【鬱注意】星空凛「昔の話をするにゃー」【ラブライブ!】 (50)

スレタイにも書きましたが鬱注意です。

鬱苦手な方はそっ閉じ推奨。
そんなに鬱じゃないと思うけどね。

セリフの頭にキャラ名入れてないけどいいよね?

書き貯めてあるので気まぐれに投げていきます。

批判、罵倒、荒らし、どんとこい。

このSSについて
友人A「重いのはお前のSSだと思うの」
友人B「う、うーん、ちょっと引くわ」
友人C「正気とは思えん」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457862683

ある昼下がり、何の気なしに散歩していた私は普段気づかないものに気づいた。

意外と桜がきれいだったとか、いつぞやにテレビで見たケーキ屋が近くにあったとか。そういう類いの、他愛のない発見だった。

普通の一軒家、普通の庭、町のカフェのテラスにあるようなテーブルと椅子。

毎日朝晩と通るのだが、朝は忙しく、夜は暗すぎて。私はその事に気づけなかったのだ。

その椅子に座って、膝に乗る猫を撫でていた女性に、見覚えがあることに。

見覚えがあるとはいったものの、名前が思い出せない。

実家を探せばきっと分かるのだろうが思い出せないならさほど重要でもないのだろう。
そう思ってそこを後にした。

また別の日、たまたま実家に帰ったときのことだった。
母が押し入れで見つけたというCDを受け取った。
雑に埃を払ったケースのジャケットを見て全てがつながる。

そうだ、彼女は…私が昔好きだったアイドル、μ'sの星空凛だったのだ。

しかし同時に疑問も生まれる。

確かに面影はあった。だが雰囲気が違う。昼間見る前はあそこに座っているのはご老人かと思っていたぐらいだ。

そして格好がかつてと違う。

CDのジャケットを見れば分かる、元気さの象徴だったショートカット、ターンの度に翻っていたスカート。彼女は落ち着いたロングヘア、履いていたのは動きやすそうなズボンだった。もちろん動いているのは見たことがないが。

よほど変な顔をしていたのだろう、母に声をかけられたのでそれ以上考えるのをやめた。

それからしばらくしたある日、私は甥っ子とキャッチボールをしていた。

大体月一回ほど遊ばされている。全く、人の都合も考えないで。まあ予定なんてないからいいのだが。

「あ!」
ぼうっとしていたら甥が投げたボールは私の頭上と後ろの垣根を越え庭へと入ってしまった。

その庭は…例の彼女の家であった。
家の周りをぐるりと回り呼び鈴をならす。表札はない。

しかしよく考えると不思議な家だ。

現代的な家なのに垣根が、そしてその垣根は普通より高く、普通の庭なのにカフェにありそうなテーブルと椅子が、そしてその椅子で何を飲むわけでもなくただ猫を撫でているのだ。

呼び鈴を鳴らす。
「はい、どちら様でしょうか。」
名前を告げボールが庭に入ってしまったことを伝えた。

「はぁ、少々お待ちください。」
確かに聞き覚えのある声だった。ハリがないが恐らく彼女だろう。

5分ほど経ったろうか。門のところに彼女が来た。

彼女は腕をゆっくり上げ手に握られたボールを見せながらこう言う。

「これ…ですか?」

私はその時初めてその人を直視した。

よく見ると目は生気に欠け、髪は毛先が細り、腕は上げるのも辛そうなほど細く、足は立っているのが精一杯と言わんばかりに震えている。

彼女に何が起きたのか。見当もつかない。質問しようかとも思ったが私にはそんな勇気はなかった。だが1つだけ、言ってしまった。

「星空…凛さんですか?」

あなたも…とかそんなことが聞こえた気がしたが分からない。

その後はボールを持った腕を伸ばして黙りこんでしまった。

後悔しながらボールを受け取ったその時。
グウウウウ
彼女のお腹が盛大に鳴った。

「…ラーメンでも持ってきましょうか?」

「いえ…結構です。」
グウウウウ
2度目だ。

お互いに顔を見合わせ暫しの間沈黙。

「すみません、お願いします。」
彼女はか細い声でそう言った。

甥を家で待たせ切った材料と鍋を持ってもう一度来た。

「えーっと、キッチン借りてもいいですか?」

「ありがとう…ございます。」

恐らく許可を得たということでよいのだろう、そう考えラーメンを作り始めた。


「はい、できました。」
適当に作ったせいかもやしが多い。どうでもいいことだが。

「ありがとにゃ…」

「ん?」
何か懐かしい言葉だ。

「あ…ありがとうございます。」

あぁそうだ、ライブだ。
『今日はライブに来てくれて、ありがとにゃ~!』
そんな感じのことを言っていた気がする。

好きだったアイドルの言葉でそんな感じ、とはなんだと言いたくなるかもしれないが最後のライブはもう10年近く前だ。覚えていろと言う方が無茶だ。

「もしかして…語尾がにゃ、っていうのって素なんですか?」

ラーメンを啜りながら彼女はこくこくと頷く。

「解散してから使わないようにしてるんだけど…あんまり喋らなくなったから今でもたまに素が出るにゃ~」

…?結局使うのか。

「そうやって話を聞いてるとなんとなくあの頃を思い出します。」

「それは嬉しいにゃ~」

寂しげな笑みだ。思わずため息を吐く。
「どうかしたの?」

不思議そうな問いかけに思わず笑いながら返す。
「懐かしいなぁと思って。」
「…そういえばキミはいつμ'sを知ったの?」

言われて記憶を掘り返す。
「確かμ'sが優勝したラブライブのちょっと前の…ファッションショー…?の辺りで…あれ見てたからそのちょっと前かな…まあ、その辺だと思います。」

「面倒だからため口でいいにゃ。そうすると結構前からのファンかぁ…」

「まあそうですね。そういえば猫アレルギーじゃありませんでした?」
普通に猫を撫でていたような気がするが…

「そこは色々工夫しているのにゃ~」
何だかよくわからないがどうも飼う方法はあるらしい。

「あの頃からのファンに会ったのは…かなり久しぶりかな。会えて嬉しいにゃ~!」

その時久々にあの迷いのない笑顔を見た。

「どうしたの?」

気づけば、泣きそうになっていた。

「いや…その…懐かしくて。」

「そっか…そこまで言ってくれるなら…」

先が読めずに首をかしげる。

「話そうかな。凛の…凛たちの。μ's復活騒動を。」

復活騒動。そんなこともあった。解散を宣言したμ'sが星空凛、西木野真姫、小泉花陽…いわゆるμ'sの1年生組…の高校卒業を機に再結成したのだ。

解散からさして年も経たずしかも1年生組はスクールアイドルとして活動していたため名実ともに超大型新人としてアイドル界に名乗りをあげた。

「凛たちが卒業式を終えて色んなところで写真を撮って回ってたら電話がかかってきたんだ。穂乃果ちゃんから。」

「講堂…μ'sが最初にライブをしたところなんだけど…その講堂に来てほしい、って言われて、駆けつけて。」

生徒らしき人が講堂講堂と色々書き込んでいるのを見たことはあるがそういうことだったのか。

「ステージには凛たち3人以外の元μ'sのメンバーがいて、円卓と椅子があったんだ。」

「そして凛たちがステージに上がると穂乃果ちゃんがこう言ったんだ。『今日みんなに来てもらったのは…重要な話し合いをするためです。』って。」
…?丁寧語?

「誰も何も聞かされてなかったらしくて、ほのかちゃん以外がみんなで顔を見合わせてたよ。」

「そして穂乃果ちゃんは『それは…μ'sの再結成についてです。』なんて続けて。」

「そして海未ちゃん、ニコちゃん、真姫ちゃんが一斉に『どういうこと!』と叫んだ。」
多分それぞれ「どういうことですか!」と「どういうこと!」と「どういうことよ!」だろう。なんとなく想像がつく。

「で、穂乃果ちゃんは手紙を取り出したんだ。中身は大手の事務所がμ'sと契約したがってる、みたいな手紙が。」

「穂乃果ちゃんがちゃんと事務所に行ってあの手紙の内容は事実だって確認してきたって言ってたからその手紙の真偽はどうでもいい話だったんだけど。」

「前に続けてと言われた時も、2回目のラブライブに出る前も、みんなで悩んで、悩み続けて、そしてようやくやめるって答えを出した、その決断を、今さら取り下げるのか、というのが海未ちゃん、ニコちゃん、真姫ちゃんの意見だったんだ。」
何があったのだろう、きっとそれは私の知る由のない、9人だけの話だろう。

「確かその時…穂乃果ちゃんがシンガーソングライターで…海未ちゃんが日本舞踊の先生で…ことりちゃんが海外のデザイナーさんにデザインを習ってて…希ちゃんが占い師で、絵里ちゃんが…大学生で、ニコちゃんは…評論家?あとかよちんと真姫ちゃんは大学に合格していたにゃ。」

「あぁそうそう、凛はダンサーとして頑張るつもりだったにゃ。」
なるほど。

「意見は大体3つに別れたにゃ。さっき言った海未ちゃん、ニコちゃん、真姫ちゃん。」

「せっかくだからやろう、というのが穂乃果ちゃん、希ちゃん、あと凛。」

「どっちとも言えず悩んでたのがことりちゃん、絵里ちゃん、かよちんの3人だったんだ。」

「もちろん話し合いは荒れたよ。結局水掛け論だったから。」
そして、どうなったのか。私は聞いた。
「絵里ちゃんがやるって言って多数決でやることになったよ。」
他の人たちは納得したのだろうか。

「で土日だけ、って条件でみんなが納得したんだ。さて、そろそろ疲れたにゃ~。もう今日は終わりにしよっか。あ、あとラーメンおいしかったにゃ~!」

精一杯の笑顔に微笑んで返して私はその家を後にした。
その後甥を放ったらかしたのを姉にたっぷり怒られたのは関係ない話だ。

少し忙しく過ごしている間に今日が約束の日だということを忘れかけていた。

昼が近くなって散歩に出かけようと思った時私はその事に気がついた。

手土産代わりにラーメンの材料と鍋を持ち彼女の家へ向かった。

呼び鈴を鳴らし名前を告げると足取り軽やかに彼女は出てきた。

「いらっしゃいにゃ~!」

まて、待て待て。いったいどういうことだ?
こないだとは打って変わって…綺麗だった。

目は爛々と輝き髪は肩の上辺りで切り揃えられ入念に手入れされ、足も鍛えたのか前のように震えてはいなかった。

腕は比較的細いが色々見たら元々だった。

じっと見つめていると…
「凛ちゃんと言えばー?」
なぜかライブのあれだ。

「イエローだよー」
言わなきゃいけない気がした。

ラーメンを作って前回のように出す。

「こないだは…μ'sの再結成の話だったにゃ~」

そうだ、μ'sを再結成することを決めた話だ。

咳払いをしてから話し始めた。
「決めたら話はとんとん拍子で進んだんだ。元々の知名度も助けになってμ'sの復活はニュースになった…のは流石に知ってるよね。ハハハ。」

「自分達で書いた曲、手作りの衣装。高校生の頃に戻ったような…その時は卒業してすぐだから高校生の延長だったけど…そんな調子で仲良く楽しくやってたんだ。」

「そして3ヶ月ほどしたある日。もうそろそろ2枚目のシングルを出そうという頃になったとき。事務所から…ひょっとするとレコード会社だったのかもしれないけど…それはさておき、曲を…押し付けられたんだ。」

μ'sのこれまでの活動に反する…他人の作った、自分たちの絡まない…「歌わされる」曲だ。

「こっちから何曲か新曲を見せたけど全部蹴られて。海未ちゃんと真姫ちゃんが抗議に行こうとしたのを穂乃果ちゃんが『一時の感情だけで抗議にいっちゃダメ!』なんて止めて説得を始めたんだ。」

「あのときは不思議に思ってたけどひょっとすると凛たちが高校を卒業するまでに何かあったのかもしれないね。」

「穂乃果ちゃんがやるしかないってみんなに説き続けてなんとかそのCDを出して。そして、最悪なことに…当然かもしれないけど…そのシングルは、飛ぶように売れたんだ。何の小細工もなしで。凛達の曲より。」

プロの作曲家とプロの作詞家が書いた、多少面白味に欠けようとも売れる歌。売れて当然。
しかし自分達で書いた曲の方が売れなかった、その事実はその後どのように使われるか、想像は容易い。

「曲を書いては蹴られて1年が経った頃。その頃にはみんなが慣れかけてたなぁ。そして30曲目が蹴られたとき、穂乃果ちゃんがキレたんだ。」

「後で気づいたことだけど穂乃果ちゃんは空き時間に契約を片っ端から見直してたみたいで…穂乃果ちゃんは事務所の社長に直談判を仕掛けたんだ。」

「そこで何が起きたのか凛は知らない、けどその結果、その中から5曲を厳選して『μ'sの原点!』ってタイトルでミニアルバムを発売することが決まったんだ。」

思わず驚く。μ'sのCDは全部買っていた。そしてそのμ'sの歴史でもミニアルバムという形式はその一枚だけなのだ。

「そして復帰以来初めて、μ'sは一週目でのオリコン一位を逃したんだ。」

偶然にも…それは覚えている。というよりこないだ見たのだが。
こないだ母から返されたCD。
思い返せばあれはあまりに驚いてCDをしまい忘れ、それが置き去りにされて適当にしまわれていたのを母が発見したものだった。

「今にして思えば無茶な話だったにゃ。その週はA-RISEとかアルファベットと数字の並んだグループがなぜか続々アルバムを出してた週だったにゃ。色々手が回ってたかもしれないにゃ。」
なるほど。それでだったのか。ようやく合点がいった。

「あとは分かるかなぁ…一言で言うと…どうにもならなくなったんだ。海未ちゃんも真姫ちゃんもモチベーションが持たなくなっちゃって。」

「で、そのまま1年が経過して…大変なことが起こったんだ。」

「真姫ちゃんが倒れたんだ。収録後にパタリとね。」

「家に送ったニコちゃんが作曲ノートを見つけて…そこには何があったと思う?」
首をかしげる。

「なんて言うんだっけ…ネタ曲?そんな感じの曲が一杯あったんだ。『ハジマリノオト』とか言うのが…ラの音のところの歌詞を拾うと『事務所やめたいもういやだ』とかそんな感じの言葉が出てくるとか…」

「『その八秒が恋しくて』ていうのは…デモが作ってあってそれを8秒ごとに聞くと……なんか言ってたにゃ~!…詳しくは覚えてないけど…そんな曲が一杯あったんだ。」

「歌詞の内容がなんとなく纏まっていたから海未ちゃんに話を聞いたら。『ハジマリノオトだけは作詞しましたがあとは知らなかったです…あのとき気づいてあげていれば…』苦虫を噛み潰したみたいな顔でそう言ってた。」

「みんながみんな、疲れきってて。真姫ちゃんだけじゃなくて、大学に通っていたかよちんとか絵里ちゃんも、そうじゃない穂乃果ちゃんとか海未ちゃんたちも連日のテレビ出演で疲れきっていたんだ。」

「それで穂乃果ちゃんがマネージャーと事務所の社長、そして凛たちの前で言ったんだ。『μ'sの活動を休止しよう!』って。」

「事務所はもちろん怒ったよ。でも穂乃果ちゃんが契約…なんだったっけ…を突きつけると渋い顔をして了解したんだ。もちろんその時入ってた仕事はやってくれ、って言われたけどね。」

「それからユニットでの…Printemps、BiBi、lily whiteとしての活動が始まって。グループとして数を増やしたお陰で事務所の負担も増えたから、自分達で書いた曲も通ってたんだ。」

「だけど…凛たちが思ってた以上に、世間はμ'sってグループしか見てなかった。だから、そんなにCDは売れなかったんだ。」

「当然事務所からは圧力がかかったにゃ。だけど真姫ちゃんは前より忙しくなっているからμ's再開というわけにもいかなかったにゃ。」

「そのころからにゃ。ほのちゃんがおかしくなったのは。」

「芸能人らしくないって、よく驚かれるけど…μ'sはいわゆるクスリとか体の話とかからは縁が遠かったんだ。仲のよさが幸いした、って誰かが言ってたっけ。ただその時は…穂乃果ちゃんの単独行動が多かったから……」

「みんなが揃った3ユニット合同の…事実上のμ'sのライブ中に…ほのちゃんは泡をふいて倒れたんだ。」

「ふぅ…今日はこれぐらいにしてほしい…かな。次はかなり苦しい話になるけど…必ず聞いてほしいな。」

寂しげな笑顔だった。まるで踏み込んではならない領域に踏み込んでしまっているような、そんな気がした。しかし引き返す余地はなさそうだ。

お辞儀をし、その家を後にした。

重い気持ちで呼び鈴を鳴らす。
「いらっしゃいにゃ~…あれ?こないだより早いね。」
庭に案内される。

そして唐突に、その元気そうな顔を曇らせ言った。
「…それじゃあ…始めていい?」
こないだの話だ。

私が頷くと深呼吸をひとつして話し始めた。
「倒れたほのちゃんは海未ちゃんが付き添って救急車で運ばれていったにゃ~。」

「それから事務所の人を抜きにして話し合ったんだけど…真姫ちゃんが言うには泡を吹いて倒れる病気で一番一般的なのはてんかんじゃないかって…」

「ただきっとみんなわかってたにゃ~。凛だってわかってたもん。いつもよりもほのちゃんはハイテンションだったから。つまり…クスリだにゃー。」

「みんなで頭を抱えたにゃ。『もうここでやめた方がいいんじゃないか』それがことりちゃん、海未ちゃん、真姫ちゃんの話だったよ。」

「今まで事務所と対等に立って話せたのは穂乃果ちゃんの努力あってこそで、穂乃果ちゃんがそんな状態なら私たちでそんなことはできないからここでやめた方がいい、そんなことを言ってた。」

「今思えばそれが正解だったんだね。でも、凛たち…残りの5人はそう思わなかったんだ。ほのちゃんが壊れかけてるのを放っておいてまで、凛はμ'sでいたいと、そう思っちゃった。」
たしかその頃のあの人は…怪我だ。怪我で踊れない、ということになっていた。

「その名残がほのちゃん、なんて呼び分けだったんだ。凛はあの廃人みたいなのを穂乃果ちゃんなんて呼べなかったから。」

「悲惨だったにゃ~。出てくることの少なかった真姫ちゃんまで疑われて。もちろんμ's全員薬物検査をさせられたよ。」

「店頭に並んだCDは全部回収、レコード会社からの契約打ちきり、CMに出ていた企業からは軒並みバッシング、事務所からは背信行為で訴えられて道を歩けば石を投げつけられる、そこまで追い込まれたんだ。」

「海未ちゃんなんて律儀すぎて…この言い方は少し変だけど…自宅で首を吊りかけたくらい。」

「凛たちはみんな荒んでたにゃー。薬物報道が落ち着いてみんながμ'sを忘れかけた頃、ひっそり解散会見をして、μ'sは解散したにゃー。」

「やっぱりやるべきじゃなかったのかなぁ。あの時が奇跡で、奇跡なんてそう起こるものじゃなくて。μ'sは思い出として、大切にするものだったのかなぁ…」

「凛がああなってたのは、そのゴタゴタしてたときに、かよちんに手を上げちゃったからなんだけどね…」

「はぁ…今はみんな何をしてるのかな…」
その言葉は…解散以来、会っていないことを示しているのか。どこか遠くを見つめる彼女の顔は、とても寂しげだった。

彼女は俯きため息を一つついて
「つまんない話だったかもしれないけど…聞いてくれてありがとうにゃ!」
などと、作り笑いで言う。

耐えられなかった。
ただ好きだったアイドルの裏側を見たからというわけではない。
廃校を阻止すべく立ち上がった9人の少女たち。その末路が世間に踊らされ絆さえ失った、だなんて。

それじゃあラーメン作りますね、そう言って台所を借りる。声は震えていた。

いつも通りラーメンを作ろうとする。

おっとスープの素入れ忘れた。

まだ麺を茹でてないじゃないか。

あれ?野菜はいつ入れるんだっけ。

思考が安定しない。気が動転している。
パチンッと頬を叩く。仕切り直しだ。

麺は湯を切って一旦放置。

野菜を茹でて麺を突っ込んで装う。
よし、完成。

「今日もラーメンは最高にゃ!」
今度こそ心の底から笑ってくれたようだ。

「…そうだ!ちょっと待っててにゃ~!」
いつの間にかラーメンを食べ終えていた彼女は家の中へ入っていった。
はて、何が始まるのやら。

CDプレイヤーとでも言おうか。
彼女はそんな感じの…ラジカセというと古いか…ものを持ってきた。
いまいち要領を得ずそのまま待っていると
「よーし、始めるにゃ!」
そう言いながら再生ボタンを押す。
なにやら懐かしい前奏。

「♪ちいさなシグナル Rin Rin Ring a bell 聞こえたら うなずいて お返事ください~」

ソロ曲か。癖のある、それでいて可愛らしい、あの頃大好きだった声。
気づけば、涙を流していた。

なんだ、あの頃と比べてもちっとも劣ってないじゃないか。

「あともう一曲だけ練習したにゃ~!」
前奏。ああ、あれか。
ラブライブ決勝でμ'sが歌っていたあの曲。

さっきの曲と比べて振りが激しい曲だ。
しかし、遅れなく、ついていっている。
むしろあの頃よりキレがあるようにさえ見える。

「ふぅ…まだまだだにゃ~…」

十分できていたじゃないか、そう言おうとすると
「バックダンサーをするにはまだまだ足りないにゃ~。体力も…ダンスそのもののキレも。」

そうか…ああやってよくも悪くも有名になってしまった以上まともな社会生活は望めない。
湧き出たやる気を注ぐ先は…芸能界にしかないのか。

「これからも頑張るにゃ!」
満面の笑顔で言う。楽しそうで何よりだ。
それじゃあ、とお辞儀をしてその家を後にした。

あうっ、「完」つけ忘れた…以上です。
いや、ほんと糞SSでした。ゴメンナサイ。
シリアス凛ちゃん難しい。私にはこれが限界です、ダメダメですな。

元の書き溜めてた方見てたらどういうわけか(当時はなにか理由をつけてた気も…)全部にゃー付けになってて完全に別の猫キャラになっていたので慌てて直したとか秘密。

一応続きがあったりするんですけどね。
これよりつまらないから即ボツですね。

再起をかけて頑張る凛ちゃんを応援するが、世間の風は冷たく、
結局凛ちゃんもほのちゃんのようになる所まではやらんのか?

読んでみてもし蛇足だったら
>>38で終わりだったと切り替えられる脳持ってるから
俺は続きみたい

>>41
その発想がなぜか浮かばなかったッ!!
>>42
今度別スレたててやってみます

変なところで安価ミスった…とりあえずHTML化依頼出してきました

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira100987.png
[ゴンベッサ・先原直樹]

ネット上でゴンベッサと呼ばれている、都道府県ssの後書き「で、無視...と。」の作者。
2013年に人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者は自分であると自称し、物議を呼んだ。
詳しくは「ゴンベッサ」で検索

1990年3月30日生 岡山県津山市出身 血液型B型
実家の住所 岡山県津山市大田277-1 電話番号0868-27-1823

騒動から二年以上経った現在も自分のヲチスレに粘着し、監視を続けていることが判明。
【都道府県SS】ゴンベッサ総合★8【先原直樹】→ http://goo.gl/ER3pu5

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