大阪「戦車道やるで~」 (84)

桃「では我が大洗女子高校に久々に復活した戦車道の初回の授業を開始する」

杏「~っとその前にぃ・・・皆のリーダーを紹介するねー」

 沙織「リーダー?」

柚子「戦車道はチームワークが大事なので、皆をひっぱる人が必要になってきます」

杏「そこで、なんと西の方では名の知れた戦車道の流派・・・えーっと・・・大阪流の家元の子が転校してきたからリーダーになってくれるよー」

 華「大阪流・・・やけに安直ですね」

杏「そんじゃ、めっぽう強い大阪流本家家元の後継者の入場~」


春日歩「春日歩といいます。よろしく――」

杏「あーダメダメそんなかたっくるしい挨拶」ノンノン

春日歩「えっ?」

杏「もっと肩の力抜いて~。よろしゅーたのみまんがなーでいいから」

春日歩「そ、そんなん地元でも・・・」

杏「ほら」ポン

春日歩「・・・よ、よろしゅー・・・たのみまんがなー・・・・・・」

 \オー!/

杏「あ、それと今日からあだ名は大阪だから。皆も大阪って呼ぶようにー」

 \ハーイ/

大阪「ふええ~」


※ガルパン×あずまんがSS

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 ~ちょっと前~

桃「2年A組春日歩。なぜ選択科目を戦車道を選ばない」バン

大阪「せんしゃどお?」

桃「これでは貴様を『戦車道の強い流派の家元に仕立て上げて皆を奮い立たせる作戦』が台無しになってしまうではないか」バン

柚子「これって一種の情報操作じゃ・・・」

杏「しょーがないよ。そうでもしないと皆やる気でないしー。それに他校へのけん制にもなるじゃん」

桃「ちょうど具合よく転校してきたのは貴様だけなのだ。ということで、戦車道を履修してもらおうか」ペン

大阪「なんかよーわからんけど、それって簡単なんですか?」

杏「らくしょーらくしょー。進めーとか撃てーとか命令するだけでいいから」

大阪「!そ、それってもしかして戦車に乗って偉そうにできるんですか!」

杏「そーそー。大物になれるよー」

大阪「やります!」キラキラ

 ~~~


大阪「ってな感じで戦車道やってくれー言われたんや」

沙織「は、はったりなの・・・」

大阪「あっ!この話は人にゆーたらあかん言われてたんやった。秘密やで」シー

華「はあ」

優花里「あ、あの・・・大阪殿・・・今の話、聞こえてしまったのですが・・・本当なんですか?」

大阪「うっ、聞かれてしもた。内緒にしといて」

優花里「私、てっきり未だ見ぬ戦車道の流派があるのかと胸を躍らせたのですが・・・少しがっかりです」ガックシ

大阪「ごめんやでー。私せんしゃのこととか全然知らんねんけど、詳しいなら教えてくれへん?」

優花里「!そ、それはもちろんですが・・・な、なんだか友達みたいですね」ウヘヘ

大阪「ほんなら友達になろー」アクシュー

優花里「い、いいんですかぁ!?」

大阪「私も転校してきたばっかで沙織ちゃんと華ちゃんしか友達おらんからなかようしてー」

優花里「も、もちろんでございますぅ!ヒャッホゥ!友達できたぜぇぇぇ!」

沙織「それじゃ、戦車に乗ってみよっか!」


 ※書き忘れてますが、アニメ本編最終話までのネタバレあります。映画のネタバレはないです

 ~

大阪「いっぺん戦車の大砲撃ってみたかったんや~。撃つでー!わーははははは!炎の一撃をくらえー!」

 ドーン!

大阪「むっちゃジンジンする~」

 ~

大阪「大砲の装填・・・ふん」グググ

大阪「これは機械にやってもらわなできんやつや」

 ~

大阪「戦車の運転してみたかったんやー。いくでー」アクセルフミ

 ガガガガガガガガ

大阪「うわ~むっちゃ揺れる~」ガタガタガタ

 ガリガリガリガリガリ

沙織「わー!大阪!スってるスってる!」

 ~

大阪「臨時ニュースです。華ちゃんはお花の下着しか着ません。寝る時は布団の周りをお花で囲います」

華「お、大阪さん!通信手なのに嘘の情報を流さないでください!」

大阪「下着はほんまやんか~」

華「ちょっと!」

 ~

沙織「大阪には車長が似合うよ。うん。それがいいと思うな」

華「私もそう思います。ぜひ車長になってください。ええ。きっとそれが一番です」

大阪「そこまで言われたら仕方ないな~。がんばるわ~」

桃「明日は聖グロリアーナ女学院との練習試合だ。気を引き締めて挑むように」

優花里「グロリアーナは全国大会準優勝もしたことがある強豪校です。お嬢様学校なんですよ」

大阪「準優勝って何位やっけ?」

華「二位です」

大阪「つよい!」

優花里「さらに隊長のダージリンさんは物知りで優秀な指揮官で紅茶大好きだそうです」

大阪「そんな完璧な人がおるなんて・・・」

 ~聖グロ~

オレンジペコ「ダージリン様、明日の練習試合で試合する大洗女子校の話なんですが――」

ダージリン「落ちつきなさいオレンジペコ。そんなに焦るとスコーンが割れてしまうわ」

オレンジペコ「転校してきた生徒が隊長に就任したそうなんですが・・・情報では関西の方の大阪流という流派の家元だと・・・」

ダージリン「・・・大阪流?・・・」ハテ

アッサム「・・・失礼ながら聞いたことありませんわね。西の方では有名なのでしょうか。ダージリン様、大阪流とはお強いのですか?」

ダージリン「えっ」

オレンジペコ「私もお恥ずかしながら大阪流という流派を存じていないので・・・是非試合に備えるためにも詳細を教えてください」

ダージリン「・・・・・・えっと」

オレンジペコ「もしやダージリン様もご存じない?・・・」

ダージリン「・・・し、知っているに決まっていまるじゃない。大阪流、ええ、大阪流ですのね。強敵だけど我々の敵ではありませんわ」

オレッサム『オオー!』

ダージリン「知る人ぞ知る玄人好みの流派で、その実力は西住流と島田流に並ぶほどよ」

オレッサム『オオー!』

ダージリン「私は過去に大阪流の方と2度ほど試合を経験したものですわ」

オレッサム『オオー!』

すんませんダージリンってですます口調じゃなかったですね。ローズヒップがいいキャラすぎて影響されてしまってた

>>6

桃「明日は聖グロリアーナ女学院との練習試合だ。気を引き締めて挑むように」

優花里「グロリアーナは全国大会準優勝もしたことがある強豪校です。お嬢様学校なんですよ」

大阪「準優勝って何位やっけ?」

華「二位です」

大阪「つよい!」

優花里「さらに隊長のダージリンさんは物知りで優秀な指揮官で紅茶大好きだそうです」

大阪「そんな完璧な人がおるなんて・・・」

 ~聖グロ~

オレンジペコ「ダージリン様、明日の練習試合で試合する大洗女子校の話なんですが――」

ダージリン「落ちつきなさいオレンジペコ。そんなに焦るとスコーンが割れてしまうわ」

オレンジペコ「転校してきた生徒が隊長に就任したそうなんですが・・・情報では関西の方の大阪流という流派の家元だと・・・」

ダージリン「・・・大阪流?・・・」ハテ

アッサム「・・・失礼ながら聞いたことありませんわね。西の方では有名なのでしょうか。ダージリン様、大阪流とはお強いのですか?」

ダージリン「えっ」

オレンジペコ「私もお恥ずかしながら大阪流という流派を存じていないので・・・是非試合に備えるためにも詳細を教えてください」

ダージリン「・・・・・・えっと」

オレンジペコ「もしやダージリン様もご存じない?・・・」

ダージリン「・・・し、知っているに決まっていまるじゃない。大阪流、ええ、大阪流ですのね。強敵だけど我々の敵ではないわ」

オレッサム『オオー!』

ダージリン「知る人ぞ知る玄人好みの流派で、その実力は西住流と島田流に並ぶほどよ」

オレッサム『オオー!』

ダージリン「私は過去に大阪流の方と2度ほど試合を経験したものだわ」

オレッサム『オオー!』

 ~

大阪「ええ天気やー。ぜっこうの戦車びよりやなー」

麻子「ねむい・・・どうして私がこんなことを・・・」ウトウト

沙織「進級のため進級のため」

ダージリン「ごきげんよう。あなたが大洗女子の隊長さんね」ザッ

大阪「麻子ちゃんなんでそんな眠いん?私なんか授業中に寝てるから全然平気やわー」

ダージリン「・・・・・・隊長さん?」

大阪「でも今日は朝はよう家出たからむっちゃ眠いわー」フワァ

ダージリン「・・・・・・」ジリッ・・・

沙織「大阪!大阪!なんか向こうの学校の人が挨拶に来てるよ!ほら!さっきから無視しちゃってる!」グイグイ

大阪「え?」キョトン

華「隊長と呼ばれ慣れてないのですね・・・」

ダージリン(私としたことがほんの少しだけタジろいでしまったわ・・・ここで相手にペースを握られてはまずいわ。気をとりなおして)

ダージリン「コホン、私は聖グロリアーナの隊長のダージリンよ。そちらはあの知る人ぞ知る大阪流の方だとか」

大阪「おおさかりゅう?・・・なんやそのアホみたいな――」

桃「隊長、試合の前に敵と慣れ合わないほうがいい」ドスッ

大阪「ウッ!・・・で、でも大阪流とかワケわからんこと言って――」

桃「戦車に戻るぞ早く行こう」ドスッ

大阪「グッ!・・・ご、ごめんなさい」

ダージリン(多くを語らず、まさしくヤマトナデシコね・・・大阪流、侮れないわ)

蝶野「試合開始!」


 ~


蝶野「試合終了!」


大阪「まけた~」

沙織「やだもー」

 エ~ンタ~エ~ンタ~ミッショ~ン♪(帰路)

オレンジペコ「想像以上に大したことありませんでしたね。特にフラッグ車はほんとに指揮官いるのか疑問に思うほどでした」

アッサム「フラッグ以外は見どころがあるというか、今後の練習次第で伸びるかと」

ダージリン「・・・いや、貴方達は見事に騙されているわ」

オレンジペコ「え?どういうことですか?」

ダージリン「全国大会本戦でもないただの練習試合で手の内を見せないのは当然。フラッグ車の大阪流の彼女はあえて動かず、わざと負けたのよ。大洗は弱いと思いこませるためにね」

アッサム「なんと」

ダージリン「大阪流・・・やはり侮れないわ・・・」ジリッ・・・


 ~

大阪「みんなごめんなー。私がぼーっとしてもたからやられてもーたんかもしれんなー。せやけど次はがんばる!今日は眠かったからあかんかったねん!次はちゃんと早う夜寝ることにする!」

優花里(・・・大阪殿は良い人ですが・・・)

華(戦車道に・・・いや、争い事にすこぶる向いていない・・・)

麻子(このままでは駄目になってしまう・・・)

沙織(・・・私達ががんばらないと!)グッ

大阪「なんやみんなメラメラしてるな~。ようわからんけど次は勝てそうや~」


優花里「次の対戦相手のサンダース大付属高校に潜入してきました!」シュタ

大阪「それってスパイってこと?」

優花里「コンビニ船に乗り込んでサンダースの制服着てこっそり侵入してきました」ビッ

大阪「すごい!かっこいい!私もやりたい!」

優花里「では次の機会にぜひご一緒に」

大阪「前から透明になる服ほしかったんや~」

優花里「サンダース高の布陣はM4シャーマンにM1エイブラムスにファイアフライなどが配備されていてフラッグ車はM36ジャクソンです」ペラペ~ラ

大阪「おお・・・むっちゃ詳しく調べてる・・・」

優花里「がんばりました」

沙織「私も二級アマチュア無線技士の資格とったよ。まだ一回線も始まってないのに」

優花里「すごい!二級なんて取るのすごく難しいですよ!」

沙織「がんばりました」

麻子「私も戦車でドリフト、モンキーターン、輸送機から空中投下後即時走行開始ができるようになった」

優花里「それって戦車そのものが別物でないとできないのでは」

沙織「麻子もがんばったんだね!」

麻子「がんばった」

華「私は砲身の先にくっ着けたペンで文字が書けるようになりました」

沙織「特殊刑事!」

麻子「華もがんばったんだな」

華「がんばりました」

大阪「みんながんばってるんやな~。私もなにかやらんと~って思うわ~」

大阪「まあええかっ」

典子「今日も空いた時間に練習するぞー!バレー部ファイトー!」

妙子&忍&あけび『おー!』ソーレ!

大阪「・・・」

典子「あ、大阪隊長。なにジーっと見てるんですか?あ!もしかしてバレー部に入りたいとか!」

大阪「キャプテンちゃんは私と同じ二年生・・・」

典子「?」

大阪「妙子ちゃん、忍ちゃん、あけびちゃんは一年生・・・」

妙子「はい」ボーン

忍「それが」スラー

あけび「なにか?」ボーン

大阪「・・・」

大阪「・・・こんなん絶対におかしい」

大阪「キャプテンちゃん、三人に色々吸われとるで」

典子「ええ!?」

大阪「キャプテンちゃんはバレーが大好き」

大阪「寝てる時いっつもトスのポーズで寝てるくらいバレーが大好き」

大阪「せやけど体格は私とあんまり変わらへん」

大阪「それに引き換え一年の三人は日本人とは思えへんくらいナイスバデーや」

大阪「キャプテンちゃんだけちっこいのは絶対におかしい」

忍「そんなこと言われても・・・」

大阪「キャプテンちゃんは背ぇとか胸とか色々吸われてるんや。そうやないとつじつまが合わへん」

典子「お、お前達・・・そうだったのか」

妙子「ご、誤解です!私達みんなキャプテンが大好きなんです!キャプテンから何か奪うなんてこと絶対にしません!」ボーン

典子「・・・じゃあどうして私だけ」

忍「キャプテンは身長の差を気にもさせないくらいすごいプレーをするし、どんな壁にも果敢に立ち向かって行くじゃないですか。だから身長なんて関係ありません!」

妙子「私達そんなキャプテンを尊敬してます!」

典子「・・・み、みんな」ウルウル

典子「疑ってゴメン!」ガッシィ

あけび「これからもついていきます!キャプテン!」ガッシィ

典子「よーし!いっそう絆が強まったバレー部の真の力を発揮するためにも!絶対にバレー部を復活させるぞー!」

妙子&忍&あけび『オーーー!』

大阪「青春やなー」

沙織「大阪・・・人のチームにイチャもんつけるのやめようよ」

優花里「ですが結果的にバレー部の結束は強まったみたいですね」

 ~一回線~

ケイ「ヘーイ、アンジー。今日は正々堂々と勝負しましょう」

杏「オーケーオーケー。試合前に食事までもらっちゃって悪いねぇ」

ケイ「ノープロブレム!戦車道は戦争じゃない。相手と交流を深めるのも大事な戦車道だよ」


大阪「あーおなかポンポンやー」

沙織「試合前にあんなに食べるからもー」

華「もしやこれも相手の作戦の内だったのかもしれません・・・」ケプ

麻子「だとしたら私達そうとうバカにされてると思うぞ」

 『試合開始!』

沙織「わっ!わっ!もう始まっちゃってるよ!大阪!隊長なんだから指示出さないと!」

大阪「うー・・・みんな頑張ってやー」

 『了解!』 『心得た!』 『大阪ァ!なんだその雑把な指示はァ!』 『わっかりましたー!』

大阪「とつげきー」

 ドッドッドッドッドッドッド・・・


 ・ ・ ・

大阪「うえぇ~・・・戦車の中揺れすぎや・・・・・・」グッタリ

優花里「冷泉殿なるべく揺れのないように運転してあげてください」

麻子「お前も重々わかってると思うが戦車である限り不可能だ」ドッドッドッドッド

大阪「あかん・・・げぇー吐いてまうで・・・」

 \ドーン!/ \ソウコウフノウ!/ \チュドーン!/ \ヤラレタァー!/


エルヴィン『隊長!カバさんチーム敵と交戦中です!指示を!』ドーン!

典子『バレー部もなんとかしのいでますが時間の問題です!』ドーン!

梓『ウサギさんチームやられました!すみません・・・』

桃『もーだめだー!』ボガーン

沙織「大阪!みんながピンチだよ!」

大阪「あー」ポヤポヤ

沙織「いつまでも外でボケーっとしてないで!もう気分も治ったでしょ!」グイグイ

優花里「妙ですよ。他の皆さん待ち伏せをくらったり奇襲されたり、サンダースにこちらの動きが筒抜けのようです」

華「女の勘という奴でしょうか」

沙織「大阪ってば!早く戦車に戻ってみんなを助けないと!」

大阪「あれ見てー。気球が飛んでるわ。バーゲンでもやってんのかなぁ」

沙織「え?」

優花里「あれは通信傍受機!さすが大阪殿!敵の秘密戦略を見破るとは!」

ケイ「HAHAHA!大洗もなかなかやるわね!でももうチェックメイトよ。アリサの女の勘のおかげで私達はエブリウィナーなんだから!」

 アリサ(フフフ・・・大洗の通信は全て私の耳に入る・・・どうあがこうとあなた達に勝ち目は無いわ。・・・一輌だけ動きがないのが不自然だけどここまで来たらもう勝ったもどうぜ――)

大阪『あーあー。みんな聞こえてるー?アンコウチームも一緒に戦うでー』

 アリサ(!来た!今さらなにができるっていうのよ)

大阪『ところで敵さんもなかなかやりますなあ。こっちの作戦ぜんぶ見抜かれてるみたいで盗み聞きでもされてんのかなー』

 アリサ(!)ギクゥ

華『大阪さん、疑わしきは罰せずですよ』

沙織『でもそうでもなきゃおかしいよ絶対』

大阪『ボスのおケイちゃんってめっちゃええ人やと思ってたのにそんなことするんかな~。なんやショックやわー』

 アリサ(ち、違う!隊長はそんなこと・・・私が一人でやってるだけで・・・)

大阪『あんなに優しくしてくれてたんも油断させるためやったんかもしれんなー』

優花里『名門サンダースも地に落ちたものですな!カッカッカッ!』

 アリサ(あ、あぁあ・・・そ、そんな・・・私はただ勝利のために・・・)

大阪『盗み聞きして勝つなんておケイちゃんヒドイひとやわ~。みんなにいいふらそ~』

 アリサ(NOOOOOOOOOOOOOO!)


アリサ「降参じま”ず!!!」

大阪「優勝や~」ワーイ

沙織「いや、一回戦突破しただけだよ。でも上手くいったね!良心の呵責に訴えかける作戦!」

麻子「相手もアホで助かったな」

ケイ「いやーごめんねー。ウチの子がくだらない手使っちゃって」

大阪「おケイはん」

ケイ「通信傍受指摘してくれてありがとうね。もしこのまま勝ち進んでもいずれ発覚しただろうし、そうなったら色々と問題になったかもしれない。それに何より気分良くないもんね」

アリサ「・・・反省してます」グスン

ケイ「とにかく、二回戦もがんばってね!」グッバ~イ

大阪「ええ人でよかったな~」

沙織「あれ?麻子どこいくの?」

麻子「おばあから連絡があった。迎えに行ってくる」

優花里「迎えとは?」

沙織「麻子のおばあちゃんすごく元気で毎日運動のためにジムに通ってるんだって。お父さんとお母さんは仕事で忙しいから麻子が戦車転がして迎えに行ってるんだよ」

優花里「なんと」

大阪「私いっぺんヘリコプターに乗ってみたいと思ってるんや」

華「そんな機会滅多にありませんよ」


大阪「カバさんチームのみんなは歴史が好きなんやな~」

カエサル「ああ」

大阪「でもみんな好きなもんは別々」

カエサル「その通り!私は古代ローマ」

エルヴィン「欧州」

左衛門佐「戦国時代」

おりょう「幕末ぜよ」

大阪「バラバラやのになんでそない仲ええの?ケンカならへん?」

エルヴィン「自分の好きなもの以外を嫌っているわけではないからな。それぞれをリスペクトしているんだ」

左衛門佐「共同で暮らしているのだからそんなことでケンカなどならん」

おりょう「他人の趣味を批難するような人間が幕末を語るわけにはいかんぜよ」

大阪「ふーん。ほんなら聞きたいことあるんやけど、歴史上でいちばん強い人ってだれなん?」

カエサル「それはもちろん『雷光』と呼ばれた将、ハンニバル・バルカだ」

エルヴィン「『白い死神』と恐れられたシモ・ヘイヘだな」

左衛門佐「戦国最強、本多忠勝に決まっている!」

おりょう「新撰組きっての剣士の沖田総司ぜよ」


 カエサル&エルヴィン&左衛門佐&おりょう『・・・・・・』メラメラメラ・・・

大阪「・・・ご、ごめんなさい」

左衛門佐「まさかここに来て仲違いすることになろうとはな・・・」

エルヴィン「こればかりは譲れん・・・」

おりょう「カバさんチームの絆も今日までぜよ・・・」

カエサル「栄光の落日・・・」

大阪「私は藤岡弘、がさいきょうやと思てたんやけど」

カエサル&エルヴィン&左衛門佐&おりょう『それだ!!!』

大阪「!」ビクッ

カエサル「いやぁー長い歴史上に強い人間はたくさんいたから一人に絞れないな」

おりょう「まったくその通りぜよ」

エルヴィン「そもそも強さの定義があいまいだからな。うん」

左衛門佐「こんなことで揺らぐカバさんチームではないということだ!」

 ワーッハッハッハッハ

大阪「ようわからんけどよかったなー」


沙織「最近カバさんチームとアヒルさんチームの連携がよくなってるよね」

優花里「絆が深まったんですかね~」


優花里「アンツィオの偵察任務からもどりました!」ビシッ

河嶋「おお、待っていたぞ」

大阪「私ももどりましたー」ピシッ

沙織「ちょ、ちょっと待った!大阪も潜入してきたの?」

華「優花里さんと二人で偵察に行っていたのですか」

大阪「ふふん。すごいやろー」

沙織「うん、素直にすごいよ・・・よく見つからなかったね」

優花里「いえ、見つかりましたよ」

沙織「えっ」

 ~~~

アンチョビ「この秘密兵器があれば大洗など軽く一ひねりだぁー!」ハァッ!

優花里「P-40がアンツィオの新戦力なんですね。これは大収穫であります」

 \ドゥーチェ!/ \ドゥーチェ!/ \ドゥーチェ!/

優花里「さあ大阪殿、そろそろ撤退しましょう」

大阪「どぅーちぇ!どぅーちぇ!どぅーちぇ!」

優花里「わあ!楽しくなっちゃってる!」

アンチョビ「ム!そこ、何をもめている」

優花里「ま、まずいですよ。目を付けられちゃいました」

アンチョビ「ムム・・・お前達、見ないカオだな」ジー

大阪「あわわ・・・お、大阪から転校してきた春日歩です」ガタガタ

優花里「じ、自分はイタリア空軍少佐、フェラーリンであります」

アンチョビ「敵のスパイだ~!捕まえろー!」

 ~~~

優花里「という具合で」

沙織「せめて地上部隊の名を名乗ろうよ」

 ~~~

大阪「ロープでぐるぐる巻きや」

優花里「うう・・・我々はこのまま敵の捕虜となってしまうんですね」

アンチョビ「どうやらお前達、二回戦の対戦校の大洗の密偵のようだな。我がアンツィオに忍びこむとはいい度胸だ。さて、どうしてくれようか。なあ皆!」

 \ヘヘヘ・・・/ \ナメヤガッテ・・・/ \カクゴシロヨォー!/

優花里「秋山優花里、一世一代のピンチですぅ!」

 グゥ~

大阪「あ。お腹なってもーた」

アンチョビ「ム・・・今の腹の音は貴様か」

大阪「はい・・・」

アンチョビ「お腹が減ってるのか?」

大阪「はい・・・」

アンチョビ「ふむ・・・いくら敵のスパイとはいえお腹がすいているのはかわいそうだな。よし皆!食事の用意だァ!」

 \オオー!/

アンチョビ「湯を沸け窯を炊けー!大洗の客人にアンツィオの味を堪能させるのだー!」

 \オオー!/

 ~~~

大阪「という具合でごちそうになってきました」

優花里「その後は港まで送り届けてくれたんですよ」

杏「こりゃ二回戦はとったね」

大阪「ウサギさんチームは大砲が二つもあるねんなー」

あゆみ「はい!」

あや「私達が狙い撃ちますよー」

梓「少しずつですが命中率も上がってきてます」

宇津木「一方が外しちゃってももう一方で誤差を合わせて命中させますよぉ~」

大阪「おー。二兎を追う者は一兎をもってやつやなー」

桂利奈「あい!」

梓「・・・ん?」

大阪「カメさんチームにも大砲二つあったらすこしでも当たるようになるのにもったいないな」

桃「聞こえてるぞ大阪ァ!わるかったな打率低くて!」

柚子「自覚はあったんだ」

あゆみ「ドンマイですよ桃ちゃんセンパイ!下手な鉄砲も数うちゃ当たるって言うじゃないですか」

あや「下手な砲撃でもたくさん撃てばあたりますよいつかきっとたぶん!」

大阪「でも冷静に考えてあの感じやとマグレやないと当たらんよな」

桃「貴様らウサギチームには通常の三倍の練習を課す!」

あや「そんな!」

あゆみ「横暴だ!」

宇津木「職権乱用~」

紗希「・・・」

桂利奈「あい!」

桃「うるさい!」

大阪「やっぱりカメとウサギは仲悪いんやな」

柚子「そ、そんなことないよ。私達みんな仲良しだよ」

梓「でも正直仲良いとは言い切れないかも・・・」

柚子「うっ・・・」

大阪「これはあかん。あかんで!」

大阪「我が大洗女子はチームワークが大事!他のとこに比べて戦車も少ないし性能もしょぼいのばっかりや!そこを補うのはチームワーク!」

大阪「ウサギとカメなんて日本古来から仲悪いもん同士や!ここが大洗の弱点になってまう!」

大阪「両チームにはもっとなかよし作戦を開始してもらう!これからカメさんチームとウサギさんチームには食う寝る着る全部一緒にやって仲良くなってもらいます!」

桃「な、な、なにぃ~!」

梓「大阪隊長、優秀な指揮官みた~い」


ダージリン「あなた方の次の相手・・・大洗はなかなか強敵でしてよ」

カチューシャ「ふん!このカチューシャの手にかかればたとえ大学のチームでもコテンパンよ!ねっ!ノンナ!」

ノンナ「はい」

ダージリン「あまり大口を叩くと痛い目を見るわよ。相手は泣く子も黙る大阪流よ」

カチューシャ「おおさか?・・・なによそれ」

ダージリン「大洗の隊長は大阪流の本家だそうよ。関西を本拠にする玄人好みの流派・・・知る人ぞ知る門よ」

カチューシャ「・・・聞いたことないけど、ほんとなの?」

ダージリン「立てばカンシャク座ればドカン、進む姿は千鳥足・・・私達はなんとか勝利できましたが、果たしてプラウダはどうかしら」ズズ

カチューシャ「ノンナ、おおさか流ってあるの?」

ノンナ「ありません」

ダージリン「気を付けることね。マトモに相手をしては翻弄されるわよ」

カチューシャ「なにかがおかしい」


 『試合開始!』

優花里「三回戦はプラウダであります!」

大阪「かまくらってやー、あれ中に入ってる時に崩れたらむっちゃ怖い思ってまうねんけど案外壊れへんもんなんやなー。作るのけっこう大変やからめんどくさいけどなー」

沙織「これから試合だって言うのにノンキなもんだね」

大阪「ほなら戦車前進やー」

典子「大阪隊長!この試合は慎重に攻めるべきだと思います!」

エルヴィン「うむ。雪上での戦いは無効に分がある。血気に任せるのはよくない」

梓「私もそう思います」

大阪「いいや、一気にカタをつけるべきや。あんまり長いこと試合してると寒-てしかたない。そうなるとあったかそうな服着てる向こうのほうが有利にきまってる」

桃「一理ある・・・」

梓「隊長がそう言うのなら・・・」

大阪「というわけで戦車前進や!私らに敵はないでー!」


 ~~~


大阪「かこまれてもーたー」

沙織「やだもー」


プラウダ生徒「プラウダの使いの者です。偉大なる同士カチューシャ様はお優しいので降伏するなら許してあげる!とのことです」

大阪「こうさんするわ~」

桃「待て大阪ァ!勝手に決めるな!今のナシだからな!」

あや「いいじゃないですか。もう降参しましょうよ」

あゆみ「はじめての大会でここまでこれただけでも十分ですよ」

エルヴィン「敗北することも成長する糧となるな」

沙織「無茶しないほうがいいと思うなー」

桃「ダメだ!我々は何としても優勝せねばならんのだ!我々が負ければ・・・我が校は廃校になってしまうんだぞ!」

大阪「な、なんやて~!」ガーン

沙織「やだもー!」ガーン

華「そ、そんな!」ガーン

大阪「ところではいこうってどういうこと?」

優花里「学校が無くなってしまうことです」

大阪「な、なんやて~!」ガーン

冷泉「卒業できなくなる・・・」

典子「バレー部が復活できない!」

宇津木「一年生じゃなくなっちゃう~」

そど子「ちょっと!試合初参加でいきなりなによそれ!」

大阪「せっかく転校してきたのにまた転校せなあかんの~」

杏「かーしまの言ってることは本当だ。我々が戦車道大会で優勝すれば大洗は廃校をまぬがれる。けど負ければ学園艦は解体されてしまう」

沙織「そんなの絶対ヤダよ!」

華「私達の学校を無くしたくないです」

優花里「大阪殿!降参なんかしませんよね!?」

大阪「転校ってなると引っ越しせなあかん。こないだ引っ越しする時荷物をまとめるのむちゃくちゃ大変やった。掃除もせなあかんし」

大阪「また引っ越しするってなるとまた荷物まとめて掃除せなならん」

大阪「それだけはいやや!」

大阪「私らは戦う!プラウダの隊長さんに伝えといてください!私らはぜったいに優勝するで!」

桃「大阪・・・よくぞ言った!」

プラウダ生徒「・・・は、はい」


カチューシャ「ふ~ん。このカチューシャの優しさを無駄にするなんてバカな連中ね。いいわ、徹底的に叩きのめしてやる」

プラウダ生徒「向こうの士気は高いようです。優勝できなければ廃校になるからと・・・」

カチューシャ「え・・・はいこう?・・・・・・それって学校が無くなるってことよね?」

ノンナ「はい」

カチューシャ「・・・・・・」

ノンナ「カチューシャ?」

カチューシャ「わ、わかってるわよ。情けをかけたりなんかしない。わざと負けたりなんかしたらそれこそ戦車道に反するわ!」

ノンナ「はい」

カチューシャ「向こうと同じ6輌で勝負に出るわ。手を抜くわけじゃないわよ!数が多いから勝てたなんて思われたくないから同条件で勝負するの!いいノンナ!?6輌だけど手加減無しで勝負よ!」

ノンア「カチューシャ、やはりあなたは誰よりも大きな方です」

大阪「とりあえずみんなでバラバラに前進やー!」キュラキュラキュラ

カチューシャ「わざと包囲を薄くした所に来ると思ったのに!包囲を抜けられちゃった!追うのよ!」

大阪「とりあえずみんなそれぞれでがんばるんや!がんばって!」

エルヴィン「撃てー!」ドーン

典子「根性ー!」ドーン

桂利奈「あーい!」

プラウダ生徒「ウサギが逃げてる!追え追えー!」キュラキュラ

柚子「ウサギチームに気を取られている内に」

杏「後ろをとったぞ!」ドーン

プラウダ生徒「やられたー!」ポシュ

あや「カメさんチームナーイス!」

あゆみ「共同生活特訓の成果のチームワークだね!」

カチューシャ「う、嘘!思ったよりもずっと強いじゃない!同じ車輛数でも楽勝だとふんでたのに」

ノンナ「カチューシャ」

カチューシャ「わかってるわよ!このカチューシャは絶対に負けたりしないんだから!」

大阪「みんなすごいなー。私らーも倒そー」

沙織「麻子、カバさんチームと連携とるから指示通りに動いて」

麻子「行くぞ」ガッ

華「撃ちます」ドーン

優花里「次弾装填完了!」

華「第二射撃ちます」ドーン

ノンナ「やりますね。ですが」ドーン

そど子「カモさんチームやられました!出番ナシ!どうせ私はそど子ですよ!」ポシュ

ノンナ「次」ドーン

梓「ウサギチームやられました!ごめんなさい!」

沙織「大阪!カモさんとウサギがやられたって!」

大阪「ごくろうさんって言うといて」

カチューシャ「さすがノンナね!・・・あれ?・・・いちにぃ・・・三輌しかいない。一輌消えてる」

 エルヴィン「フフフ。雪上戦ということで雪に隠れて狙い撃つぞ!」

 左衛門佐「待ち伏せこそ三突の土俵!あんこうチームが敵フラッグをこの位置まで誘導してくれるのを待つのみ!さあどこからでも来い!」

 ドーン! ポシュ

 カエサル「やられたー!見破られたのか!?なぜだ!」

カチューシャ「このカチューシャのウワバイをはねようっての?雪を見慣れた私をごまかせるわけないじゃない」

 おりょう「ごもっともぜよ・・・」

 エルヴィン「しかぁし!」

プラウダ生徒(フラッグ)「わー!カチューシャ様!のいてくだせぇ~!」

カチューシャ「!しまった!私達がとおせんぼしちゃってる!」

華「とりました」

 ドーン ポシュ

 『プラウダフラッグ車、走行不能!大洗女子の勝利!』

 ワーワー! ヤヤァ! ピーピー!

沙織「やったー!」

優花里「作戦通りでしたね!カバさんが待ち伏せして、もし敵にバレても進路上をふさぐ形になると!」

華「立案者の優花里さんと沙織さんのおかげです」

沙織「いやいや、華の射撃と麻子の操縦のおかげだよ~」

麻子「私は言われた通りに動かしただけだ」

優花里「まぁまぁ、ここは一つ皆のおかげということで」

大阪「そーやそーや。みんなががんばったからやで~」

華「沙織さんと優花里さんのおかげです」

沙織「華と麻子のおかげだってば~」

大阪「全員やでー」

カチューシャ「・・・負けちゃった」ショボン

ノンナ「今度の敗因は相手が戦車道を始めたての弱小チームだと思いこんでしまったことですね」

カチューシャ「そうね・・・簡単にやっつけられると思ったのが敗因ね・・・一輌一輌乗員が結束してた。・・・これが大阪流かしら」

 ダージリン「ほうらごらんなさい。大阪流はあなどれないわ」

 オレンジペコ「・・・大阪流・・・警戒しないと今度は我々が負けるかもしれませんね」


 ~~~

大阪「というわけで決勝に進んだわけやけど。試合前にお休みや~」

優花里「この戦車喫茶一度来てみたかったんですよ~。前に抽選会の時来れなかったですからねー」

沙織「なんか私達ノリにノってるっていうかそれぞれのチームが強くなってるよね。チームワークが高いっていうかさ」

華「ウサギさんとカメさんチームのコンビネーションやアヒルさんとカバさんの固い絆が大洗の武器ですね」

大阪「戦車はショボいし数も少ないけど勝てるもんなんやなー」

麻子「そうこうしてるうちにケーキが来たぞ」ドラコンドラコン

大阪「すごい!ケーキが車にのってきた!回転すしみたいや!」


みほ「見てみて赤星さん!このボコぬいぐるみすっごくかわいいでしょ?昨日偶然お店で見つけたんだ~」

小梅「本当好きですねそのキャラクター。それよりもうすぐ作戦会議なのにこんなところに来てよかったんですか?」

みほ「まだ時間あるしボコを赤星さんに見せたくて」

小梅「気持はありがたいけどもし遅刻したら・・・」

みほ「30分はあるから大丈夫だよ。それにもし何かあったらケータイに連絡が来るだろうし・・・」

エリカ「副隊長」ザッ

みほ「あ!エリカさん!」

エリカ「こんな所で油を売ってたんですね。もう作戦会議の時間が迫ってますが」

みほ「あのね、これ見て。昨日買ったボコのぬいぐるみ!すっごくかわいいでしょ?エリカさんも気に入るかと思って」

エリカ「・・・・・・副隊長、早く作戦会議に向かいますよ」

みほ「かわいくなかった?じゃあエリカさんにはこっちのキーホルダータイプの――」

エリカ「みほ!!!」

みほ「!は、はい!」ビッシー

 沙織「わ・・・なになに?ケンカ?ちじょうのモツレ?」

 大阪「なんや大声だしてはるなー」

エリカ「あのねぇ!あなた黒森峰の副隊長でしょ!?もっと凛としなさい!ただでさえぽやぽやしてるのに他校の生徒に舐められちゃうじゃない!」

エリカ「それから公共の場では私のことは逸見と呼んでって言ってるでしょ!あなたは副隊長で私は部下なんだからその辺しっかりしないと後輩にも示しがつかないの!」

みほ「ぶ、部下だなんて私思ってないよ・・・」

エリカ「それでもそうしないとダメ!天下の黒森峰なんだから品性とか威厳とかあるのよ!副隊長なら副隊長らしくして!」

みほ「・・・はい」シュン

エリカ「はぁ・・・とにかく、もう行くわよ」

みほ「・・・」シュン

エリカ「・・・・・・」

小梅「・・・」

エリカ「・・・・・・そのキーホルダー、会議が終わったら見せて」

みほ「!」パァァ

小梅「エリカさん」クスッ

エリカ「さあ!行きますよ副隊長!」

沙織「なんだかよくわかんなかった」

華「黒森峰とおっしゃってましたが・・・もしや決勝戦の相手の方では」

優花里「」

大阪「優花里ちゃんどうしたん?止まってもーてるで」

優花里「い、今のは・・・西住流本家の西住みほさんです・・・黒森峰の副隊長で去年の決勝戦では川に流されそうになってる味方チームを救助してすぐに戦車に戻って戦って優勝した人です」

麻子「ばけものか」

優花里「試合中に走行してる戦車の上に立って戦う姿から『軍神みぽりん』とあだ名される人です」

華「かっこいいのか悪いのか・・・」

大阪「なんなんそれ・・・危なすぎるやろ!走ってる自転車の荷台に立ちあがってイキる中学生とはわけが違うんやで!」

優花里「さらに黒森峰の隊長は西住みほさんの姉である西住まほさんで、黒森峰の西住姉妹は無敵と有名です。戦神まぽりんと呼ばれたり・・・」

沙織「姉妹でそんなに強いんだぁ」

優花里「そして西住姉妹に隠れがちですが逸見エリカさんもかなりの実力者で闘神えりりんと・・・」

沙織「誰がその呼び方してるの?」

大阪「かっこええなぁ・・・私もナントカ神って呼ばれてみたいわー」

華「大阪さんの場合なら・・・そうですね・・・阪神なんてどうでしょう」

大阪「・・・そ、それは著作権的にまずいんちゃう?」

沙織「着眼点がズレてるよ大阪」


大阪「新人チームのカモさんレオポンさんアリクイさんチームのみんなにはがんばってもらわなあかん」

ナカジマ「うん」

そど子「この前はやられちゃったけど決勝では勝つわよ!」

ねこにゃー「ネットでなら負けないんだけど」

大阪「みんなは戦車乗りはじめたとこやからまだまだ未熟や」

大阪「勝つためにはそれぞれのチームが努力と根性でがんばるしかない。私も人知れず努力してる。腕立てやろうとしたり腹筋しようとしたり・・・」

ねこにゃー「おお・・・基礎を鍛えるのは大事にゃー」

そど子「それで、私達はどういう特訓を積めばいいの?」

大阪「私から言うことはなにもない。なにすればいいとかよーわからんし」

ナカジマ「えっ、大阪流とかいうの教えてくれないの?」

大阪「大阪流に宿題の文字は無し。みんな自由にやればいいんやで」

大阪「でも負けたら学校はなくなってまうからがんばってな。私もできるだけがんばるから」

ねこにゃー(・・・負けたら廃校・・・)

そど子(大阪隊長はのほほんとしてるし・・・)

ナカジマ(これは自分達でがんばるしかない・・・本気で)

大阪「みんなががんばればきっと優勝できるでー。賞金もろたらみんなで遊園地いこー」

 『それではこれより決勝戦を行います!』

みほ「・・・」

まほ「・・・緊張しているのか?みほ」

みほ「大丈夫。試合の前はいつもこうだから」

まほ「・・・本当にフラッグ車を任せていいのか?そんなに責任を感じるなら・・・」

みほ「ううん。お姉ちゃんには自由にやってほしいから」

まほ「・・・ありがとうみほ」

大阪「あー。こないだ喫茶店におった人やー。たしか軍神みぽりん」

みほ「ふえ!?み、見てたんですか?」

大阪「あっちの白髪の人に怒鳴られてたやろ」

 <ダレガシラガヨ!

大阪「そんでそっちの人は顔が似とるからお姉ちゃんのまぽりんさん」

まほ「・・・」

みほ「えと、私はみほでおねえちゃ・・・隊長はまほです」

大阪「長女がまほで次女がみほ」

大阪「ということは三女がもほかー」

みほ「え、ええっ!?」

桃「違うぞ大阪。その流れならむほだ」

大阪「あーなるほどなー」

みほ「な、なるほどって・・・」

まほ「・・・ということはお母様の妹はすほ・・・」

みほ「お姉ちゃん!?」


みほ「向こうの隊長さん、なんだか変わった人だったなぁ」

エリカ「あんたもけっこう変わってるわよ」

小梅「あの、聞いた話なんですが向こうの隊長は大阪流という流派の本家だそうです。関西の戦車道の流派だとか・・・」

エリカ「大阪流?なにそれ。誰がそんなデマ流してるの?」

小梅「聖グロの友人から教えてもらったんですけど・・・」

エリカ「あのお紅茶頭の隊長が知ったかしてるんじゃないの」

みほ「大阪流・・・一体どんな戦い方するんだろう」

エリカ「ちょっとみほ・・・じゃなくて副隊長、そんなデマに惑わされないでください。ウソに決まってるじゃないですか」

みほ「でももし本当なら対策が何もないし・・・島田流よりも変幻自在だとしたら着実に一輌ずつ落とすしか・・・」ブツブツ

エリカ「あーもう、みほがこのモードに入ったらしばらく私の話は聞かないわ。隊長、隊長からも何か言ってやってください」

まほ「お母様の妹の妹はせほ・・・外国人みたい」

エリカ「隊長」

みほ「それでは、パンツァーフォー!」キュラキュラキュラ

大阪「ぜんしんやー」キュラキュラキュラ

沙織「決勝だってのにゆったりな立ちあがりだね相変わらず」

大阪「そういえばなー、戦車って一応は車に数えられるんかな~?」

華「どうでしょう?戦う車と書くくらいなんですからやはり自動車なのでは?」

麻子「免許も要るからな」

大阪「ほんなら免許とって一年以内は初心者マーク付けなあかんのとちゃうんかな~?」

優花里「気にしたこともありませんでした」

沙織「気にする必要もないと思うよ」

大阪「それとな~、この前夜中にやってた戦争映画でなー、戦車乗ってる兵隊さんがお酒飲んですぐ運転してたんよ。逮捕されへんのかなー」

 ドーン!

優花里「敵襲です!右翼からきました!」

大阪「うわー大変やー」

沙織「もちょっと緊張感もっておこうよ!」

大阪「みんなうまいことにげてや~」

典子「了解!」

エルヴィン「心得た!」

エリカ「大会最短記録で叩きのめしてあげるわ」キリキリ ド!

ももがー「そうはさせるかァ!」キキィー

 ドーン! ポシュ

沙織「アリクイさん!?私達の盾に・・・!」

ぴよたん「経験の無い私達にできることはこれくらい・・・」

ねこにゃー「後のことは任せるにゃー・・・」ガク

大阪「ありがとー。今の内に逃げるでー」

沙織「無情だね大阪」

まほ「逃がさんぞ」

そど子「あの戦車、隊長達を狙ってるわ」

梓「そうはさせません!私達が相手になります!」

ナカジマ「ここから先には行かせないよー」

まほ「戦車に進めない道はない」キッ

 マッホマッホリ~ン!

梓「こ、こちらうさぎチーム・・・すみませんやられました・・・」ボロ

そど子「カモさんチームも同じくです!なによあの強さ!反則よ!」

ナカジマ「こちらレオポンチームです。なんかねー、すっごい追いかけまわされててピンチです」

沙織「3輌もいたのにアっと言う間に蹴散らされたなんて・・・」

優花里「これが西住流の西住まほ殿なんですよ!一騎当千の強さ!おそらく日本の女子高生で最強の人です!」


みほ「やっぱりお姉ちゃんはすごいなぁ・・・やりたいようにやってもらうだけで勝てちゃうや」

まほ「みほがフラッグの役をやってくれているから、私達は自由にやれる。鎖を外した虎(ティーガー)の恐ろしさを見せてやろう」キリッ

エリカ「隊長・・・やっぱりカッコイイ・・・」ウットリ

まほ「行くぞ。トラさんチーム前進!」

エリカ「・・・」

ナカジマ「こちらレオポン、ごめんねーやられちゃったー。めちゃくちゃ強い奴がそっちに向かってるから気をつけてー」

桃「くっ・・・こうなれば私達が待ち伏せして返り討ちにしてやる」

エルヴィン「我々も加わる。待ち伏せは三突の土俵だ」

優花里「西住まほ殿の車輛がこちらに追いつく前に我々は敵のフラッグを叩きましょう。今、黒森峰の車輛は全車我々の後方に位置していて、フラッグの西住みほ車はおそらく奥に控えてます。西住まほ車に遭遇しないようにぐるりと回りこんで敵本陣に仕掛けましょう」

典子「わかりました!」

大阪「勝てば官軍やで」


 マッホマッホリ~ン!

杏「や~ら~れ~た~」ポシュ

カエサル「くそッ!なんて強さなんだ!」

まほ「怯えろ。竦め。戦車の性能を活かせぬまま朽ちてゆけ」キュラキュラキュラ

 エリカ「捻り込みだ!隊長が後ろをとったわ!」

 赤星「ひねりこみ?」

 エリカ「隊長はあの技で黒森峰のエースになったのよ!」

おりょう「わあー!後ろを取られたぜよー!」

 ドーン! ポシュ

みほ「もうお姉ちゃんチームだけでいいんじゃないかな」

優花里「いました!あれが向こうのフラッグ車です!」

みほ「!・・・回り込んでこっちに直接攻めてきた。お姉ちゃんとは距離があるし他のチームも皆お姉ちゃんの無双を見学したくて前に出張ってるから・・・私達が相手するしかない」

大阪「見つけたでー!おうじょうしいやー!」

みほ「迎え撃ちます」ス

沙織「なにあれ。向こうの車長さん、戦車の外に顔出してるよ。危なくないのかな」

華「確かにあれなら外の様子が見やすいですが・・・」

大阪「は、反則や!あんなに顔出して、当たったらアカンから私ら撃てへんやんか!ずるい!」

麻子「こっちもやれば向こうも撃てないんじゃないか」

大阪「え!」

華「名案ですね」

沙織「大阪!車長らしく外に乗りだしちゃえ!」

大阪「う・・・・・・あ、危なくない?」

優花里「滅多に当たることはないから大丈夫だと雑誌のインタビューで西住みほ殿が応えてました」

大阪「・・・ほ、ほんなら・・・」ス・・・

 ドーン!

大阪「あぶない!むっちゃ危ないで!これはあかん!あかんでぇ!」ガチャバタン!

沙織「躊躇なく撃ってきたね」

典子「うおおおおおお!バレー部ファイトォー!なんとしても隊長達のために時間を稼ぐんだァあああ!」

あけび「はい!」

まほ「・・・」ガガガガガガガ

妙子「なかなか撃ってきません!やはり八九式を捕らえるのはいくら黒森峰でも難しいということですね!」

まほ(どうしよう・・・砲弾が尽きてしまった・・・積んであった分が少なすぎた・・・)

まほ(試合前に他の車輛の子が弾を運んでた時に、手伝おうか、などとかっこつけてしまったせいだ・・・他の車輛に弾を積むことにかまけて、自分の車輛のことを忘れていた・・・)

黒森峰装填主(格好つけて天然発揮の隊長かわいい)

黒森峰操縦主「隊長、どうします?追いかけまわすことしかできませんが」ガガガガガ

まほ「・・・・・・いや、そのままぴたりと着けていてくれ」

黒森峰操縦主(隊長ドジッ子かわいい)

典子「うおおおおおお!敵はこっちを捕まえられてないぞー!根性で逃げきれー!」

忍「パワーがそっちならスピードは私達だ!一生かかっても追いつけないぞ!」ガガガガガガ

まほ「・・・・・・バレたらまたエリカに怒られるな・・・」

 ドーン!

大阪「うわ~!たいへんや~!どないしよ~!」

優花里「落ちついてください大阪殿!冷泉殿の操縦テクのおかげでそう簡単にやられはしません!」

大阪「あーそうかー。ほんなら安心やなー」

 ドーン!

大阪「あいた!頭打ったで」

華「ケツにつかれていては反撃が難しいです。砲塔を回して・・・」キリキリキリ

大阪「待って!撃ったらあかん!顔出してる人に当たったらどうすんの!」

華「ですが反撃の仕様がありません・・・」

沙織「この先に川があるよ!麻子!旋回旋回!」

大阪「いや・・・私にええ考えがある」ピーン


みほ「!・・・川に沿うように走行を・・・」

沙織「やっぱり向こうもピッタリつけてきたよ!それでええ考えってなに?大阪!」

大阪「この戦車に積んでる砲弾を川へ投げこむんや。そしたら水しぶきが上がって向こうの人にかかるやろ?濡れるの嫌がるはずやから戦車の中に顔を隠すはずやで。そうなったら撃てる!」

優花里「なるほど!」

沙織「なるほどかなぁ」

優花里「えいえいえーい!」ポポイポイ

 ドボドボドボ バシャーン!

みほ「砲撃してください」ビシャビシャ ドーン!

沙織「全然ヘッチャラなんだけど!」

大阪「もっとや!もっと水がいる!華ちゃん、前のほうの川に大砲撃って!」

華「よろしいのですか?」

大阪「大砲の威力ならむちゃむちゃずぶ塗れになるはずや!それでも濡れるん気にせーへんのやったらさすがにおかしい」

華「わかりました・・・では」キリキリキリ・・・ ドッ!

 ドッパーン!

みほ「構わず砲撃を続けてください」バッシャァー!ドーン!

大阪「なんでやねん」

 グラ・・・ ガクンッ

みほ「えっ・・・」

 グググ・・・ ズリズリズリ!

大阪「あっ!・・・む、向こうの戦車が川に落ちてまうで!」

優花里「まさか地面が濡れすぎて緩くなっていたのでは・・・」

 ガラガラガラ!

みほ「!」

典子「根性ぉぉぉ!」ドドドドドド

まほ(・・・あんまり追いかけまわすのもかわいそうになってきた)

赤星「隊長、一向に砲撃しませんね。もしかして弾切れでは・・・」

エリカ「まさか。隊長に限って装填の補給を怠るなんてことありえないわ。・・・・・・いや、あるいは」

赤星「あれ?そういえばみほさん達は?・・・」

エリカ「さっき敵のフラッグ車と遭遇したみたいな通信があったような気がするけど」

赤星「え、放っておいてよかったんですか?」

エリカ「あの子が負けるわけないじゃない。今ごろ追いつめてるわよきっと」

赤星「たしかに」

通信手「でも車長、フラッグ車との通信が繋がりませんが・・・」

エリカ「・・・・・・」


大阪「うわー!えらいこっちゃー!」

麻子「戦車ごと落ちたぞ。この水の勢いでは救出に行くこともできん」

沙織「ど、どーすんのさ!いくら敵だからって放っておけるわけないよ!」

華「私が飛びこみます。皆さんは試合の中止を申請してください」バッ

優花里「無茶ですよ!この流れでは華さんまで流されてしまいます!」

華「しかし・・・」

操縦士「皆!早く脱出しよう!そんなに深い川じゃないからすぐに出られるはず!」

砲撃主「あれ?・・・副隊長は!?」

装填主「まさか・・・車体から乗り出してたから・・・落下の時に投げ出されたんじゃ・・・!」



みほ(ああ・・・失敗しちゃった・・・私がしっかり周囲を確認してなかったから川に・・・)

みほ(それに戦車から顔を出すのは危険だってあれだけ皆に言われたのにやめなかったから・・・一人だけ飛んでっちゃうなんて)

みほ(・・・お姉ちゃん、また心配するだろうなぁ・・・エリカさん、また怒るだろうなぁ・・・)

みほ(・・・・・・私・・・このまま流されて・・・)

みほ(・・・・・・皆・・・ごめんね・・・)


エリカ「みほーーーーー!!!」

 バッシャアーン!

沙織「う、嘘!躊躇なく助けに行ったよあの人!」

優花里「今のは黒森峰の逸見エリカ殿です!戦車で来るなりいきなり飛びだして・・・」

エリカ「待ってなさいみほ!今行くから!」バシャバシャバシャ

麻子「すごいクロールだ。自然に真っ向から逆らってるぞ」


みほ(・・・?・・・今・・・エリカさんの声がしたような・・・)

エリカ「~!~!」ゴボボボボ

みほ(あ・・・やっぱりエリカさんだ・・・)

 ガシッ

 ザッパァー!

エリカ「ぷはぁ!」

優花里「すごい!助けだしましたよ!」

華「みなさん!あの方が川から上がるのを手助けしましょう!」

・・・・・
・・・


みほ「・・・・・・ん・・・」

優花里「気がついたようです!」

大阪「おはよーさん」

みほ「あれ・・・私・・・」キョロキョロ

まほ「川に落車したところをエリカが引き揚げたんだ。無事でよかった・・・」

エリカ「・・・」

みほ「エリカさんが・・・」

エリカ「・・・フラッグ車の車長が戦車から放り出されたんじゃ、放っておくわけにもいかないじゃない」

大阪「けど私らーがあたふたしてるところを攻撃されてたらやられてもーてたなー。試合の勝ち負けよりも人助けに行ってくれたから、その子も私も助かったわー」

エリカ「ッ・・・!」

小梅「あれほど勝ちにこだわってたのにね」

エリカ「う、うるさい!」

みほ「ありがとう、エリカさん」

エリカ「ッ!そ、そんなことより!試合よ試合!どうするのよ!今は中断してもらってるけど、フラッグ車を引き上げてる間に日が暮れちゃうわ!それもこれもみほがドジ踏むからよ!しっかりしなさいよ副隊長!」

みほ「ふええ~、ごめんなさい」

大阪「副たいちょうやのに怒られてる。クーデターや」

エリカ「うるさい!あんたも隊長のくせにもっとハキハキしなさいよ!」

大阪「ご、ごめんなさい・・・」

蝶野「どうしましょう・・・明日に仕切り直しで再試合するしかなさそうだけれど・・・」

杏「再試合するには運営側にも私達側にも色々と準備が必要ですし無駄に時間とお金がかかるだけだと思います」

蝶野「ではどうするの?サッカーのようにPK対決なんてできないわよ」

みほ「残存車輛の多い方が勝ちというのはどうでしょう」

大阪「ずるい!自分らが勝ってるから言うてるやろー。ほんならフラッグしゃの無いそっちのほうが負けっていうほうが筋が通ってるわ」

みほ「そ、それは・・・」

大阪「戦車で競争するのはどう?残ってるのでレースして速い方が勝ち。これならうちの戦車の方が軽いから勝てるかもしれへん。こ、これはええアイデアかも!」

みほ「あっ!ずるいです!重戦車が多いこちらが不利ですよ!」

大阪「バレてもーたかー。さすがに副たいちょうは鋭いなー」アハハ

みほ「ありがとうございますー」エヘヘ

エリカ「あなたたちッ!やる気あんのッ!」

大阪&みほ『ご、ごめんなさい・・・』

杏「まーまーご両人・・・ここは一つ、同じ条件で不利も何もない勝負で決めようじゃないの」

桃(さすが会長・・・マトモな勝負では圧倒的不利な我々にも勝つチャンスを得るために合理的に話を持っていくとは・・・)

まほ「して、その勝負とは?」


杏「ここは一つ、ジャンケンで勝負を決めようじゃないの!」フンス


 「「「じゃ、じゃんけん~~~!?」」」

エリカ「ふざけるんじゃないわよ!神聖な戦車道の決勝でどうしてジャンケン勝負になるのよ!」ギャーギャー

柚子「会長!いくらなんでも賭けに出すぎです!」アタフタ

杏「だって他にいい案がないんだもん」

まほ「はっはっはっはっは!・・・いいじゃないか、ジャンケンで。私は賛成だ」

エリカ「た、隊長!?なにを言ってるんですか!」

まほ「実際、今から試合を再開するのは無理な話だ。エリカ、これも戦車道だ」キリッ

エリカ「そのセリフで何でも収まると思わないでください!」

まほ「す、すまん」

蝶野「黒森峰の隊長は承諾。大洗の隊長は?」

大阪「うん、ええよ~」

エリカ「なにぃ~!」

蝶野「それでは、全国戦車道高校生大会の決勝戦は、アクシデントによりジャンケン勝負にて勝敗を決することにする!」

 \ワーーーーー!/    \ワーーーーー!/   \ワーーーーー!/

エリカ「・・・じゃ、ジャンケン・・・本当に?・・・」

蝶野「それでは、両チームフラッグ車長前へ!」

みほ「・・・」ザッ

大阪「・・・」ザッ

沙織「がんばれ~大阪~!」

優花里「勝利を我が校に!」

まほ「・・・」

蝶野「いい?私が『チッ、ケッ、タッ!』と言うから、それに合わせて勝負よ。後だしもグッチョッパーの三位一体技も無しだからね」

みほ「え?なんですかチッケッタって・・・『ジャンケンポイ』じゃないんですか?」

大阪「私の地元では『ジャイケンホイ』って言うてたで。お姉さんどこ産?」

蝶野「審判の私がチッケッタで行くというんだから従いなさい!いい!?いくわよ!」

みほ(この勝負に黒森峰の・・・皆の優勝がかかってる。11連覇がかかってる。負けられない!)

大阪(私が勝たな大洗高校は無くなってまう・・・また転校せなあかん・・・引っ越しの手伝いをせなあかん・・・それはいやや!)

蝶野「チッ!ケッ!――」

杏(勝て、大阪ちゃん)

カエサル(勝って兜の緒を締めよ)

典子(私達の学校を守って!)

まほ(勝つも負けるも、お前次第だ。みほ)

エリカ(みほ!いきなさい!誰のためでもない、あなた自身のために!)

みほ「いざ!」

大阪「勝負!」


蝶野「タッ!!!」


  みほ【チョキ】大阪【チョキ】


 沙織  「う」  エリカ   「う」
 華   「お」  小梅    「お」
 優花里 「お」  マウス車長 「お」
 麻子  「お」  パンター車長「お」
 桃   「お」  G型車長  「お」
 梓   「お」  Ⅲ号車長  「お」
 そど子 「お」  ツェスカ  「|」
 ナカジマ「!?」 まほ    「!?」


蝶野「あいこ!仕切り直しッ!」バッ

みほ「っ!・・・はァー・・・はァー・・・」フラッ

大阪「あいこやー」ナンヤー

沙織「こ、これは心臓に悪い・・・」ドキドキ

エリカ「戦車道の試合よりよっぽどハラハラする・・・」ドキドキ

みほ(・・・うう・・・緊張しすぎて頭がクラクラするよぉ・・・)フラフラ

大阪(次はチョキでいこー)

蝶野「それでは再びッ!チッ!」

みほ(ああ・・・はじまっちゃう・・・集中しないと・・・)フラッ

蝶野「ケッ!――」

大阪「なんやみほちゃん、フラフラしてるで。だいじょうぶ?」

みほ「へっ?あ、いえ、だいじょうぶ――」アセッ

蝶野「タッ!!!」


 みほ【パー】 大阪【チョキ】


みほ「あッ・・・・・・」

大阪「あー勝ったー」


蝶野「大洗女子の勝利!!!」

 「「「「「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」」」」

沙織「やった!やったよ大阪ー!」

華「お見事です!」

桃「か、勝った・・・勝ったんだァ!」

柚子「これで大洗は無くならないわ!」

杏「気遣って相手にパーを誘発するとはやるねー」

みほ「・・・負けちゃった・・・」ショボン

まほ「みほ」

みほ「お姉ちゃん・・・ごめんなさい・・・」

まほ「気にするなみほ。また次に勝てばいい」

エリカ「・・・お疲れ様、副隊長」

みほ「エリカさん・・・」

エリカ「さ、隊長、副隊長、帰って今日の試合の反省会をしますよ。隊長と副隊長はそれぞれ2000字の反省レポートを19:00までに作成してください」

みほ「えっ」

まほ「エ、エリカ・・・今日は無礼講ということで・・・」

エリカ「言葉の使い方を間違っているので隊長は明日から私と国語の勉強を毎日3時間しましょう」

まほ「・・・」


 ~~~

桃「貴様らァ!いくら全国大会で優勝して廃校を免れたからと言って、戦車道の授業は続くぞ!」

麻子「せっかく優勝したんだから朝から練習なんかしなくていいんじゃないか・・・」

沙織「まーまーいいじゃん。もしかしたら廃校撤回は口約束だから無しーなんて言われるかもしれないよ」

華「ご冗談を」

優花里「私は戦車に乗れるだけで感無量であります!」

大阪「ほんならやー、とりあえずみんなで戦車のってその辺ブラブラしよかー」

優花里(大阪殿がもたらした『隊長自らがのんびりしすぎることで各自に自立性を強め、成長させる』という大阪流の戦車道・・・当初こそウソから始まった流派ですが、おかげで大洗は優勝できました!)

優花里(きっと大洗に伝統の流派として大阪流は継がれていくのであります・・・!)

大阪「そういえばなー、戦車の大砲で雪を発射したら楽しいんちゃうかなー」

優花里(・・・・・・継がれることはなさそうですね)


 おわり

 おまけ

しほ「・・・試合、残念だったわね」

みほ「ごめんなさい・・・」

まほ「私の采配ミスです。一人で走った結果、フラッグ車のみほへの注意が薄れてしまっていたのが敗因です」

しほ「そうね。落ち度は二人のどちらにもあるわ。でも、みほが無事でよかった」

みほ「お母さん・・・」

しほ「それより、大洗の隊長・・・何か特別な流派の者と耳にしたけれど・・・」

みほ「ああ、大阪流っていう流派らしいんだけど・・・」

しほ(大阪流?・・・聞いたことないわね・・・)

みほ「お母さん、知ってるの?」

しほ「・・・・・・知っている」

まほ「さすがお母様」

しほ「昔、三度試合をしたわ」

まほ「おお」

しほ「三回とも勝ったわ」

まほ「おお」

みほ「すごい!さすがお母さん!」

しほ「強敵で、私が乗る一輌だけが残ったところで、逆転したのよ」

まほ「おお」

みほ「すごーい!」

しほ「ふふ・・・」

 おわり

ここまで見てくださった方ありがとうございました
ガルパンはいいですね

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