テロリストＡ「我々の要求を政府が大人しく飲めば、貴様らは即座に解放してやる！」

テロリストＡ「だが、要求を飲まなかったり、無駄に時間をかけるようなら、お前らは一人ずつ射殺していく！」

テロリストＡ「状況がわかったな！？ なら、政府が大人しく要求を飲むよう、お前らは呼びかけろ！ これからその動画を撮る！ いいな！」

テロリストＢ「カメラはここだ！ ネットを通じて全世界に生中継する！ さあ、こっちを向け！ 私語を許可してやる！」ｻｯ


三浦「マジで！？ ちょ、あーし、メイク今日イマイチなんだけど！」

戸部「ウェーイｗｗｗｗｗ みんな見てるー！？ イエーイｗｗｗｗｗ」

海老名「ホモは地球を救う！ 世界はホモを中心に回ってるんだよ！」

川崎「ちょっと、あんたら馬鹿なの！？」

戸塚「皆、駄目だよ、そんなの！」


テロリストＡ「真面目にやれ！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

海老名「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


テロリストＢ「おい、動画止めろ！ ストップだ！！」

テロリストＡ「クソッタレが！ 配信が滅茶苦茶だ！」

テロリストＢ「だが、結果的に撃ったシーンを撮れてるし、脅しにはなったはずだ。改めて政府に要求を伝えるぞ」

テロリストＡ「いいか、クソバカども！ これは脅しでも遊びでもないぞ！！ 次にこんな事しやがったら、容赦なく射殺するからな！」

戸部「マジで！？」

テロリストＡ「喋るな！ 私語はもう禁止だ！！」

戸部「マジで！？」

テロリストＡ「喋るなって言ってるだろうが！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

戸部「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


三浦（戸部まで！ 隼人に続いてよくもやってくれたし！ 絶対に仇を討ってやっから！）

川崎（あいつ、バカなの！？ 撃たれるってわかるでしょ！）

戸塚（あ、まずい。くしゃみが出そう……。どうしよう、止められない……）ﾑｽﾞﾑｽﾞ

戸塚「は……」

戸塚「」ﾊｸﾁｭﾝ

テロリストＡ「喋るな！！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

川崎「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


テロリストＢ「いいか！ 俺達は気が立っている！ 少しでも妙な動きをするな！ 生き残りたかったら何もせずにじっとしてろ！」


三浦（川島までやられたし！）

戸塚（川島さん！）

ー　奉仕部　ー


テロリストＣ「ここにもガキが居やがったか！ いいな、動くなよ！ 喋るのも禁止だからな！」

テロリストＣ「妙な真似したら即座にこのショットガンで撃ち殺してやるから覚悟しやがれ！」


八幡（何て事だ……。何でこんな普通で有名な千葉の学校にテロリストが来るんだよ……）

雪乃（参ったわね……。喋る事も動く事も出来ないとなると、どうにもならないわ）

結衣（あのテロリスト鼻毛出てるし。スッゴい気になる）

テロリストＣ「…………」ｼﾞｰｯ


八幡（ちっ。目を離さずにずっとこっちを見てやがる。下手な真似は出来ないな）

雪乃（比企谷君、由比ヶ浜さん。聴こえるかしら？）

八幡（何だと？ 脳内から雪ノ下の声が聴こえてくるぞ。幻聴ってやつか？）

雪乃（いいえ、違うわ。こんな事もあろうかと、四日前にテレパシー能力に目覚めておいたのよ）

八幡（どうせなら、テレポート能力とかに目覚めろよ）

結衣（鼻毛が気になりすぎて、それどころじゃないし）

雪乃（いい、よく聴いて。私は命令されるのが好きじゃないの。だから、あの男の持っているショットガンを奪って逆に命令してやるのよ）

結衣（鼻毛を抜かせるんだね、ゆきのん）

八幡（おい、何かテレパシー混線してるぞ）

雪乃（あの男は確かにこちらをじっと観察していて隙がないわ。だけど、三人で一斉に動けば注意を三分割せざるを得ない。その隙に三人の誰かが上手く鼻毛を奪うのよ）

結衣（わかった、ゆきのん。いっせーのーでで動くよ）

八幡（おい、ちょっと待て。危険すぎるだろ。おまけに作戦雑すぎじゃないか？ あと、鼻毛奪ってもしょうがないぞ、落ち着けお前ら）

雪乃（それじゃいくわよ。いっせーのーで！）

八幡「え」ﾀﾞﾀﾞｯ

雪乃（何してるの、比企谷君！）

結衣（ヒッキーのバカ！ 冗談に決まってるし！）

テロリストＣ「何だ貴様は！」ｶﾞﾁｬｯ

八幡（ヤバイ、ショットガンを構えられた！ 死ぬ！ 間違いなく死ぬ！）

雪乃「危ない、比企谷君！」ﾀﾞﾀﾞｯ

八幡「雪ノ下！？ やめろ、俺をかばうな！ でないと、お前が」

テロリストＣ「死ね！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

雪乃「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


結衣（ゆきのーん！！）

八幡（雪ノ下ー！！）

テロリストＣ「いいか！ 少しでも動いたらさっきの女みたいになるからな！ 死にたくなかったら、大人しくしてろ！」


八幡（くそっ……。俺の代わりに雪ノ下が撃たれてしまった……。どうして俺なんかをかばったんだ……）

結衣（いつのまにか鼻毛がもう一本増えてるし）


ｶﾞﾗｯ!!

静「比企谷、由比ヶ浜！ 無事か！？ 助けに来たぞ！」

八幡「平塚先生！」

結衣「鼻毛先生！」

テロリストＣ「邪魔だ！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ

静「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


八幡（平塚先生ー！！）

結衣（何しにきたし、あの人）

八幡（ちくしょう、もう二人も撃たれてしまった。なのに、俺は何も出来ないなんて……）

結衣（お腹すいたし）


ｶﾞｶﾞｯ、ﾋﾟﾋﾟｯ

テロリストＣ「はい」ｽｯ

テロリストＣ「そうですか、政府が要求を……」

テロリストＣ「はい。はい」


八幡（何の連絡だ……？ 政府がテロに折れたのか？）

結衣（コーラとポテチを要求するし）

ー　教室　ー


テロリストＡ「はい。ではまた後で」ﾋﾟｯ

テロリストＡ「ガキども！ 政府が要求を突っぱねた！ それにより、これから見せしめとして人質一人を射殺する！ どちらが殺されるか選べ！」

三浦「そんな！ 選べる訳ないっしょ！」

戸塚「わかったよ！ なら、僕を撃って！ 三浦さんを助けてあげて！」

三浦「戸塚！？」

テロリストＡ「いい度胸だ！ ならお前が死ね！ 恨むなら政府を恨めよ！」ｶﾞﾁｬｯ

戸塚「やっぱ怖い！ 助けて！」ｻｯ

三浦「え、ちょ！」

テロリストＡ「死ね！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

三浦「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


テロリストＢ「こちら、テロリストＢ。人質一人を撃って校舎外に落下させた。その動画を配信する」ｶﾞｶﾞｯ


戸塚「三浦さん！ 僕の代わりに……！」

ー　奉仕部　ー


八幡（またショットガンの発射音が聞こえたぞ。ヤバいな、これ……）

結衣（トイレ行きたくなってきたし）

八幡（……このままだと俺達もいつ殺されるかわからない。せめて由比ヶ浜だけは守らないと……）

結衣（ヒッキー、どうにかしてくれないかな。このままだとおしっこ漏らしちゃうし）

八幡（……くそっ。雪ノ下みたいに俺に超能力でも宿ればどうにか出来るんだが）

結衣（ヒッキーに超能力が宿ればどうにか出来そうだし）

ｶﾞｶﾞｯ

テロリストＣ「そっちの様子はどうだ？」

テロリストＣ「そうか。わかった。こっちは問題ない。任せておけ」


八幡「」ｷｭﾋﾟｰﾝ

八幡（何だこの感覚！ ヤバイ！ 超能力に目覚めたっぽいぞ！）

結衣（スゴい、流石ヒッキーだし！）

八幡（え？）

結衣（え？）

八幡（テレパシー能力かよ！）

結衣（ヒッキーのバカ！ 何でテレポート能力に目覚めないの！）

八幡（こうなったら仕方がない。あのテロリストにテレパシーを送って何とかしてみる）

結衣（頼んだよ、ヒッキー！）

八幡（やれるだけの事はする）


八幡（おい、そこのテロリスト、聞こえるか？）

テロリストＣ（何だと！？ 脳内から誰かの声が聞こえるぞ！？）

八幡（そうだ。今、俺はお前の心に直接話しかけている。ひれ伏せ。恐れおののけ）

テロリストＣ（まさか、この声は……！ 神か！？ 神からのメッセージなのか！？）

結衣（おしっこ行きたい）

テロリストＣ（何だと！？ 神がおしっこ！？）

八幡（余計な事を言うな！ 黙ってろ！）

テロリストＣ（すみません！ お許しを！）

八幡（いいか、よく聞け。俺は神だ）

テロリストＣ（やはり貴方が神でしたか！）

八幡（お前たちがやっている事は間違っている。テロによって何かが変わるという事はない）

テロリストＣ（そんなっ！ では、我々はどうすれば！）

結衣（まずは鼻毛を抜くし）

テロリストＣ（ふんっ！）ﾌﾞﾁｯ

テロリストＣ「ぐおああああっ！！ い゛っ゛て゛え゛よ゛お゛！！！」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

八幡（余計な事を言うな！）

テロリストＣ「す゛び゛ば゛ぜ゛ん゛！！」

八幡（いいか、まずは人質を解放しろ）

テロリストＣ（ですが、人質を解放したら、我々の命が逆に危なくなります！ 私はどうすれば！）

結衣（おしっこ漏らすし！ ヤバイし！）

テロリストＣ（おしっこ！？）

八幡（それは俺がどうにかしてやる！）

テロリストＣ（おしっこを！？）

結衣（早く！）

テロリストＣ（は、はい！）ｼﾞｮﾛﾛﾛ

結衣（キモいし！）

八幡（何してんだ！ バカ野郎！）

テロリストＣ（す゛び゛ば゛ぜ゛ん゛！！）

テロリストＣ（とにかく、人質を解放すればいいんですね！？）

八幡（そうだ！ ショットガンもそこに置け！ 早くしろ！）

結衣（急ぐし！）

テロリストＣ（は、はい！）

テロリストＣ（聞こえるか、人質ども！ お前たちを今から解放する！ この通りショットガンも放すぞ！）ﾎﾟｲｯ

八幡（よし！ これでショットガンはこっちのものだ！ 由比ヶ浜は早くトイレに行け！）ｻｯ

結衣（もう漏れちゃうし！ こうなったら近道するし！ ふんっ！）ﾊﾞｷｯ!!

ズガガガンッ！！

テロリストＣ（何だと！？ 拳で床を粉砕だと！？）

ﾋﾟｼﾋﾟｼ、ﾒｷﾒｷ……

八幡（まずい！ 衝撃で学校そのものが崩壊するぞ！）

ー　教室　ー


グラグラッ！！

テロリストＢ「何だ！？ 何が起きた！？ 大地震か！？」

テロリストＢ「凄まじい揺れだ！ 立っていられないぞ！」

テロリストＡ「動くな！！」ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

戸塚「びゅーーーーーーーーーーん！！」


ｶﾞｼｬﾝ、ﾊﾞﾘﾝｯ!!


テロリストＢ「バカ野郎！ それどころじゃないぞ！ ここから逃げるんだ！」

バキッ、メキョッ

テロリストＡ「うわああああっ！！ 天井が崩れる！？」

テロリストＢ「ちくしょう！ 何だってこんな事に！！」


ガラガラ、ガッシャーン！！

ー　女子トイレ　ー


メキョッ、メキッ……

八幡（由比ヶ浜、早くしろ！ 天井が崩れるぞ！）

（まだおしっこ止まらないし）

八幡（もう漏らしてもいいだろ！ 早く避難しないと、死ぬぞ！）

グラッ、ガラッ

八幡（ヤバい！ 天井が崩れかけてきてる……！）

（よし！ パンツもはいたし！ 手も洗ったし！）

結衣（お待たせ、ヒッキー！）ﾀﾀｯ

ガラッ、グラッ、ガタガタッ！！

八幡（駄目だ、崩れる！ もう間に合わな……！）

ﾋｭﾝｯ

八幡（嘘だろ！？ いきなり天井が消えたぞ！？）

ﾋｭﾝｯ

雪乃（二人とも危ないところだったわね！ ついさっき、テレポート能力に目覚めて帰ってきたのよ！）

結衣（スゴい！ ゆきのん、流石だね！）

八幡（雪ノ下、お前が神か！！）

雪乃（じゃあ、脱出するわよ！ 二人とも、私の手に掴まって！）ｻｯ

八幡（おう！）ｻｯ

結衣（ふんっ！）ﾒｷｮｯ!!

雪乃（い゛た゛い゛！！ 折゛れ゛た゛！！）ｺﾞﾛｺﾞﾛ

八幡（雪ノ下ー！！）

結衣（ゆきのーん！！）


雪乃（由゛比゛ヶ゛浜゛さ゛ん゛！！）

結衣（ゆきのん、そんな事より早くするし！ 急いで！！）

八幡（雪ノ下、急いでくれ！！）

雪乃（う゛う゛……！！ テ゛レ゛ポ゛ー゛ト゛！！）


ﾋｭﾝｯ


ガラガラ、ガッシャーン！！