八幡「雪ノ下に渡して欲しいもの?」 (20)

陽乃「うん♪」

八幡「自分で渡せばいいじゃないですか?」

陽乃「それと中身は絶対に見ちゃダメだよ?見たらその腐った目が視力を失うかもね♪」

八幡(笑顔で何言ってるの…)

八幡「何か怖いのでお断りします…」

陽乃「じゃあ、私が合成した音声を雪乃ちゃんに聞かせようかなぁ?」

八幡「何ですかそれ…それに盗聴は犯罪ですよ?」

陽乃「ピッ」

俺は雪ノ下のことがずっと前から好きなんですよ…ここだけの話しですよ…

八幡「な、何ですか…この音声は?何時こんなもの作ったんですか?」

陽乃「これを由比ヶ浜ちゃんに聞かせたらきっとあの子は奉仕部からいなくなるだろうね~」

八幡「流石にそういう冗談は言わないで貰えますかね?少しイラっと来るので」

陽乃「それだけこっちも本気ってことだよ?分かってくれるよね?」

八幡「分かりましたよ…これを雪ノ下に渡せばいいだけですよね?中身を確認せずに」

陽乃「うん♪簡単でしょ?」



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八幡(何故か緊張してきた…それにこの洒落た箱ブランド品か何かか?陽乃さんに頼まれたって言って渡して早く終わらせよう。)

雪乃「あらゴキ谷くん、来てしまったのね。」

八幡「人をソニー信者みたいに言うのやめてくれない?俺は偏った企業信者ないんだけど。」

雪乃「偏っているのは貴方の思考とその腐った目だったわよね。」

八幡「相変わらず、酷い罵倒だな。お前は俺のことを見たら罵倒しないといけない病気なの?」

雪乃「あら?私みたいな美少女に罵倒されるなんてドMの貴方にとってはご褒美でしょう?」

八幡「んまぁ…そんなことより渡したいものがあるんだ…ほらこれ…陽乃さんから頼まれて。多分遅れた誕生日プレゼントだと思うぞ?時期的に」

雪乃「姉さんが…?おかしいわね。姉からはもう誕生日プレゼントは貰ったわよ?」

八幡「まぁ嫌な予感しかしないわ。」

雪乃「こ、これは…」

八幡「どうした?」

雪乃「私の名前入りの指輪ね…しかも小さな紙が入っているわね…結婚してください。比企谷八幡…」

八幡「やっぱり…そういうことだったか…あのな雪ノ下、これは陽乃さんから渡せと言われただけでな…別に俺が渡したわけじゃ。」

雪乃「き、気が早いわよ?私たちまだ付き合ってもいないのにプロポーズだなんて…」

八幡「だから違うんだって…陽乃さんに仕組まれただけだ。」

雪乃「そういえば昨日姉さんが比企谷くんから何かを相談されたって言っていたけれど、こういう事だったのね?流石、比企谷くんね。結婚をするとなると当然、母や父も出てくるから姉さんを味方につけておこうという作戦ね。」

八幡「話しが飛躍しすぎて取り返しがつかなくなりそうで怖い…」

雪乃「比企谷くん…貴方のプロポーズ受けるわ。実は私も前から貴方の事が好きだったのよ?初恋が成就するなんてドラマの世界みたいね。」

八幡「誤解はよしてくれ…本当に陽乃さんが仕組んでいるだけなんだ…」

雪乃「照れて誤魔化さなくていいのよ?確かに貴方は口では言えなそうだからメッセージでプロポーズするのは貴方らしくて私は好きよ?」

結衣「や、やっはろー…二人は結婚するんだね…おめでとう…今更遅いけど、私もヒッキーの事好きだった。」

八幡「由比ヶ浜、これは陽乃さんが仕組んだだけで、俺は別に雪ノ下の事を好きでも何でもないんだ。」

雪乃「比企谷くん…冗談でもそういう事言われると妻としては傷つくものよ?照れ隠しも分かるけれど程々にね。」

結衣「二人は凄いお似合いだと思うよ!し、心配しないでね!ヒッキーの彼女になれないならヒッキーの親友になるから!」

雪乃「由比ヶ浜さん…貴方には一番そばで私のウエディングドレス姿を見て欲しいのだけれど、結婚式来てくれるかしら?」

結衣「勿論行くよ!隼人くんとか優美子とかも呼んでいいかな?」

雪乃「葉山くんは言わなくても来ると思うわ。それに一生に一度の結婚式だから盛大にやりたいわね!」

小町「えええええ!お兄ちゃん結婚するの!?」

八幡「成り行きでな…」
(あの雪ノ下の幸せそうな顔を見たら、もう仕組まれた事だなんて言えないな。俺といることでそんなに幸せだと言ってくれるならそれでいいだろう。)

小町「しかも雪乃さんと!?でも子供はまだ作っちゃダメだよ?二人共大学行くんだろうし。」

雪乃「小町さん…いえ小町ちゃん、これからはそ、そのお姉ちゃんと呼んでくれると嬉しいのだけれど。」

八幡「お前そんなこと言うキャラだったっけ?キャラ崩壊激しいよ?」

小町「勿論ですよ!お姉ちゃん!」

雪乃「良かったわ。小町ちゃんに結婚することを認めて貰えて。」

その後、陽乃さんの助けもあって雪ノ下の両親を説得して貰った。大学を卒業するまでは俺の実家で住むことを条件に認めてくれた。
そして結婚式前夜

雪乃「貴方には言っておかなければならないことがあるわ。」

八幡「なんだ?」

雪乃「実は気づいていたの…貴方からのプレゼントじゃないってことは…」

八幡「そうか…」

雪乃「えぇ…それに貴方が私と由比ヶ浜さんへの感情で迷っていたことも憶測だけれど思っていたわ。」

八幡「まぁそれは否定出来んな。」



雪乃「ここまで盛大な結婚式の準備をしておいて言うのもおかしいけれど…嫌だったら断っていいわよ?」

八幡「…」

雪乃「それに知ってのとおり、私の家族と付き合うのは相当大変よ?今ならまだ…」

八幡「お前、何か勘違いしてないか?」

雪乃「えっ?」

八幡「嫌だったら前みたいなやり方でお前や陽乃さんとの関係をぶっ壊してるよ。俺から言えるのはそれだけだ。」

雪乃「後悔はないのね?」

八幡「正直、俺の方が不安だよ。お前みたいな胸以外は完璧な超絶美女と結婚するなんてな。」

雪乃「今、何と言ったかしら?それに私の恋は初恋で終わったから今後誰かを恋することはないわよ?」

八幡「だがこれだけは忘れないで欲しい。お前を守るためだったら俺は自己犠牲だって汚いやり方だってするからな?」

雪乃「えぇ…でも私も貴方を傷つける人間がいたら如何なる手段を使って徹底的に排除するわ。」

八幡「お前が言うと冗談に聞こえなくて怖いわ。」

雪乃「あら?私は虚言は吐かないわよ?」

八幡「そうだったな…」

雪乃「あと浮気だけは許さないわよ?貴方はモテるのだから…」

5年後

八幡「ここが俺たちのマイホームか…といってもマンションだがな…」

雪乃「私は貴方の実家で暮らしていても良かったのだけれど…」

八幡「いやっ、俺は決めたんだ。誰の力も借りずに雪乃を幸せにするってな…」

雪乃「貴方らしいわね。でもこれで遠慮することなく出来るわね?」

八幡「出来るって…何を…?」

雪乃「女の私に言わせるのかしら?」

八幡「雪乃!危ない!」

八幡「雪乃!しっかりしろ!」

???「その指輪、渡して貰おうか?」

八幡「お前たち…一体何だ?」

???「安心しろ。雪ノ下雪乃に撃ったのはゴム弾だ。命は奪っていない。」

八幡「この指輪を渡せば…お前らは大人しく帰るのか?」

???「あぁ…この指輪には国を揺るがす程の価値があるからな…」

雪乃「嫌よ…この指輪は渡さないわよ!大事な婚約指輪なのよ!」

八幡「ダメだ!渡さないとここで殺されるぞ…」

???「そうか…じゃあ二人まとめて死んでもらおうか!」

バンバン

???「うっ!」

結衣「ヒッキー!ゆきのん!早く車に乗って!」

八幡「由比ヶ浜…どうしてここに!?」

結衣「くわしいことは車で説明するから!」

八幡「雪乃、歩けるか?」

雪乃「えっええ…大丈夫よ。」

都内某所

葉山「陽乃さん!何であんな危険なものをあいつに渡したんですか?」

陽乃「本当は分かってるんでしょ?私はあとは計画通りに動くから、刑事として二人を助けてあげてね?それとプロポーズへの答えはみんなが生き残ったら受けてあげる♪」

葉山「でも…貴方の計画は危険過ぎる…間違いなく貴方は…」

陽乃「私、一人が命を落とすだけで国を救えるならそれでいいよ♪」

葉山「何でこうなってしまったんだ…」

八幡「はっ!?雪乃の指輪には国家機密が500個近くあるってのか?」

結衣「うん。だから私たちはその指輪を総理大臣に渡して、国家機密を永久に封印するまでは狙われ続けると思う。」

八幡「なら…こいつをさっさと総理大臣に渡しちまおうぜ…でも今、総理大臣は休養中だったよな?」

結衣「その事なんだけど、実は総理は今行方不明なの…だからその指輪を渡そうにも渡せないんだぁ。」

雪乃「どっちにしろ、この指輪は渡すつもりはないわよ?私にとって大事な婚約指輪なのだから!」

八幡「雪乃、新しい指輪なら買ってやる。だからその指輪を渡そう…じゃないと俺たちは何時までも危険だ…」

雪乃「嫌よ!例え貴方の頼みでも聞けないわ!」

結衣(これもあの人の計算通りかなぁ…)

八幡「なぁ由比ヶ浜、お前って確かアパレル関係に就職したんだよな?じゃあ何でこんな事してるんだ?」

結衣「それは表向きだよ。詳しくは言えないけど、私は今、政府の地下組織に所属してるの。」

八幡「政府の地下組織?そんなものが存在するとは…漫画の世界だけかと思ってた。」

結衣「それと二人共、念の為にこれ持っておいて。私が24時間体制で二人の事は守るけど、念の為にね。」

八幡「拳銃と警棒か…っていうかお前に俺たち二人を守れるの?」

結衣「すんごい訓練したんだからね!空手と柔道は極めたよ!」



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月12日 (火) 04:37:42   ID: hQR2GpvE

なんだこれ

2 :  SS好きの774さん   2016年01月12日 (火) 09:34:18   ID: VrQGpqVW

急展開でワロタ

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