恭介「Rita?」理樹「うん!」 (20)

理樹は佳奈多と、恭介はあーちゃん先輩と付き合っている設定です。


恭介「まだRitaという名前と曲しか明かされていないアーティストだな」

理樹「そうなんだよ。『Little Busters!』なんていう曲もあって、僕たちにぴったりだと思うんだ!」

恭介「ああ、俺もあの歌声はけっこう好きだ。で、そのRitaがどうしたんだ?」

理樹「それがなんと……この町でライブをするらしいんだよ!」

恭介「なに!?」

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理樹「佳奈多さんが大興奮でさ」

恭介「あの二木が……」

理樹「佳奈多さんはRitaの大ファンだよ。知らなかった?」

恭介(理樹は二木と付き合い始めてから寮会の仕事を手伝うとかで、俺たちと遊ぶ時間が減った。まあ、しょうがないことなんだけどな……)

理樹「恭介?聞いてる?」

恭介「……ああ!聞いてるぞ。Ritaの話だったな。なんでこんな、はっきり言っちゃ大したことない町に?」

理樹「さあ……。それにRitaは顔も明かしていないアーティストだから、こんなところでライブはできないはずなんだけど……」

恭介「で、いつなんだそのライブは?」

理樹「明日だよ」

恭介「すぐじゃないか!」

理樹「それでね恭介。僕は、明日バスターズのみんなとは行動できないんだ。佳奈多さんと一緒に行きたいから。真人や謙吾にも後で伝えておくつもりだよ」

恭介「別にかまわんが……」

理樹「恭介もあーちゃん先輩と一緒に行けばいいじゃないか。恭介だってあんまり彼女にサービスできてないでしょ?」

恭介「うっ!そこを突かれると痛いな……」ギクッ

理樹「じゃあ、そういうことで。恭介、しっかりやるんだよ」

恭介「じゃあな」

恭介(ったく、もうあいつには敵わないぜ)

??「かつてのリーダーが聞いてあきれるわね、棗くん」

恭介「おい、いつから聞いてたんだよ?」

あーちゃん「えっと、直枝くんが『恭介だってあんまり彼女にサービスできてないでしょ?』って言ったところから」

恭介「ぬわぁー!微妙なところから聞いていやがった!」

あーちゃん「にゅふふ。最近彼氏がサービスしてくれなくって。もう直枝くんにのりかえちゃおうかしら」

恭介「そ、その……今までバスターズのほうばっかりに集中してて……、もちろんお前と一緒にいたいと思うこともあった。……とにかく、すまなかった。」

あーちゃん「いいわよ。許してあげる」

恭介「そのお詫びと言ってはなんだが、明日この町でアーティストのRitaのライブがあるらしいんだ。そこに一緒に行かないか?」

あーちゃん「……え?」

あーちゃん「……ごめんなさい。私明日ははずせない用事があって……」

恭介「……それならしょうがないな。またいつか遊びに行こう」

あーちゃん「……うん」

~翌日~

恭介(俺は理樹以外のリトルバスターズのみんなと一緒にRitaのライブ会場に来ていた)

真人「おぉー!ここがライス会場か!」

来ヶ谷「ライブ会場だ。きみは大盛りライスでも食ってひゃっほうとか言っているといい」

謙吾「しかし、ずいぶんな人混みだな」

恭介「Ritaは大人気だからな。さらに素顔が見られるかもしれないといったら、全国から人が集まるだろうな」

クド「わふー!人がたくさんなのです!」

小毬「そうだね~」

鈴「うーみゅ。人がたくさんいるところは苦手だ……」

葉留佳「なんで?楽しいじゃん!」

鈴「はるかはうっさいからな」

葉留佳「鈴ちゃんひど!?」

葉留佳「みおちん助けて~」

美魚「」ジー

葉留佳「みおちんがこわい~」

恭介「ほらほら、あまり羽目をはずしすぎるなよ」

美魚「あ、直枝さんがいました」

恭介(そうやって人混みのなかに指をさす。そこには確かに理樹と二木がいた)

真人「おーい、理……」

鈴「やめろぼけー!」ドカ

真人「へぶし!」

真人「てめー鈴この野郎、なにしやがんだよ!」

鈴「二人の邪魔しちゃダメだ。」

葉留佳「そうですヨ。理樹くんと佳奈多の邪魔していいのは妹の私だけなんですから」

鈴「ふかー!はるかもダメだ!」

クド「そうなのですよ。井ノ原さんも三枝さんもお二人の邪魔しちゃいけませんよ」

恭介(鈴も随分と大人になったもんだ)

恭介(俺も周りを見てみる)

恭介「な!?なぜあいつが……?」

あーちゃん「」スタスタ

恭介(俺が見たほうには、女子寮長であり、今は俺の彼女であるあいつがいた)

小毬「恭介さ~ん、そろそろ始まる時間ですよ~」

恭介「あ、ああ」

恭介(司会がステージに上がった)

司会「レディース、アーンドジェントルマーン」

謙吾「マーン!」

シーン

謙吾「くそ!」

司会「ゴ、ゴホン。それでは、今からRitaのライブを始めます!」

「「ワー!!」」

恭介(周りの観客も一気に歓声をあげる)

司会「まずは、『Alicemagic』!」

恭介(まだRitaは登場していない。ステージ裏にいるのだろうか?)

♪~~♪

恭介(前奏が流れる)

♪~~♪

??「茜色の雲、思い出も二つ遠く流れていくよ~」

恭介(まだRitaは姿を現していない)


~~~~


??「キミは~泣いたあと笑えるはずだからって言ったんだ~」

??「僕らの旅忘れたりしないよ~」

??「なくさないよう魔法かけて、サヨナラを伝えない」

??「歩き出すよまたいつか~」

小毬「私この曲大好きなんだ~」

葉留佳「奇遇ですネ。はるちんも大好きなんですヨ」

司会「続いて、『雨のち晴れ』!」

♪~~♪

??「道端に咲く赤い花びらが雨に染まっていくの今日も~」


~~~~


??「明日は広げた傘に陽のにおい集め、誰かが流した涙を空に帰す~」

美魚「この曲、初めて聞きましたがいいですね。」

クド「わふー!西園さんと同じ気持ちなのです!」

司会「次の曲は、『Song for friends』!」

♪~~♪

??「忘れたままでも、生きていける、それでも~」


~~~~


??「誰がいても、誰もいなくなっても僕は唄うよ~」

来ヶ谷「この曲は私のお気に入りなんだ」

鈴「あたしもなんか、すごくいいと思った」

謙吾「それにしても、Ritaはまだ出てこないのか?」

恭介「ああ、そうらしいな」

恭介(確かに、次で4曲目だぞ?)

司会「次は、『Little Busters!』!」

「「ワー!!」」

恭介(この曲は大人気らしく、周りからの歓声がすごい)

司会「その前に、ついにRitaが登場します。どうぞ!」

恭介(ステージに出てきたのは、なんと……)

あーちゃん「にゅふふ。皆さんこんにちはー!」

「「「オォーーー!!!」」」

佳奈多「あ、あーちゃん先輩!?」

あーちゃん「じゃ、『Little Busters!』いっくよー!」

あーちゃん「っとその前に、今から私と一緒に歌ってもらう人たちにステージにあがってもらいます」

あーちゃん「リトルバスターズの皆さんです!」

恭介「な、なんだとーー!!」

あーちゃん「さ、棗くん。そこにいるのはわかってるわよー」

恭介(まさか、Ritaの正体があいつだったなんて……しかも俺たちと一緒に歌うだって!?信じられないぜ……)

恭介「さあ、お前たち。行くぞ」

真人「おう!」

鈴「あたしはゴメンだぞ!あんなたくさんの人に見られるステージで歌うなんて、無理だ!」

小毬「鈴ちゃん。みんな一緒に歌いましょ~!」

鈴「う~」

鈴「しょうがない。小毬ちゃんが言うなら……」

恭介「理樹、お前たちもだ」

理樹「だって、佳奈多さん。行こう!」

佳奈多「なに!?私もなの!?」

理樹「いいですよね、あーちゃん先輩?」

あーちゃん「当たり前よ。かなちゃんがダメなわけないじゃない」

佳奈多「……わかりました。行きます」

あーちゃん「さ、みんなあがったわね。じゃあいくわよ、『Little Busters!』!」

♪~~♪

「「一人が辛いから二つの手を繋いだ」」

「「二人じゃ寂しいから輪になって手を繋いだ~」」


~~~~


「「高く飛べ、高く空へ、高く蹴れ、高く声をあげー!」」

「「いつか挫けたその日の向こうまで」」

「「君の声忘れない、涙も忘れない」」

「「これから始まる希望という名の未来を、その足は歩き出す、やがて来る過酷も、乗り越えてくれるよ、信じさせてくれるよーー!!」」

あーちゃん「リトルバスターズのみんな、ありがとう!」

あーちゃん「お疲れ様。もうステージ降りていいわよ」

恭介「」スタスタ

あーちゃん「あ、棗くんはダメ!」

恭介「は!?おいおい、なんでだよ?」

あーちゃん「棗くんはもう一曲私と歌ってもらいます。もちろん拒否権ナシね!」

恭介「……たく、分かったよ」

あーちゃん「今日は次で最後の曲です!」

「「「ワーーー!!!!」」」

恭介(すごい歓声が沸き上がる。ってか俺が歌える曲なんだろうな?)

あーちゃん「『Little Busters!-Little Jumper ver.-』!」

♪~~♪

「「一人が辛いから二つの手を繋いだ」」

「「二人じゃ寂しいから輪になって手を繋いだ~」」

「「ジャンパー、準備はもういいかい~」」

「「さあ幾千の星に今飲み込まれていくんだ」」

「「高く飛べ、高く空へ、高く蹴れ、高く声をあげー!」」

「「いつか挫けたその日はもう遠く~」」

「「君の声すぐ近く、涙もすぐ近く」」

「「これから始まる希望という名の未来を、その足は歩き出す、さらなる未来へとー!」」

「「みんなで作った輪は大きくなりすぎて、時には君がどこにいるのかも分からなくなって」」

「「そっと、誰かがくれた優しい言葉が君のものだと教えてくれたんだ~」」

「「腕をかき、風を切れ、前を向き、涙がにじむほどに真っ直ぐこの空を駆け抜けろ~」」

「「君は一人、僕で二人、いつしか『僕たち』になって~」」

「「この輪で次のジャンプを目指すんだ~」」

「「その足が震えても、僕らが連れてくよ~」」

「「僕らみんな同じ夢を見てた~」」

「「過ぎ去る1ページの、ここからは1冊しか持っていけないよ」」

「「それでよかったのかい?」」

「「胸には強さを、気高き強さを」」

「「頬には涙を、一滴の涙を」」

「「高く飛べ、高く空へ、高く蹴れ、高く声をあげー!」」

「「いつか挫けたその日はもう遠く~」」

「「君の声、すぐ近く、涙もすぐ近く」」

「「これから始まる希望という名の未来を、その足は歩き出す、いつか来る過酷も、乗り越えてくれるよ、忘れるわけないよーーー!!!」」

「「「「ワーーーー!!!!」」」」

恭介(会場中が観客の歓声に包まれる)

あーちゃん「今日は本当にありがとうございました!」


~ライブ終了後~


佳奈多「まさかあーちゃん先輩がRitaさんだったなんて」

あーちゃん「ごめんねかなちゃん。隠しておくつもりはなかったんだけど、聞かれなかったから」

佳奈多「そんなこと聞くわけないじゃないですか!」

佳奈多「それとよかったらなんですけど……後でサインください!ずっとファンでした!」

あーちゃん「あら、いいわよ。いつもかなちゃんにはお世話になってるから」

葉留佳「よかったねお姉ちゃん」

佳奈多「ええ、それはもう。……大興奮よ」

美魚「それよりも、私たちなんかがステージにあがって、大丈夫だったんですか?」

あーちゃん「まあ、なんとかなるでしょ!」

美魚「……はあ」

あーちゃん「じゃ、直枝くんとかなちゃんは二人で先に帰ったら?」

理樹「……ほら、行こう佳奈多さん!みんなもお休みなさい」スタスタ

鈴「また明日」

来ヶ谷「じゃあ、私たちも帰ろうか。二人の邪魔をするのは悪い」

恭介「そんなこと言って後ろから尾行したりしないだろうな?」

来ヶ谷「フッ、さすがの私もそんなことはせんよ。では恭介氏、また明日」スタスタ

恭介「ああ」

あーちゃん「……さて、みんな行ったみたいね」

恭介「驚いたぜ、お前がRitaだったなんてな」

あーちゃん「そうでしょ?言ってないもの」

恭介「……」

あーちゃん「……」

恭・あ「なあ(ねえ)」

恭・あ「!」

あーちゃん「先にどうぞ?」

恭介「ああ。俺は、お前が女子寮長だろうとRitaだろうと変わらないと思ってる。というか、寮長のお前もRitaのお前も全部好きだ!」

恭介「さっき、お前が歌ってる姿を隣で見て、すっげえキラキラしてた。本当に楽しそうだった。俺なんかじゃお前とは釣り合わないかもしれない。それでも俺は、お前のことが好きだ!その気持ちだけは絶対に変わらないと誓おう」

あーちゃん「!」

恭介「それが言いたかった。今度はお前の番だ」

あーちゃん「私には自信がなかったの。Ritaとしてそれなりに頑張ってきたつもりだったけど」

あーちゃん「私、棗くんとは釣り合わないって思ってた。棗くんは、何をするにも楽しそうで、リトルバスターズだけじゃなくてクラスのリーダー。一方私はただの女子寮長、おばさんみたいだし。私は棗くんに憧れてた。そんな棗くんと付き合えて夢みたいだった」

あーちゃん「あの曲……『Little Busters!』あるじゃない?あの歌、棗くんたちからひらめいた曲なの。『Little Busters-Little Jumper ver.-』はそれまでの弱い私との決別の歌」

あーちゃん「あなたと二人で歌いたかった。二人で歌えて本当に嬉しかった。それと、さっきの言葉も。ありがとう、これからもよろしくね」

恭介「ああ」

あーちゃん「あなた、Ritaの彼氏なんだから、しっかりしないとファンに怒られるわよ?特にかなちゃんに」

恭介「ふふ、そうだな」

恭介「そうだ!今度生歌聞かせてくれよ。さっきは俺も一緒に歌ってたからあんまり聞けなかったんだよな」

あーちゃん「分かったわ棗くん……いや恭介!」

恭介「おう!」


~終わり~
(始まり)

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