手記 (16)
「あみたん娘」
http://www.trap-takaoka.jp/character.html
の「かのん」の父の手記と言う形をとっています。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455000038
△月✕✕日
あいつが死んでもう3年が経とうとしている。どうすればいい、教えてくれ。
一応お袋が世話してくれているのだが、佳音はどうも女の子らしく育っていないような気がする。もちろん、性について寛容な社会にはなっていると思うが…親としては「普通」の女の子に育って欲しいと思う。らしくないだけで佳音は自身を「女」だと認識している、と思っているのだが、実際はどうだか。
△月○○日
そう言えば、女の子らしくしようとして、なんかの番組のためにわざわざケーブルテレビを契約したな。
佳音はなぜか「仮面ライダー」ばかり見ていたけど。俺も楽しめたな、「仮面ライダー」。
今はお袋がずっとチャンネル握っている。
契約はしばらく続きそうだな。
△月○□日
空手の稽古を終えて佳音が帰ってきた。その後銭湯行った。「えっ?『戦闘』に行くの?」と言ってきて、ボケかと思って「そうだ」と言ったときの眼がマジだったので、「体の匂いと汚れとな」と補足した上で、説明しなおした。その後のホッとしたのと残念そうな顔が昔のあいつに似ていた。それでつい抱きしめたら、みぞおちに一発もらった。腕を上げたな。身を持って我が子の成長知った
打ち身にきく湯があって本当によかった。
△月○✕日
お袋が旅行行きたいと言ったと思ったら、もういなかった。
流石俺のお袋だよ。
久々の料理で作ったのは、麻婆豆腐。刃物の扱いには慣れていると思っていたが、包丁はダメだったようだ。出来上がったところで佳音が帰ってきたので、一緒に食事した。2人だけの食事はいつぶりかな。辛口のを買ったらしく、「辛い、辛い」と言ってきた。失敗かと思ったが、「でも、なかなかおいしい」に救われた。少しはお袋の手伝いでもするかな。
△月✕○日
やっぱり不安だ、夏の風呂あがりとか。バスタオルがあればいい方で。そのあられものない姿で牛乳を飲む。注意すると「お父さんもそうじゃない」と行ってきたが、俺でもパンツははくぞ。
最近、俺はお前のことを気にして夏でもしっかり着てから脱衣所を出るようにしてる苦労を知らないな。
何をすれば気にしてくれるんだ。
○月△日
友人に言わせれば、それを含めて「反抗期」だと言う。それって変じゃないか。
佳音の友だちの世知って子は言ったって真面目だし、仕草もおしとやか。まさに俺の理想だ。
あの子はうちの子だったらなと思ったことすらあった。
いや、違う、俺は佳音のことを愛しているよ。あくまで希望だ。
それで、その彼女について言ったら、それは稀な例だと言われた。と言うとアレがスタンダードってのか。
全裸を見せつけるのが。
○月□日
「反抗期」かそれだとやけに長いな。
空手やりたいって言ってきたのは母親が死んでしばらくしたあとだ。まさかそこからスタートしたのか。当時、俺は何かに打ち込んで考えないようにしているだけかと思っていた。
だけど「反抗期」にしてはやたらと素直なところもあるしな。
全くわからん。
○月□日
考えすぎてハゲそうだ。
だから、しばらく様子を見ようと思う。人間ふとしたキッカケで変わるものだし。
あの子自身の問題だ。俺が干渉することじゃないな。
○月▲日
なんか、「乙女」を感じるようになった。あの佳音から。
好きな異性でもできたのか、小学生、だがもう5年生だもんな
○月◆日
ちゃんと服を着てから脱衣所を出るようになった。
今までの本当に杞憂だったな。
と言うと、もうすぐ「お父さんと一緒にいたくない」みたいな発言がくるのかと思うと、寂しい気がするな。
○月❏日
お袋曰く「オトコの匂いがするねぇ」。
少しくらいならいいんじゃないか。そこまで悪いことじゃ…
なんかいま嫌な予感がした。
それとなく聞くしかないのか…
むしろお袋に任せるか。この件は。
俺が入るとろくな事にならなさそうだし。
○月●日
個室は与えているし、ちゃんとノックもしている。
プライバシーは守っている。娘のプライバシーは覗いていないぞ。
お父さんは。
お袋はどうだか知らんが。
○月■日
気になって、つい「好きな奴でもできたか?」と聞いてしまった。
不器用だな、俺。すると大した動揺もなく「んなわけないんじゃーん」と言ってきた。
それで、また「じゃあ、なんで最近、何というか女の子らしいといういうか…」
と聞いてしまった。「私だって女の子だよ、お父さん、分かってるの?」
と返されてむしろこっちが動揺してた。
なんか昔を思い出した。
設定等を示しておくのを忘れていた。
「かのん」の父は「井波彫刻」の職人
「かのん」はここでは「佳音」と書く、「せしる」は「世知」としている
佳音の母親は既に死亡している
(この設定は小説に合わせている、その小説ではあまり活かせていないようだが…)
母親の死因は決めていない。
現在は佳音、父、祖母としている。
苗字や名前は特に決めていない。
誰か思いつく人がいればそれに合わせようかと思います。
もうすぐ飽きそうですけど
☒月×日
佳音は母親に似てきたなと思うようになった。
そうして見ていたら「何ボーッとしているんだい」とお袋に言われた。
なんにせよ、個人的には喜ばしい。
はっきり言いますと、
ネタが尽きました。
書ける方がいらしたら、続きをお願いします。
一応、それぞれで完結してはいるので、ここで終わってもいいのですが…
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