フカヒレ「みんな今頃何してんだろうなー。」【つよきすss】 (156)

見てくれる人がいるか不安です。
更新速度は速くはないです。1週間に二、三回ぐらい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458288391

つよきす3学期のその後の話。つまりもしもの話。
誰と付き合うかはプロローグ終わってから安価で決めて、その女の子を攻略できたら次のヒロインを安価することとします。

公式での設定は一応見ていますが、ストーリーが進めやすいように改変する事があります。
それが、嫌な方は今の内にバックしてください。

キャラ崩壊は許してください!

カキィン

何度見たのだろうか。

カキィンカキィン

またしても目の前で女の子が戦っている。

カキィンシュワァーーー

空中を飛び回り、僕のまわりを飛び回っていた。

風は嵐のように土を巻き上げていき、その中を女の子たちが舞っている。

慣れたと言えば慣れたが、慣れないと言えば慣れない。

?「また腕を上げたな!」

??「フン。当然だ。貴様に勝つために鍛えてきたのだからな。」

なぜこうなってしまったのか。

それは僕が日本に帰ってきた頃にさかのぼる。

ー松笠駅ー

飛行機で約6時間。
ようやく日本に帰ってこれた。
久しぶりの松笠駅はいつもと変わらない風景だ。

僕が日本から離れたのは5年前。
高校卒業してすぐの事だった。

行き先やお金などはまったく考えずに、ただ自分探しがしたくて海外に行くことを決心した。

親はもちろん反対したが、乙女さんがぼくの話を聞いた上で親を説得してくれた。

乙女『レオがそこまで本気なのならばわたしも本気でお前の後押しをしてやろう。』

乙女さんには本当に頭が上がらない。

そんなこんなで英語もあまり喋れない僕が海外の荒波に揉まれ、なんだかんだで日本に帰ってきた。

それにしても日本は寒い。

しかも海に近い松笠だ。春なのに寒いのは当たり前か。

とにかく今は他のみんなと再会したいと思い、他のみんなに会いに行った。

ー対馬家ー

ピンポーン



さすがに乙女さんはいないか。

今となってはあの人は僕の手の届かない所までいっている。

元気にしてるといいな。

どうでもいいが、隣にはカニの家がある。

ピンポーン

ガチャ

カニ母「あら!」

レオ「お久しぶりですお姉さん。相変わらずお美しいですね。」←社交辞令

カニ母「久しぶりねレオちゃん!相変わらず口が上手いわね!」

カニ母「良かったらうちの役立たずもらってくれない?」

レオ「それは無理です。いくら時が経とうとも。」

カニ母「そうよねー。いくら時が経とうともいらないわよねー。」

相変わらず毒舌なカニ母であった。

レオ「カニはいますか?」

カニ母「ごめんねー。あんな役立たずでも仕事してるのよー。今は会社よ。」

カニは確かゲームプログラマーになったはずだ。

ゲーム好きが功を奏してゲーム会社のお偉いさんに気に入られ働いている。

レオ「そうですか。それでは失礼します。」

カニ母「レオちゃん頑張りなさい。」

レオ「ありがとうございます。」

ー松笠駅ー

ぶらりとしているうちに駅に戻ってきてしまった。

今考えてみれば他のみんなは働いてるんだよなー。

姫は親の後を継いで社長。よっぴーはその秘書室の室長。
椰子は実家を継いで花屋さん。
スバルは陸上選手。
乙女さんは世界の人たちに武道を教えているらしい。
瀬麗武は親と一緒に海軍をしていると聞く。
近衛は女優になって映画でヒロインをしまくっている。
フカヒレは………まーそれはさて置いてだ。

他のみんなは忙しそうだ。僕と違って。

みんなに会わせる顔がない気がして申し訳なかった。

こんなに呑気な暮らししていていいのかーと思うと、早く就職しなければというプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。

男A「オイコラァーーーー↑」

突如街にうるさい声が響いた。

女A「ヒイッ。」

男B「なんで俺らの誘い断るんだヒャッハァーーー!」

ナンパのようだ。それもかなり悪質の。

女B「た…助けて…!」

男A「俺らと遊べヒャッホーーーーーー!」

ややこしくなりそうな事には足を突っ込みたくない。

熱くなって良い事なんてないんだ。あの時みたいに…

男B「触らせてくれナッシーーーー!」

女B「キャァァァ!」

………

昔までなら…の話だ。

ガッ

レオ「すみません。落し物ですよ?」

男A「へ?オレ?」

レオ「はい。」チラッ

女A・B「…………」

ペラッ

〈今の内に逃げて〉←レオのメモ

女A・B「…」コクッ

ダダダ

男B「あ!おい女どもが逃げたぞ!!」

男A「なんてことしやがるんだテメー!」ブゥン

ボコォ

男の拳が僕の頬をクリーンヒットした。

確実に頬に当たったが、痛みは感じなかった。
当然だ。
高校時代死ぬぐらいのパンチを毎日のように食らってきたのだ。
この程度のヘナチョコパンチでへこたれるはずがない。

ギラッ

男A「な、なんでこいつよろめかないんだ!?」

男B「こうなったら…」

キラン


マズイ……
刃物はさすがに対処できないぞ…

男B「謝るんなら今のうちだぜェ〜?」

レオ「…………」

どうする…
ここで立ち向かえば刃物対素手。もちろん刃物の餌食になる。
逆に逃げれば2対1。俺の逃げ切る可能性は低い。

どちらにしても正解ではない気がする…どうすれば…

こんな時にあの人がいれば…

?「たくましくなったなレオ。」

そうそう…こんな感じに……へ?

?「そこら辺にしておけお前ら。」

誰だ?

振り向くとそこには1人の女性が立っていた。
よく見慣れた青髪だ。
そして、どこか懐かしい。

?「今のやり取りはどう見てもお前らが悪いぞ。」

?「それに私の大事な弟に傷をつけたらどうなるかわかってるな?」

男A「女がでしゃばってるんじゃねえぞこらー!」

?「なんだと?」

僕は危険を感知した。

あの男の危険を。

逃げろ!今ならまだ間に合う!

逃げろーーー

逃げろーー…

逃げろ……

ボゴォォォォォ

ヒューーーーーーー

桜が舞う季節。
今、僕の目の前では男が宙を舞っていた。
あぁ…懐かしいなー。
僕も昔あんな感じに吹き飛ばされてたっけ。

?「まったく…情けないやつらだ。」

レオ「………」

久しぶりの再会に言葉が出なかった。

?「ふっ…変わらないなお前は。」

?「帰ってくる時は帰ってくると言えバカ者。」

《鉄乙女》

その声は紛れもなく、
僕の大好きなお姉ちゃんだ。

乙女「おかえり。レオ。」

レオ「ただいま。乙女さん。」

桜が舞う季節。
春の暖かさを肌で感じた。

つづく

見てくれている人がいて嬉しいです。
今回はここまでですが、また見に来てください。

ー対馬家ー

久しぶりの乙女さんとの食事。

ご飯はもちろんおにぎりだ。

乙女「たくさん食べていいぞレオ。おにぎりはまだまだあるからな。」

乙女さんの言う通り、乙女さんの後ろには山積みになったおにぎりの山があった。
僕が残しても乙女さんなら食べきれる量だ。
この人の胃袋はおにぎりなら無限に入る構造をしている。

カリッ

レオ「これ具は何?」

乙女「天ぷらだ。コンビニで買った天ぷらをおにぎりにしてみたんだ。どうだ?美味いか?」

そんなキラキラした目で見られてマズイと言えるはずがない。
不味くはないが、天ぷらとご飯は別々にして食べたいのが本音だ。
なぜ合わせておにぎりにしてしまうのか。
それが乙女さんイズムである。

レオ「美味しいです。」

乙女「そうか!やっぱり6年あればおにぎりも上手くなれるんだな。」

6年でいまだおにぎりしか作れないのはある意味凄い。
ただ美味しい事に変わりはないのでお腹いっぱいになるまでおにぎりを食べよう。乙女さんに失礼だし。

レオ「乙女さんって今も世界中の人に武道教えてるの?」

乙女「いや、今は別の目標を見つけてな。」

レオ「別の目標?」

乙女「教師になろうと思っている。大学にも通ってるんだぞ?」

レオ「へー。」

乙女「驚かないのか?」

レオ「だって乙女さん賢いし、みんなから慕われてるし、優しいしで教師になるって言われてもなるほどなってなるよ。」

乙女「そうか。お前に言われると自信がつくな。」

実際に教えるのも上手い。
赤点ギリギリだったこの僕が今ではクラスで上位争いをしているのだから!
(クラスは学年1バカなクラス)

乙女「ところでだ。どうだった自分探しの旅は?」

レオ「いろいろと勉強になったよ。」

日本語が通じない海外ではジェスチャーと片言英語しか手段がない。
そのためよく喧嘩を売られる事もあった。

乙女「変な事に巻き込まれたりしなかったか?」

レオ「大丈夫だよ。乙女さんとの鍛錬のおかげで怪我なく過ごせた。」

乙女「そうか。」

乙女さんは落ち着いたかのように笑った。
本当の姉のように心配してくれる乙女さん。
僕も本当の姉のように乙女さんを慕っている。
乙女さんは僕の大切な家族の一員だ。

乙女「そういえば今日竜鳴館でイベントをするらしいぞ。お前も行ってみたらどうだ?」

レオ「何のイベント?」

乙女「知らん。」

レオ「え?」

乙女「姫がレオが今日日本に帰ってくると思うからイベント誘っといてくださいと言っていてな。イベントの内容は教えてくれなかったが。」

姫は間違いなく何か企んでいる。
乙女さんに言わないのは乙女さんが口が堅くないからだ。
それに僕が日本に帰ってくることをすでに知っている事から姫が僕の行動を監視していたことは明らかである。
姫の会社であれば僕1人の行動を監視することぐらいたやすいだろう。

乙女「そうだ私も行こう。どうだ?」

しかも乙女さんが僕を誘う事も計算された計画だ。
僕が乙女さんを断ることはできない。
僕〈 乙女 だからだ。
大人になっても姫の奴隷であることは変わらないようだ。

レオ「そうだね。行こうか。」

あえて釣られよう。
それに姫や他の友達に会えるかもしれない。
そう…

この後起こる悲劇を知らない僕は何も恐れるものがなかった。

ー竜鳴館ー

6年ぶりの竜鳴館。
校舎は6年前と何も変わらない。
しかし気になることが1つあった。

イベントのはずなのに僕たちの他に人がいないのである。
日曜日だから学校は休みではあるが、部活の生徒がいるはずだ。
それなのにいないのはおかしい気がした。

乙女さんもすこし警戒している顔をしていた。

レオ「…どこでやってるんだろう。」

乙女「分からん。おかしいなー。確か今日のはずだったんだが…」

レオ「とりあえず久しぶりだし、館長に挨拶に行こうよ。」

乙女「おお!そうしよう。」

竜鳴館館長、橘平蔵。
この学校で1番偉い人だ。
日曜日でも学校にいるはずだ。

ー館長室ー

乙女「館長、竜鳴館卒業生の鉄乙女です。」

シーン…

乙女「おかしいな…」

ガララー

中に入ってみたが、そこには館長の姿はなかった。
明らかに姫の罠だ。
姫の事だ…おそらくあそこに行けば何かわかるはずだ。

レオ「乙女さん。竜宮に行こう。」

乙女「なに?」

レオ「いいからついてきて。」

乙女「随分と強引だな。」

レオ「そ、そうかな?」

乙女「まあいい。行こう。」

乙女さんは強引すぎる所があるから接し方にも気をつけなくてはならない。
あまりに強引すぎると鉄拳制裁がとんでくる。
それでもいつもは優しいから気にしてないけど。

ー竜宮ー

僕が知っている竜宮は相変わらずの姿を保っていた。
ここでみんなと一緒に楽しい時間を過ごしていた。
懐かしいなー。

乙女「入るぞー。」

ガチャ

?「せーの…」

全員「レオお帰りーーーーー!」

バァァァァン

扉を開いたと同時に爆発音が竜宮に響いた。

爆音と同時に煙が吹き出し、まわりは煙で見えなくなった。

きぬ「ゲホッゲホッ。おいお嬢!火薬多すぎだろ!」

瀬麗武「ゲホッ。おかしいな。確かに実践と同じ量を仕込んだんだが…」

スバル「実践と同じって……ゲホ…」

エリカ「ゲホッゲホッ。それじゃあ当然こうなるわけね。」

何が何だかわからんぞ!!
竜宮のメンツが僕を祝ってくれてるのは
というか煙のせいで周りがよく見えない!!
どこに何があるんだ!

ムニュッ

な、なんだこの感触は…
柔らかくてデカイ何かに触れているような…

良美「ちょ、ちょっと対馬くん…?」

え?な、なに?よっぴーの声?

ムニュッ

良美「あ…つ、対馬くん……」

乙女「なにしてるんだレオ!どこにいる!」

良美「もっと…いいよ…」

乙女「レオーー!」

ち、違うんだ!
俺は何も手を動かしていないぞ!

エリカ「よっぴー!対馬くんに何されたの!よっぴー!ば、場合によっては許さないわよ対馬くん…!」

きぬ「どすけべレオー!どこにいんだー!」

椰子「………うるさい。」

どんどん顔を合わせづらくなっていく…
久しぶりの再会が一生のお別れになりかねん!!

フカヒレ(この隙に俺も触ってレオに罪をかぶせようっと…すまない友よ……俺はエロを取る!!)

モミ

フカヒレ(やったー!)

スバル「おいレオ!いくら俺が好きだからって尻を揉むなって。お兄さんそんな趣味ないぞ。」

フカヒレ(ってちがーう!誰が好き好んで男のケツを触らなくてはならないんだ!)

クンクン

フカヒレ(このにおいは……間違いない。よっぴーの香りだ………)

フカヒレ(そして…今目の前によっぴーがいる!チャンス到来!!)

フカヒレ(鮫永新一…たとえここで死のうとも悔いは無し………母さん…父さん……俺…男になります…)

モミモミ

フカヒレ「今度こそきたー!」

乙女「ほお…何が来たんだ鮫永…」

フカヒレ「ついに女の子のアレを揉むことに成功したのであります!……って乙女さん?」

乙女「私の胸を触るとはどうなるか分かってるな?」

フカヒレ(ヤベェッ!)

レオ(フカヒレ!こっちだ!)ボソッ

フカヒレ(レオの声!)

レオ(こっちだ!)

フカヒレ(う…うぅ…やっぱり6年経ってもお前は俺の親友だぜ!)

レオ(当然だろフカヒレ!)

フカヒレ(お前のことは忘れないからな!)

レオ(忘れないさ。)

ドン

ムニュッ

フカヒレ(あ、あれ?こんなところに柔らかい壁なんてあったっけ?)

乙女「こんな視界でも気配を探ることぐらいはできる。お前はレオに罪をかぶせようとしたんだな?」

フカヒレ(ま!まさか!あいつはあえてこっちに俺を誘導したのか!)

フカヒレ(は、図ったなレオ!)

僕だっていつまでも坊やのままじゃいられないんだ。
大人のずる賢さを覚えなくてはな。

良美「対馬くんじゃなくてフカヒレくんだったのね。最低…」

フカヒレ「がーん!よっぴーが引いた!」

フカヒレ「と、とんでもない!そんな不健全なこと僕がするはずありませんよ!」

乙女「そうか。ならば良い。」ニコ

フカヒレ「ハハハ。」

乙女「歯を食いしばれ鮫永!」

フカヒレ「ひいいいいい!」

ここに1人の男の最低な計画が終わりを告げる。
鮫永新一。
友を裏切り、エロを取った哀れな男の物語であった。

フカヒレ「ま、まだ死にたくない!嫌だ!」

乙女「レオに罪をかぶせようとしたんんだ。それぐらいの覚悟は出来てるだろう。」

レオ(フカヒレ…ラッキースケベをした僕にも罪はある…だが、ここはお前を生贄に捧げて健全な対馬レオを召喚させてもらう!)

乙女「最後に言い残す言葉はあるか?」

フカヒレ「我が生涯に一片の悔いあり!」

ドカァァァァァァン

フカヒレ「あああぁぁぁぁ……」キラーン

エリカ「汚い流星ね。」

椰子「………宇宙のゴミでしょ。」

散々な言われよう。
さすがフカヒレ!
僕には出来ないようなことを平然とやってのけるッ!
そこに憧れはしないけど尊敬するゥッ!

つづく

エリカ「邪気は退散したところで、改めて…」

全員「対馬くんお帰りー!」

レオ「あ、ありがとう。」

素直に嬉しい。
こうして僕のためだけに忙しい中集まってくれたみんなには本当に感謝したい。
ありがとう…みんな。

きぬ「おいおいレオ。今までどんなニートライフ送ってたんだー?」

レオ「ニートじゃねえよ。海外を歩いてきたんだよ。」

スバル「坊やにしては随分と思い切った行動だよな。お兄さんは嬉しいぞ。」

レオ「よせよスバル。」

きぬ「なんだよ!なんでボクだけ仲間ハズレするんだよ!」

ここにフカヒレがいれば対馬ファミリー集結なんだが、当の本人は星屑になってしまったのでもういない。

レオ「それにしてもカニが就職したなんて驚いたぜ。クラス1のバカだったのに。」

1番成長したのは間違いなくカニだ。
就職したのは当然だが、見た目が一気に大人っぽくなった。
少しだけだが。
僕から見たらまだまだ中学生ぐらいにしか見えない。
中身はまったく変わってないし。

スバル「そうだな。バカだったのにな。」

乙女「私でも手に負えなかったからな。」

エリカ「カニっちは無理よ。ねえよっぴー?」

良美「カニっちは…ねぇ…」

全員がカニの知能を理解していた。

椰子「甲殻類だから学習能力がなかったんですよ。」

きぬ「おいココナッツ!てめー今ボクのことなんつった!?」

椰子「学習能力がない…つまりカニ味噌が少ないって言ったんです。」

きぬ「付け加えやがったなココナッツ!上等じゃあねえかやってやるぜ!」

懐かしの喧嘩が始まった。
ココナッツvsカニ
言葉で表すとすごくショボい戦いである。

きぬ「くぬぬぬぬぬぬぬ。」

椰子「大人になってもよく伸びるほっぺですね。」グニューー

きぬ「ばけない!(負けない!)」

椰子「悪魔の実でも食べたんですか?だとしたら甲殻類のくせに泳げなくなって取り柄がなくなりますね?」グニューーー

きぬ「うるぺーんだよポポナッフ!(うるせーんだよココナッツ!)」

椰子「ほーら。」グニューーーーー!

きぬ「いはいいはい!(痛い痛い!)

椰子「許してくださいと言え。言ったら放す。」

きぬ「ぐぬぬぬぬぬぬ!はれがいうほんか!(誰が言うもんか!)」

椰子「ならこうだ。」グニューーーーーーーーーー

きぬ「うううううううううう!」

カニの負け。
レフェリーストップ!

レオ「そこら辺にしておけ椰子。」

椰子「せっかく面白くなってきたのに。止めるんですか先輩?」

レオ「お前も大人なんだからいじめ過ぎるのはやめろ。適度ないじめに止めておけ。」

きぬ「いじめにやり過ぎも適度もあるかボゲェェェェ!」

レオ「ぐほっ!」

カニの跳び蹴りがヒットした。
いつもならフカヒレがいるはずなのに…
こういう時に限ってフカヒレのありがたみを感じるなー…

椰子「フン…先輩らしい対応ですね。」

椰子は昔とあまり変わりない。
昔から大人っぽい感じだったせいかもしれない。
こいつも昔と変わらず冷たい態度のまんまだ。

エリカ「乙女先輩。気持ちは変わりましたかー?」

乙女「残念だが今は教師になる気持ちの方が強いんでな。」

エリカ「諦めませんよ。私のボディーガードは乙女先輩しか務まりませんから。」

乙女「むむ。」

姫は相変わらず綺麗だ。
そしてうつくしい。
高嶺の花がぴったりの言葉だ。

高校時代は姫に憧れて生徒会に入った。
そんな姫がこうして目の前で当たり前のようにいるのはすごいことだと思う。
人間やればできるんだなー。

良美「エリー。乙女さんが困ってるよ。」

エリカ「いいのいいの。乙女さんを困らせるの楽しいのよ。」

乙女「楽しむんじゃない!」

エリカ「わー。乙女先輩怒った〜。」

良美「エリーったら…」

よっぴーは大人の女性に成長していた。
良い香水の匂いがこちらに漂ってくる。
相変わらず姫と仲が良い。

スバル「おいレオ。お土産はあんのか?」

レオ「うん。もちろん。」

スバル「やったー!さすがレオ君!」

レオ「テンションおかしいぞスバル。」

スバル「久しぶりに会ったんだ。何もおかしい事はねえ。俺は嬉しいんだよ。」

スバルは特に変わりない。
というか何も変わってない。
だが、それが1番嬉しいかも。
何も変わらないから接し方も昔と変わらずいつもの接し方でいけるし。
フカヒレは…まー変わってないだろう。
間違いなく。

瀬麗武「おい対馬、旅行の時に権田瓦さんを連れて行ったと思うんだが、なぜいないんだ?」

レオ「あれ?いたっけ?」

瀬麗武「あれは非常食としてレオにあげたが、まだいるのか?」

あれれー?
そういえば連れて行ったなー。
…どこ行ったっけ?

レオ「ごめん。忘れちゃった。」

瀬麗武「わたしからのプレゼントを忘れただと!?」

レオ「ご、ごめん!橘さん!」

瀬麗武「まあいい。新たな非常食を探すとしよう。今度はなくすなよ。」

レオ「ありがとう橘さん。」

権田瓦さんの価値低っ!?
橘さんは外見クール系中身天然を貫いてるようだ。
変わったことと言えばメガネをかけている。
さらにクール系に磨きがかかっている。

乙女「ところでレオ。」

レオ「なに?」

乙女「今までずっと違和感あったんだが、お前いつから自分の事を僕って言うようになったんだ?」

え?

きぬ「あぁ。それ思ってた。レオが僕って言うたんびに気持ち悪って思ってた。」

良美「うんうん。なんか対馬君らしくないよね。」

エリカ「なんかますます奴隷っぼくなっちゃったよねー。」

あ、そういえばそうだ。
6年前は確かに俺って言ってた気がする。
いつから僕って言うようになったんだろう…

スバル「まぁいつか元に戻るだろう。気にしてやんなって。」

僕は僕。
俺は俺。
なぜだか心が痛んできた。
なにがあったんだ僕に…

スバル「それより今日はレオが帰ってきたことを祝ってやろう。」

乙女「そうだな。改めて、お帰りレオ。」

レオ「あ、ありがとう。」

いつまでたっても心のモヤモヤが晴れない。
よし!今はこの宴を楽しもう。
気にしなかったら消えるだろう!

そう思っていたのだが、結局家に帰るまで僕の心はモヤモヤしたままだった。

つづく

今回はここまでです。
次回は水曜日予定。
レオの一人称が僕だった件については誤解を招いてしまい申し訳ありません。
レオの一人称が僕については後にストーリーで出てくると思います。

ー???ー

?「シャーク、応答せよ。」

シャーク「こちらシャーク。目的地に到着した。」

?「状況を報告せよ。」

シャーク「扉は鍵が閉まっている。だが、窓は偵察通り空いている。」

?「OK。それでは作戦を開始せよ。」

シャーク「ラジャー。」

ガサゴソ

シャーク「中には誰もいない。このまま任務を続行する。」

?「ラジャー。」

シャーク「ん!?何だあれは?」

?「どうした?」

シャーク「ブ、ブラジャーのカーテンだ!!!ウッヒョーーーーーー!」

?「落ち着けシャーク!騒げば感づかれるぞ!」

シャーク「赤!白!ピンク!色とりどりの花畠だ!すっげぇぇぇぇぇ!」

ガチャ

シャーク「あ。」

女の子「…誰?」

シャーク「!!」

?「シャーク!!逃げろ!早く!」

女の子「おじさん誰?…もしかしてドロボー!?」

シャーク「違うよ。お兄さんはサンタさんだ。みんなに夢と希望を届けに来たんだよ。」

女の子「そうなんだ。」

シャーク「うん。」

女の子「って寒気と絶望を届けに来ただけじゃねえかーーーーーーーー!」

シャーク「ま、待てって!サンタさんからのプレゼントだ!」

女の子「なにこれ?」

シャーク「ブラジャーだ。大切に着るんだよ。」

女の子「ありがとうサンタさん。」

女の子「そしてさようなら。」

女の子「下着ドロボーだーーーーーーーーーーーーーーー!」

ジリリリリリリ

?「シャーク!警報だ!女子寮ブラジャー捕獲作戦は失敗だ!」

シャーク「ま、まだだ!そこにブラジャーがある限り俺は諦めないぞ!」

?「バカ!変態と犯罪者は紙一重なんだぞ!!」

シャーク「それじゃあおれはその紙を貫いてやる!」

?「シャーク!!!!」

シャーク「うおおおおおおお!」

ガァァァァァァ

?「シャーク!応答しろ!シャーーーーーーク!」

ー対馬家ー

暇だ。
あのパーティーから数日が過ぎた。
乙女さんは大学通いでほとんど家に帰ってこない。
隣のカニは仕事だし。
どうしようかな。

街でもぶらついてみるか。

ー松笠駅ー

特に街並みも変わってないから道に迷うことはないだろう。



……

………

アクセサリーショップに寄ってみたが、特に惹かれるものはなかった。
というかなんで僕はアクセサリーショップに寄ったんだろうか。
男1人がアクセサリーショップ…悲しいなー…

あ。

椰子「いらっしゃ……なんだ対馬先輩か。」

レオ「おはよう椰子。」

椰子「どうも。」

いつの間にか椰子の店にまで来てしまった。
今は椰子1人で働いているようだ。
いつもはお母さんと男の人が働いているが、今はいない。

レオ「今一人?」

椰子「母さんは買い物で出かけてるから今は1人です。」

レオ「そうなんだ。」

椰子「はい。」

会話が続かない。
椰子は昔から言葉のキャッチボールをしたがらないやつだ。
必要最小限の言葉を返してくれる。
だが、昔と比べたらまだマシになった。
昔は無視や暴言は当たり前だったのに。
今となっては会話ができるまで進歩した。

椰子「何しに来たんですか先輩?」

レオ「いや、何となくぶらついてたらここに来たんだ。」

椰子「…早く帰ってもらってもいいですか?」

レオ「わ、悪かったな。」

椰子「あ、先輩。」

レオ「なんだ?」

椰子「この前の集まりでこれ、忘れてましたよ。」

椰子は僕にストラップを渡してきた。
確か僕の財布につけていたストラップだ。
無くしてたと思ってたけど椰子が持っていたのか。

レオ「ありがとう椰子。」

椰子「別にいいです。私が持っていても邪魔ですし。」

ずっと持っててくれたんだ。
椰子ってこういう優しさが垣間見える。

ー松笠駅ー

椰子と別れて再びフリー。
ここまで来ると誰とも遭遇しない………

ゴツン

しまった!
誰かとぶつかってしまった!

レオ「す、すみません!よそ見してて…」

?「だ、大丈夫です………あ。」

どこかで見た顔だった。
マスクをしているが、目や髪から懐かしさを感じる。

?「あ、あんたは………」

もしや…

レオ「近衛か…?」

近衛「対馬…?」

やはりこいつは近衛素奈緒だ。
昔、ある事件がキッカケで距離を置くようになった。
だが、結論が1つ出ている。
こいつとは性格が合わない。
可愛いけど。

近衛「ひ、人違いです。それじゃあ…」

レオ「ま、待てよ近衛!」

近衛「喋りかけないで!」

ダダダダダッ

やはり近衛は大人になっても僕を避けるようだ。
僕も彼女を避けようと思ってしまった。
だが、それではダメだ。
今は彼女と向き合わなくてはならない。
過去の過ちと向き合わなくては…

つづく

ー翌日の松笠駅ー

昨日とほぼ同じ時間。
ここで昨日は近衛と会った。

女優である近衛がなぜ松笠駅にいたのか。
それは彼女の家がまだ松笠にあるからだと推理した。
帰宅するのに松笠駅を利用しているであろう近衛は帰宅途中にたまたま僕も遭遇し、逃げた。

今日は仕事かもしれないが、待っていれば必ずここに現れるはずだ。

ここで我に帰る。
僕のやっている事はストーカーではないのか。

…違うよね?
うん。違うという事にしておこう。

近衛「……」

いた!
近衛だ!

ダダダダダッ

レオ「おい近衛。」

近衛「はい?」

近衛「ってまたあんた!?」

ダダダダダッ

レオ「なんで逃げるの!」

近衛「アンタがいるからよ!」

レオ「話ぐらい聞いてくれ!」

近衛「話がしたくないの!!」

レオ「じゃあせめてお茶だけでも…」

近衛「なんで話からグレードアップしてんのよ!!!」

なぜそこまで嫌われなくてはならない!

レオ「近衛!」

ガシッ

僕は近衛の手を握ってしまった。
近衛の手は冷たく、柔らかい女の子の手だった。

近衛「!!」

近衛「さ、触らないで!」

レオ「ご、ごめん。」

近衛「はぁ…もう!トサカくるわねアンタは!アタシのプライベートを邪魔しないでくれるかしら?これ正論よね?」

昔と変わらない口調に一安心した。

レオ「何も逃げる事はないだろう。」

近衛「アンタね!アタシだって一応有名人なの!男の人と喋ってるだけで週刊誌に載せられたりするんだから当然でしょ!」

レオ「そ、それについては悪かった。」

近衛「フン!」

そうだった。
近衛は僕が気軽に声をかけていいような女の子じゃなくなったんだった。
僕の行動が軽率過ぎた。

近衛「アンタ6年間もどこ行ってたの?」

レオ「え?あ、えーと…海外に自分探しの旅に…」

近衛「ハァ?アンタバカなの?6年間もそんな無駄な時間を過ごしてきたの?」

レオ「無駄じゃねえよ。海外での暮らしは勉強になったし、何より自分の心を鍛えられたんだ。」

近衛「へぇ〜。」

近衛「まぁ。アンタにしては思い切った行動に出たのね。」

近衛が褒めてくれた。
こいつが褒めてくれるなんて思いもしなかった。

近衛「アンタアタシが褒めたとでもおもってるんじゃないでしょうね?」

レオ「思いました。」

近衛「正直ねアンタ。」

近衛「別に褒めてないから勘違いしないでね。」

少しだけだけど、昔より近衛との距離が近づいている気がした。
もう少し踏み込んでみるか。

レオ「この前のドラマ見たよ。」

近衛「そう。で?」

レオ「近衛の演技が上手くてビックリした。」

近衛「それで?」

レオ「他の女優と比べても近衛が1番目立ってた。」

近衛「ふーん…他には?」

興味津々だ。
褒められるのは嫌いじゃないようだ。
よし!もっと攻めよう!

レオ「あとは…」

近衛「……」

レオ「あのドラマだと近衛が一番可愛かったかな。」

近衛「!!」

あれ?
僕今なんて言った?

近衛「アンタアタシの事からかってるでしょ!?」

な、何言ってんだ自分!!
こんなの近衛が怒るに決まってるだろう!!

レオ「ち、ちがうんだって近衛!」

近衛「何が違うの!!」

レオ「僕は思った事を口にしただけなんだ!」

近衛「は、ハァ!?」

止まらないしくじり。
これ以上ボロを出すともう終わりだ…!

近衛「もういいわ!アンタと話しても時間の無駄ね。」ダダダダダッ

レオ「近衛!」

また近衛との距離が遠のいた。
なんで…
縮まらないんだろうか。

ほんと…僕ってバカだな……

近衛(………可愛い…………か。)

つづく

オープニングが半分を過ぎました。
皆さん好きなキャラは固まりましたか?

ー対馬家ー

ピコピコ

きぬ「よっしゃー!翔龍波決まったーー!!」

フカヒレ「グハー!」

レオ「すげぇ!カウンターだ!」

フカヒレ「クソッ!なんて技だ…!ソニックビームをジャンプで避けてそのままガードかと思いきや翔龍波を打ってくるなんて!!」

スバル「まぁゲームプログラマーだからな。」

レオ「ようするにフカヒレが弱いって事だ。」

フカヒレ「お前らな〜…オレはこのゲームそんなに得意じゃないんだよ!」

きぬ「負け惜しみってやつですかフカヒレセンパーイ。」

フカヒレ「うるへー!もう一回勝負だ。」

賑やかというよりうるさい。
近所迷惑スレスレの盛り上がりをみせている対馬家。
しかし、昔の日常に戻った。
対馬ファミリー集結である。

レオ「てかフカヒレ今までどこ行ってたんだ?」

フカヒレ「聞きたいか。そう…あれは乙女さんに飛ばされた後の話だ。ジャングルの奥地まで飛ばされたオレはある大佐と出会ったんだ…」

きぬ「別に興味ねえからいいや。」

フカヒレ「ガァーン!」

スバル「面白そうだし聞いてやろうぜカニ。」

レオ「じゃあオレとゲームでもしながら聞くか。」

きぬ「それならいいぜー。」

スバル「聞く気ゼロだよなそれ…」

その後僕はカニとゲームを楽しみ、スバルは読書、フカヒレは歌を作成していた。

きぬ「どうしたレオ!こんなもんか!?」

レオ「よっ。」

きぬ「うわー!?なんだよその技!」

レオ「愚弄酸欠拳。」

きぬ「ねーよそんな技!」

カニとのゲームは楽しい。
友達としてゲームを盛り上げてくれる。
騒がしい。
それも友達としては良い事だ。
そして地味に可愛いと評判だ。
これも友達として………

………カニを異性として見た事がないからわからないな。
だが、カニは意外と異性から告白される事が多々ある。
マスコットキャラとしか見た事ない僕にはすごく面白い光景だったのは覚えている。

きぬ「レオのくせにボクに不意打ちとは卑怯だぞー!!!」

…異性として気にならないかと言われたら否定は出来ないかもしれない。

きぬ「リセット。」ポチッ

レオ「お、おい!!何してんだよーーー!」

きぬ「え?どうした?何かあった?」

レオ「しらばっくれるんじゃあねえーーーーーー!」

きぬ「記憶消去。」

フカヒレ「ねえねえ。オレの話は聞いてくれないの?」

スバル「zzz…」

フカヒレ「寝たフリしてんじゃねえよスバル!」

スバル「嘘だよ。聞いてたぜ。海に潜ってどうなったんだ?」

フカヒレ「海に潜ってないって!やっぱり話聞いてねえよな!」

カニ「次はこのゲームで勝負だレオ。負けたら晩飯奢れよな!」

レオ「さっきも晩飯賭けだっただろ!」

うるさい日常生活。
うるさい面々。
そんな日々に僕は帰ってきた。
永遠にこんな時間が続けばいいのに…

つづく。

ー松笠公園ー

瀬麗武「撃てェーーーーーーー!」

ドォーン

橘さんの一声で大砲が放たれた。

ドォーン

ドォーン

その後も大砲の音が止まない。
来る場所を間違えた。

瀬麗武「どうだ対馬。これが父様の軍隊だ。」

レオ「凄いね。いろんな意味で。」

こんな年で海軍の指揮を取れて、こんな場所で大砲をぶっ放す。
しかもその指揮官が美女なのである。
全くもって現実離れした現場に今、1人の一般人が立たされている。

瀬麗武「久しぶりだからな。お前にこの大砲を見てもらおうと思ったんだ。」

大砲を見せたい女子は日本を探しても橘さんぐらいだろう。

レオ「武の道は諦めたの?」

瀬麗武「諦めてはいない。だが、今の私にはまだ足りない物が多すぎる。だからこれは修行の1つだ。」

瀬麗武「険しい道のりだが、すべては鉄を倒すためだ。」

いまだに乙女さんを宿敵としている。
6年前までは乙女さんが橘さんの高き壁として立ちふさがっていた。
6年も経ったが、実力はどうなっているのだろうか。

ドォーン

再び大砲が放たれた。
もうここまでくれば驚かないぞ……

海軍兵「軍曹!大砲が間違ってそちらに飛んでいます!!」

レオ「えええ!?」

前言撤回。
驚きを隠せず、逃げる体勢に移行した。

瀬麗武「落ち着け対馬。私の背後にいろ。」

スッ

黙って女の子の後ろに隠れる男の子。
なんと情けない男だ対馬レオ…

シユッ

スパーン

橘さんの目の前で大砲は真っ二つに割れた。
さすが橘さんだ。
帯刀している刀で大砲を切ったんだろう。
これ以上に頼れるボディーガードはいないだろう。

瀬麗武「しまった…あまりにも油断していたせいで手刀を使ってしまった……父様に叱られる…」

………住む世界が違うんだなって思いました。

橘さんの実力はやはり乙女さん並に強いと思いました。

ー霧夜カンパニーー

張り詰めた空気が部屋に充満していた。
僕の目の前には長机の奥に椅子に腰掛けている姫とよっぴーがいる。
今から僕の戦いが始まる…!

エリカ「ではあなたがこの会社を志望した理由は何?」

レオ「働きたいから。」

エリカ「なぜ他の会社よりうちの会社を選んだんですか?」

レオ「姫がいるからコネ入社できるかなと思って。」

エリカ「自分の長所は?」

レオ「ボトルシップ作りなら誰にも負けません。」

エリカ「短所は?」

レオ「熱くなりすぎるところです。」

エリカ「では最後によっぴー。あの質問してあげて。」

良美「はい。あなたはこの会社をどうしたいですか?」

レオ「それは姫がする事なので僕にはわかりません。」

エリカ「…以上で面接を終わるわね。」

エリカ「では…合否だけど……」

エリカ「当然の不合格。ふざけて面接してるわよね対馬くん。」

レオ「僕は自分が思った事を言ったまでです、」

良美「嘘をつかないのは良い事だと思うよエリー。」

エリカ「そうだけど…これじゃあ他の社員が納得しないわよ。」

良美「いいじゃない。私は良いと思うけどなー。」

エリカ「あ、私に逆らうんだよっぴー。」

良美「ち、違うよ。私は対馬くんが………」

エリカ「問答無用。いじめ開始ー。」

良美「ちょ、ちょっとエリー!」

エリカ「対馬くん。正社員で入れる事は出来ないけど、もしバイトでもいいんならうちで雇ってあげるわ。その時は言ってね。」

ガチャン

面接失敗。
だけどアルバイトの許可はもらった。
姫の元で働く。
生徒会の時と同じだ。
姫に憧れていたから僕も生徒会になった。
いまだに姫への憧れは消えていない。

もし働くならここにしよう。byダメニート

ーアーケード通りー

今日は乙女さんと街に買い物に来た。

レオ「乙女さん、こっちの服とかどう?」

乙女「お前が選んでくれるものなら私はなんでもいいぞ。」

レオ「そ、そうか。」

言われると困るランキング1位の返答をされた。
乙女さんは服装とかは気にする人だけど、ファッションに関しては気にしない人だ。

乙女「お!レオ、こっちに可愛らしいアクセサリーがあるぞ。」

可愛らしい物には興味を示すようだ。

いくら鉄の風紀委員と言えど、女の子らしい部分はある。
こう見えてね。

占い師「そこのお兄さん。」

レオ「僕?」

声をかけてきたのはヨボヨボのおばあさんだった。
水晶玉を設置して、いかにも占い師のような見た目だった。

占い師「ちょっと占っていかないかい?」

乙女「占いか。これからの将来を占ってもらえ。」

レオ「…お金は高くありませんよね?」

占い師「タダだから安心せえ。」

レオ「タダならやってみようかな。」

占い師「それじゃあの…ここの水晶玉をよく見るんじゃ。」

レオ「はい。」

水晶玉は青く透きとおっていた。
綺麗は青色だ。
吸い込まれそうな透明度だ。
そして、なぜか目がボーっとしてくる…

女の子『ツシマ!!ツシマ!!』

レオ『待て!!止めろー!!』

パァン

レオ『………ーーーーーーーーーーー!!!』

レオ『オ…オレのせいで…!』

女の子『ツシマ……』

レオ『オレじゃぁ……人1人救えないのか………』

レオ『僕なんかじゃあ………』

!!

い、今のは…
思い出したくもないあの過去が…

乙女「大丈夫かレオ?顔が真っ青だぞ。」

レオ「オ、オレは大丈夫。気にしないで…」

乙女(レオの一人称がオレに戻っている………)

占い師「お前が見たのはこの先乗り越えなければならない過去じゃ。忘れるでないぞ。」

レオ「あんたは何者なんだ?」

占い師「タダの占い師じゃよ。」

僕の過去を知る謎の占い師。
乗り越えなければならない過去。
あんな忌々しい記憶は…記憶の片隅にも残っていないはずなのに…

つづく

来週の水曜日についに個別ルート開始します。

来週の水曜日に個別ルート開始します

ー対馬家ー

乙女さんの帰宅を待つ。
乙女さんが大学から帰るのは夕食時の前だ。
それまでテレビでも見よう。

ピッ

アナウンサー「それではニュースです。昨夜民家の前で一匹の亀が保護されました。」

亀が保護されたのかー。
なんだかほっとするニュースだな。

フッ

フッ

乙女さんが帰るまでテレビ見ながら筋トレでもしよう。
6年前の僕なら筋トレなんてしなかっただろう。
だが、大人になると人は無駄な時間は使わないのだ。

今夜はスバルが夜食を作ってくれた。
ありがたく食べさせてもらおう。

フッ

フッ

…………

ー1時間後ー

レオ「105……106……」

ー2時間後ー

レオ「526…………」

遅い!
これはもはや拷問だ!
何をしてるんだろう乙女さん。
携帯を持たない人(持てない)だから連絡もつかない。

あの人の事だろうから無事なのは確かだろう。

プルルルル

家の電話が鳴った。
乙女さん…かな?
公衆電話ぐらいなら使えるようになったのかな?

ガチャ

レオ「もしもし。」

?「対馬……レオ君だね?」

話の相手は知らない声だった。

レオ「あ、はい。」

?「そうか。じゃあ話は早い。」

?「鉄乙女を誘拐させてもらった。」

……はい?
聞き間違い?だよね?

レオ「……すみませんがもう一度お願い致します。」

?「鉄乙女を誘拐した。ちなみにこの誘拐は鉄乙女を誘拐する事だけが目的なので金はいらない。代わりに君がこちらに来る事を要求しよう。」

なんという馬鹿げた冗談なんだ。
乙女さんが捕まるはずがない。
ゾウをもちあげるぐらいありえない。
それをできそうな人は周りに何人もいるけど。

レオ「冗談はよしてくださいよ。」

?「……そうか。なら声を聞くか?」

乙女「レオ。聞こえるか!」

!!

レオ「乙女さん!!?」

?「さっきの態度と違うねー。さてとそれでは竜鳴館で待ってるよ。」

レオ「おい待てよ!!」

乙女「来るなレオ!!私はまだつか……」

ガチャ

………

電話は切れた。

話を整理すると乙女さんは誘拐された。
そしてこの誘拐には身代金はいらない。
乙女さん自身に用があるようだ。

ならばなぜ僕に連絡をしたんだ。

僕が行く事で乙女さんは解放されるのか?

なぜ?

だが、そんな事はどうでもいい。
今、僕はムカついている。
相当に。

大事な姉を誘拐されて黙っているのはかっこ悪い…

ガチャ

きぬ「おいレオ〜。カラオケ行こうぜ!」

…このタイミングで対馬ファミリーが乱入。

フカヒレ「どうしたんだレオ?顔色悪いぞ?」

巻き込むわけにはいかない。
ここは自分1人でケリをつけないと…

レオ「ごめん。今日は用事があるんだ。悪いな。」

これでいい。
これで…

フカヒレ「ニート暮らしのレオが用事なんてあるわけねえだろ。」

きぬ「そうだよな!な!」

レオ「本当だって。だから今日は1人にさせてくれ。」

スバル「1人で解決できる問題じゃねえだろ今回は。」

レオ「!」

フカヒレ「乙女さんのピンチはレオのピンチ。」

きぬ「レオのピンチはボクらのピンチ。」

スバル「救世主対馬ファミリー参上。」

レオ「聞いてたの!?」

スバル「悪いな。聞く気は無かったんだが、こいつらのついでに聞いちまった。」

そうか…
小さい頃から一緒だとウソも隠せないのか。
嫌だなー…こういう時に限ってバレるのが。

きぬ「よっしゃー!!乙女さん救出作戦開始ダゼェーー!!」

スバル「で、どうするリーダー。作戦は?」

レオ「僕はリーダーなんかじゃ…」

スバル「…乙女さんを助けたいんじゃ無かったのか?」

レオ「…………」

そうだ。
僕は乙女さんを助けたい。

でも…まだ前に踏み出せない。
心の中でブレーキが作動している。
これが僕だ。

きぬ「おいチキン!またビビってんのか!」

フカヒレ「それじゃオレがリーダーやるぞ!乙女さんを助けてイチャイチャしてやるー!してみせる!」

スバル「おいレオ。」

レオ「?」

スバル「乙女さんはお前を待ってるぞ。」

……

僕は……

……………………………

レオ「オレは…」

レオ「乙女さんを助けたい。」

レオ「だから…オレに協力してくれみんな。」

フカヒレ「当たり前だろ。」

きぬ「あとでメシおごれよな!」

スバル「さてと…どうしますリーダーさん?」

レオ「仲間を集める。カニは女友達、フカヒレは男友達に連絡をとってくれ。スバルは生徒会に招集をかけてくれ。」

スバル「了解。さて…やりますか。」

今夜は昔の自分に戻らしてもらおう。
たった1日だけ。
たった1人の姉を救うために。

つづく

今回はここまで!
見てくれている人いるのかな…

ー対馬家ー

乙女さん救出対策本部。

総指揮、霧夜エリカ。

エリカ「話は聞いたわ…あの乙女先輩が誘拐されるなんてね…」

瀬麗武「鉄がそんな隙を見せるとは思えないぞ。」

エリカ「となると、捕まったのには訳があるのよ。」

フカヒレ「下着を人質にされたのではないでしょうか!」

きぬ「んなわけあるかァ!」

瀬麗武「対馬は心当たりないのか?」

レオ「ない。乙女さんが恨みを買われそうな事なんてするはず……」

全員「…………」

あるよな。

普段の乙女さんならば恨みを買われそうな事はしない。

だが、鉄拳制裁鉄の風紀委員モードなら話は別だ。
それはみんなもよく知っている。
だが、あの姿を見たのならなおさら仕返しをしようなんて思わないはずだ。

椰子「とりあえずどうやって乙女先輩を助けるか決めませんか?」

その通り。
敵は竜鳴館にて乙女さんを人質に立てこもっている。
正門から入ろうとすると敵からこちらの姿は丸見えのはずだ。
裏から入れば敵の思うツボ。
侵入ルートは必然と絞られてくる。

エリカ「敵の数も分からないんじゃ打つ手なしねー…」

良美「あ、でも女子偵察部隊が敵の大体の数を把握してたみたいだよ。」

レオ「え?」

ー竜鳴館ー

真名「あれやな!」

豆花「そうみたいネ。」

プルルルル

良美「もしもし?」

真名「よっぴー!ここからやと正門に2人、裏門には3人おるみたいやわ。」

豆花「中には、武装した男の人が5人以上はいるヨ。」

ー対馬家ー

良美「2人が中華料理屋に変装して潜入してくれたおかげで敵の人数は把握できたみたいね。」

エリカ「さすがよっぴー!愛してるー!」

レオ「でも、よく入れたよね。敵も警戒してるのに。」

真名「押し売りしたら簡単に入れたわ。」

豆花「犯罪者も食欲には勝てなかったネ。」

この2人はオレの高校時代の同級生だ。
カニと仲が良く、カニが招集してくれた。
真名は(一般人の中では)運動神経が良くて、とにかく明るい。豆花は料理がうまい。
まさか潜入捜査をしているとは思わなかった。

スバル「で、どうする?。」

レオ「…3つの班に分かれて行動しよう。カニ、フカヒレは正門で敵の注意を引く囮役をしてもらいたい。」

カニ「任しとけ!ボクの動きについてこれねーようにしてやるぜ!」

フカヒレ「え?オレ?」

カニ「フカヒレを犠牲に捧げればきっと乙女さんを救えるな!」

フカヒレ「乙女さんは助けられるけどオレが助からないよねそれ。」

スバル「安心しな。お前のことは忘れねえよ。」

フカヒレ「死なないから!死ぬ予定で話進めるのやめてもらえるかな!」

カニ「心配しなくても死者蘇生で蘇らせるからさ。そう怒るなって。」

フカヒレ「え?オレはモンスターカードなのか?」

レオ「とにかく頑張れよ。フカヒレ。」

フカヒレ「可哀想なやつを見る目でオレを見るなレオ!!」

この2人にはとにかく機動力を生かしてもらい、敵の注意を引いてもらう。
特にフカヒレ。
お前には期待してるぞ。

レオ「話を元に戻そう。2つ目の班の橘さんと姫、椰子は裏から行こう。」

瀬麗武「わかった。」

エリカ「私を使うなら高くつくわよ。」

椰子「仕方ない。」

この3人が一緒に行動するのは珍しいな。
でも、案外良い組み合わせかもしれない。
橘さんの実力に姫の統率力、椰子の知識が合わされば向かう所敵なしではないだろうか。

レオ「最後にオレとスバルは隠れルートを探そう。よっぴーはここで待機して指示を送ってくれ。」

スバル「OKリーダー。」

よっぴー「しっかり指示を送るね。」

レオ「真名と豆花はそのまま学校の状況をよっぴーに報告してくれ。監視係を頼んだ。」

真名「よっしゃまかしとき!」

豆花「耐え忍ぶネ。」

作戦は決まった。
現場での指揮は姫に任す。
カニ、フカヒレが敵を困惑させる。
橘さんには暴れてもらい、それを椰子たちがカバーする。
無線でよっぴーから情報を聞く。
そして、オレとスバルは敵の裏を読む。

他にも豆花たちみたいに仲間が集まってくるかもしれない。

さぁ…乙女さん救出作戦開始だ。

つづく

ー竜鳴館正門ー

誰もいないはずの竜鳴館。
だが、正門には2人の男が立っていた。

声の高い男「おい。」

頭が奇抜な男「どうした?」

声の高い男「さっきの中華料理屋の女の子可愛かったな。」

頭が奇抜な男「そうだな。」

声の高い男「あういう押し売りなら大歓迎だぜ。」

頭が奇抜な男「そうだな。」

声の高い男「ん?おい見ろよ。」

きぬ「そこのお兄さん。良いもの見ていかない?」

フカヒレ「スゴイノイパイアルヨ。」

頭が奇抜な男「どんなのがあるんだ?」

背の高い男「おい。任務中だぞ。」

頭が奇抜な男「いいじゃねえかちょっとぐらい。」

きぬ「それじゃあこれどう?」

パンパン!

背の高い男「ネズミ花火!?」

フカヒレ「コンナノモアルヨ。」

ジュワァァァァ

頭が奇抜な男「噴射花火だとォ!?」

背の高い男「アッチ!!アチチチ!」

きぬ「ほれほれ!」

パンパン

フカヒレ「シャチョさんシャチョさん!」

ジュワァァァァ

背の高い男「な、舐めとんちゃうぞクソガキ!!」

フン

きぬ「うぉ!?アブネッ!」

ボコォ

フカヒレ「くぁばら!」

きぬ「チッ!フカヒレがやられた!」

背の高い男「大人を舐めんな。」

フカヒレ「お姉……ちゃん…」

頭が奇抜な男「?」

フカヒレ「いじめないで………お願いします…………やめて……」

頭が奇抜な男「ウッ。」ゾワッ

男は恐怖した。
フカヒレという過去のトラウマが生み出したマイナスオーラの塊を。

背の高い男「こいつヤバイやつだ…!」

頭が奇抜な男「ビビるな!こんなやつ殺してしまえば!!」

フン

きぬ「おいおい!フカヒレに手を出すなよ!」

フカヒレ「カニ………いいえ…きぬ様…」

きぬ「下の名前で呼ぶな!!」ギュウ

フカヒレ「ぐへ…!」

頭が奇抜な男「このクソガキがぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

きぬ「ウゲッ!?銃とか卑怯だぞ!」

フカヒレ「…………………」

フカヒレ(姉ちゃん………オレ………男になるよ…)

バッ

きぬ「な!?」

頭が奇抜な男「ぜ、全裸!?」

フカヒレ「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!!」

フカヒレ「うおおおおおおおおお!!」ダダダダダッ

ー竜鳴館裏門ー

裏門は静かだった。
その場には2人の男が突っ立っている。
ただひたすら隙を見せずに時を伺っているようだ。

胸に7つの傷の男「…………………」

ハゲの男「……来るぞ。」

シュン

カキーン

2つの衝撃が1つに集まった。
その箇所には大きな火花が散った。

ハゲの男「刀か…珍しい武器を使うのだな。」

瀬麗武「アイアングローブ使いには初めて出会った。」

ハゲの男「フン…まさか女だとは思わなかったな。」

瀬麗武「女と思うな。」

カキン

瀬麗武「1人の武人だと思え。」

ハゲの男「光栄だな。武人同士仲良くしよう。」

胸に7つの傷の男「………コソコソとしているそこのお前。何をしている。」

エリカ「え?あ、ああ。ちょっと小細工をしているんですよ〜。」

フン

スッ

エリカ「ちょっとあんた!女の子に暴力なんて最低よ!」

胸に7つの傷の男「……今の攻撃を避けるとは…貴様も少々武を嗜んでいるようだな。」

エリカ「まぁね。自分の身を守る程度には…」

胸に7つの傷の男「ここを通すわけにはいかない……今の内に帰れ。」

エリカ「そうね。あなたには勝てそうにないわ。だって私女の子だもん。」

胸に7つの傷の男「良い子だ。」

エリカ「でも断る。」

胸に7つの傷の男「!?」

エリカ「あんたのその得意げそうな顔をギャフンと言わせてみたくなっちゃった。」

胸に7つの傷の男「……手は抜かんぞ。」

エリカ「OK。来なさい。」

椰子「………合図が出ない…もう少しか。」

ー???ー

スバル「おいリーダー。こっちでいいのか?」

レオ「オレに任せろ。ここに抜け道があるんだ。」

レオ「ここを抜ければ学校内に…」ザッザッ

スバル「! 見ろ!敵だ。」

レオ「こんな時のために!」

ガバゥ

レオ「特製ダンボール!」

スバル「……なにこれ?」

レオ「橘さんが教えてくれたんだ。これで100%敵の目を欺ける。」

スバル「…俺たちはどこぞの伝説傭兵じゃないんだぞ。」

レオ「でもこれしかないの。」

スバル「きた!声をひそめろ!」

傭兵っぽい男「ん?なんだこれ?」

ガバッ

スバル「!」

レオ「!」

傭兵っぽい男「!!」

スバル「見つかるの速えよ!」

シュン

傭兵っぽい男「ぐほっ!」ガボォ

バタン

スバル「ふぅ…危ねえ。」

レオ「知ってたけど結果オーライだね。」

スバル「そうだな。」ザッザッ

レオ「…今日って燃えるゴミの日だったよね。」

スバル「イエス。」

レオ「…橘さんごめんなさい。」ポイッ

スバル「任務には犠牲がつきものだぜ。」

レオ「よし!急ごう!」

他の班はどうなのか気になるな。
だけど今は自分達のことで精一杯だ。
頼むから無事でいてくれみんな!

つづく

こんかいはここまで!
すみませんが乙女さん救出イベントが長引きそうなので個別ルート突入遅れます!

ー???ー

謎の男「彼らはとても勇敢だね。こんな所に乗り込んでくるなんて。」

乙女「…こんな事してタダで済むと思っているのか?」

謎の男「思っていないよ。オレが満足すればいいだけの話だからさ。」

乙女「ふざけるなッ!」

乙女「貴様のせいでいろんな人に迷惑がかかっているんだぞ!」

謎の男「怒った顔も可愛いんだな。」

乙女「貴様…!!」

謎の男「おっと!暴力はよくないなー。せっかく取引が成立したのに。」

謎の男「さて…愛する姉の元へたどり着けるかなー?対馬レオ。」

ー竜鳴館正門ー

ドドドドド

シュッ

きぬ「うっ!」

きぬ「さすがに銃は避けきれねえよ…!」

フカヒレ「………………」

きぬ「さっきまでの威勢はどこいったんだよ!」

フカヒレ「だって銃だぜ?全裸とか当たったら即死じゃんか。」

フカヒレ「冷静に考えたら勝てるはずないだろ?」

きぬ「おまえレオよりチキンだな!!!」

フカヒレ「なにをー!」

フカヒレ「このオレ様をコケにしやがってェ…!!」

フカヒレ「目にもの見せてやる!!」

フカヒレ「うおおおおお!」ダダダダダッ

頭が奇抜な男「またきた!」

背の高い男「構わん。ぶっ放せ。」

ドドドドドドドドドド

フカヒレ「このシャーク様に銃弾など効かん!」

シュン

フカヒレ「ヒェェェェ!」ドタッ

きぬ「ちょっとかすったぐらいで倒れるなヘタレ!」

フカヒレ「だって!痛いもんは痛いじゃん!」

?「そうだな…だが、敵に向かっていく姿勢は評価するぞ鮫氷。」

きぬ・フカヒレ「そ…その声は!?」

?「ワシの学校を勝手に乗っ取り、鉄まで誘拐するとは……随分と肝の座ったボスだな……」

ドシーン

地が揺れ、鳥が逃げていく。
まるで地震でも起こったかのようだ。

平蔵「待たせたな。」

きぬ・フカヒレ「館長!!!!」

頭が奇抜な男「ええい!撃ちまくれェ!!」

ドドドドド

シュッシュッシュッシュッシュッ

カランカラン

平蔵「ぬるいわ!!!!!」

きぬ「マシンガン全弾キャッチ!ヤベェぜ館長さすが館長!」

頭が奇抜な男「ヒェェェェ!!」

背の高い男「ならこれで…」

平蔵「手榴弾ならすでにピンを抜いておいたぞ。危ないから手で触るな小僧。」

背の高い男「へ?」

フカヒレ「一瞬で敵の懐の手榴弾のピンを外すなんてッ!そこに痺れる憧れるゥッ!」

ドカァァァァァァン

背の高い男「うわぁぁぁぁ!」

頭が奇抜な男「やな感じーーーー!」

男は遥か彼方へ飛んでいった。

平蔵「言うのが遅かったか…」

きぬ「センキュー館長!」

フカヒレ「神様仏様平蔵様だ!!」

平蔵「ワシの教え子だからな。傷1つでも許しはせんわい。」

平蔵「さて…愚弟の方はどうだろうか。」

ー竜鳴館裏門ー

瀬麗武「くっ!」カキン

ブンブン

ハゲの男「ほらほらどうした!」

瀬麗武(やはり長期戦になると刀では厳しいか…)

胸に7つの傷の男「ホアタッ!」

エリカ「わっ!」

胸に7つの傷の男「段々とスピードが落ちてきたな…」

エリカ「ハァ…ハァ…さすがに体力消耗しちゃうわね…」

椰子「…いつ行けばいいんだろう。」

胸に7つの傷の男「次で止めだ!!!」

コケッ

エリカ「あっ!!」

椰子「マズイ。姫がつまづいた!」

胸に7つの傷の男「ホアタ!」

?「うおおおおおおおおおおお!」

ドシーン

ふたたび大地が揺れた。

?「その程度の力ではワシの跡は任せられんぞ瀬麗武!」

?「おまえの本当の力を見せてみろ!」

瀬麗武「父様!」

幾蔵「兄者め…なにをしてるんだまったく…じぶんの土地ぐらい自分で守れ。」

ハゲの男「よそ見してる暇があるのか女よ!!」

カキン

瀬麗武「あぁ。ないさ。」

瀬麗武「だが…おかげで目が覚めた。」

カキンカキンカキン

ハゲの男「ど、どんだけ押してこようが、オレのアイアングローブは砕けな…」

ピキッ

ハゲの男「なっ!?」

瀬麗武「私をなめるな!!」

ピキン

パリ

ハゲの男「砕けた!!?そんな馬鹿な!?」

瀬麗武「父様!恥ずかしいところを見せてしまいすみません…ですが。」

ズサァァァァ

ハゲの男「ぐぅおおお!」

瀬麗武「父様の前でふたたび全力を出せて嬉しいです。」

幾蔵「フッ!笑わせるな!こんなものでない。なんといってもワシの娘だからな。」

ドォォォン

ハゲの男戦闘不能

胸に7つの傷の男「…スペードがやられたか。」

エリカ「そっちの戦闘が終わったんだらこっちもヘルプしてー。」

椰子「『ヘルプ』!合図だ。」

ダダダダダッ

胸に7つの傷の男「まだいたのか!」

エリカ「よそ見をしないでくれるかしら!」

バッ

ガシッ

胸に7つの傷の男「くっ!」

幾蔵「うむ。いいセンスだ。」

幾蔵「だが!!」

ドシィーーーン

胸に7つの傷の男「ふえええええ!」キラーン

幾蔵「重みが足りんな。」ニコッ

エリカ「それは無理。」

エリカ「えーと…よっぴー。なごみんが作戦通り校舎内に潜入したわ。あとは指示お願いね。」

良美「うん。任せて!」

ー???ー

スバル「ここどこ?」

レオ「分からない。」

スバル「もしかして僕たち迷子?」

レオ「そうとも言う。」

スバル「僕のお母さんはどこにいるの?」

レオ「深刻な話はナシで。」

スバル「まー適当に行ってたら着くだろ。」

レオ「ごめんスバル。」

スバル「レオの事だからきっと上手くいくさ。」

レオ「スバル…」

スバル「レオ……」

レオ「ホモくさいからやめてそのノリ!」

スバル「悪いな。」

完全に迷子になってしまった。
途中までは覚えていたのになー…
出口はどこだ…?

キラーン

スバル「お!光だ!出口だ!」

レオ「待て!スバル!!」

あれは…罠だ。

オカマ「待ってたわよーんイケメン!!」

ギュッ

スバル「なに!?」

オナベ「きっと来るとおもってたんだ。」

レオ「ヤバイ…逃げなきゃ…」

パァン

レオ「うお!?」グボッ

オナベ「私たちこう見えて格闘技の元チャンピオンなの。フフ。」

レオ「くっ…ヤバイかも…!」

スバル「レオ!走れ!お前だけでも乙女さんの所にたどり着け!」

レオ「でも!」

スバル「大丈夫だ。俺を信じろ!」

レオ「…ごめん!!」ダダダダダッ

オナベ「逃がさないからね!」ダダダダダッ

オカマ「さぁて!ショータイムよ!」

スバル「悪いレオ。嘘ついちまった。」

スバル「ここでお別れだ…」

?「情けなくなったものだな伊達スバル。」

スバル「お前は…!」

スバル「三村!!」

村田「村田だ!!なぜここぞの時にボケてくるんだ!」

オカマ「あら。またイケメン。いただきま…」

ブン

オカマ「ぐほっ!」

村田「悪いがお前に興味はない。乙女先輩を返してもらいに来ただけだ。」

ブン

オカマ「ぐほらっ!」

スバル「そうだな。三俣の言う通りだ。」

村田「村田だ!1つもカスってすらいないからな!」

オカマ「あなたたち…!オカマを舐め…」

ブォォォォン

村田の正拳突きとスバルの回し蹴りがオカマのお腹にクリーンヒットした!

オカマ「う…」バタン

スバル「さてと…レオを追いますか。」

村田「ん?なんだこれは?」

村田「メモ用紙か…一応持っておくか。」

つづく

ー竜鳴館内ー

レオ「ハッ…ハッ…ハッ…」ダダダダダッ

オナベ「オナベの体力を舐めないでくれるかい。」ダダダダダッ

レオ「くっ…速い……もう追いつかれた。」

オナベ「逃さな…」

シュッ

オナベ「!」

突然オナベに石が飛んできた。

スッ

オナベ「僕に石投げてくるなんて良い度胸だね…誰だ!!」

近衛「うっさいわね!邪魔ぐらいするわよ乙女先輩のためなら!」

レオ「こ…近衛!?」

近衛「対馬!!アンタがひ弱だから乙女先輩を守れないんでしょう!分かってるの!?」

レオ「………………」

確かにそうだ。
オレがもっと乙女さんを守れるぐらい強ければこんな事にはなっていない。
情けない男だと自分でも思っている。

近衛「アンタが助けないのならアタシが…」

スッ…

オナベ「アタシが…なんだって?」

近衛「うう!?」

近衛の後ろにオナベが!!
近衛が危ない!!

ダッ

オナベ「あら?意外だね。ビビって助けに来ないかとおもってた。」

近衛「こ…こら!!アンタは乙女先輩を……」

静かに呼吸を整え…

レオ「コォォォォォォォ…」

オナベ「!!」

ガッ

構えを取る。

あとは…

レオ「きりもみ乙女パンチ!!」

乙女さんとの特訓を思い出し、解き放つだけだ!!!!

ブォォォォン

オナベ「ギャァァァァア!!」

近衛「コークスクリューブロー!?」

レオ「違う。きりもみ乙女パンチだ。」

近衛「なにそのこだわり!?」

オナベ「な…舐めない…」

レオ「舐めないよ。トドメを刺すから。」

レオ「もういっちょ!!」

ブォォォォン

オレは強くなりたい!!
乙女さんを守れるぐらい強く!!!!!

オナベ「ぐぁ……!」

オナベ「つ…対馬レオがここまで強いなんて聞いてないぞ………」

バタン

近衛「つ…対馬なのアンタ?」

レオ「あぁ。」

近衛「中身入れ替わった?」

レオ「入れ替わってない。」

近衛「…変わったわねアンタ…」

昔から変わったのかはわからない。
だけど…
昔よりもっと強くなりたい。
乙女さんを守れるぐらいには…

レオ「行くぞ近衛!乙女さんの所に!」ダダダダダッ

近衛「ちょ、ちょっと!アンタに言われなくても分かってるわよ!本当にトサカ来るわねアンタ!」ダダダダダッ

レオ「……助けてくれてありがとう。」

近衛「バカ!そんなんで怒りが静まるはずないでしょ!」

レオ「分かってる。ただ感謝ぐらいはさせてくれ。」

近衛「……こっちこそありがと(小声で)」

レオ「なんか言った?」

近衛「な、なんも言ってないから!言っとくけど!何も言ってないから!分かった?」

レオ「はいはい。」

つづく

今回はみじか「

間違いました
今回は短いですが、ここまでです。
そろそろ個別ルートへたどり着きたい

トントン

謎の男「ついに来たか…」

謎の男「最初にたどり着いたのは…」

謎の男「どの勇者かな!!!」

ドドドドドドドドドド

マシンガンの弾が扉に打ち込まれる。

乙女「やめろ!!!!」

ドドドドド…

シュウウウウウ…

謎の男「……いない…?」

平蔵「残念だったな…」パラパラ

幾蔵「トリックだよ。」パラパラ

カラカラーン

きぬ「スゲェ!!!!ダブル全弾キャッチだ!!!!」

レオ「乙女さん!!」

乙女「レオ!!」

謎の男「全員生きているだと!?そんなバカな!!!」

スバル「舐めたらダメだぜ悪人さんよ。」

エリカ「なごみん!今よ!」

シュッ

乙女「椰子!」

椰子「乙女先輩。今縄を解きます。」

ん?待てよ…

乙女さんぐらいの人ならあんな縄力だけで切れるはずだ。
まさか!
これは罠!?

乙女「私から離れろ!!」

椰子「え?」

シュン

瀬麗武「危ない!」

ピリッ

椰子「うっ!」

乙女「くっ…」

謎の男「あーあ…せっかく美女の感電死が見れなくなっちゃったじゃないか。」

今、橘さんが助けに入ってなかったら今頃乙女さんと椰子は…

乙女「貴様ッ!!!!!!!」

レオ「乙女さんのあの縄は普通の縄じゃないんだ。高圧電流が流れる特殊な縄だ。」

全員「!?」

瀬麗武「聞いたことがあるぞ。確かエジプトのテロ組織がそれを使っていたと言う情報がある。」

レオ「そう…幼い子供たちをあの縄で縛り、助けようとした大人たちと子供を痺れさせ感電死させる。それを楽しんでいるんだ。」

近衛「なんでそんな情報をアンタが知ってんのよ。」

レオ「………………偶然だよ。」

偶然なんかじゃない。
今回の誘拐の目的は乙女さんじゃない。
おそらく目的は…

スバル「…もう我慢ならねえ。」

瀬麗武「全力でいかせてもらうぞ…!」

村田「よくも乙女先輩を…!」

エリカ「待って。ここで私たちが手を出したりしたら乙女さんに電流が流れてしまうわ。」

村田「じゃあどうすればいいんですか!!」

謎の男「どんどん僕を侮辱してくれて構わない。逆に気になってきたよ…お前らの死んだ顔はどんな顔なんだろうってなッ!!!!」

ダッ

レオ「ふざけるなッ!!!!!!」ダダダダダッ

乙女「やめろレオ!」

ダンッ

乙女「!」

乙女(今の踏み込みは私の掌底打ちの構え!?)

よくも乙女さんを…

乙女さんを……







乙女さんを………ッ!!!!!!

何度も見てきたこの技を…!
相手の懐に叩き込む!

ガシッ

レオ「!」

謎の男「掌底打ちか…やはり武において素人だな。」

スン

謎の男「!」

ブゥン

スバル「レオが回し蹴り…?」

平蔵「ほぉ…ひよっ子だった対馬が…」

きぬ「お…おい…あのレオが戦ってるぞ!」

フカヒレ「あ、あ、あれはレオじゃない!幻だ!!そうに違いない!」

謎の男「……ズブの素人ではないか。身体で勉強してきたようだ。」

きぬ「おいおい。なんかレオがカッコよく見えてきたぞ。」

フカヒレ「気のせいよカニちゃん。僕たちは悪い夢を見ているんだよ。」

エリカ「対馬くんがんばれー。」

ガシ

バッ

この角度なら!

ガシ

防がれる。
さっきから俺の攻撃は読まれているみたいだ。

乙女「すまないレオ…」

くっ…!
乙女さんの悲しい表情でさらに怒りが湧いてくる。

椰子「なんで乙女先輩は捕まったんですか?」

乙女「……レオの家族が人質に取られていると聞いてな…」

椰子「!!」

乙女「本当かどうかは分からん。だが…私が暴れればもしかしたら……と考えると捕まるしかなかったんだ。」

椰子「…あの男殺す。」

乙女「大丈夫だ。レオならやれる。」

乙女「あいつはもう立派な男だ。」

ガシ

ガシ

謎の男「しかし妙だな…対馬レオがここまでとは聞いてなかったぞ。」

謎の男「さては海外で鍛えたのかなー?」

レオ「変な探りは入れないでください…!」

謎の男「あの縄はあるテロ組織からもらったんだよ。その組織とは仲良くてね。その時に君の話をたくさん聞かせてもらったよ。」

レオ「!!」

ブゥン

謎の男「うおっと!」

ガシ

レオ「最初からオレが目的だった…のか?」

謎の男「その通り。2年前に君を生かしておいてあげたからそろそろ殺してあげないとね。」

こいつはあの時の組織の一員だったんだ。








『殺す』!!!









ガシ

バン

レオ「ぐ…!」

謎の男「どうした?もう終わり?」

近衛「対馬の身体ボロボロ……もう止めましょうよ。」

瀬麗武「マズイな…対馬から冷静さを感じられない。」

フカヒレ「熱くなりすぎるのがあいつの悪い癖でもあるからな。」

ゴソゴソ

椰子「ちょっといいですか?」

エリカ「なにー?」

椰子「乙女先輩の事なんですけど…」

エリカ「対馬くんの両親が人質に取られてるかもって話?」

椰子「なんで知ってるんですか?」

エリカ「盗聴器。」

ポイッ

エリカ「ほらっ。」

椰子「私につけたんですか!」

エリカ「うん。だってそれがなごみんの本当の仕事だもん。」

椰子「……はぁ。」

プルルルル

エリカ「あ、よっぴーからだ!」

ガチャ

良美「エリー!聞こえる?」

エリカ「はーいよっぴー!どう?確認取れた?」

良美「うん!海外で暮らしていたよ。」

エリカ「ありがとう。」

ガチャ

エリカ「乙女センパーイ!」

乙女「?」

エリカ「対馬くんの両親と連絡取れましたー。」

乙女「…そうか。」

乙女「ならば…」

乙女「本気で力を出せるな!」

エリカ「これで乙女さんを縛るものはなくなったわ。久しぶりに乙女さんの本気見れそう!楽しみ〜。」

ブチッン!

レオ「え?」

謎の男「え?」

乙女「よくも…うちの弟に傷をつけてくれたな…!」

謎の男「え、うそ?その縄絶対に切れないはずなんだけど?」

乙女「ほぉ…こんな柔らかいヒモでか?」

謎の男「そんな強気でいいのかなー?対馬レオの家族は…」

エリカ「無事です。」

謎の男「え?」

エリカ「確認取れました。」

謎の男「うそ?」

エリカ「本当。」

謎の男「……」

謎の男「死ねェ対馬レオ!!」

フカヒレ「あ。あいつクズだ。」

きぬ「フカヒレ以下。」

スバル「ま、大丈夫だろ。」

シュン

乙女「レオに今何と言ったーーーーーッ!!」

謎の男「ひぇっ!!」

スバル「乙女さんいるし。」

全員が頷いた。

きぬ「あいつビビってやんの!犯罪者の癖に!」

※皆様へ
オレの姉は人外クラスの力を持っています。

乙女「すまんなレオ。私のためにこんなに傷ついてしまって…」

レオ「ううん。大丈夫。それに…いつまでも子供じゃないから。」

乙女「…そうだな。」

乙女さんが笑った。
力はもう少ししかないはずなのに力が湧いてくる。
もう少しだけ…頑張ろう。

まだ戦える!

乙女「よーしレオ!私の動きに合わせろ!!」

レオ「はい!乙女さん!!」

そういえば初めて乙女さんと一緒に戦っている。
嬉しい。
いつもオレは傍観者の立場だった。
それが今や戦いのパートナーとして隣にいる。

謎の男「ゆ、ゆるしてくれェー!!!」

乙女・レオ「許さないッ!!!」

バァァァァァァン

謎の男「あーーーーーーれーーーーーーーー。」キラーン

男は星となった。
9割は乙女さんの力で吹っ飛んで行ったと思う。
でも、1割…いやほんの少しでも乙女さんと一緒に力を合わせた技だ。
また…一緒に……

バタン

乙女「レオ?レオ!!!!」

もう………限界だ…………………

つづく

今回はここまでです!
いよいよ個別ルートも近づいてきました。

…ん?

バッ

ここは…家?

乙女「やっと起きたかレオ。」

レオ「乙女さん。」

どうやらあの戦いの後、オレは長い眠りについてたみたいだ。

レオ「あれからどれくらい経った?」

乙女「2日だ。」

レオ「…まさか二日間ずっとここにいたの?」

乙女「まあな。私が看病しないで誰が見るというんだ。」

レオ「大学は?」

乙女「それなんだが…少しだけ大学には行ってた。だが、その時は姫たちが代わりに来てくれたんだ。」

レオ「そうなんだ。」

二日間も眠りっぱなしだったのか。
それで腰が痛いんだ。
というか身体が痛い。
おそらく全身筋肉痛だろう。

乙女「なあレオ。」

レオ「何?」

乙女「いつからあんなに強くなったんだ?」

レオ「…毎日乙女さんとやったトレーニングを続けてた。欠かさずに。」

乙女「偉いな。」

乙女さんに褒められた。

乙女「だが、今回は無茶しすぎだ。私は来るなと言っただろう。」

レオ「ご、ごめん。」

褒められた直後に怒られた。
飴と鞭とはこの事か。

乙女「……ありがとうなレオ。」

レオ「え?」

ガバッ

レオ「乙女さん…?」

唐突に抱きつかれた。
な、なんだ突然?

乙女「……お前の成長、姉として誇りに思うぞ。」

乙女「でも心配だったんだぞ?海外で何か怪我してないかとか。拉致られてないかとか。謎の民族に神として崇められていないかとか。」

最後だけ違う。

乙女「それが…ここまでたくましくなったら姉としてはこれ以上の喜びはない。」

乙女「なあレオ。」

レオ「しばらくはウチにいるのか?」

レオ「…しばらくはね。」

乙女「そうか…また一緒に暮らせるんだな。」

レオ「もしかして寂しかったの?」

乙女「寂しくなかったと言えば嘘になる。」

レオ「照れてる。」

乙女「照れてない!」

レオ「やっぱり照れてる。」

乙女「姉をからかうな!」

ぽこっ

レオ「イテッ!」

乙女「す、すまん。少し強く叩きすぎた。」

レオ「いや…全身が筋肉痛だから触られるだけで痛いんだ。」

レオ「…昔みたいにストレッチやってもらってもいい?」

乙女「もちろんだ。」

昔みたいに…

また…昔みたいな日常が帰ってくる。

だが、オレも旅立たないといけない。

しばらくは甘えさせてもらおう。

……………………

超強いけど優しい姉兼大学生『鉄乙女』

幼馴染でゲームプログラマー『蟹沢きぬ』

霧夜カンパニー社長『霧夜エリカ』

霧夜カンパニー秘書室長『佐藤良美』

超強い天然クールビューティ軍人『橘瀬麗武』

ツンデレ花屋『椰子なごみ』

超売れっ子女優『近衛素奈緖』

強くてツンデレな美女に囲まれた生活が帰ってきた。

気づかなかったけど、改めてオレはすごい日常を送ってたんだなと実感した。

短い間だけど、こんな慌ただしい日常を楽しむとしますか。

オープニング終了!

ついに攻略キャラを決めるときが来ました。
攻略できるキャラは上記の6人。
攻略したキャラが増えれば、攻略キャラ追加も…

待望のキャラ選択は今日の夕方頃!

やはりなごみんルート!
というわけでなごみんルート突入!
シナリオ考えるので気を長くしてお待ちください。

ちょっとまてやなんで祈先生がいないんや。
さては3学期民だな

>>151
ヒント:隠しキャラ

昼下がりの松笠駅前。

オレは絡まれていた。

ヤンキーA「おい兄ちゃん。金出せよ。」

レオ「すみません…僕持ってないんです。」

ヤンキーB「舐めとったらあかんぜよ…“戦争”(トラブ)っちまう前に金出すぜよ。」!?

レオ「“無一文”(お金持ってない)んです…」

ヤンキーA「やっちまうか?」

ヤンキーB「“嗚呼”(おう)。」!?

レオ「あ、UFO。」

ヤンキーA・B「え?」クルン

ダダダダダッ

ヤンキーA「あ!逃げた!追うぞ!」ダダダダダッ

ヤンキーB「“死叩き”(しばき)だぜよ。」ダダダダダッ

…………

やっと行ったかな?

灯台下暗し。
逃げたと思わせたすぐ近くに隠れてました。

なごみ「…………」

レオ「あ、椰子。」

なごみ「あ、逃げ腰先輩。」

レオ「ちゃんと名前で呼びなさい。」

なごみ「だって逃げてたじゃないですか。強いくせして。」

レオ「見てたの?」

なごみ「はい。」

なごみ「カッコつけてるつもりだったんですか?逆にカッコ悪かったですよ?」

くそ!
あんな恥ずかしいのをよりにもよって椰子に見られるとは…!
しばらくネタとしておちょくられるな…

なごみ「それじゃ店に帰るんで…失礼します。」

椰子の家は花屋を営んでいる。
そしてオレは無職。
椰子はオレの後輩でもある。

…………

コネを使おう。

レオ「あの〜。椰子さん?」

なごみ「なんですか?あと、さん付けは気持ち悪いのでやめてください。」

レオ「今、花屋ってバイト募集してます?」

なごみ「はい?」

レオ「オレみたいに無職をバイトで………」

なごみ「お断りします。お引き取りください。」

レオ「最低限のお金でいいんです!雇ってください!」

なごみ「先輩、そんな事言っても私雇いませんから。失礼します。」ザッザッ

………

舐めてもらったら困るぜ。
何として雇ってもらう。
そうじゃないと乙女さんに怒られるから。

乙女『いつまでも無職のやつを家に泊めると思うなよ!』

乙女さんにこんな事言われたら生きていけない。

なんとしても椰子の所で雇ってもらうぞ。

つづく

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