少佐「私は、貴方の様になりたかった」 (15)

吸血鬼将校「くそっ!やめろ!」

ペンウッド「いやだ!」

これでさよならだ、今からそっちに逝くよ。
アーサー。

私は臆病者で、無能な男だった。
そんな私が、国を護る為に死んだと言ったら、アーサーは信じてくれるだろうか。

ペンウッド「そんな頼みは、訊けないね」カチッ











ギイィィィッ

easy「まったく…本来はアンタなんかに用はないんだけど…」

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ペンウッド「な、なんだ君は!!というか…え?何だこれは!?」

爆破スイッチを押したはずなのに…何故私はまだ生きているんだ!??

easy「あ~も~、ぎゃあぎゃあウルサイ。アンタもう死ぬんだけど、アンタに会いたいって奴が居るのよ。ほら、行くわよ。」

ペンウッド「え?う、えぇええぇ?!吸い込まれる!なんか吸い込まれる!?」ギュオオォオオ

easy「あの[ピザ]、私をパシリにするなんていい度胸してるわ。」

easy「ほら、連れてきたわよ。ホントにコレで、エンズに入るんでしょうね?」

???「それはまだ判らんさ。フロイライン。私は、彼と話をしてから決めると言ったんだ。」

ペンウッド「え?何?誰なんだ君は?」

少佐「初めまして、ペンウッド卿。私は、ミレニアムの指揮官をしていた者だ。」

ペンウッド「…き、貴様!!貴様には!!い、い、言いたい事が山ほどあるんだ!!」

そう、この男には言いたい事が山ほど…

ー第二次大戦中ー

アイランズ「で、一体何の用なんだ?アーサー。今、いったいどれほどの状況であるか、理解出来ない貴様ではあるまい?」

アーサー「相変わらず堅い奴だな、アイランズ。ほれ、スコッチでも呑めや。」

アイランズ「あのな、アーサー。俺は、無い時間を割いてまで来たんだぞ…」

ペンウッド「まあまあ、きっとアーサーも重大な何かがあるから、僕達を呼んだんだよ…」

ペンウッド「……また、無茶な要求じゃないだろうね?」

アーサー「へっ…鋭いじゃねぇかペンウッド。取り敢えず、コイツを見てくれ。」

アイランズ「…何だこれは?…酷いな…」

ペンウッド「一体何が…ウッ!?」

あの時の光景は、今でも思い出すよ。
アーサーが見せたのは、何枚もの写真だった。

それも死体が大量に写された写真で…

アーサー「これに写ってんのは、只の写真じゃあねぇ。」

アーサー「吸血鬼化の実験に利用された挙句失敗して、破棄された者達だ。」

アイランズ「…なるほど。我々が扱う事柄が、君の管轄に触れたというわけか。」
アイランズ「相手は?」

アーサー「当然、ナチのクソどもさ。連中、捕虜を片っ端から実験道具にしてやがんのさ。それに、ユダヤ人も捕らえまくってる。」

アイランズ「連中の目的は?」

アーサー「んなもん決まってんだろ?奴らは兵士を吸血鬼化して、不死の軍団を作る気なのさ。」

只の写真✕

只の死体○

アイランズ「…確かに、そいつは厄介だな。どう対処する気だ?アーサー。」

アーサー「なぁに、お前さんらには、チョーっと書類を書いてもらいたいんだよ。」

アーサー「ペンウッド、お前は適当な戦闘機やらヘリやら、なんでもイイから飛ぶ物を用意しろ。」
アーサー「アイランズは、適当な作戦をでっち上げて、それを通してくれ。」

アイランズ「…まったく…で、人員は何人居る?そして航空機や武器、弾薬は?」

アーサー「人員?そうだなぁ、強いて言うなら"一人か二人"でいい。航空機を操縦する奴と、その予備人員だ。あとは、俺達"HELLSING"の仕事だ。」

アイランズ「バカを言うな!!そんな少数で、ナチの巣に兵士を飛び込ませるだと!?キサマ、兵を何だと思っている!!」

アーサー「ったく、ホンっとに頭堅ぇ奴だな。運んでくれさえすりゃあ、後はこっちでやるっつってんだよ。それとも何か、わざわざ実験用の人間を大量にくれてやるつもりか?」

アイランズ「バカを言うな!!お前の提案がフザケているから、こうして正そうと…」


アーサーがアイランズの怒号をいなし、それを私が止める。
いつもは、そんな感じだ。

でも、この日は違ったんだ。
何故なら、ボードに貼り付けられた写真に写っていたのは…

まだ、こ、こ、子供の…

ドン!!

アーサー、アイランズ「!?」

ペンウッド「…グスッ…分かった、ヒック…サイン、ウッ…するよ…アーサー。」

アイランズ「…正気なのか?ペンウッド。」

ペンウッド「グスッ……正気さ。このままじゃあ、犠牲者がもっと増えてしまう。だったら、僕は…それを止める可能性があるなら、それに賭けるよ。」

アイランズ「……いいか、ペンウッド。今はまだいい。被験者の肌の色を見れば、殆どが黒人だ。白人も、ユダヤ人だけだろう。まだ、英国への被害には殆ど及んでいない。今は、然るべき兵装を整え、作戦の成功率を上げるべきなんだ。」

アイランズ「もし!!この作戦が失敗すれば、英国にも被害が及ぶのかも知れんのだぞ!!」

ペンウッド「だから!!まだ見過ごせと言うのか!!」

アイランズ(…コイツ…こんな顔もするのか…)

ペンウッド「ぼ…僕は無能だ。そして臆病者で、卑怯な男だ。アーサーが見せてくれた写真を見て…い、憤ってみたところで…で、出来るのは書類にサインするだけだ。」

ペンウッド「自分では何も出来ないから…友を…頼るしかない卑怯な男だ。」

ペンウッド「今までだって、家柄があったから生きてこられた…何故なら"貴族"だからだ。」

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