【モバマスSS】異次元との邂逅 (17)

こんにちは、達磨(今つけた名前)です!

私は今短編集を書いているのですが、その裏でこっちも書き始めます!

シリアス、グロテスク、百合の要素を含むつもりですので苦手な方はお逃げください

あっちの方でも言いますが、向こうの更新とこっちの更新を交互(こっちが少し多いかも)でやるので、遅くなってしまいます。

そして最後に、このSSは、地の文を含みます。

それでは導入です


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454131636

Non-Insulator Xenology Of Unkown Dimension 通称 NOD―――日本語名は非絶縁体異次元生命体―――それは今から110年前の2906年に突如として現界にやって来た。

奴らは――人類史上最悪の敵だ。


△▽△▽△


日本のとある場所のとある施設、国際次元災害対策局、アジア支局直属の日本分局のレーダーNOD発見室では、騒々しい雰囲気のなか、四人の少女達が駆けていた。

「今日は少なそうですね」

今、レーダーにより把握した現状を話した黒髪ロングの少女は、日本分局の戦闘部門、アテナの第一班―――通称フリルドスクエア―――の班長のホノカ・アヤセだ。

「そだねー。めんどくさいことには変わりないけど」

呆れたように言った前髪パッツンの少女は、同じく、フリルドスクエアのシノブ・クドウ。

「NOD討伐大作戦だねっ」

そう言ってニカッと笑った、黒髪で、右側に団子を作った少女は、アズキ・モモイ。

「でもお前ら、気ぃ引き締めろよ?」

三人に注意を呼び掛けた黒髪ロングの爆乳が、フリルドスクエアでは最年長の、タクミ・ムカイだ。とても優れた技術と、どんな人でも思いやる優しい心の持ち主だ。

周りからはその頼れる人格ゆえに、タクねぇと呼ばれることがしばしばある。


ポイント640地点 転移準備完了


不意に機械音がそう告げると、四人の顔がキリッと別人のように引き締まる。

「アテナ第一班、フリルドスクエア、ポイント640地点へ転移する!」

タクミのその掛け声に反応するように、機械音が告げる。


ポイント640地点 転移開始


そう機械音が告げたあとで、四人の姿は消えた。

少女達が降り立った地は、ポイント640地点、茂葉高校という学園の敷地内だった。そこには、この世の者とは思えない、奇形をした生命体がいた。

それらはどす黒い体で、デカデカとしたうでを無気力そうにダラーっと垂らし、顔面には、血走った一つの大きい眼をもっていた。

それがNOD。突如現界にやって来た、地球史上最悪の敵だ。

四人が駆けつけたときには、ちょうど一人の男性がNODに頭部から補食されていた。そして間もなくしてその男性は、一匹のNODの腹の中に消えていった

「救えなかったっっ」

タクミが呟いた。タクミは今、男性を救えなかったことにたいして怒りを覚えた。

それは、男性を喰らったNODに対するものも多少はあるものの、その本意は自分に対しての怒りだった。

「だ、誰か助けてーっ!」

そんなタクミに火を点けるような悲鳴が上がった。瞬間にしてタクミは悲鳴の方へ駆け出した。

駆け付けた先では、少女がNODに襲われていた。タクミは咄嗟に腰に提げた棒状の物に手をやる。これは、人類が編み出した、NODに対抗するための武器である。

かつてはNODには弱点が無いとされていた。しかし、NODの日本語名は非絶縁体異次元生命体。つまり、絶縁体ではないのだ。そこから発展を利かせ、辿り着いたのが、電気と熱であった。

絶縁体とは、雲母などの、電気と熱を通しにくい物質だ。そのことを逆手にとり、幼き天才機械家、アキハ・イケブクロが開発したのが、この『電極剣(プラズマ・セイバー)』であった。

「はぁっっ!」

掛け声と共に、タクミは電極剣を横一閃に薙ぐ。すると、超硬のNODの皮膚に傷が付く。痛みにNODは唸り声をあげる。

「まだまだ行くぜぇ!」

NODが怯んだのを見ると、タクミは続けて、一閃、二閃と剣を薙ぐ。そしてついに、NODが倒れ、息を引き取った。

「大丈夫か?」

「ありがとうございましたっ。わたしはユズ、ユズ・キタミ!あなたは?」

一礼した少女のその顔には笑顔が戻っていた。

タクミ「アタシはタクミ・ムカイだっ」

ユズと名乗った少女に合わせて、タクミもニカッと笑ってそう返した。タクミはそのとき、なんとも言えない嬉しさに浸っていた。

しかしそれは、地獄の始まりだった。二人は嬉しさに手足をとられ、タクミの背後に忍び寄るどす黒い影に気がつかなかった。

駆け付けた先では、少女がNODに襲われていた。タクミは咄嗟に腰に提げた棒状の物に手をやる。これは、人類が編み出した、NODに対抗するための武器である。

かつてはNODには弱点が無いとされていた。しかし、NODの日本語名は非絶縁体異次元生命体。つまり、絶縁体ではないのだ。そこから発展を利かせ、辿り着いたのが、電気と熱であった。

絶縁体とは、雲母などの、電気と熱を通しにくい物質だ。そのことを逆手にとり、幼き天才機械家、アキハ・イケブクロが開発したのが、この『電極剣(プラズマ・セイバー)』であった。

「はぁっっ!」

掛け声と共に、タクミは電極剣を横一閃に薙ぐ。すると、超硬のNODの皮膚に傷が付く。痛みにNODは唸り声をあげる。

「まだまだ行くぜぇ!」

NODが怯んだのを見ると、タクミは続けて、一閃、二閃と剣を薙ぐ。そしてついに、NODが倒れ、息を引き取った。

「大丈夫か?」

「ありがとうございましたっ。わたしはユズ、ユズ・キタミ!あなたは?」

一礼した少女のその顔には笑顔が戻っていた。

タクミ「アタシはタクミ・ムカイだっ」

ユズと名乗った少女に合わせて、タクミもニカッと笑ってそう返した。タクミはそのとき、なんとも言えない嬉しさに浸っていた。

しかしそれは、地獄の始まりだった。二人は嬉しさに手足をとられ、タクミの背後に忍び寄るどす黒い影に気がつかなかった。

>>7は無かったことにしてください(超懇願)

ブンッと横振りされるNODの黒い腕がタクミの頭部に鈍く直撃する。

タクミは頭部が取れるような感覚に襲われた。

朦朧とする意識のなか、見えたのはNODに襲われていたユズだった。

ユズを救いたい。その思いがタクミを動かした。

「よしっ」

短く気合いをいれると、頭部を強打した人間とは思えない勢いでユズを襲うNODとの間合いを詰め、電極剣を一閃した。

「飛ばしてやったぜ!その黒い手ェ!」

そう言ったところで、タクミの目線がNODから爆乳を映し、瞬間にして消えた。タクミは考える暇もなく、その心の灯火を吹き消された。

ユズは何が起きたのか理解できなかった。それもそうだ。人間、普通に生きていたのならば、頭部が吹き飛ぶようなことはない。そこでユズは、初めて自分が今、非日常のなかにいることを悟り、今まで感じたことのない恐怖に、身が震えた。

目の前で人間が頭部を飛ばされる。その人間は命の恩人だ。それは、ユズにとっては大きすぎる衝撃だった。

「タクミサァァンッッ!」

駆け寄りたいが駆け寄りたくない。タクミに触れたいが首無しは怖い。+の欲と-の欲とがユズのなかで濃厚に絡み合う。

ユズが考えに浸っていると、二匹のNODはタクミの蛻を補食し始めた。その光景が、ユズを更なる非日常の深淵へと誘う。

「もう…タクミサンはいないんだよね。だったら、アタシが戦って、自分は自分で守るんだ!」

近くに落ちていたタクミの電極剣を拾うと、タクミの蛻に夢中になっている、片腕の切り裂かれたNODに向かい、剣を振った。

「はぁぁぁぁ!」

その剣に正確な太刀筋などない。ただただ剣を振っただけだ。しかしユズは学習した。頭が飛ばされれば、生きていけないことを。

「狙うは首もとっ、一回で決めるっ!」

降り下ろされた電極剣は片腕のNODの首もとを正確にとらえ、切り裂いた。ユズに橙色の返り血がかかるが構わない。

「まず一匹!アナタも楽にしてあげるからっ」

そう言ったユズは、タクミを挟んで反対にいるタクミの仇のNODに向かい、跳んだ。そのまま頭部から一直線に電極剣を降り下ろす。

「真っ二つにしてやるっ」

空中から降りてくるユズの重加速度と、手を思いっきり降り下ろしたその遠心力が合わさり、その積の力が一気に仇のNODに直撃する。当然耐えきれるはずもなく、仇のNODは倒れる。

さっきよりもたくさんの返り血を浴びる。しかし、ユズはそれをも気にせずに、ペタンと膝をつき、泣いた。

「タクミサン…うぅっ…」

空からは大粒の雨が降っていた。

泣き枯れるユズに、あとの三人が駆け寄る。

「アナタたちは?」

「タク姉の仲間。あんたこそ誰?」

「ユズ・キタミ」

シノブの問いに、ユズは静かに答えた。

辺りに転がっている二体のNODの死体を見て状況を悟ったホノカが、ユズを抱き締める。

「辛かったですよね……」

「うっ、うぅっ」

それでもユズの涙は止まらない。

「ねぇ、ユズちゃん、いつまで泣いてるつもり?」

冷たい笑顔を浮かべたアズキが、ユズに歩み寄る。そして、その胸ぐらをグッと掴むと

「あんたのせいでっ、タク姉ちゃんは死んだんだぞぉ!?どうしてくれんだよっ!!」

「アズキちゃん、やめてください!ユズちゃんは悪くないです!」

「そうだよ、恨むべきはNODでしょ?そしてユズは、私たちでも三人懸かりでやっと二体倒したNODをたった一人でやったんだよ?タク姉の代わりにもなる」

「代わり?」

「うん、代わりだよ。タク姉の代わりが必要だからね。」

「ユズちゃんの実力なら、フリルドスクエア入り確定ですね、おめでとうございます」

「悲しくないの?タクミサンのこと」

「何で悲しむ必要があるの?死んだものは死んだんだよ。帰ってこないの」

「補充の要員もすぐ見つかったしねっ」

悲しげなユズの問いに、シノブとアズキが無情にも笑顔で答える。

ユズは人間の恐ろしさを知った。

「今日からこの『フリルドスクエア』で対の戦女として、正式に隊員になりました、ユズ・キタミです!」

「よろしくおねがいします、ユズちゃん」
ユズの対の世代としての力は、タクミに勝るとも劣らないモノだった。

最初、ユズは躊躇った。対の戦女になることを。目の当たりにしたNODへの恐怖、垣間見た人間への恐怖が彼女を抑止していた。しかし、フリルドスクエアのなかではまともであるホノカの言葉で、正式入隊を決めた。

ユズの対NOD戦闘員、対の戦女としての戦いが始まった。

コレを見てくれてるひとは少ないと思うけど、そんなひとのために、難しいと思うので、用語集を投下するですっ!

非絶縁体異次元生命体
Non-Insulator Xenology Of Unknown Dimention NOD

2906年に現界へやって来た、人類史上最大の敵。

非常に頑丈だが、身体の構造が、非絶縁体なため、熱と電気に弱い。

今は見つかっていないが、特別種存在の可能性も考えられている。

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