【モバマス】これからも可愛い君と【輿水 幸子】 (28)

モバマスSSです

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「素敵なお店でしたね、プロデューサーさん!」

「フフ、そういってもらえたなら光栄です」

そう言った後の少しの沈黙

「……幸子さんがよろしければこの後は大丈夫でしょうか? お話ががあります」

微笑を浮かべて手を差し出した

「フフッ」

そう微笑み彼女は僕の手を掴み

「楽しみにしてますよ?」

そして彼女は眩しすぎるくらいの笑顔で僕の誘いに応えた

――

彼女との出会い

第一印象は非常に衝撃を受けた

「輿水幸子です。ボクはどのアイドルよりカワイイですから、安心してください!トップアイドルの座は約束されたも同然です!プロデューサーさんがちゃんと働けば、ですけど!」

彼女は得意な顔で俺のことをまっすぐにみてそう言いました

僕はとても驚いきました

僕は自分のことをここまで自信をもってカワイイなんていう女の子なんて初めてでしたし

まさか初対面で僕に働いてくださいなんて言われるとは思いませんでした


そして次に驚いたことはボクと彼女は自身のことを言いました

僕が今まで会ってきた女の子は自分のことを「私」「うち」または幼い子だと自分の名前で自分のことをいう子たちばかりでした

だから「ボク」という一人称はすごく新鮮でしたよ…

「……」

「プロデューサーさん? 困りますねぇ…、いくらボクがカワイイからってそんな固まってたら」

「ああ、これは失礼。 あなたの溢れ出る可愛さに感動してしまいました」

「えっ!? ああ! 流石です! ボクの魅力に気づくなんて!」

「では改めまして…よろしくお願いしますね輿水さん」

「ええ、ボクのほうこそお願いします」

これが僕たちの出会いでした

このとき言ったことは本心です 僕の目にはそれだけ彼女が魅力的にみえました

――

そこから彼女、輿水 幸子は順調にデビューしていきました

彼女は持ち前の可愛さ、そしてそれを自信をもって全力でアピールし

順調にファンも増え、出演する機会も多くなりました

僕も彼女もどんどん忙しくなっていった

でもどんなに忙しくてもできるだけ彼女とは話すようにしていたし、彼女も僕に話しかけてくれた

「幸子さん、調子はどうでしょう?」

「フフーン! もちろん絶好調ですよ!!」

「なら安心です」

「プロデューサーさんもボクのために無理しない程度に無理してくださいよ?」

「それは…難しいですねぇ」

そんないつも通りの会話も僕には大切な時間でした

――

「ボボッボ、ボクはてっ、ててて天使なのでそ、そそ空から舞い降りますが、ま、まっままさか本当に降りることになるとは、おっ、おお思いませんでしたよ!
き、きき聞いてますかプロデューサーさん!」

「ええ、もちろんきいてますよ」

「か、代わってあげてもいいですよ! ボクは優しいので!」

「お気持ちは大変嬉しいですが…生憎僕には用意していただけませんでしたので」

「ボ、ボボクのを貸してあげてもいいんですよ!?」

「サイズが合いません。 ところで幸子さん? 外に面白いものがありますよ?」

「な、なんですか?」

バッ!!

「へ?」




















「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「健闘を…」グッ

…時々こんな風にじゃれあうこともありました

――

それからもずっと僕は彼女と二人三脚ですごしました

彼女が実は泳げないと打ち明けてくれたときは僕が水泳を教えたり

少しミスをしてしまい落ち込んでしまった私に渇を入れて頂いたり

彼女が友人を連れてきて映画をみんなで観たこともありましたよ


……できればもうホラー映画は勘弁していただきたいです

その後で食べたキノコ料理は非常に美味でしたが

ともかく、僕と彼女はお互いを支えあって共に歩んできました

僕も彼女の姿を見て頑張ろうと思ったことも何度かありますし、彼女も時々僕に甘えてきてくれました



……そして彼女の18歳の誕生日を迎える一月ほど前に彼女はいいました



「次のライブ…それをボクの最後のステージにさせてください」

彼女の決心は固く、僕もそれを止めることはしませんでした

ですが彼女は何故引退しようと思ったのか

理由を私は聞きました

「……ごめんなさい」

そう俯きながら


「全部終わってから、話させてください」

――

それからは本当に忙しかった

彼女の誕生日に引退ライブが決まり各所との打ち合わせに追われました

このときばかりは僕たちはなかなか話すことができませんでした

彼女がなぜ僕に理由を話さなかったかはわかりません

ですが彼女を僕は信じていました

初めて会ったときから僕のことを真っ直ぐみつめてきた彼女を信じて待とうと


そして彼女は18歳を迎え

最後のライブを笑顔でやり遂げた

――

「……最高のステージでした」

「当然です! いつだってボクはカンペキですからね!」

「思わず泣いてしまいました」

「まったく…目潤んでますよ」

「……これは、失礼しました」

「……プロデューサーさん、これから行ってほしいところがあります」

「……わかりました。ですがもう夜です。あまり遠くは無理ですよ?」

「はい、…ありがとう、ございます」

――

そうして僕は彼女に案内され車を走らせました

彼女の顔はよく見えなかった

彼女が僕に何を伝えようとしているのか

どんな表情をしていたのか

…おそらくこの先で解答がわかるのでしょう

――

彼女に案内されて連れてこられたそこは

私がみたことがないような美しい空が広がっていた

まるで物語の中にいるような、そんな錯覚を覚えた

「きれいですね…長いことこっちにいましたがこんな場所があったとは」

「……昔に家族と来たんですよ、僕が初めてライブをしたその日の夜に連れてこられて」

「パパもママも抱きしめてくれて…すごく暖かくて、ボクの大切な場所なんです」

「…嬉しいです、そんな大切な場所を……」

「……」

その後二人は沈黙し、静寂が二人の間を流れる

そして長い静寂の末

「……ボクがですね」

そしてその静寂は終わりを告げる

「アイドルをやめようと思った理由は2つです」

「ボクはボクが思っていたよりもずっとずっと、いろんなことをさせてもらえました」

「そうしてファンのみなさんにボクのカワイさを知ってもらえました」

「嬉しかったです」

「プロデューサーさん、あなたがずっとボクを導いてくれたからです。だからボクはこんなに輝けました」

「……そんなあなたをみていたからでしょう。ボクもどんな形になるかはわかりませんが誰かを輝かせたくなりました」

「ですので、これからは勉学に集中してボクも誰かを輝かせるお手伝いがしたくなりました」

「これが一つ目です」

「……そうですか」

「応援してますよ、幸子さん」

「はい…、……そして二つ目はですね」

そういって彼女は少し前に進み、僕の方へと振り向いて

僕の目を強く見つめて



               「どんな人よりも、アナタに可愛いって言ってもらいたいんです…!」


――

「それから…6年経ったんですね」

「あの告白はずるいですよ…あそこまで覚悟をみせられたら僕も引けません」

「むっ、なんだか私が脅してるみたいじゃないですか」

「まさか…! 正真正銘あなたに惹かれて僕はあなたを選びました!」

「フフッ、知ってますよ、プロデューサーさんのことですから」

「幸子さん…わかってて言いましたね」

「もちろん」

相変わらず言ってくれますねこの人は…

本当に…面白い人だ

「それにしても幸子さんがトレーナーになられるとは」

「プロデューサーさんの次に感謝してる方たちがトレーナーの方たちだったんです。だから私が魔法をかけるならこの立場かなと」

「プロデューサーになろうとは?」

「さすがにお互いプロデューサーだと会いにくいじゃないですか、いまでもプロデューサーさんとなかなか会えないですし」

「それは…すいません」

「私も忙しいですしお互い様ですよ」

「ありがとうございます」

「それで…そろそろ教えてください。ここに私を連れてきた理由を」

いつからか彼女はボクと言わなくなりました

いつからか彼女は綺麗になりました

そして出会ったあの日から彼女はずっと可愛い人でした

そんな彼女に僕は惹かれました

そんな彼女に僕は支えられました

そして出会って10年経った今も、僕は誰よりも彼女が大好きです


ですから今度は僕から伝えようと想います

彼女から想いを告げられたこの場所で



「幸子さん…いえ、幸子」

「僕の…」

僕のそばに一生いてください

誰よりも可愛くて

誰よりも綺麗で

誰よりもあなたを愛しています

以上になります。ここまで読んでくださってありがとうございました

最近未来のSSをよくみて自分も挑戦しようと思いました

あと昨日投稿したこちらもよろしくお願いします

【モバマス】目覚めたキモチ
【モバマス】目覚めたキモチ - SSまとめ速報
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