きらり「世界を包む愛をあげゆ」 (27)
何時からそう思うようになったのだろう。
自分が大きくなればなるほど、周りは小さくなる。
自分が強くなればなるほど、周りはか弱くなる。
小さいものは小さいほど、かわいい。
弱いものは弱いほど、守りたくなる。
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ーーーならば
自分を傷付けるものが、小さければ小さいほど。弱ければ弱いほど。
かわいいと思えるのだろう。守りたいと思えるのだろう。
だから、大きくなればいいのだ。強くなればいいのだ。
もっともっと大きくなれば、この悲しみさえも
☆
蟻達「ヨッコイショウイチ、エッサ、ホイサ」
きらり「アリさんはかわいいにぃ」
きらり「ちょこちょこてくてく、食べ物をはこんで」
きらり「とっても……がんばりやさん」
「うわっ、デカ女だ!」
「一人でなにやってんだ?……アリ?」
「あーっ、きっとコイツ、アリを食べちゃうつもりなんじゃね!?」
「わっ、ヒデェ!」
「なんでもいじ汚く食べてるとデカ女みたいに大きくなっちゃうぞー!」
「こええー!逃げろー!」
きらり「……」
☆
猫「ニャーン」
きらり「猫ちゃんはかわいいにぃ」
きらり「頭をくしくし、体をぺろぺろ」
きらり「毛繕いに、大忙し」
きらり「……」
きらり「……猫ちゃん、撫でても……いい?」
猫「フギャッ」
きらり「!」
猫「ヴー」
きらり「……ごめんなさい」
猫「シャー」
きらり「……」
☆
きらり「学校の女の子達は、かわいいにぃ」
『センセー、諸星さんが邪魔で黒板が見えないので席を変えて欲しいです』
『あっ、諸星さん。ちょっとそこの棚の上にあるモノ取ってくれないかな。私達だと届かなくてさあ』
『体が大きいといいよねー、痴漢とか近寄らなそうで』
『諸星さん、そこ私達が通るからちょっとどいてくれないかな?』
きらり「みんな、みんな。キラキラしていて……とってもかわいくて……」
きらり「……」
★
きらり「杏ちゃんはかわいいにぃ」ギュッ
杏「……きらり?」
きらり「……」ギュッ
杏「何かあったかー?」
きらり「んーん?……杏ちゃんと、こうしてると……ハピハピしてきて……たのすぃーから」
杏「……ん……そっか」
★
きらり「Pちゃんはかわいいにぃ」
P「俺に言われてもなぁ……少なくとも褒め言葉じゃないよな」
きらり「うぇへへ☆……ゴメンね、Pちゃん」
P「それに、俺なんかがかわいかったら、きらりのかわいさは地球よりも大きくなっちまうぞ」
きらり「……」
きらり「にょわー……///」
☆
きらり「杏ちゃんの寝顔はかわいいにぃ……」
P「きらり……あんまり根を詰めるなよ。お前、何日寝てないんだ?」
きらり「……」
P「ここでお前までぶっ倒れたら、どうなっちまうか分かるだろ?杏は俺が看とくから……頼むから、休んでくれ……きらり」
きらり「……」
☆
きらり「……っ……Pちゃん……お花に、囲まれてて……かわいいにぃ……」
「まさか、プロデュースしていたアイドル達に刺されるとはなぁ……」
「でもアイツ、手は出してなかったって聞いたぜ?」
「しかし、アイドル達数十人がム所と院送りになったのは……」
「ここのプロダクションはもう終わりだな……」
きらり「……」
きらり「……Pちゃん、杏ちゃん……」
きらり「……もっと、もっと、きらりは強くならなきゃいけないにぃ?」
きらり「……大切な人を、護る力……」
☆
きらり「対戦相手はかわいいにぃ」ズダーン
『まーた諸星選手が優勝か』
『強過ぎだよな』
『男子レスリングに混じってもいけるんじゃないか』
『男子の方でも無双しそう』
『つまんねーな、一強だと』
きらり「……」
きらり「……ただ、きらりが強くなるだけじゃ……ブーッ、バツ!みたい」
きらり「……もっと……もっと、強くなって……みんなを守れるように……」
☆
きらり「M1エイブラムスはかわいいにぃ」ドガシャーン
《凄すぎる……彼女一人で相手の戦車部隊を壊滅させるなんて!》
《きっと彼女は……KILL-reは神が遣わした天使だよ!》
きらり「……ふー、きらり、少し休憩すゆ……みんなも、おつぁーしゃー」
《ファック!!何だあのモンスターは!》
《KILL-re……悪魔のようだ……本部に連絡を!》
ーーーーーー
きらり「……そろそろ戦線に戻って頑張るにぃ」
キイイイイイイン
きらり「にょわ?」
ドカァァァアン
きらり「ゴホッゴホッ…………ゲホッ」
きらり「あ……」
味方兵達「」
きらり「……」
きらり「……もっと、もっと……」
きらり「きらりが、一人でも戦えれば……」
☆
きらり「きらりん☆レーダー!!」ニョワニョワニョワワーン
ステルス戦闘機「キイイイイン」
きらり「……みーつけたー☆」
きらり「爆撃機はかわいいにぃ」
きらり「よーし、きらりん☆パワーで撃ち落としちゃえ!」
きらり「きらりん☆ビーーームッ!!!!」ニョワワワワワワワワ
ドコオオオオオン
きらり「…………にょわー」
《怪物キラリ、中東を制圧!?》
《合衆国大統領も苦慮》
《強大すぎる生物兵器を所有する日本、国際的に批判集まる》
きらり「……」
きらり「もう……どこかで……ゆっくり眠りたいにぃ……」
きらり「……誰にも邪魔されずに……」
きらり「…………海の底なら、のーんびり、たのすぃー……かな」
きらり「ちょっと、疲れちゃった」
ゴポゴポゴポゴポ……
☆
ドカァァァアン
ドカァァァアン
ドカァァァアン……
……
きらり「……にゅー、せっかくおねむだったのに、おメメパチパチだゆ」
ザパァン
きらり「黒い……雨?」
ザー……
☆
きらり「……」
猿人1「ウホウホ(きらり神よ。我々の願いを聞き入れ給へ)」
猿人2「ウホホ(待て。それはきらり神の意志に背くものだ)」
猿人3「ウホウホ(何を言うか、きらり神に我々の運命を委ねることに何も間違いは無い)」
猿人4「ウホ(きらり教の原典に反するお前たちの行動は間違っている)」
猿人1「ウホホホッホ(ならば戦争だ。我々一派と貴様らの何方が正しいか白黒つけようではないか)」
猿人3「ウホウホ(ほう、面白い)」
ウオオオオオ ギャアアアア
☆
きらり「……」
きらり「何度文明を繰り返しても人って戦争ばっかりだにぃ」
きらり「どうしたら、いいのかな……」
きらり「……」
きらり「……もっと、もっと、もっと」
きらり「もっと。大きくなれば」
★
きらり「地球はかわいいにぃ」
隕石「ズゴゴゴゴ」
きらり「うきゃー☆地球に隕石が衝突しちゃう!ヤバーい!」
きらり「ゴッドきらりんが地球のみんなを助けるにぃ!」
きらり「きらりん☆アターック!!」グワッシャーン
きらり「……うぇへへ☆」
きらり「もう、何にも悲しいことなんて起こらないにぃ」
きらり「きらり、ずっと地球のみんなのことを見守ってあげゆ」
きらり「……ずっと、ずっと……」
きらり「きらりに包まれて、みんながハピハピになれますように☆」
この悲しみさえも、いつの日か愛に変わりますように
完
依頼出してきます
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