夕立「何もかも吹雪のせいっぽい!!」 (60)

夕立「このままじゃ、夕立たち死んじゃうっぽい…」

睦月「大丈夫だよ、夕立ちゃん。きっと助けがくるはず…」

夕立「本当にっぽい?」

睦月「多分…」

吹雪「どうしてこんな事になったんだろう…」

夕立「何もかも吹雪のせいっぽい!!」


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数日前

赤城「今度、空母のみんなとスキー旅行に行くのですが、吹雪さん達もどうかしら?」

吹雪「はい!ぜひ喜んで!」

睦月「私たちもついていっていいんですか?」

赤城「ええ、大勢の方が楽しいわ」

夕立「わーいっぽい!!」

スキー当日

吹雪「うわあ!見渡す限りの白銀世界!!」

睦月「すっごーい!睦月、感激ぃ!」

夕立「これはパーティするしないっぽい!」

吹雪「あっ!夕立ちゃん速い!」

夕立「ぽいぽいぽーい!」

睦月「夕立ちゃんはしゃいじゃって、まるで犬みたい♪」

加賀「危険だからあまり遠くに行かないようにしなさい」

吹雪・睦月「はーい!!」夕立「ぽーい!」

赤城「あの子たちは元気ね」

加賀「はい、あの子たちを見てると童心を思い出します」

赤城「それでは私たちもさっそく」

加賀「赤城さんもスキーですか?」

赤城「あそこの山小屋のカレーを食べに行きましょう!凄く良い臭いがします!」ワクワク

加賀「本当にさっそくですね…」

夕立「競争っぽい!」

吹雪「夕立ちゃん、速い!私も!」

睦月「待ってー!吹雪ちゃん!夕立ちゃん!」

睦月「こんなに遠くまで来て大丈夫かな?」

吹雪「ちょっとぐらい大丈夫じゃないかな」

夕立「リフトも近くにあるし、さっきいた山小屋も見えるから気にしないっぽい」

睦月「うーん…まあ、大丈夫だよね」

睦月「木の枝なんか拾ってどうしたの吹雪ちゃん?」

吹雪「こうやるんだよ。そ~れとってこーい!!」

夕立「ぽいぽいぽーい!!」

夕立「ハッ!ハッ!持ってきたっぽい…って夕立は犬じゃないっぽい!!」

吹雪「ごめん、ごめん」

睦月「あれ?空が急に暗くなったような…」

吹雪「風もビュンビュンふいてきたね…」

夕立「うわ~!雪もどんどん降ってきたっぽい!」

吹雪「どうしたんだろう?天気予報だとこんなに雪が降るって言ってなかったのに」

睦月「山の天気は変わりやすいみたいだから、気をつけないといけないって言ってたような…」

夕立「ゆ、雪で視界が見えないっぽい!!」

睦月「ど、どうしよう?」

吹雪「このまま立ち止まっていたら危ないよ。とにかく進もう」

睦月「山小屋はどっちの方だったかな?」

夕立「多分、あっちっぽい」

一方、山小屋では…

赤城「ずずず!カレーライスだけでなく、うどんまで美味しいなんて!」

加賀「ずずず!さすがに気分が高揚します」

吹雪「…で、道に迷って、このままじゃ死んじゃう!そんなっ!ダメですぅ!!ってなった時にちょうど良く無人の山小屋を見つけたんだったね」

睦月「この小屋を見つける事ができなかったら、睦月たち危なかったよ。本当に良かった…」

夕立「でも、遭難してしまったっぽい…」

吹雪「そうなんです」

睦月・夕立「…」

吹雪「…ごめん」

睦月「これからどうしよう?」

吹雪「雪が止むのを待つか、救助を待つ以外ないと思う」

夕立「えええ!!このままずっと小屋で待っていないといけないっぽい!?」

吹雪「うん、今、外に出たら危険だよ」

睦月「凄い荒れた天気だもんね…」

夕立「はあー…吹雪さえなければ…」

睦月「本当にそうだね、吹雪さえなければ今ごろ楽しくスキーができていたのに」

夕立「もう!何もかも吹雪のせいっぽい!」

吹雪「ご、ごめんね、二人とも…」

睦月「どうしたの吹雪ちゃん?吹雪ちゃんは謝る事はないよ」

夕立「睦月ちゃんの言うとおりっぽい!全部、吹雪のせいっぽい!」

吹雪「グズッ…本当にごめんなさい、睦月ちゃん、夕立ちゃん…」

夕立「どうして泣いているの吹雪ちゃん?吹雪ちゃんは悪くないっぽい、夕立たちが小屋に閉じ込められているのは吹雪のせいっぽい」

吹雪「ご、ごめんなしゃい…二人に迷惑かけて…ヒック」

睦月「ハッ!」

睦月(夕立ちゃん、夕立ちゃん。“吹雪”が悪いって言ったら“吹雪”ちゃんが悪いって聴こえちゃうよ)ヒソヒソ

夕立「ぽい!?」

夕立「ごめんっぽい吹雪ちゃん!悪いのは吹雪ちゃんじゃなくて、外でふぶいている吹雪の事で…」

吹雪「生まれてきてごめんなさい…」

睦月「吹雪ちゃんは全然悪くないよ!私が遠くに行っても大丈夫って言ったからこうなっちゃったんだよ!悪いのは睦月!」

吹雪「そ、それは違うよ睦月ちゃん!私の方が先に遠くに行っても大丈夫って行ったし、先々歩いて行ったし」

夕立「違うっぽい!悪いのは夕立っぽい!夕立が先頭だったし、適当なところを進むよう言ったのも夕立っぽい!」

睦月「違うよ、悪いのは睦月!」

吹雪「違う!私だよ!」

夕立「夕立っぽい!」

睦月「違うよー!」吹雪「私だよー!」夕立「ぽいー!」

ワーワーワー

吹雪「…アハハハ!何だか馬鹿みたいだね。こうやって、自分が悪いって言い合って喧嘩したりして」

睦月「うん。こんな事で体力を使うのは良くないよ。こういうピンチの時こそ仲良くしないとね!」

夕立「まったくそのとおりっぽい!全部、吹雪のせいにしてしまったら楽っぽい!」

夕立「あっ」

吹雪「…」ズーン

睦月「夕立ちゃん!!」

夕立「ごめんなさいっぽい」

睦月「これからは区別するために外でふぶいてる吹雪の事を『ブリザード』って呼ぶ事にしようよ」

吹雪「ブリザード!」

夕立「それ良いアイディアっぽい!」

夕立「全部悪いのはブリザードなんだから気にしなくて良いっぽいよブリザードちゃん」

吹雪「…」

睦月「夕立ちゃん!わざとでしょ!」

一方、山小屋では…

赤城「うーん!外がふぶいている中、山小屋で食べるアイスも最高ね!」

加賀「補給は大事」

蒼龍「赤城さーん!吹雪たちが見つからないんです!」


睦月「はぁ…寒くなってきた」

吹雪「この無人の小屋にはストーブもヒーターも無いのが辛いね」

夕立「コタツで丸くなりたいっぽい」

吹雪「夕立ちゃん、それは猫でしょ?」

夕立「夕立は犬でもないっぽい!」

吹雪「寒い…何だか眠たくなってきちゃった…」

睦月「吹雪ちゃん!」

夕立「これは危ない状態っぽい!」

睦月「吹雪ちゃん、起きて!!」バシッ

吹雪「川内さん…深夜に夜戦だって起こすの止めて…」

夕立「マジでこれは危ないっぽい!」

睦月「吹雪ちゃん、寝ちゃ駄目ぇえ!!死んじゃうよ!!」

加賀「すぐに救助隊が来てくれるように頼みました」

赤城「私のせいだわ…保護者であるのに、吹雪さんたちを放置するなんて」

加賀「赤城さんのせいではありません、これは不幸な事故です。吹雪のせいですよ」

赤城「そんな!?加賀さんは吹雪さんの自己責任だというの?」

加賀「えっ?あっ…いや、そうではなくて」アタフタ


睦月「吹雪ちゃんは助けるにはこれしかない…」

夕立「睦月ちゃん!?寒すぎて頭がおかしくなったっぽい!?」

吹雪「…あれ?何か暖かいものが身体を包んでいるような…」

吹雪「うぇっ!?睦月ちゃんが裸で私に抱きついてる!!??」

吹雪「っていうか私も裸になってる!?」

睦月「ハァ…ハァ…良かった、吹雪ちゃんが目を覚ました///」

吹雪「え!?何で!?何が起きてるの??」

睦月「雪山で遭難したら、濡れた衣服を脱ぐの…。そして裸になり抱き合って身体を暖め合うのが良いんだって///」

吹雪「いや、でも!こんなの、ダメだよ///」

睦月「仕方がないよ。吹雪のせいなんだよ…」

吹雪「…それは私のせい?外の吹雪のせい?」

睦月「…どっちでも良い」

夕立「ふ、吹雪ちゃんと睦月ちゃんが!そんなんどーだっていいから吹雪のせいにして暖め合おうってしてるっぽい!!」

睦月「ハァ…ハァ…吹雪ちゃん…寒くなくなった?」

吹雪「ハァ…ハァ…うん。暖かくなった…」

吹雪「睦月ちゃんの身体、暖かいね///」

睦月「吹雪ちゃんと一緒にいるからだよ///」

夕立「うわああああ!!!女の子同士で裸で抱き合うなんておかしいっぽいー!!」

吹雪「待ってー!!夕立ちゃん!」

睦月「今、外に出ると…」

夕立「うわあああああ!!!!」

夕立「寒い、寒い、寒い、寒いっぽい…」ガクガクブルブル

睦月「夕立ちゃん、大丈夫?」

吹雪「すぐに暖めないと!」

夕立「走馬灯が見えてきたっぽい…」

時雨(雪は、いつか止むさ…)

夕立「時雨…」

時雨(だから、それまでの辛抱だよ夕立…)

夕立「そうだ…生きるんだっぽい…」

夕立「吹雪ちゃん、睦月ちゃん…夕立も参加するっぽい…」

赤城「私達も救助隊と一緒に吹雪さん達を探しましょう!」

加賀「それは無謀だと思います、二次遭難の可能性があるのでは?」

赤城「仲間が危機の時に動かなくて何が一航戦ですか!」

加賀「…わかりました。私もお付き合いしましょう」

赤城「吹雪さーん!睦月さーん!夕立さーん!」

加賀「見て下さい!赤城さん!あそこに吹雪さん達のスキー板が!」

赤城「この近くにいるのかしら…」

加賀「あっ!山小屋を発見しました」

赤城「行ってみましょう!」

赤城「吹雪さーん!!」

赤城「えっ!?」

加賀「な゛っ!?」

吹雪「ハァ…ハァ…何だか…暖かいどころか熱くなってきたね///」

睦月「うん…それだけでなく身体のどこかが気持ち良くなってきた気がする///」

夕立「ハァ…ハァ…友達同士で身体を触れ合うって楽しい事っぽい///」

吹雪「あっ…赤城先輩と加賀さん…」

加賀「あなた達、裸で何をしてるの!?」

吹雪「身体を暖めようと思って…」

赤城「そうでしたか…」

赤城「とにかく無事で良かった…」

加賀(三人の痴態を見てると無事とは思えないわ…)

吹雪「…赤城先輩、心配かけてごめんなさい」

加賀「まったくです」

吹雪「加賀さんもごめんなさい…」

赤城「まあ、良いじゃないですか無事に救助できたんですし」

夕立「助かったっぽい!」

睦月「もう少し、このままでも良かったのに…」ボソッ

吹雪「え」

赤城「それじゃあ、帰りましょうか」

吹雪「はい!」

赤城「…」

加賀「赤城さん?」

赤城「私たち、どこから来たかわかりますか?」

加賀「え」

睦月「救助隊の人とかはいないんですか?」

赤城「…途中までは一緒にいたのですが、はぐれてしまいました」

吹雪「携帯電話はどうですか?」

加賀「電波が届かないみたい」

夕立「うわあ!また、振り出しっぽい!」

赤城「ごめんなさい、みなさん…」

赤城「寒くなってきましたね…」

加賀「はい…」

赤城「…吹雪さん?」

吹雪「はい?」

赤城「私たちも脱いで暖め合う事にします」

吹雪「本当ですかー!」キラキラ

加賀「え!?」

赤城「加賀さんは嫌かしら?」

加賀「い、嫌ではないです…むしろ赤城さんとなら///」

睦月「また、吹雪ちゃんと暖め合える!」

夕立「もう夕立は戻れないっぽい…」

この後、救助が来るまで5人で滅茶苦茶暖め合った。


終わり

最後まで読んでくれてありがとうございました。

それではおやすみなさい。

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