」

足柄「霞ちゃんは清霜が心配で心配でならないのね」

霞「そんなんじゃないってば!私はただ無理に大破して任務失敗で終わったら皆の迷惑だって……」

大淀「今回は最深部の主力も倒せたことですし、大目に見てあげても良いのではないでしょうか?霞ママ?」

霞「大淀も清霜を甘やかし過ぎ!今後の任務のために司令官に相談するわ!」

霞「で、どう思うの?」

提督「どうって言われても清霜は訓練にも熱心だし、戦艦を目標に頑張れるなら良いんじゃないかな?」

清霜「ほら、司令官だって良いって言ってるじゃん」

霞「どんなに清霜が努力家でも、無茶な行動が艦隊の危機を招くんだから注意しないと!それに清霜は魚雷訓練だって戦艦には関係ないって不真面目だし」

提督「それは良くないな。しかし可夢を捨てろというのもモチベーション的に良くない」

清霜「清霜はもっともっと強くなりたいの!」

提督「うむむ、秘書艦の古鷹は一体どうすれば良いと思う?」

古鷹「そうですね。清霜ちゃんは今より強くなりたい。でも無理に戦艦を目指すと無理が来る。それならば解決策はあります。」

提督「と、いうと?」

古鷹「重巡洋艦を目指してみてはどうでしょうか?」

霞「へ……?なんでそうなるのよ……?」

古鷹「重巡洋艦の系譜をたどると軽巡洋艦にたどり着き、軽巡洋艦は水雷戦隊の旗艦として設計されました。駆逐艦から上を目指すなら巡洋艦を目指すほうが安定的です」

古鷹「また、戦後の駆逐艦(護衛艦)は巨大化していき、あたご型護衛艦の排水量は古鷹型重巡洋艦にも匹敵するほど。やはり、このことからも駆逐艦からは重巡洋艦を目指すのが一番だと思います!」

霞「ちょっ古鷹さんは一体何を言って……?」

足柄「流石古鷹。なかなか的を射た発言ね。清霜には私達みたいな重巡洋艦を目指させるべきね」

大淀「軽巡洋艦も捨てがたいとは思うのですが、なるほど重巡洋艦も良いかもしれませんね」

霞「え?なんで皆納得してるの?私は清霜に駆逐艦としての誇りを……」

提督「しかし、重巡洋艦を目指すと言ったって何をどうするんだ?」

古鷹「私が責任をもって清霜ちゃんに重巡洋艦の極意を教えます」

提督「そうか。なら安心だな。秘書艦業務や他鎮守府との演習もあるが大丈夫か?」

古鷹「任せて下さい!清霜ちゃんもいい?」

清霜「強くなるためだったら頑張る!」

霞「え?ちょ…」

提督「一件落着のようだし、解散!各自通常任務に戻るように」

「「「はい!」」」

霞「は、はい!……ってどういうことなのよ~~!!」

それから、特訓の日々は始まった。

古鷹「駆逐艦と巡洋艦以上で違うのは弾着観測射撃ができるか否かだね」

清霜「でも清霜にはカタパルトがないから水上機の発着艦が出来ないよ?」

古鷹「私の観測機が弾着の確認をして情報を確認するから、それを元に修正してね。まずは静止射撃から」

清霜「わかった!やってみる!」

古鷹「敵との距離○○、角度は△△だよ」

清霜「主砲、砲撃翌用意!てー!」

古鷹「遠くに○○、右に××ずれてるね。何度修正すればいいかわかる?」

清霜「何度って?何度だろ?」

古鷹「風力も計算してね今の風力は□ノット」

清霜「左に*度俯角*度くらいかな?」

古鷹「修正して撃ってみて」

清霜「よし。てー!」

古鷹「遠近はあってる。でも左に○○ずれちゃったね。」

清霜「その場で計算なんて出来ないよ」

古鷹「よく使う角度は暗記して、反復練習。計算で目安を付けてから体に染み込ませると命中率が上がるよ」

清霜「そうなの?それじゃあ頑張らなきゃ!」

古鷹「その調子!」

古鷹「次は座学。まずは重巡洋艦の成り立ちと、艦隊のその意義から」

清霜「勉強は苦手
だけど……でも頑張る!」


古鷹「……それで第一次ソロモン海戦では持ち前の火力で敵巡洋艦を多数撃破して……使い勝手の良さから重巡洋艦は多くの戦場に駆り出されて終戦まで生き残った艦も数あり……」

清霜「うん、うん。なるほど」

古鷹「……古鷹型の砲塔は初め人力装填で後に改装……高翌雄型は妙高型の居住性を高め……最上型は軽巡洋艦として設計された後重巡洋艦に……」

清霜「うん…うん…うっ……」コクッ

古鷹「……海外の重巡洋艦としてはドイツのプリンツ・オイゲンさん属するアドミラールヒッパー級、イタリアではザラさん属するザラ級、他にはアメリカの……」

清霜「むにゃ…むにゃぁ…」zzz

古鷹「20.3cm連装砲の強力な火力、そして移動性能から防御力……これが重巡なんです!ってあれ?」

清霜「zzz」スピー

青葉「古鷹さん最近イキイキしてますね」

衣笠「清霜ちゃんを重巡洋艦にするって言い始めた時は何事かと思ったけど、案外うまく行ってるようね」

青葉「他艦種への理解が深まって、最近清霜さんの動きは格段に良くなってきてるそうですよ」

加古「動いてばっかで古鷹も清霜もちょっとは休めばいいのに」

衣笠「加古みたいにたーっぷり睡眠と休憩はとらなきゃ」

加古「休むときは休むあたしゃしっかり心がけてるからね」

衣笠「褒めてないんだけど…」

青葉「ですが相変わらず味方をかばっての被弾率が大きいまま。そこの意識は変えないとですねぇ…」

古鷹「清霜ちゃん!どうしたの!その怪我は」

清霜「味方を庇ったらね、また大破しちゃった。えへへ」

古鷹「あれほど無理をするなっていったのに!なんでそうまでしていつも見方を庇おうとするの?」

清霜「それは古鷹さんも一緒でしょ?」

古鷹「でも清霜ちゃんは駆逐艦だし……」

清霜「駆逐艦だけどね…武蔵さんみたいなどんなに敵の攻撃を食らったって簡単には沈まない、大きな盾になりたいの」

古鷹「清霜ちゃん…」

清霜「戦艦に艦種変更出来ないのはわかってる。それでも私は戦艦のように皆を守れたらなって」

古鷹「清霜ちゃんの思いはわかった。本当に皆を守れる盾になりたいのね」

清霜「うん」

古鷹「修復バケツの申請はしておくから、今晩装備は無しで演習場に来て」

清霜「演習場?一体何をするの?」

古鷹「清霜ちゃんが皆を守れる盾になれるようにしてあげる」

川内「清霜!怪我はもう大丈夫?」

清霜「川内さん!清霜は怪我はバケツで修理したから大丈夫。それよりもなんでここに?」

川内「古鷹に訓練で付き合ってもらうよう頼まれたんだよ」

清霜「ありがとうございます!」

川内「いいのいいの!夜戦が好きな子増えるなら大歓迎。ほら、古鷹が来たよ」

古鷹「お待たせ!川内も付き合ってくれてありがとう」

川内「その手に持った装備は?」

古鷹「私と清霜ちゃんが使う用の14cm連装砲と12.7cm連装砲B型改二そして」

清霜「そして?」

古鷹「これっ!探照灯!」

川内「いくら夜戦が好きの私でも駆逐艦の子に探照灯をもたせるのは賛成しかねるな。耐え切れない」

古鷹「確かに巡洋艦以上じゃないと光を出してる間は敵の良い的になって逃げられないし、耐える必要が出てくる」

古鷹「でも、『駆逐艦』なら敵を引きつけたうえで砲撃を全部避けられるんじゃないかな?」

川内「そんな……まさか!」

古鷹「駆逐艦の主砲のレートを活かして敵の手前で水柱を立て、探照灯で次々に目をくらませながら肉薄、からの魚雷発射!たとえ近づききれなくても敵は魚雷を警戒して手前の清霜ちゃんに意識を向けざるを得なくなる!」

川内「なるほど。やってみる価値はあるかもね」

古鷹「やるかどうかは清霜ちゃん次第だけどどう?」

清霜「でも、それってすごく難しそう」

古鷹「いつも人一倍訓練して、仲間を守る人一倍の勇気を持つ清霜ちゃんなら絶対できるよ!」

清霜「そうかな?清霜やってみる!」

川内「私が相手役をやれば良いのかな?」

古鷹「お願いします。」

川内「よしきた。言っとくけど私は夜戦に関しては鎮守府一上手いよ。私相手に戦えるようになるまでいっぱい苦労するかもね」

清霜「だったらいっぱいいっぱい頑張るもん!」

古鷹「それじゃあ始めるよ!私がお手本を見せるからついてきて!」

清霜「はいっ古鷹姉さま!」

青葉「あの夜戦訓練から、清霜さんは駆逐艦で多くの夜戦で味方の囮になって被害軽微と撤退成功に貢献しているようです」

大淀「本当にたくましくなりました」

霞「でも清霜、今度は戦艦のような火力も手に入れるんだって張り切ってるわ」

足柄「攻撃は最大の防御ってとこかしら」

霞「大物食いに夢中で装甲の通らない相手にも撃っちゃうのは問題ね」

清霜「今度は戦艦の火力も手に入れて、少しでも敵の数を減らしたいの!」

霞「次はどうするの!司令官?」

提督「砲火力は努力やコツでどうにもならないからなぁ……秘書艦の日向、どう思う?」

日向「同じ砲火力でも制空権のある無しでは成果に大きく差が出る。それに現代の駆逐艦(護衛艦)はヘリ搭載型。やはりこれからは航空火力艦、瑞雲を乗せて制空補助で決まりだな」

提督「それに賛成だ」

日向「私が責任をもって面倒見よう」

提督「これにて一件落着。解散!各自通常任務に戻るように」

霞「ちょ、待って。えぇ~~~~!」

おしまい

良い先輩の古鷹が見たくて書きました。
吹雪や叢雲の時報で優しい先輩として出てるから、古鷹先輩キャラ増えてほしいね。
包容力(バブみ)のある古鷹も大好きだから、誰か書いてくれると嬉しいな

もし気に入ってくれた人がいたらコメントしてね。次を書くかも知れません。
それでは全国四百万の古鷹提督の皆さんおやすみなさい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月20日 (日) 00:57:04   ID: ySpLWQBV

暁はたんしょうとう使って蜂の巣ですが

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