ルルーシュ「何だお前は…?」 ケロロ「ケロロ軍曹であります!」(30)

―地下鉄―
ルルーシュ(やっとトレーラー止まったか…、今の内に…) スッ

???「…」
ルルーシュ「!」 ハッ

ガッ

ルルーシュ「ッ…!」

???「殺すな、これ以上…!」

ルルーシュ「(ブリタニア軍か!?)何の…事だ…?」

???「とぼけるな!毒ガスなんか持ち出して!」

ルルーシュ「毒ガスだと?このトレーラーに積んでるのはブリタニア軍の物じゃないのか?」

???「お前…」

ルルーシュ「俺なら、こんな物を使わずともブリタニアをぶっ壊す!!」

???「ルルーシュ…?」

スザク「ルルーシュ…、僕だ、スザクだよ」

ルルーシュ「お前…!ブリタニアの軍人になったのか…」

スザク「そうだよ、それよりもルルーシュ、何故此処に?まさか君が…」

ルルーシュ「それは―」

シュゥゥゥ
スザク「まさか毒ガスが作動した!?」
シュゥゥゥ

ゲホゲホ

ルルーシュ(ん?咳き込み?)

「あ~酷い目にあったであります…」

ルルーシュ「……答えろよスザク、これが毒ガスか?」

スザク「いや、まさかこんな…」

「いやぁ~、助かったでありますよ~、出来れば縄も外してくれると…」

ルルーシュ「何だお前は…?」

ケロロ「我輩はケロロ軍曹であります!!」 ビシィ

スザク「カエルが喋ってる…」
ルルーシュ(ブリタニアは喋る生物でも開発していのか…?)

パッ

ケロロ「うおっ、眩し」

ルルーシュ(くっ…!何だっ!?)

親衛隊長「猿が…、ここまでの権利を与えていないぞ」

スザク「しかしこれは毒ガスと聞いていたのですが…」

「抗弁の権利はない、だが功績を評価し慈悲を与えよう。 枢木一等兵、これでテロリストを射殺しろ」 スッ

スザク「彼は違います!巻き込まれた一般人です…!」

「貴様…、ブリタニアに忠誠を誓った兵士だろう?これは命令だ」

スザク「それは……ですが出来ません」
「何だと?」

スザク「自分は出来ません、民間人を撃つようなことは」

「そうか…、では死ね」 スッ
パァン
ルルーシュ「スザクッ!?」

ドサッ

「ふん、猿が……見たところ、ブリタニアの学生か…?不運だがあの生物を捕獲した後、学生を殺せ」

親衛隊員「イエス、マイ・ロード」 チャキ

ルルーシュ(クソッ…終わりなのか…?)


――ドオオオオン


「何だ、爆発か!?」

「隊長、崩れます!」

ルルーシュ(逃げるなら、今しか無い!)

ルルーシュ「行くぞ、お前も来い!」

ケロロ「ゲロッ!?」

バトレー『逃がしただと?それでも親衛隊か!!』
「も、申し訳ありません、トレーラーが爆発し岩盤が崩れてしまい…」

バトレー『何故お前達だけにアレの存在を教えたと思っている!』

「た、探索を続行します…」

―地下―
ルルーシュ(何なんだ、この状況は…、スザクまでも失い、俺は追われている…最悪じゃないか)

ケロロ「不味い状況でありますな…」

ルルーシュ「一体誰のせいだと思ってる!?」

ケロロ「ゲロッ!?」

―地上―
ルルーシュ「ようやく出て来れたか…、いいか?お前はここで待ってろ」
ケロロ「分かったであります!」

ルルーシュ「…」キョロキョロ

―――――――――
隊長「奴等は見つかったか?」

隊員「いえ、イレブンしかいないようです」

「そうか、引き続き探索を行え」
―――――――――
ルルーシュ(此処は駄目か、他のルートを探すか…?)

ピリリリリ

ルルーシュ(不味い…!?最悪なタイミングで携帯が鳴るとは……!) ピッ

「……どうやらネズミが二匹隠れていたようだな、捕らえろ」

ルルーシュ「ぐっ…」

ケロロ「ゲロ~」

「学生にしては頑張ったな、流石はブリタニア人だ」

「だが、それももうお仕舞いだ、お前の未来は今…終わった」 チャキ

ルルーシュ「何だこれは……スザクも、この得体の知れない奴も終わるのか?、俺も何一つ出来ないまま、あっさりと……ナナリー!!)

ケロロ「……」 スッ

ルルーシュ「!」

ケロロ(聞こえるでありますか、ペコポン人の少年)

ルルーシュ(これは…?テレパシー…なのか?)

ケロロ(似たような物でありますな、我輩の仲間が喋るのが面倒だからといって開発したものであります)

ルルーシュ(仲間…?それに独自の技術を持っているのか)

ケロロ(それについては、また後で話すとして…)

ケロロ(今は、この状況を抜け出す為に力を貸して欲しいのでありますよ)

ルルーシュ(何か手があるのか?)

ケロロ(これを…)スッ

ルルーシュ(これは……、コンタクトレンズ?それも片方)

ケロロ(ただのコンタクトレンズでは無いのですよ、相手の目を見て命令するだけで強力な催眠術がかけられる優れものなのであります!)

ルルーシュ(ほう…それは便利だな、だが……何故自分で使わない?)

ケロロ(……コンタクトレンズ苦手なんだよね、痛いしさぁ)

ルルーシュ(そんな理由か、しかし……いいだろう、結ぶぞ!その契約!) スッ

「ん?どうした、命乞いでもするのか?」

ルルーシュ「なぁ…ブリタニアを憎むブリタニア人はどう生きれば良い?」

「貴様は何を言っているんだ?」 チャキ

ルルーシュ「どうした撃たないのか?相手は学生だぞ。それとも気づいたか?撃っていいのは撃たれる覚悟があるヤツだけだと…」

「なっ、何だ!?」

ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる 貴様達は――」

ケロロ(記憶を消すのであります!)

ルルーシュ「し――俺達の事を忘れ、ここから立ち去れ!!」

「イエス・ユア・ハイネスっ!!」タッタッタッ

ルルーシュ「助かったよ、ケロロ軍曹。君のお陰で俺は手を汚さずにすんだ」

ケロロ「そういう血生臭いのは苦手でありますからなぁ、平和的に解決するのが一番でありますよ」

ルルーシュ「そうだな……」

ルルーシュ(あの日から、俺はずっと嘘を付いていた。生きているって嘘を…名前も嘘、経歴も嘘……嘘ばっかりだ。
まったく変わらない世界に飽き飽きして、でも嘘って絶望で諦めることもできなくて……だけど手に入れた、力を………)
ルルーシュ「だから…」 ニヤリ

ケロロ「ん?何か言ったでありますか?ルル殿」
ルルーシュ「何でも無いよ、行こう軍曹」

ケロロ「ハイであります!!って何処に?」

ルルーシュ「ここから出よう、ブリタニアの奴等はまだ俺達を探しているかも知れないからな」

ケロロ「分かったであります!」

ルルーシュ(此処は日本人の居住区だろうか…?、少し距離はあるが、学園まであと少しか…?)

ケロロ「瓦礫だらけでありますな~事前情報ではペコポンの日本は平和だと聞いていたのでありますが…、軍隊までいるとは…」

ルルーシュ「……まさか知らないのか?」

ケロロ「何をでありますか?」

ルルーシュ「日本は当の昔に名を変え、ブリタニアにエリア11という名の植民地にされてしまったんだ」

ケロロ「……はぁ?植民地でありますか?まっさか~、我輩達の他に侵略をしている奴がいるなんて~」

ルルーシュ「……」

ケロロ「え…?マジ?」

ルルーシュ「マジだ」

ケロロ「ゲロ~…こんなに瓦礫だらけと言うことは、余程強力な兵器を使ったということでありますか?」

ルルーシュ「そうだな…、あれが投入されてから戦局は大きく変わったと聞いている」

ケロロ「ほう…、興味深いですな…、アレとは一体…?」

ルルーシュ「それは――」

『そこで何をしている!』

ルルーシュ「ッ!?」

ケロロ「あれは、ロボット…?」

ルルーシュ「そうだ、あれがブリタニアの人型兵器ナイトメアフレームだ…!」

シュゥゥゥ ガシャ

「見た所ブリタニアの学生のようだが、ここで何を?」

ルルーシュ「……(まさかこんなにも早く見つかるとはな…、だが降りてきてくれたのはラッキーだったな)」

ケロロ「すっげえぇぇ!!かっけえぇぇ!」

「なっ!?何だ、この生き物は…喋ってる…!?カエル…なのか?」

ケロロ「カエルとは失礼な!我輩はケロロ軍曹でありますよ!」 プンスカ

ルルーシュ「軍曹、話は後だ。……全てを忘れろ」 キュイイイン

「!?」ガクッ

ルルーシュ「よし軍曹、このナイトメアでここから抜け出すぞ」

ケロロ「分かったであります!……ゲロゲロリ、ねぇねぇ、我輩が操縦しても良い?」

ルルーシュ「何?操縦出来るのか?」

ケロロ「大丈夫、似たようなのは扱った事があるのであります!」

ルルーシュ「そうか…、なら任せよう(兵器を扱った事がある…、軍曹…軍人なのは間違い無さそうだが…、本当に得体の知れない奴だ…)」

ケロロ「はぇ~中は狭いでありますなぁ」

ルルーシュ「そうだな、乗り心地は悪くないが…」

ケロロ「えぇ~と、これはここでここをこうすれば…OK、ルル殿動くでありますよ?」カチャカチャ

ルルーシュ「あぁ、頼む」
ケロロ「よし、ケロロ行っきまーす!」

ガシャ ウイィィン

ケロロ「う~ん、ローラー移動もいいものでありますなぁ、ねぇルル殿?」 ニコニコ

ルルーシュ「……」

ケロロ「ルル殿?」

ルルーシュ「……ん?あぁすまない」

ケロロ「……何か考え事でありますか?」

ルルーシュ「……あぁ、レーダーを見てくれ」

ケロロ「ふむ……ここに映っているのは他のナイトメアでありますな?」

ルルーシュ「そうだ」

ケロロ「…あり?一つだけ動きがおかしいのが…」

ルルーシュ「無線から傍受した内容によると、今ブリタニア軍は戦闘中らしいが相手は一機らしい」

ルルーシュ「恐らく、今レーダーに映っているそれがそうなんだろう」

ケロロ「多勢に無勢で押されているように見えますな…」

ルルーシュ「……軍曹」

ケロロ「……ルル殿、我輩少し用事を思い出したであります、少し寄り道をしてもよろしいですかな?」

ルルーシュ「……偶然だな、俺も同じく用事を思い出した所だ」

ケロロ「そうでありますか」 ニコッ

ガキィィィン
???「くそっ、しつこいよアンタ達!!」

「諦めろ、そんな旧式で私のサザーランドに敵うわけが無いだろう!」

???「ブリタニアがぁ!!(このままだとまずいね…)」

ブツッ ザー

『聴こえるか?そこの赤い機体の搭乗者よ』

???「…誰だい?ブリタニア軍じゃ無さそうだね」

『どうやら苦戦しているようだな』

???「分かってるなら助けて欲しいね、何処か見てるんだろ?」

『良いだろう、だが今すぐに救援には向かう事は出来ない、今から指定する場所まで奴等を誘導してもらえないだろうか?そこで合流しよう』

???「アンタ、この状況で無茶を言うんだね」

『このままじり貧状態で死ぬのを待つよりかはマシだとは思うが、どうだろう?私を信用して貰えないだろうか』

???「……良いよ、さっさと場所を言いな」

『…あぁ、場所は―』

???「――ここか!」

謎の男?からの指示に従い、ようやく目的地へ。指示通りその場で待機をするが――

???「ここは……」

「ようやく追い詰めたぞ、イレブン共よ」

状況は最悪、着いた先は行き止まり、途中味方二機が合流するもブリタニア軍は十機と数の利がある

「死ぬが良い…!」

???「………ッ」

ダダダダダダ



???「………?」

「き、貴様何をしている…!?」

???(仲間割れ…?行動するなら……今?)

『待て、そこから動くな、巻き込まれるぞ』

???「何故…?」

『直ぐに分かる』

直後、地震にも似た揺れを感じる

???(こんな時に地震?いやタイミングが良すぎる……まさか!)

先程何故一機のサザーランドが乱射したのか、不思議であった、単なる威嚇射撃では無かったのだ

ズズズズズ

「た、建物が…!ぐあああっ!?」

ドミノ倒しの如く建物が崩れ行く、それに巻き込まれる形でブリタニア軍は壊滅状態に陥った――ただ一機を除いては

???(凄い……、あっという間にブリタニア軍が壊滅しちゃうなんて…)

「ば、馬鹿な我が部隊が壊滅するとは……!」

「流石、指揮官機なだけはあるな」

???(あれはさっきのサザーランド…?声から察するに通信してきた男か…)

「貴様、ブリタニアを裏切ったのか!?」

「元から軍に入った覚えは無い」

「くっ…、卑怯な…!」

指揮官機は機体の損傷激しく残された機能は通信のみであった

ルルーシュ「ふぅ…、まさかここまで上手くいくとはな、流石だ軍曹」

ケロロ「いやいや、ルル殿の手際の良さがあってこその成功でありますよ~」

作戦は成功した、後はこの指揮官機もとい中のパイロットの処遇を決めかねていた

ルルーシュ(殺すには惜しい情報源だな、ここは捕虜にすべきか…?)

ルルーシュ(ここは自称軍人の軍曹にも訊くべきだろうな…)
ルルーシュ「軍曹…」

ケロロ「……」

ルルーシュ「軍曹?」

ケロロ「ゲロッ!?何でありますかっ!?」

ルルーシュ「あのパイロットをどうするべきか聞こうと思ったんだが……大丈夫か?」

ケロロ「ゲロ~、先程から嫌なプレッシャーを感じるのですよ~」

ルルーシュ「ほう…?」

ケロロ「ルル殿、我輩達は撤退したほうが良いのでは…?」

ルルーシュ(演技では無いようだ、何らかのプレッシャーを感じているのは間違いないのか…)

ルルーシュ「……」
カチッ

ルルーシュ『この男の処遇は君達に任せる、好きにしてくれ』

???「了解、助かったよ。アンタはこれからどうするんだい?」

ルルーシュ『……また会おう』
ブチッ
キィィィィン

???「ちょっと何処に!?……変な奴だよ全く」

ルルーシュ「…さて、これからどうすべきか」

ケロロ「ゲロ~、我輩は少し休みたいでありますよ~」

ルルーシュ(このままブリタニア軍指令部まで行くのは簡単だろうが、軍曹と同じく俺も疲れたな…)
ルルーシュ「帰ろうか、軍曹」

ケロロ「はいであります!……って何処に?」

ルルーシュ「俺の家さ」

ルルーシュが去ってから数分後、入れ違いに一機のナイトメアが場にやって来た

ギィィィィィン
???「くっ、全滅か…?」

周囲を見渡すがナイトメアの形を保った物は無く、辺りは残骸のみであった――だが、そこから一人の男を救出する

???「ご無事ですか?ジェレミア卿!」

ジェレミア「くっ……!助かったぞ、礼を言う」

ジェレミア「貴様、名をなんと言う?」

スザク「スザク、枢木スザク准尉であります」

スザクは偶然にも生きていた、彼を銃弾から守った懐中時計は時を止めてしまったが

命をとりとめたスザクはトレーラーに運ばれ、ここで特派と呼ばれる面々に会い、そこである契約をする

スザク(世界で唯一の、第七世代ナイトメアフレームの搭乗者になること…)
スザク(あの人が言ったように、乗れば変わるのだろうか…、俺も世界も…)

スザク「ジェレミア卿、軍指令部までお連れします!」

ジェレミア「あぁ…、助かる…」

ジェレミア(この男…、名誉ブリタニア人か?何故新型ナイトメアに乗っているのだ…、軍は何を考えている…?)

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