ザコプロ「世の中不平等だよなぁ」雅「だよねぇ」(21)

ザコプロ「努力は報われるとかいうけど嘘っぱちだよなそれ」

雅「………」

ーーー
ザコプロくんは努力家だ。ボロいアパートでバイトもしながら妹弟を育てている。それに野球だって上手くなろうと頑張って来た。

でも。

実況「打ちましたぁ!四番パワプロ見事なホームラン!これでパワプロ高校のリードは7点に広がりました!」

実況「試合終了!7-0、圧倒的な勢いでパワプロ高校春夏連覇達成!」

解説「四番のパワプロ、エース早川、守護神橘、そしてキャッチャー六道と2年生ながら素晴らしい活躍ですね、来年も優勝出来るんじゃないでしょうか。」



美味しいところはみんなパワプロくんが持って行った。

パワプロくんに罪がある訳ではない。もちろん努力をしている。けれどそこそこ裕福な家で顔もイケメン、頭もいいし性格も良かった。

だからみんなにモテるし活躍だってした。

あおい・みずき・聖「パワプロ(くん)///」

いわゆるリア充って奴なのかな?

でも、

(ちょっ、小山!500円でいいから貸して!)

(やべぇ…パワプロ高校ってこんなに偏差値高いのかよ…いけねえよ…)

そんな人間味溢れるザコプロくんが好き…ではないけど!?

恰好いいとは思うよ、何故か。

ーーー翌日。

ザコプロ「おはよ、矢部と小山。」

矢部「おはようでやんす!」

雅「…おはよう。」

ザコプロ「元気ねえな小山。テストでも悪かったのか?」

矢部「ザコプロくんには言われたくないと思うでやんすけどねぇ…」

ザコプロ「良いんだよ成績なんて!高校卒業したら就職するし!」

雅「…!」

離れ離れになっちゃうんだ…

ザコプロ「ところで、秋の大会のことなんだけど…」

矢部「うちは貧打投壊のチームでやんすよ?作戦なんて無駄じゃないでやんすか?」

雅「…そんなことまだわかんないよ。ところでなに?」

ザコプロ「夏に強い先輩が辞めただろ?」

矢部「唯一の長距離ヒッターもエースも抜けたでやんすね…」

ザコプロ「だから力試しに練習試合をしようと思う!」

矢部「でもうちが弱過ぎて相手にならないと思うでやんすよ?」

ザコプロ「ところがどっこい!相手はもうきまりました!」

雅「…どこと試合するの?」


ザコプロ「パワプロ高校」

雅・矢部「」

雅「ぱっ、パワプロ高校ってあの!?」

ザコプロ「うん、秋の大会に向けて最終調整をしたいそうだよ。」

矢部「でもエースも四番もいないでやんすよ?」

ザコプロ「俺が投げる。打順なんて一番矢部、二番俺、三番小山であとは適当しかないだろ。」

雅「っでもザコプロくんの能力って…」

ザコプロ MAX129キロ スライダー1 コントロールG スタミナG

矢部「ゴミでやんすね…」

ザコプロ「ゴミっていうなゴミって!」

雅「とにかくやってみようよ。」

ザコプロ「おうよ!」

ーーー日曜日。

パワプロ「やあザコプロくんに雅ちゃん、それに矢部くん!」

ザコプロ「おっす、パワプロに早川に橘、それに六道。」

あおい「雅ちゃん元気にしてた?」

雅「…ま、まぁ…」

橘「正々堂々と潰してあげるわよ!」

パワプロ「こらこら、みずきちゃん、言葉が過ぎてるよ。」

聖「ザコプロ…矢部…そんなやついたか?」

矢部「中学の時はみんな一緒だったでやんす!」

聖「…うるさい。」

ーーー

ザコプロ「どうしてこうなった?」(1-22、2回コールド負け)

雅「どうしてもこうしてもザコプロくんじゃあね…」

矢部「1点取れたのが奇跡に近いでやんす。」

ザコプロ「一番矢部死球、二番俺ポテンヒット、三番小山タイムリー。なかなかいい流れじゃないか!」

雅「そのあとが続かないし何と言ってもザコプロくんのピッチングがねぇ…」

矢部「やっぱりゴミだったでやんす!」

ザコプロ「6アウトも取れたんだぞ!それに12エラーってなんだよ!?」

矢部「うちは初心者の集まりでやんすし仕方ないでやんす。」

みずき「いや~相変わらずポテンヒット打つのだけはうまいわねザコプロ!」

あおい「雅ちゃんナイスバッティングだったよ。」

雅「あ、ありがとうございます!」

聖「いい調整になったぞ、ありがとう。」

パワプロ「試合ありがとう、ザコプロくん、大会であおうね!」

ザコプロ「…やっぱり違うなぁ…」

矢部「成績も文句無しでやんす…」

雅「…だね。」

ザコプロ「あ、俺そろそろバイトが迫ってるから先帰るわ。」

雅「またね、ザコプロくん。」

ーーー

ザコプロ「バイトチーフ!人手が足りません!」

チーフ「気合で働けぇ!」

ーーー

ザコプロ「ただいま。」

妹「お兄ちゃん遊んでー」
弟「お腹空いたー」

ザコプロ「今作るから待ってな!」

ーーー

ザコプロ「………」

ザコプロ「…ダメだ、まずこの問題が何を聞いてるのかがわかんねぇ…」

ザコプロ「…明日小山にでも聞くか。」

ーーー

ザコプロ(時々何がしたいのか分からなくなる。色んなことに押し潰されそうで。)

ーーー

ザコプロ「………」ブン!ブン!

結局努力するんだ。

ザコプロ「………」ブン!ブン!

ボクが見てないところで必死になって。

ザコプロ「………」ブン!ブン!




そういうところ恰好いいと思うよ、ザコプロくん。

ーーー雅宅

雅「38.2℃…風邪ひいた…」

雅「今日は学校休もう…」


結局ザコプロくんが夜中バット振ってるところずっと見ちゃったなぁ…

だから風邪ひくんだろうね…

逢えないのが寂しいな…




やっぱりザコプロくんのこと好き…なのかな……

きりが良いので今日はここまでです。
お休みなさい

雅「………」

雅(ザコプロくんはお見舞いに来ないよね…)

雅(やっぱり寂しいな…)

ピーンポーン

雅(ザ、ザコプロくん!?)

ガチャ

矢部「お見舞いに来たでやんす!」

雅(なんだ矢部くんか。)ハァ

矢部「露骨に残念そうな顔しないで欲しいでやんす…」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年01月16日 (月) 19:23:56   ID: 7evh9mkQ

続きめっちゃきになるやろおおおおおおおおお

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