少女「さがしもの」 (16)

少女「それください。」

妖精「あなたの左目と交換ならいいですよ。」

少女「私の左目ですか。かまいません。」

妖精「それでは、私の左腕をどうぞ。」

光を失い、痛みがはしる。

左腕をもらった。

空にかざすと血が滴り、太陽に光る腕は芸術品みたい。

涙をぬぐうと袖が赤くそまった。

涙の色が…わからない。

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少女「それください。」

ゴブリン「これか。かまわんが左腕をもらおう。」

少女「左腕ですか?いいですよ、余ってますし。」

ゴブリン「それじゃ、俺の右足を持って行け。」

利き腕を失い、痛みと右足をもらった。

風にさらすと毛が流れるように舞い、血に染まる。

利き腕では持てないから、右手に持つが持ちにくい。

私の利き腕は…"動か"ない。

少女「それください。」

ドワーフ「君の右腕と交換ならいいべ。」

少女「私の右腕ですか。両手がなくなると持ち運べなくなってしまいます。」

ドワーフ「左腕を治せばいいべよ。」

少女「そうですね。でも左腕は左腕です。右腕にはなりません。」

ドワーフ「その左腕を左腕につければいいべさ。」

少女「そうですね。では左腕を治します。」

少女「では、それください。」

ドワーフ「気が変わった。両足をくれ。」

少女「両足ですか。2つとは強欲ですね。」

ドワーフ「その足は強そうだべ。」

少女「…いいでしょう。私の両足をあげます。」

ドワーフ「よし、じゃあ俺の右目をもっていけ。」

両足を失い、痛みと右目をもらった。

口に含むと少し塩辛い。

あれれ、歩けない。歩けない。

もう進めない。


まだ進める。



右足なら…治せるから。

一人。

私の手…きれいかな。

左目の位置が痛い…。

目…余ってたよね。

あれ、どこいったのかな。ドワーフさんのおいしい右目。


あれれれ、私のもらった目…どこ…。


でも右目かあ…。欲しいのは左目なんだよね。



それよりも…。

それよりも…。

左の足が欲しい。

少女「それください。」

悪魔「これか、かまわんが右腕をもらおう。」

少女「右腕ですか。いいですよ。」

悪魔「それじゃ、俺の左足を持って行け。」

右腕を失い、痛みと左足をもらった。

左足はここでつけちゃおう。



うん、今までみたいに痛みはない。





これで学校にいけるかな。

左目が痛い。

痛くて見えない。



右腕が痛い。

痛い…?

痛くない。



両足がある。

歩ける。



右の目でちゃんと見える。


腕は利き腕が残ってる。



あと欲しいのは……

少女「あなたの頭をください。」

人間「それは出来ないよ、死んでしまうからね。」


少女「え…?え…?」

人間「どうしたんだい。」


少女「頭がないと困るよ。頭が良くなきゃいけないの。」


少女「私が馬鹿だから、悪い子だから痛いの。」


少女「頭の痛いのが取れないの。」

少女「黒くなった腕も…傷だらけの足も…」


少女「全部ぜんぶきれいになったのに」

人間「きれいに…」



少女「いたいの無くなったのに」



少女「あたまのいたいのがとれないの」



人間「君は…」

少女「たたかないでおかあさん」



少女「そんなものをわたしにむけないで」


少女「それはハムじゃないよ。」



少女「うではそっちにまがらないよ」


少女「ほめてもらえてうれしいよ。でもいたいよ。なみだでまえがみえないよ」

少女「つぎはなにするの」


少女「あしきるの。うでまげるの。めをえぐるの。」



少女「あたまを…」



人間「キミハ モウソウニ ニゲコンダ ヨワイコダネ」





少女「………」

母「あら、今回は三日で痣なくなったのね。」


少女「おかえりなさい。おかあさん」




少女「………」

みつからない。みつからないよ。





わたしのいばしょ。










どこなの。

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